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念願だった退職後の生活。 どう過ごしていくか暗中模索の日々で、 思いついた事をつらつら記していく
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第26話 地震とゴキブリ
ある休日の朝、平助が身もだえしている。インディアンの踊りのような奇妙な動作の場面に、偶然のタイミングでアパートのドアを開けたカエデ。驚いた平助は動作の一瞬の場面のまま固まり、カエデの方へ振り向く。見つめ合うふたり・・・・。って違うだろ!「何やってんの?」「な、な、何って・・・・、ノックもせずいきなり入ってくんな!」「頭おかしくなった?元々おかしいけど。」「だから!ノックぐらいしろ!って言ってるだろ!」その抗議を無視し、「その奇妙な平助踊りは一体何?世を儚はかなんで救済を求める踊り?でも平助の日頃の行状じゃ、神様も助けてくれないでしょ。うぅん、残念な平助。」「勝手に人を残念がるな!今は別に神様に助けを求めている訳じゃないし。」ここで平助はハタと思い出した。朝寝坊し微睡まどろんでいるとパジャマの首の袖から何か...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第26話地震とゴキブリ
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第25話 第三秘書 エリカ
ネット内閣組織に副大臣や副長官という『副』とつくポストは基本無い。それは旧組織のようなお飾りのポストで、議員たちの出世欲や名誉欲を満たす必要が無いためである。議員当選一回目だの二回目、三回目だのという選挙の度に生まれる長期にわたる特権制を廃し、一律任期一年限り、一度だけポストを経験すれば充分だからという理由もあるから。但し例外もある。ある一定の部署に業務が輻輳ふくそうする事が予想される場合や、新設の業務を省内に設ける場合などがこれにあたる。そんな時どうするか?急な業務増に大臣ひとりでは対応できない場合などに、副大臣や副長官を設けるような仕組みを作っているのだ。だがネット政府応募組の人員はそれぞれ決まっていて、1年の養成期間を要する。だから急な補充に対応し、宛てられるのが公設秘書たちである。秘書というが、政...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第25話第三秘書エリカ
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第24話 生成 AI
ネット政変以前に政権を担っていたある人物の談話がテレビ番組に登場。「減税?やってみろ!って感じですかね。大体この方、国を舵取りする経験もキャリアも無いし、首相になる志こころざしとか持ってんですかね?確固たる信念のない人が首相になったら、この国の将来は終わりですよ。ハハハハハ!」どの口で言う?テレビ画面の向こうで、昔懐かしいオジサンの顔。平助が首相に就任した際の、増税メガネの談話であった。政変以前の政界は、議員も高級官僚も二世・三世でなければその地位に就く事は不可能。それは目に見えない身分制度であり、『武士でなければ人でない』に等しい階級の断絶であった。そして不可思議なことに国民はその事実に関心を持たず、全く問題だと思っていない。それは身分制度だけではなく、どれだけ増税されても、購買力が低下し貧困が増しても...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第24話生成AI
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第23話 危険な賭け
コロナ明け以降、日本は空前のインバウンド効果で沸き上がり、地方観光地の景気を左右するほどに成長した。何処に行っても外国人を多く見かけるようになり、微笑ましい光景や、拙いながらも身振り手振りを交えたコミュニケーションなどで交流する場面も珍しくなくない。だがそんな現象に漠然とした不安を訴える者も多い。右肩上がりの外国人の増加は、たとえ個々の観光客が短期滞在だったとしても、治安や環境の悪化を招く事例が増えるから。事実、外国人の集団がバカ騒ぎして警察沙汰になったり、大型商業施設に於いてトイレ以外の一般共用施設の場所にて、堂々と大便をする様な信じられない程モラルが欠如した観光客が多数見られたりと、問題行動を起こす者がインバウンドの増加に比例した。ネット政治掲示板にてその問題が提起されると、瞬く間に多数の意見がだされ...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第23話危険な賭け
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第22話 ネガティブキャンペーン
官邸管理人と掃除のおばちゃん日帰り合同慰安バスツアーがあった一月後、マスコミによって批判記事キャンペーンが張られた。曰く、【公費を使って管理人や掃除人まで豪華旅行三昧】という見出しで平助内閣を攻撃するもの。税金を何だと思っている!旅行ぐらい自分の金で行け!平助内閣は自分の身近な者にも諂へつらい、人気取りのばら撒きか!官邸・公邸の私物化!などである。批判したマスコミのバックに、旧体制の巻き返し派が存在していたのは明らかであった。重箱の隅をつつくまさに彼らの揚げ足取りの典型的な手段である。その記事が登場した途端、真に受けた国民が反応し、内閣支持率がいきなり10ポイント以上下落した。だが平助はこの件で弁明しようと思わない。言いたい奴に言わせておけ。どうせ一年限り、短期間の任期だし、自分が弁明する必要のある案件は...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第22話ネガティブキャンペーン
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第21話 三郎の影響と、鯖江の異彩を放つ経済政策
官邸管理人新井三郎の死は、関係各位の胸に深く刻まれた。単なる職場の仲間としてだけではなく、この国の根深い老人問題として。彼を思い起こすとき、常に笑顔で接してくれる柔和な人柄。彼から気軽に挨拶してくれるが、決して多弁なお節介ではない。聞き上手な好々爺として、誰からも好かれる好印象を持つ存在であった。だが同時に、彼には現代の老人問題と表裏一体の影をもつ。貧困や孤立。彼はそこから救われた筈だが、本当に救えたと云えるのか?通り一遍の制度の中に組み込めば、それで良しなのか?彼を知る関係者たちは敢えて言葉にしないけど、心のどこかでそう感じていた。当然その後の高齢者政策に大きな影響を与えたのは間違いない。老齢年金やそれだけでは生活資金が不足する人々に対する給付金。そもそもその制度を受けられない人々。彼らに残った受け皿が...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第21話三郎の影響と、鯖江の異彩を放つ経済政策
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第20話 管理人 新井三郎
首相公邸と官邸には9時から17時までネット政変初代内閣以降、管理人が存在する。それまでは厳重な警備員がセキュリティーを担い、来訪者たちの受付も厳しいチェックを受けて来館するのが通常だった。政変以降もセキュリティー・システムが厳重なのはそれほど変わらないが、駅の改札のような自動入退館(改札)機が導入され、事前に承認済みの者だけに配布されたセキュリティーカードをかざし、入退館するように変更されている。その数機ある入退館改札機の壁の隅に小さな簡易管理室が設置されており、初老の管理人がニコニコ顔で立っている。管理人は一日二交代制で、午前ひとり、午後ひとりの勤務である。と云っても、別段何か重大な責務を負う職種ではない。来訪者と云えば政府高官や海外の賓客など、それぞれの側近たちが仕切るし、一般見学者たちも先導する専従...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第20話管理人新井三郎
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第19話 『プラン・シェア40』
ある日のぶらさがり記者会見で、平助が景気の良い打ち上げ花火を上げた。それは今後の政策活動指針としての具体的目標をスローガン化したものである。その名は『プラン・シェア40』確かにネット政府は国民アンケートで今後の重点取り組み目標策定に当たっての国民の要望調査発表をしている。平助内閣はその流れに沿って具体的活動方針を明文化し、国民に示す事は職務の範疇から逸れてはいない。だがその内容は、具体的目標値として職務を超え、踏み込み過ぎている。しかもその内容は、第四代平助内閣の任期一年で完結できる内容とは言えない、壮大な取り組み方針であった。マスコミはこの派手な打ち上げ花火に素早く反応、真意を問う取材合戦が始まった。そもそも『プラン・シェア40』とは何ぞや?分かり易く云うと日本がかつて得意とし、日本経済を牽引していた産...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第19話『プラン・シェア40』
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第18話 鯖江《さばえ》の呪い?え?それって超能力(?)
財務省主計局長佐藤鯖江さばえは日銀総裁相原権蔵と折り合いが悪い。と云っても表立って大きな対立や大太刀廻おおだちまわりがあった訳ではない。お互い畑違いからくる立場や考え方に、埋うめるのが不可能なほど住む世界が違うから仕方ないのだ。相原総裁はネット政変後もキャリア組で生き残る数少ない存在であり、有事の際の【影の内閣シャドーキャビネット】から切り離された要職であった。日銀総裁という立場はネット政変以降権限が大幅に縮小されたが、今も尚、金融市場をコントロールするキーマンとして機能している。そのため高度な専門知識と洞察力を要求され、公募組の素人集団に決断を任せるには時期尚早と判断されているのだ。それに加え、日銀総裁という立場は重要なポストな割には、生臭い利権や私利私欲の野心を満たす要素が希薄な役職である。そういった...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第18話鯖江《さばえ》の呪い?え?それって超能力(?)
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】 第17話 おふくろの味
重ねて言うが、ネット政変以降、第一公募世代から第4公募世代に至るまでの仕事は、インターネット国民アンケート機構で決定された案件を条文化し、公布・執行する事。だからその国民の意思を着実に遂行するため、あくまでも一切のエリート意識を排除した信頼のおける愚直で誠実な庶民でなければならない。その中に個人的私利私欲な野心は、微塵も紛れ込ませてはならないのだ。一般社会のスーパーやコンビニの店員、飲食店の店員が誠実な接客に徹し、お釣りや売上げ金を責任を持って一円の間違いもなくチェックし管理するのが当り前のように、ネットで任命された行政執行者には、国家予算や行政の隅々に至るまで、正直で誠実な仕事が求められる。『平和・平等・誰もが安心して暮らせる社会』の崇高な理念の下、平助たちは奮闘していた。平助たち全メンバーのデスクとモ...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第17話おふくろの味
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第16話 対中国家総動員と井口外相
インド国会での演説を終え帰国した平助の国政活動は,、多忙を極めた。帰国後直ぐに通常国会が開かれたのだ。国会と云っても、その役割別に『特別国会』『通常国会』『臨時国会』がある。その首相指名後行われる『特別国会』で所信表明演説を行った平助や新閣僚・官僚の活動が始動してから、彼らは鬼のような動きを見せる。国会と言えば旧国会では野党の追及、与党の攻防戦の印象が強いかもしれないが、ネット政変・憲法改正後の今では、各委員会、国会本会議の審議の場での争いは起きない。そもそも立法府などの政府機関では、スキャンダルやミスを追及したり、責任ある言質げんちの揚げ足をとる場ではない。現在ではネット政変以前の旧与党・野党の概念で運営されてはいないのだ。非生産的な与野党の争いからは、何も生まれない。だから不祥事やスキャンダルの追求は...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第16話対中国家総動員と井口外相
ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第15話 パンデミックと宴会
2019年、中国武漢を震源に、全世界に激震が走った。パンデミックの始まりである。人々は接触を禁じられ、話すことも出歩くことも仕事をすることもできない、孤立無援の生活を強いられた。歴史を紐解くと、過去に幾度もパンデミックは発生している。しかし直近の発生でも約100年前のスペイン風邪だったので、現在生きている人類にとってはほぼ初めての経験と言えた。世界経済は大打撃を受け、ワクチンの争奪戦が始まったのは記憶に新しい。感染による死者の増加、営業活動ができないが故の企業倒産、実質的なロックダウン状態が社会全体を隔離し、孤立した。そうして人々の心は病み、うつ病若しくはそれに準じた症状が蔓延する。その時マスコミでは報じられない数多くの悲劇が生じ、その爪痕はパンデミックの喪が明けても消えなかった。カエデの父はこの時の感染...ママチャリ総理大臣~時給1800円~【改】第15話パンデミックと宴会
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『被差別部落被差別部落被差別部落』gooblog運営さんへ怒りを以て告発します!浅はかな『不都合なワード』削除の弾圧(奇妙な果実〜鉄道ヲタクの事件記録〜第12話「近衛文麿内閣』の文章中、近衛文麿のブレーンのひとり、『被差別部落出身学者』の人物背景紹介が引っかかったらしい)という事は、この記事も不都合なワード削除の対象ですよね?どうぞ、どうぞ!削除してください。私は敢えて故意にこの記事をUPしました。意図や趣旨を吟味しない軽薄な運営当局に正直(嫌気がさし)抗議し、今後の投稿は一切いたしません。(全く同様の内容を『小説家になろう』に投稿していますが、こちらは現時点で削除されていません。言葉の意図を吟味する(できる)サイトと、その能力や主張・思想を応援する理念・運営姿勢が欠落しているサイトの差を見せつけられたの...『放送禁止歌』です。被差別部落の悲劇を歌った歌です。
1945年8月広島と長崎に原子爆弾投下。次いでソ連が日本に宣戦布告。この事態を受け、ついに日本はポツダム宣言を受託。連合国に降伏した。その頃秀則東京鉄道局長の立場であり、日本の鉄道は膨張し続けていた。戦後の利用客の増加もさることながら、旧陸軍・海軍の施設や病院などを鉄道施設として編入、大陸や半島からの引揚者や復員兵を大量に受け入れ、戦前の職員数約20万人から60万人にまで膨れあがっていた。駅舎・関連施設の戦災による補修などの経費がかさみ、経営は赤字状態であった。つまり国策である鉄道局は戦後処理の一翼を担わされ、好むと好まざるとに関わらず、無駄に肥大化せざるを得なかったのである。戦後の困ったことは何でも生き受ける鉄道局、『何でも屋』としての性格を帯びていた。そのせいで赤字財政も肥大化。1948年秀則が運輸次...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録~最終回事件
1945年長男秀彦はこの春中学校を卒業、高校に進学するはずであったが、東京は空襲で焼け野原。校舎はどこも授業を再開できる状態ではない。この時実家の様子もどうなっているか分からない。止む無く疎開先の長野で、現地の高校に入学した。だが地元民でもない疎開者が、現地の高校に腰掛で入学して良いのか?いや、自分は焼け野原と化した東京に戻り、一刻も早く復興に寄与すべき?そうした未来を見通せない不安や焦りの中、悶々としていた。本当は疎開なんかしたくはなかった。だがお嬢様育ちの母一人に弟たちを任せる訳にはいかない。父に代わって自分が疎開先の一家を守らなければならないとの使命感が、長男である自分を奮い立たせていた。僕は父からの連絡をひたすら待っていた。「もう大丈夫だから、東京の家に戻ってこい。」との手紙を。一年や二年、学校に...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録~第16話GHQ
はじめに第12話『近衛文麿首相』が公開停止になっています。これはGooblog編集当局から『現在この記事は公開を停止させていただいております。この記事の投稿は以下の行為に該当しまたは該当する恐れがあり(詳しくは「gooブログサービス」利用規約第11条をご確認下さい)、又はこの記事に対してプロバイダ責任制限法等の関連法令の適用がなされています。【理由1】差別表現などの不適切な表現一部のお客様には、「ブログIDの連絡先メールアドレス」または「gooメールアドレス宛」にgoo事務局からお知らせをお送りしている場合がございますので、併せてご確認をお願いします。』とのメッセージ(通知)が届いたからです。ですが私はこの回を改めて読み返して見ても、どの箇所が『差別表現などの不適切な表現』なのか判断できません。全くの青天...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録~第15話空襲
「日本人、死なないで欲しい」アフリカから全身全霊で訴える理由「世界はとても広い。アフリカに来い」(withnews)「日本人、死なないで欲しい」アフリカから全身全霊で訴える理由「世界はとても広い。アフリカに来い」(withnews)-Yahoo!ニュース昨年11月、X(旧Twitter)で、泥だらけのバケツの上に置かれたノートの画像が筆者の目にとまりました。ノートには、黒のマジックペンで、こう書かれていました。《日本人、...「日本人、死なないで欲しい」アフリカから全身全霊で訴える理由「世界はとても広い。アフリカに来い」(withnews)-Yahoo!ニュース奇妙な果実〜鉄道ヲタクの事件記録〜第15話の前にどうしても紹介したい記事を見つけたので共有し、紹介させていただきます。(第15話は明後日、今度の日...自殺を考えている全ての日本人へ〜カメルーンからのメッセージ〜
秀則が企画院専任になるのと同時期、第二次企画院事件と言われた『高等官グループ事件』が起きる。1938年の判任官グループ事件での『判任官』とは、秀則の『技師』の上位の官職等級であり、『高等官』は更に上位の官職である。調査官及び元調査官である高等官が治安維持法違反容疑で逮捕され、検挙者17名を出したのだ。『高等官』の任免には天皇の裁可を要し、その高等官を逮捕するという事は、天皇の裁可に異を唱えるのと同様の恐れ多い処断であったと云える。それ程財閥・商工省と内閣直属の企画院の権力争いは熾烈しれつを極め、食うか食われるかの権力闘争であった。企画院は軍部(主に陸軍)の(実務上の必要性から)全面的なバックアップを受け、この時点では何とか生き延びる事が出来た。但しこの事件以降、企画院の主導権は軍部が握る。その後、戦争激化...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録~第14話太平洋戦争
1938年(昭和13)5月、戦時統制を目的とした『国家総動員法』が施行される。この法律により、日中戦争総力戦のため、政府が国家に於ける全ての人的・物的資源を統制運用する旨が規定された。これは日中戦争早期講和失敗により、泥沼化・長期化する事となった事態に対応する施策である。近衛首相は「この戦争、俺のせいか?」との思いも強く、自身の持つ社会主義思想を実践に活かす、いわばやけくそ的推進の部分も見られる。後に(戦後)この法律が治安維持法と並ぶ天下の悪法としての代名詞を冠される事となったが、これは戦争遂行を何としても維持しなければならない(おっ始めたからには絶対に負ける訳にはいかない使命と責任を負った)軍部と、企画院首脳の思惑が一致した施策であった。企画院首脳の思惑?実は企画院、東京帝大卒業後、京都帝大に進学して以...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録~第13話企画院事件
1937年(昭和12)企画院が発足した年は日独防共協定に伊が加わり、大本営が戦時下以外にも設置される大本営令が発布され、日本が日中戦争に突入した年でもある。時の首相は近衛文麿。6月4日に第1次近衛内閣を組織、首相就任時の年齢は45歳7か月、初代首相・伊藤博文に次ぐ史上2番目の若さであった。彼は言わずと知れた千年前から続く藤原五摂家筆頭近衛家の出である。影山秀則が企画院技師兼任として近衛内閣の中枢機関に関われたのは、単に順当なキャリア故ゆえだけではない。近衛文麿という人物の思想や人格が、秀則のような人材を引き寄せたともいえる。どういう事か?それを説明するには、近衛文麿の生い立ちに触れなければならない。1891年(明治24)10月12日近衛篤麿公爵、旧加賀藩主前田慶寧侯爵の五女・衍子の間に、東京市麹町区(現:...奇妙な果実〜鉄道ヲタクの事件記録〜第12話近衛文麿首相
秀則一家が家族旅行から一週間ぶりに帰る。おアキさんにお土産を持参して。「ただいま、おアキさん。留守中変わりはありませんでしたか?」「旦那様、奥様、お帰りなさいませ。特に何もございませんでした。お帰りになられるこの瞬間までは。」帰ってくるなり騒々しい秀彦と早次を見て、ため息交じりにそう言った。「ねぇねぇ、おアキさん!海ってね、とっても大きいんだよ!海の向こうはね、また海で、そのまた向こうもまだまだ海なんだ!そのずーと向こうには雲がモクモクってこ~んなに広がっているんだ!ね、凄いでしょ?ほんでもって、大っきな波がザッバーンって何度も何度もやって来るんだよ!ボクは『ワ~!』って慌てて逃げても、凄っごい速さで追いかけてくるんだ。おアキさんにもみせたかったなぁ~!あ!そうだ!これこれ!」そう言ってリュックの中から四...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録~第11話島村の愚痴
ホンダやトヨタの不正問題の本当の原因は「あの人物」だということをご存知ですか?【ゆっくり解説】サムネイルと具体的内容には齟齬があるというか、完全に別内容であり、意図的な釣り釣りタイトルである。本当の内容に即したタイトルは、動画サムネ下部にある大文字部分「ホンダやトヨタの不正問題の本当の原因は「あの人物」だということをご存知ですか?【ゆっくり解説】』である。だが制作者が敢えて釣り釣りタイトルにしたのは、何某かの事情があるのだろう。つまりYouTube運営が当局に忖度し、弾圧によるアカウント規制を回避したとか?この動画で取り上げている自動車業界と監督省庁の問題が、如何に国民に対し不利益を与えているかを訴えている問題回であるから。動画内で主張している内容は、実はそっくり財務省や他の行政機関・省庁にも当てはまる。...サムネと内容は全く違うよ。でもね、言いたい事はここに紹介するに値すると思います。
秀則が視察で海外に出発したのは、2.26事件で軍部が実権を握る暗い世相の始まりの頃だった。世界恐慌の混乱からいち早く脱した日本(といっても好景気を迎えられた訳ではない。庶民の生活は貧しいままで、国家経営がどん底から這い上がったというだけ。)しかしその一番の功労者である高橋是清がクーデターの犠牲になるなど、アメリカの人種差別の批判などしている場合ではない程の、政治の世界に理不尽な暴力がまかり通っていた。結果、軍の要求は即ち国家の施策となり、鉄道省の役割も戦争準備の総動員体制構築が急務となる。秀則は海外視察から帰ってすぐの1937年6月、鉄道省本省の運輸局運転課への配属となった。そして翌月の7月7日盧溝橋事件勃発。小競り合いの末、翌8月に入ると戦闘が本格化しだす。ついに日本は帝国陸軍の派兵を決定、人員、物資の...奇妙な果実〜鉄道ヲタクの事件記録〜第10話初めての家族旅行
警告!今話の内容には残酷な描写が含まれます。苦手な人はご注意ください。秀則が帰国して一週間が経った。秀彦と早次の成長の速さは、一年の空白を埋める以上に大きい。一緒に過ごしていたら気づかない一日の貴重な重さが、離れていたがために今更ながら心のひだに突き刺さる。秀彦が裏庭に咲くアジサイの葉に泳ぐデンデン虫を、この世の奇跡を目撃したかのように真剣な表情で観察する様子。早次が母百合子にしがみつき、その肩越しに僕を見つめる様子。そこは早次にとってこの世で一番安心できる場所であると主張している。塀越しに豆腐屋のラッパが聞こえてくる。ああ、ここは日本なんだ。海外での暮らしも決して危険なことは無かった。ある一度の経験以外は・・・。ただ、その体験時以外も平時は気が抜けない。いつも心の鎧を脱ぐことは無かった。外国とはそういう...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録~第9話外遊のお土産話
警告⚠️この動画はショッキングで残酷な写真と歌詞が載せられています。苦手な方、こういうのが嫌いな方は決して見ないでください。この回のblogは『奇妙な果実〜鉄道ヲタクの事件記録』の背景となる【ビリー・ホリデイ】の歌を紹介する動画を載せました。何故『奇妙な果実』なのか?一連の物語の終盤に分かってくると思います。それはまだ先のお話ではありますが、今回紹介するこの歌の動画は、今後投稿・発表する物語のテーマの内容を先取りした伏線を意図したものです。歌の背景にショッキングな写真が登場します。苦手な方は決して見ないで(聴かないでください)。奇妙な果実〜ビリーホリデイ
次男『早次』が誕生したのは翌年3月であった。その頃には兄夫婦の子供たちも加わり、毎日がお祭り騒ぎのような賑わいが百合子の実家を賑わせていた。百合子自身にとって、産前産後の実家暮らしが長期にわたって続くより、我が家と実家を行ったりたり、来たりという生活が一番良いようであった。そんな暮らしができるのも、実家の近くに居を構えた者のお手軽な特権であろう。もちろんそんな環境を支えてきたのは、おアキさんの獅子奮迅の活躍があったからではあるが。「おアキさん、どうだ?」ハァハァ言いながら僕が駆けつけると「旦那様、お疲れ様でございます。まだでございます」と、頭を下げ、とり澄まして云うと、「秀則さん、お早い御着きで。」と百合子の母、ハルが応える。幼い秀彦が僕に気がつき、「お父さん~!」と走り寄る。秀彦にとって初の弟か妹の誕生...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録第8話在外研究員の外遊
今回からこの物語の名称を『奇妙な果実』という表題を加え、【奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録】としました。今回は内容の一部に、残酷な説明描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。1910年の日韓併合後、日本は清国と直接国境を接する事となる。前話(第6話)で触れたが、当時日本は日露戦争で辛勝したにもかかわらず、依然ソ連ロシアの脅威に晒され続けていた。その紛争の火種となる地域はやはり中国東北部の満州。強大な国力を誇るソ連ロシアに対抗するには、満州を緩衝地帯として日本が掌中に収めておく必要があった。当時の朝鮮と満州の国境「豆満江」の中州に『間島』と呼ばれる朝鮮族の居留地があったが、その朝鮮族は間島を超え、次第に国境北部の満州地区に増殖し、清国との間に軋轢が生じた。日本は新たな日本人となった朝鮮族保護を名目に在間...奇妙な果実〜鉄道ヲタクの事件記録〜第7話南満州鉄道と百合子の二度目の懐妊と島村の結婚
僕が鉄道局技師になったのは人事の都合で予定から一年ほどお預けとなり、正式辞令が出たのは1929(昭和4)だった。転勤により職場環境が変わっても、職責の重さは変わらない。僕は秀彦の誕生以来、激務をこなしながら出来るだけ早く帰宅するよう習慣がついた。その前から職場内では『マイホームパパ』の印象が定着していたが、長男誕生の喜びようと云ったら、思わずニヤケてくる締まらない表情が尚一層の愛妻子煩悩亭主として名をはせていた。それにあれ以来、お手伝いさんのおアキさんは影山家に無くてはならない不動の存在となり、なし崩し的に家事全般を任せるようになった。夕食等の食事の憂いも解消している今、僕に家庭内の不安材料はない。玄関を開け、「帰った。」と云うのももどかしく、秀彦の顔を覗きに行く。「あなた、お帰りなさい。まぁまぁ、何です...鉄道ヲタクの事件記録第6話嵐の前の幸せ
妻百合子が母ナツに連れられて高輪の実家に里帰りするのと入れ替わりに通いのお手伝いさんがやって来た。彼女はおアキさんと云って、以前藤堂家に長年仕えていた元召使い。妻の里帰りでひとりになった僕がさぞ難儀するであろうと、母ナツのたっての願いで、秀則の家の掃除、洗濯、食事の支度を任されたようだ。ベテランだけあって、高齢ではあるが手際が良い。料理のメニューは煮物が多く年寄り臭いが、バラエティーに富んでいて且つ、家庭料理の暖かさと懐かしさがあり、とても美味い。ただ僕を「旦那様」と呼ぶのはムズムズして少々こそばゆい。「おアキさん、その「旦那様」は何とかならないかなぁ~、その呼び名は若輩者の僕としてはとても相応しいとは思えないんだ。」「アラ、そうでございますか?でも私、以前奉公させていただいた藤堂家では、ご主人さまの事を...鉄道ヲタクの事件記録第5話長男誕生
妻の体調の異変に気付いたのは、島村の来訪から数日後だった。相変わらず多忙な僕が妻の日常の微妙な変化が分る筈はないが、何か言いたげなのは流石に空気で読める。だがそれ以上の意思表示をしようとしない。「あなた、行ってらっしゃい。」「ああ、言ってくる。」「お気をつけて。」この繰り返し。だが、それからまた数日後、妻の百合子は改まって「あなた、お伝えしたいことがございます。」「何ですか?」「今夜は早く帰ってこられそうですか?」(いつになく真剣な表情で突然そうこられると、身構えちゃうよ。)「ああ、約束はできないが、百合子が早く帰ってきて欲しいと云うのなら、出来るだけ早く帰ろう。」「そうしてくださると嬉しいです。」「分かった、出来るだけ早く帰ろう。それじゃ、行ってきます。」百合子の言いたい事?何だろう?随分勿体ぶって念を...鉄道ヲタクの事件記録第4話妻の目標と日記
日本人として知っておくべき、あの時代の日本人の使命を紹介します。あの時代、過ちもあった。慢心もあった。傲慢もあった。でも自分の信じる正義のために自らの生命を捧げ、統治する国のため賭けた者たちがいた。真摯に統治する民に向き合った者達がいた。それに比べて今の私たち。できない言い訳、やらない言い訳なら、いくらでもできる。それを誰も非難しない、非難できない。ただあの時インドネシア独立のため、オランダからの独立戦争にインドネシア人独立義勇兵と共に、日本兵2000人が立ち上がり、1000名が生命を落とした歴史的事実は覆せない。インドネシア独立に寄与した事実は誰も消せない。彼らの行為を非難したり、歪曲する勢力(中韓米)が如何に侮蔑しても、準国歌の存在が歴史の書き換えを阻止し、拒絶している。私は小学生の頃、学校で敗戦史観...鉄道ヲタクの途中ですが
秀則一家が家族旅行から一週間ぶりに帰る。おアキさんにお土産を持参して。「ただいま、おアキさん。留守中変わりはありませんでしたか?」「旦那様、奥様、お帰りなさいませ。特に何もございませんでした。お帰りになられるこの瞬間までは。」帰ってくるなり騒々しい秀彦と早次を見て、ため息交じりにそう言った。「ねぇねぇ、おアキさん!海ってね、とっても大きいんだよ!海の向こうはね、また海で、そのまた向こうもまだまだ海なんだ!そのずーと向こうには雲がモクモクってこ~んなに広がっているんだ!ね、凄いでしょ?ほんでもって、大っきな波がザッバーンって何度も何度もやって来るんだよ!ボクは『ワ~!』って慌てて逃げても、凄っごい速さで追いかけてくるんだ。おアキさんにもみせたかったなぁ~!あ!そうだ!これこれ!」そう言ってリュックの中から四...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録~第11話島村の愚痴
ホンダやトヨタの不正問題の本当の原因は「あの人物」だということをご存知ですか?【ゆっくり解説】サムネイルと具体的内容には齟齬があるというか、完全に別内容であり、意図的な釣り釣りタイトルである。本当の内容に即したタイトルは、動画サムネ下部にある大文字部分「ホンダやトヨタの不正問題の本当の原因は「あの人物」だということをご存知ですか?【ゆっくり解説】』である。だが制作者が敢えて釣り釣りタイトルにしたのは、何某かの事情があるのだろう。つまりYouTube運営が当局に忖度し、弾圧によるアカウント規制を回避したとか?この動画で取り上げている自動車業界と監督省庁の問題が、如何に国民に対し不利益を与えているかを訴えている問題回であるから。動画内で主張している内容は、実はそっくり財務省や他の行政機関・省庁にも当てはまる。...サムネと内容は全く違うよ。でもね、言いたい事はここに紹介するに値すると思います。
秀則が視察で海外に出発したのは、2.26事件で軍部が実権を握る暗い世相の始まりの頃だった。世界恐慌の混乱からいち早く脱した日本(といっても好景気を迎えられた訳ではない。庶民の生活は貧しいままで、国家経営がどん底から這い上がったというだけ。)しかしその一番の功労者である高橋是清がクーデターの犠牲になるなど、アメリカの人種差別の批判などしている場合ではない程の、政治の世界に理不尽な暴力がまかり通っていた。結果、軍の要求は即ち国家の施策となり、鉄道省の役割も戦争準備の総動員体制構築が急務となる。秀則は海外視察から帰ってすぐの1937年6月、鉄道省本省の運輸局運転課への配属となった。そして翌月の7月7日盧溝橋事件勃発。小競り合いの末、翌8月に入ると戦闘が本格化しだす。ついに日本は帝国陸軍の派兵を決定、人員、物資の...奇妙な果実〜鉄道ヲタクの事件記録〜第10話初めての家族旅行
警告!今話の内容には残酷な描写が含まれます。苦手な人はご注意ください。秀則が帰国して一週間が経った。秀彦と早次の成長の速さは、一年の空白を埋める以上に大きい。一緒に過ごしていたら気づかない一日の貴重な重さが、離れていたがために今更ながら心のひだに突き刺さる。秀彦が裏庭に咲くアジサイの葉に泳ぐデンデン虫を、この世の奇跡を目撃したかのように真剣な表情で観察する様子。早次が母百合子にしがみつき、その肩越しに僕を見つめる様子。そこは早次にとってこの世で一番安心できる場所であると主張している。塀越しに豆腐屋のラッパが聞こえてくる。ああ、ここは日本なんだ。海外での暮らしも決して危険なことは無かった。ある一度の経験以外は・・・。ただ、その体験時以外も平時は気が抜けない。いつも心の鎧を脱ぐことは無かった。外国とはそういう...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録~第9話外遊のお土産話
警告⚠️この動画はショッキングで残酷な写真と歌詞が載せられています。苦手な方、こういうのが嫌いな方は決して見ないでください。この回のblogは『奇妙な果実〜鉄道ヲタクの事件記録』の背景となる【ビリー・ホリデイ】の歌を紹介する動画を載せました。何故『奇妙な果実』なのか?一連の物語の終盤に分かってくると思います。それはまだ先のお話ではありますが、今回紹介するこの歌の動画は、今後投稿・発表する物語のテーマの内容を先取りした伏線を意図したものです。歌の背景にショッキングな写真が登場します。苦手な方は決して見ないで(聴かないでください)。奇妙な果実〜ビリーホリデイ
次男『早次』が誕生したのは翌年3月であった。その頃には兄夫婦の子供たちも加わり、毎日がお祭り騒ぎのような賑わいが百合子の実家を賑わせていた。百合子自身にとって、産前産後の実家暮らしが長期にわたって続くより、我が家と実家を行ったりたり、来たりという生活が一番良いようであった。そんな暮らしができるのも、実家の近くに居を構えた者のお手軽な特権であろう。もちろんそんな環境を支えてきたのは、おアキさんの獅子奮迅の活躍があったからではあるが。「おアキさん、どうだ?」ハァハァ言いながら僕が駆けつけると「旦那様、お疲れ様でございます。まだでございます」と、頭を下げ、とり澄まして云うと、「秀則さん、お早い御着きで。」と百合子の母、ハルが応える。幼い秀彦が僕に気がつき、「お父さん~!」と走り寄る。秀彦にとって初の弟か妹の誕生...奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録第8話在外研究員の外遊
今回からこの物語の名称を『奇妙な果実』という表題を加え、【奇妙な果実~鉄道ヲタクの事件記録】としました。今回は内容の一部に、残酷な説明描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。1910年の日韓併合後、日本は清国と直接国境を接する事となる。前話(第6話)で触れたが、当時日本は日露戦争で辛勝したにもかかわらず、依然ソ連ロシアの脅威に晒され続けていた。その紛争の火種となる地域はやはり中国東北部の満州。強大な国力を誇るソ連ロシアに対抗するには、満州を緩衝地帯として日本が掌中に収めておく必要があった。当時の朝鮮と満州の国境「豆満江」の中州に『間島』と呼ばれる朝鮮族の居留地があったが、その朝鮮族は間島を超え、次第に国境北部の満州地区に増殖し、清国との間に軋轢が生じた。日本は新たな日本人となった朝鮮族保護を名目に在間...奇妙な果実〜鉄道ヲタクの事件記録〜第7話南満州鉄道と百合子の二度目の懐妊と島村の結婚
僕が鉄道局技師になったのは人事の都合で予定から一年ほどお預けとなり、正式辞令が出たのは1929(昭和4)だった。転勤により職場環境が変わっても、職責の重さは変わらない。僕は秀彦の誕生以来、激務をこなしながら出来るだけ早く帰宅するよう習慣がついた。その前から職場内では『マイホームパパ』の印象が定着していたが、長男誕生の喜びようと云ったら、思わずニヤケてくる締まらない表情が尚一層の愛妻子煩悩亭主として名をはせていた。それにあれ以来、お手伝いさんのおアキさんは影山家に無くてはならない不動の存在となり、なし崩し的に家事全般を任せるようになった。夕食等の食事の憂いも解消している今、僕に家庭内の不安材料はない。玄関を開け、「帰った。」と云うのももどかしく、秀彦の顔を覗きに行く。「あなた、お帰りなさい。まぁまぁ、何です...鉄道ヲタクの事件記録第6話嵐の前の幸せ
妻百合子が母ナツに連れられて高輪の実家に里帰りするのと入れ替わりに通いのお手伝いさんがやって来た。彼女はおアキさんと云って、以前藤堂家に長年仕えていた元召使い。妻の里帰りでひとりになった僕がさぞ難儀するであろうと、母ナツのたっての願いで、秀則の家の掃除、洗濯、食事の支度を任されたようだ。ベテランだけあって、高齢ではあるが手際が良い。料理のメニューは煮物が多く年寄り臭いが、バラエティーに富んでいて且つ、家庭料理の暖かさと懐かしさがあり、とても美味い。ただ僕を「旦那様」と呼ぶのはムズムズして少々こそばゆい。「おアキさん、その「旦那様」は何とかならないかなぁ~、その呼び名は若輩者の僕としてはとても相応しいとは思えないんだ。」「アラ、そうでございますか?でも私、以前奉公させていただいた藤堂家では、ご主人さまの事を...鉄道ヲタクの事件記録第5話長男誕生
妻の体調の異変に気付いたのは、島村の来訪から数日後だった。相変わらず多忙な僕が妻の日常の微妙な変化が分る筈はないが、何か言いたげなのは流石に空気で読める。だがそれ以上の意思表示をしようとしない。「あなた、行ってらっしゃい。」「ああ、言ってくる。」「お気をつけて。」この繰り返し。だが、それからまた数日後、妻の百合子は改まって「あなた、お伝えしたいことがございます。」「何ですか?」「今夜は早く帰ってこられそうですか?」(いつになく真剣な表情で突然そうこられると、身構えちゃうよ。)「ああ、約束はできないが、百合子が早く帰ってきて欲しいと云うのなら、出来るだけ早く帰ろう。」「そうしてくださると嬉しいです。」「分かった、出来るだけ早く帰ろう。それじゃ、行ってきます。」百合子の言いたい事?何だろう?随分勿体ぶって念を...鉄道ヲタクの事件記録第4話妻の目標と日記
日本人として知っておくべき、あの時代の日本人の使命を紹介します。あの時代、過ちもあった。慢心もあった。傲慢もあった。でも自分の信じる正義のために自らの生命を捧げ、統治する国のため賭けた者たちがいた。真摯に統治する民に向き合った者達がいた。それに比べて今の私たち。できない言い訳、やらない言い訳なら、いくらでもできる。それを誰も非難しない、非難できない。ただあの時インドネシア独立のため、オランダからの独立戦争にインドネシア人独立義勇兵と共に、日本兵2000人が立ち上がり、1000名が生命を落とした歴史的事実は覆せない。インドネシア独立に寄与した事実は誰も消せない。彼らの行為を非難したり、歪曲する勢力(中韓米)が如何に侮蔑しても、準国歌の存在が歴史の書き換えを阻止し、拒絶している。私は小学生の頃、学校で敗戦史観...鉄道ヲタクの途中ですが
「あなた、私これを作りましたのよ。」と言って見せたのは一週間のメニュー表だった。「なになに?メニュー表?月曜日の朝は「ごはん、納豆、わかめと豆腐の味噌汁、お新香、メザシ?」火曜日の朝は「ごはん、生卵、ねぎと油揚げの味噌汁、お新香、アジの開き?」・・・・・。よく考えたね。凄いと思うよ。学業が常にトップだった百合子が、(料理のレパートリーは驚くほど少ないのに、)僕と結婚してくれてしかも飽きさせないようにバラエティーに富んだ食事を心がけてくれて感謝しているよ。ありがとう。昼食は職場の弁当だから、朝起きて作るの大変だろう?だけど・・・、夕ご飯はカレーにお蕎麦にかつ丼が三日おきの日替わりなのね・・・。僕の仕事が遅くなり、外で食べてくる事が多いのに、そこいらのお店のメニューとほぼ同じなのはどうなのかな?」「料理のレパ...鉄道ヲタクの事件記録第3話島村秀夫
「あなた、起きてください!会社に遅れますよ!朝ごはんを食べなくても良いなら、もう少し寝ていられますけど。」(慌てて飛び起き)「あぁ、イヤ、起きる。ああ、腹減った!」「あなたって本当に食べないと生きてゆけない方なのね。お付き合いしていた時もお汁粉に目が無かったようですけど、今でも三食キッチリお食べになって、更に再三間食なさっているって知っていますわよ。」「百合子は僕の事、単なる食いしん坊だと思っているでしょ?」「いいえ、そんな事は無くってよ。以前お兄様(義兄)が仰っていましたわ。『弟は生まれつきの胃酸過多のせいか、しょっちゅう何か口にしていないと生きてゆけない生き物なんだ。』って。あなたを見ていて合点がいきましたの。」「僕は蟒蛇うわばみか!もう~、兄貴ったら、そんな事まで百合子に言い触らしていたの?百合子に...鉄道ヲタクの事件記録第二話「新婚生活」
Amazon.co.jp:シベリアの異邦人~ポーランド孤児と日本~:米森充:本#パブファンセルフhttps://www.amazon.co.jp/シベリアの異邦人~ポーランド孤児と日本~-米森-充/dp/B0D17YV4X7/ref=sr_1_2?__mk_ja_JP=カタカナ以前のバージョンは製本元から値上げの通告を受け、やむなく廃刊しました。今回は本のサイズを縮小しコストダウンを図ったつもりでしたが、値上げ後価格と変わらず、あてが外れてしまいました。でも表紙イラストの画像が鮮明になり、サイズダウンにより手持ち感、読み心地感が改善されるなど、良い要素もあったため価格が高めだけど見切り発車しました。自主出版は製造コストがどうしても販売価格を押し上げてしまうのは、どうする事もできません。苦肉の策として、どう...昨年秋に廃刊した『シベリアの異邦人』をリニューアルして再刊行しました。
大正13年春、影山秀則は百合子を見て驚いた。あの日東京会館にて兄秀種の結婚式に出席、兄の花嫁有紀子の妹である百合子と出会う。花嫁の有紀子は文金高島田がよく似合う古風な美人だったが、妹の百合子は髪が首を隠す程度のショートヘアでひと際目立つ美人だったから。女子高3年生であるとその時の紹介で知った。いかにも利発で活発な今時の流行はやりの女の子。この時僕が抱いた第一印象である。僕はと云えば東京帝国大学の3回生であり、来年の春には卒業し、前途洋々の未来が待っている真面目で男前の(自分で言うか!)の学生である。そんな僕の日課は大好きな汁粉を高輪『甘味亭』で食す無上の時間を過ごす事。実家からは少し遠いが、大学の帰り道からは丁度良い位置にあり、上品で美味いと地元では有名な店である。食いしん坊の僕は甘いものに目がない。しか...鉄道ヲタクの事件記録第一話お見合いと結婚
刑務所の前で「出待ち」を毎朝続けるひとりの男性、何をしている?「刑務官はいい顔をしないが、やめられない」同行して分かった理由と覚悟(47NEWS)のコメント一覧-Yahoo!ニュース刑務所の前で「出待ち」を毎朝続けるひとりの男性、何をしている?「刑務官はいい顔をしないが、やめられない」同行して分かった理由と覚悟(47NEWS)のコメント一覧-Yahoo!ニュース冷たい風が吹きすさぶ2月の早朝、大阪刑務所の前で“出待ち”を続ける男性がいた。松浦未来さん(37)。お目当ては、フルに刑期を終えて釈放された「満期出所者」たち。...刑務所の前で「出待ち」を毎朝続けるひとりの男性、何をしている?「刑務官はいい顔をしないが、やめられない」同行して分かった理由と覚悟(47NEWS)のコメント一覧-Yahoo!ニュース例...犯罪は憎む。でも罪を償った者は?
地域の未来を担うhttps://youtube.com/watch?v=W6WLoVmiuYoこんな行い、一体誰ができるだろう?私は今の日本の政治を批判する記事ばかり投稿してきたが、この動画に登場する彼のような活動をしてはこなかった。人にはそれぞれ役割があり、全員が同じ行為をしなければならない訳ではない。でもそれぞれが与えられた環境や条件の中で真摯に生きられなければ、とても恥ずかしいと思う。彼に顔向けができない程に。私この動画を見る機会を得られて幸運でした。そしてこうした活動を政治に活かせるような世の中にしたい。だから決意を新たにして『自分にできる事』を精一杯やっていきたいと思う。私のようなしがない年金暮らしの前期高齢者に何ができる?言い訳ならいくらでもできるだろう。でもこの動画の彼のように、赤ちゃんポス...ゆりかご会に預けれれた子が
この2曲は私にとって若い頃の記憶が思い起こされる曲。苦く辛い体験でしたが、今となってはかけがえのない思い出です。『歳時記~ダイアリー~』に登場する【いわさきちひろ】の絵を眺めていると、大人になって何か忘れていた大切なものを取り戻したような気持ちになります。歌詞の中で♪そんなちひろの子供の絵のような君の笑顔がとても好きだった♪とありますが、ちひろの子供たちはどれも真剣な表情で、笑ってなんかいません。でもこれらの絵をみていたら、我が子を抱きしめた時のような感情が湧いてきます。いつまでも抱きしめていたい。ず~と守ってあげたい。あなたにとって、何物にも替え難い大切な存在は何ですか?2曲目『思い出はつりかご』は、傷つき疲れ果てた気持ちを優しく癒してくれる気がします。時間が有る時に聴いてくださると幸いです。さだまさし2選
統一教会系団体が推した「スパイ法」と相似形…閣議決定された経済安保情報保護法案の背後に何が統一教会系団体が推した「スパイ法」と相似形…閣議決定された経済安保情報保護法案の背後に何が:東京新聞TOKYOWeb先月末に閣議決定された経済安保の保護法案は「特定秘密保護法の拡大版」と危惧される。秘匿する情報の範囲を経済分野にも広げ、漏洩(ろうえい...統一教会系団体が推した「スパイ法」と相似形…閣議決定された経済安保情報保護法案の背後に何が:東京新聞TOKYOWeb私は度々自分のスタンスを表明しているが、右翼も左翼も嫌いであり、日和見主義のノンポリも嫌いである。それに加え、中国・韓国・北朝鮮・ロシアに対し、最大限の警戒心を抱いている。そういう立場に立った上でこの東京新聞の記事に対し、明確に反対の意見を表明する。(...東京新聞の危険な論法〜統一教会=勝共連合が押す「スパイ法」
1943年9月30日御前会議で日本は降伏すると決した。だがいつ降伏を宣言するのか?どうやって国体護持を認めさせるのか?その問題を討議しなければならない。実際のこの後の歴史では、絶望的な戦いが続く中、首脳部は降伏の決断ができなかった。連合国側からポツダム宣言が発表され、日本の無条件降伏を勧告されてもである。その理由は、日本の首脳部が最後まで心配していたのが『国体護持』(天皇制維持)であったから。つまり彼らが心配していたのは国民の安全ではなく、天皇制の保全であった。国民にどれだけの犠牲を強いても守りたかったのが天皇制。その是非についてここでは触れない。ただ、歴史の事実として踏まえておくとする。とにかく無条件降伏を受け入れれば、連合国側(主にアメリカ)の意向で天皇制を廃止すると言われたら抗えない。日本の立場とし...お山の紅白タヌキ物語第19話最終回「平和!」