chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
ごっとさんのブログ
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2015/07/29

  • 「腎臓ガン」の70%に未知の発ガン要因

    数年前大学の同級生が、腎臓ガンとなり片側の腎臓を摘出したと言っていました。多分すぐ残った腎臓もガンになると言っており、元気そうでしたが2年前に亡くなってしまいました。最近国立がん研究センターなどの研究グループが、世界11か国の腎臓ガン患者のガン細胞を全ゲノム解析したところ、日本人患者の7割に特有の遺伝子変異があったと発表しました。研究グループは、淡明細胞型腎細胞ガンの発症頻度の異なる日本を含む11か国から962症例のサンプルを収集し、全ゲノム解析を行いました。この962症例は日本から36症例、イギリスから115症例、チェコから259症例などとなっています。これらの症例を対象に、全ゲノム解析データから突然変異を検出して解析し、「変異シグネチャー」と呼ばれる、ガン細胞のゲノムに発生する様々な変異が要因で示され...「腎臓ガン」の70%に未知の発ガン要因

  • ヒトiPS細胞から卵子と精子のもとを作製

    ヒトの命の誕生を巡る研究が、基礎研究から生殖医療研究に向けてさらに踏み出しました。京都大学の研究グループが、ヒトのiPS細胞を利用して卵子と精子のもとになる生殖細胞を大量に作製することに成功したと発表しました。このニュースは色々なメディアで取り上げられていますが、iPS細胞の性質から見るとそれほど難しいことではないような気がします。ただしヒトの卵子や精子を実際につくって生殖に使う段階までには、技術的、倫理的に重要な課題が多くあり、生殖医療応用までにはまだ距離があるようです。現在iPS細胞を使った受精卵操作は国の指針で禁止されています。iPS細胞は皮膚や血液などの体細胞に人工的に遺伝子を導入するなどして、さまざまな細胞に変化できる能力を持たせた細胞です。iPS細胞はケガや病気などで失われるなどした組織や臓器...ヒトiPS細胞から卵子と精子のもとを作製

  • 糖尿病になりやすい「食習慣」が判明

    私の友人知人の中にも糖尿病と診断され、薬を飲んでいるのが何人かいます。日本人の10人に1人が患っているとされていますので、この歳になると(77歳)やむを得ないのかもしれません。京都府立医科大学の研究グループが、約13万人を10年間にわたり追跡調査した研究結果を発表しました。4つの「食行動」が発症リスクを高めることが分ったとしています。研究グループが行った追跡調査は、2008年〜18年の10年間に健康診断を受けた糖尿病履歴のない12万8594人を対象にしたもので、「食行動」と2型糖尿病の発生率との関係を調べました。追跡期間中に、6729例(5.9%)が2型糖尿病を発症しました。2型糖尿病の発症は、生活習慣が大きく関わっていました。追跡調査の結果、「朝食を抜く」(週3回以上)、「夕食後の間食」(週3回以上)、...糖尿病になりやすい「食習慣」が判明

  • 小型装置によるガン放射線治療に新たな道

    私の友人は肝臓ガンから膵臓に転移してしまい、重粒子線治療という最新の放射線治療を受けました。それによって膵臓ガンは縮小したのですが、残念ながら昨年帰らぬ人となってしまいました。こういった放射線治療は可能な施設が本当に少なく、装置が大型であることがネックとなっているようです。量子科学技術研究開発機構などのグループが、細かい孔が多数開いたガラス板にレーザー光を当てると放射線の一種である高エネルギー電子線が発生することを実証しました。手のひらサイズの小型レーザー装置と内視鏡を光ファイバーで結ぶことで、被爆の少ないガン放射線治療が期待できるようです。量研機構では瞬間的に光を放つパルスレーザーを出す小型装置を用い、ガスや固体の材料に当ててエネルギーの高い電子やイオンを発生させる研究をしています。2021年には大型施...小型装置によるガン放射線治療に新たな道

  • 受動喫煙による肺ガン発症のメカニズム解明

    ずいぶん前から受動喫煙という言葉が注目されています。喫煙をしない人が周囲に流れるタバコの煙を吸うことですが、この量などは場合によって大きく異なり、その害を解析することは難しいのではと思っていました。国立がん研究センターなどの研究グループが、受動喫煙による肺ガンの発症は、能動喫煙とは異なるメカニズムの遺伝子変異を誘発していることを明らかにしました。炎症により特定のタンパク質が活性化することで変異が生じるようです。タバコを吸うと肺ガンになりやすいとされています。例えば発がん性物質の一種であるベンゾピレンがDNAに作用し、DNA中のシトシンがアデニンに変異してしまいます。この「タバコ型変異」によりガンが発症します。一方受動喫煙については肺ガン発症のリスクとなっていることは認知されていたものの、発症に至るメカニズ...受動喫煙による肺ガン発症のメカニズム解明

  • 難治性の水虫、胃酸抑制剤が効くことを発見

    私の周りには、水虫に悩まされている人は全くいません。私自身数年前足の指の間がかゆくなり皮がむけていたので、市販の水虫薬を使ったところすぐに治った記憶があります。武蔵野大学などの研究グループが、難治性の白癬(水虫)に胃潰瘍などの治療に使われる高濃度の胃酸抑制剤が効くことを発見しました。水虫は真菌の一種が人間の皮膚で増殖することで発症しますが、近年これまで効果があった抗真菌薬が効かない患者が見つかっています。今回は実験室のシャーレ上での成果で、直接人に効くわけではないのですが、新しい治療薬の開発の足掛かりになりそうです。白癬菌は水虫の原因菌となるカビで、国民の5人に1人が水虫を発症するといわれ、増殖が遅いために遺伝子改変等の実験が難しい菌とされています。抗真菌薬「テルビナフィン」を飲めば治り、安価で副作用の少...難治性の水虫、胃酸抑制剤が効くことを発見

  • 脳は「老化」ではなくむしろ「成熟」している

    最近はヒトの名前が本当に出なくなり、顔を思い出すのですが名前は出ないことが多くなりました。年齢を重ねるにつれて人間の脳は老いていくと考えて、脳の老化と向きあっています。しかし年齢とともに脳は「成熟」していき、若いころよりも的確な判断が下せるだけでなく、人生をより充実したものとして楽しめるという説もあります。また将来技術的には、脳と外付けのメモリをつないでおくことで、必要に応じて過去の記憶を引き出して読み込むことが可能になるでしょう。そうなればもうもの忘れで悩むことはなくなるはずです。しかし技術の力を借りて脳の機能を維持することで失われるものもありそうで、自然に年齢を重ねて成熟していく脳にこそ魅力があると考えることもできそうです。たしかに高齢者は、レスポンスが遅くなることがあります。たとえば様々な写真を見せ...脳は「老化」ではなくむしろ「成熟」している

  • 怒りは紙に書いて捨てると鎮められる

    私は感情の起伏が少ないようで、あまり怒ったことがないような気がします。何かに怒ってもすぐ他の興味あることをやり、忘れてしまうようです。名古屋大学の研究グループが、怒りの感情を紙に手書きし物理的に捨てると気持ちが落ち着くことを実証しました。怒りを抑える手法はこれまで「気の持ちよう」といったものに留まり、実験や客観的事実を基にしたものは確立されていませんでした。名古屋大学の研究チームは、50人の大学生のグループと46人の大学生と20代の社会人が混在する2グループに分けて実験を行いました。まず「学費の値上げについてどう思うか」や「路上喫煙についてどう考えるか」などいくつかの社会課題について論述してもらいました。それぞれの課題について添削を行い、「知性がある」「親近感がわく」などの項目について1〜9点をつけ、平均...怒りは紙に書いて捨てると鎮められる

  • 皮膚の細菌バランスが健康と病気を左右する

    近年腸内細菌の研究は活発になってきましたが、同じように多種の菌が存在するとされる皮膚の常在菌はあまり研究されていないようです。腸内といういわば袋の中にいる微生物は扱い安く、皮膚という外部に面した部分の微生物は扱いにくいのかもしれません。皮膚の細菌数に関しても研究者によって若干異なるのですが、ヒトの皮膚には約1000種類、100兆もの細菌が生息しているとされています。皮膚はどんなに滑らかに見えても、実際は無数の穴が存在し、その中に多数の常在菌が生存しているようです。こういった皮膚の常在菌は、単に皮膚の表面に存在しているだけではなく、免疫システムと密接に関わり合いながら、皮膚の恒常性維持に重要な役割を果たしています。近年の研究によって、皮膚細菌叢のバランスが崩れることが、様々な皮膚疾患の発症に関与していること...皮膚の細菌バランスが健康と病気を左右する

  • 合計特殊出生率1.20へ低下、少子化対策の必要性

    このブログでも少子化問題を取り上げ、婚姻率を上げる対策の必要性を取りあげました。6月の厚生労働省の発表によると、2023年の出生者数は72.7万人と前年比4.3万人減少し、過去最低水準を更新しました。また合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に出産する子供の人数)は、1.20と2022年の1.26からさらに低下しました。1947年に統計を取り始めて以降最低水準であり、前年を下回るのはこれで8年連続となります。都道府県別の合計特殊出生率は、すべての都道府県で前年を下回りました。最低となったのは東京都で、0.99とついに1を下回りました。次いで北海道が1.06、宮城県が1.07でした。最も高かったのは沖縄県ですがそれでも1.60と2.0よりかなり少なくなっています。次いで宮崎県と長崎県が1.49、鹿児島県が1....合計特殊出生率1.20へ低下、少子化対策の必要性

  • 地球に「生命の材料」を運び込んだのは

    このブログでも何回か書いていますが、私は宇宙にほとんど興味はありません。ただ生命発生の中に宇宙説がありますので、可能性は低いと思いますが若干注視しています。隕石の中には火星や月から来たことが分かっているものもありますが、多くは小惑星から来たものであると考えられてきました。2003年5月内之浦宇宙空間観測所から、探査機「はやぶさ」が打ち上げられました。目的は小惑星に着陸し、そこから試料を持ち帰ることでした。この小惑星は「イトカワ」と名付けられました。この後色々あったようですが、はやぶさの着陸時の衝撃でイトカワの試料が少量ながら採取できたことが帰還後に分かりました。地球帰還は大幅に遅れましたが、2010年6月に地球大気圏に突入、サンプルカプセルは無事に回収されました。イトカワはコンドライトという分類ですが、炭...地球に「生命の材料」を運び込んだのは

  • 生命の初期段階の細胞分裂を動画で可視化

    私は高校時代生物部に所属しており、近くの海辺まで採集に行きウニの卵などの分裂を顕微鏡でみたりしていた懐かしい思い出があります。沖縄科学技術大学のグループは、脊椎動物の生命の初期段階である胚細胞で起こる細胞分裂を、メダカの受精卵を一定間隔で写真撮影しコマ送り動画にした「タイムラプス」で観察することに成功しました。これまで難しかった生きたまま胚形成中の細胞を追跡できる手法を確立しました。細胞分化が比較的進んでから起こる体細胞分裂とは違う仕組みであることが分りました。細胞分裂は、皮膚細胞や筋肉細胞のような特殊な機能を持つ体細胞での研究が進んでいます。細胞分裂装置となる紡錘体の中心的役割を担う細胞小器官で2個ある「中心体」それぞれからタンパク質線維が集まってできた紡錘糸が伸びて細胞の真ん中で染色体にくっつき、分裂...生命の初期段階の細胞分裂を動画で可視化

  • 目は脳の一部、実は危険な「紫外線疲労」

    現在は眼から入る情報が大部分ですので、眼の健康には気を付けていますが幸い今のところ問題はありません。通常メガネをかけていますが、視力は悪くないのですが歳のせいか老眼が進み近くが見えにくくなっています。老眼鏡を常に持っているのも面倒なので、遠近両用メガネをしているのが現状です。ここでは紫外線の話ですが、紫外線は日焼けの原因程度に思っており、あまり気にしていませんでした。しかし紫外線疲労という言葉もあり、注意すべき事項のようです。紫外線を浴びると、細胞内に大量の活性酸素が発生します。過剰な活性酸素は細胞を錆びつかせ、細胞の機能を一時的に低下させ、これが疲労の正体です。皮膚が紫外線を浴びると「筋肉疲労」を起こします。それに対し目から入った紫外線は、自律神経と筋肉の両方に影響を与えるので、精神的な疲労と肉体疲労の...目は脳の一部、実は危険な「紫外線疲労」

  • 変革の瞬間を迎えた、AIが科学を加速

    私は現役のころは色々な科学雑誌に論文を投稿していましたが、その査読者からのコメントに対応するのは大変でした。それがたぶん40代ぐらいになると、査読を頼まれるようになってきました。もちろん有名ではなくどこかの国の化学会誌というようん雑誌ですが、ボランティアのような扱いで時間と手間が非常にかかるものでした。勤務していた研究所はこういったいわば公的な仕事を優先して良いという了解がありましたが、年に1.2回とはいえ結構負担に感じていました。最近この査読を将来的にAIが行う可能性が議論されているようです。査読は学術論文を掲載する前に、独立した専門家が内容や学術的な意義をチェックする仕組みです。査読者は先行文献と比べ、どこに新規性があるのか、論理的な矛盾はないか、適切な方法で適切なデータを集めているかなどを見てコメン...変革の瞬間を迎えた、AIが科学を加速

  • この先病気では死なない時代がやって来る

    病気は早期発見が重要で、いかに早く見つけて適切な治療を受けるのが重要とされています。これからは致死的な病気を治すだけでなく、病気の原因そのものを断って病気にかからなくする「予防医学」が発達していきます。その分野で大きな役割を果たすのが「遺伝子解析技術」です。遺伝子解析技術と個々の病気の治験を組み合わせて遺伝子の異常を調べ、早期に特定の病気を察知して、予防に繋げることができるようになっています。アメリカ人俳優の話しが有名ですが、彼女は乳ガンと卵巣ガンの発生率が高くなるとされる原因遺伝子であるBRCA1に変異が見つかり、今後乳がんになる確率が87%と診断されました。母親が56歳の若さで卵巣ガンによって亡くなっていることもあり、彼女はまだガンになっていない両側の乳房切除を決断し、実際に手術を受けています。患者の...この先病気では死なない時代がやって来る

  • 体脂肪を燃やすスイッチとなる漢方薬

    私はあまり漢方薬は好きではありませんが、先日NHKも漢方薬を特集しており、注目が集まっているようです。漢方薬などの東洋医学は、全て人間を対象とした人体実験の結果選ばれたものという説もあり、その効果を西洋医学でも解明しようとしているようです。ここで取りあげるのは「防風通聖散」です。抗炎症作用を持つオウゴンやボウフウ、鎮静作用を持つシャクヤクなど18種類の生薬が含まれています。防風通聖散は、便秘や肥満などの改善に処方される漢方薬で、臨床試験では肥満症患者の体重を減少させる効果などが報告されています。そのメカニズムについては大変興味深いものがあありますが、注意点もあります。効能の中に肥満というキーワードが入っているため、いわゆる「やせ薬」と勘違いして多用されるケースが多いようです。しかし副作用として、間質性肺炎...体脂肪を燃やすスイッチとなる漢方薬

  • 認知機能の衰えない高齢者「スーパーエイジャー」

    私は77歳となりましたが、それほどもの忘れなどは出てきていないような気がします。ただ昔から苦手だった人の顔と名前が本当に覚えられなくなりました。テレビの連続ドラマなどでは、出演者が先週何の役だったかが分からず、ストーリーを理解するのに時間がかかったりしています。新しい研究結果によると、「スーパーエイジャー」と呼ばれる少数の幸運な高齢者は、実年齢が80歳を超えているにもかかわらず、脳の健康状態は50~60代と同等の水準を維持しています。今回スーパーエイジャーは同年代の一般的な人と比べて、記憶力や認知能力に関連する大脳組織である白質の減少が少ないことが明らかになりました。ヒトの脳は灰白質と白質という2種類の組織で構成されています。認知に関する議論や研究でよく話題になり脚光を浴びるのは灰白質です。灰白質はニュー...認知機能の衰えない高齢者「スーパーエイジャー」

  • 心血管疾患の患者の配偶者は「うつ病」にかかりやすい

    私は昔はうつ病がいろいろ話題になったころ、単なる気分の問題かと思っていました。患者の意思が弱いなどどうも精神疾患全体をやや否定するような感覚でいました。それが退職後勤務した研究所で、知人の研究員がうつ病になり、その行動を身近でみていると本当に重篤な病気であると実感し、それまでの私の感覚は間違っていたと大いに反省しました。またいろいろ聞いてみると、うつ病はちょっとしたきっかけで誰もが発症しうる病気であると感じています。何か病気になると精神にダメージを受け、うつ病になりやすくなることは以前から知られていました。京都大学とボストン大学などの研究グループは、心血管疾患の患者の健康な家族もうつ病になりやすいことを明らかにしました。うつ病は関節炎、糖尿病、喘息などの慢性疾患と併発しやすいことは以前から知られていました...心血管疾患の患者の配偶者は「うつ病」にかかりやすい

  • 旅先で発症するアレルギーについて

    かなり前ですがGWの時に金沢に住んでいる長男が子供2人(長男中3、長女中1)を連れて帰省しました(奥さんは仕事の都合で来られなかった)。その折隣の市に住む次男も子どを連れて(長男高3、長女中3)来ましたので皆でファミレスで食事をしました。その後自宅に戻り、長男と次男はネコを触りたいと言ってかみさんとネコのところに行っていましたが、10分ほどで2人とも鼻がグズグズして次男は蕁麻疹風の発疹まで出てきました。どうもネコアレルギーが出てしまったようです。2人は小学生のころからネコを飼っており当然何の問題もなかったのですが、大学を卒業してネコから離れていると、ネコアレルギーになってしまったようです。やはりアレルギーが何故発症するのかは不思議といわざるを得ません。ここでは旅先で発症するアレルギーについての記事を紹介し...旅先で発症するアレルギーについて

  • 血液検査で早期のガン発見の可能性

    私の友人知人の中にも、前立腺ガンや肺ガンなどを発症した人がいます。幸い皆早期発見ができて手術でほぼ完治していますが、今後再発など注意が必要なようです。最近血液中のタンパク質の組み合わせを調べることで、最大7年早くガンを発見できる可能性があるとの研究結果が発表されました。複数の異なる種類のガンを早期発見でき、ガン発生を予防する標的治療の実現につながるかもしれないとしています。ある論文では、英国バイオバンクに登録された4万4千人以上の血液サンプルを、プロテオミクス(プロテオーム解析)という手法で分析しました。プロテオームとは細胞内で発現する全タンパク質の総称で、生体サンプルに含まれるタンパク質の質量を測定し、得られた膨大なデータを機械学習を用いて解析することでタンパク質の変化を検出できます。この研究対象には、...血液検査で早期のガン発見の可能性

  • なぜ「結婚」は変わらず未婚率は増加傾向

    少子化問題が取りあげられ色々対策が行われているようですが、全く効果が出ていないような気がします。私の息子たちが行っていた小学校も、クラス数が大幅に減少しているようです。やはり未婚率が増加していることに対しての対策が必要な気がしますが、この方向は全く手が付けられていないようです。現代の若者の中には、結婚する意義が理解できないという意見が増加しています。「結婚」に否定的なイメージや反発があるわけでもありません。母親はキャリウーマンで、男は仕事女は家事という家庭に育ったわけでもありません。たとえ対等な夫婦関係であっても法律に縛られる意味が分からず、既婚女性を見ても結婚がそこまでいいものには思えないといったといった意見が増えているようです。結婚のチャンスがなかったわけでもなく、あえて「独身を選んだ」つもりもありま...なぜ「結婚」は変わらず未婚率は増加傾向

  • 注目のやせ薬の思わぬ効果が続々

    私は若いころからやせ型で、現在注目されているやせ薬など全く必要がないのですが、このやせ薬が予想外の効果が出ているようです。やせ薬として使用されているGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、インスリンの生成と放出を促し、消化のスピードを遅くし食欲を抑える働きを持つホルモンです。もとは糖尿病の治療薬として開発されたエキセナチド、シルゼパチドなどのGLP-1受容体作動薬は、このGLP-1をまねて作用します。米食品医薬品局は2024年3月、セマグルシドを成分とする肥満症治療薬ウゴービを、心血管疾患を抱える肥満症患者の心臓発作と脳卒中のリスクを減らす薬として承認しました。ところがGLP-1受容体作動薬の利用者が増えてくると、このクスリには依存症や心不全、腎臓病など、これまで治療法が限られていた疾患に対する意外な健...注目のやせ薬の思わぬ効果が続々

  • 情報不足が招く患者の不利益

    私はこのブログに書いたりするために、色々な病気特にガンについては情報を集めるようにしています。それでも専門家である医師などとは情報量に大きな差があり、対等に話をすることは難しいのかもしれません。「情報の非対称性」という言葉があります。ビジネスの世界で使われる言葉であり、市場で取引される商品やサービスについて、供給者が消費者に比べて情報を多く持っているなどの状態を表します。情報の非対称性が大きくなると、消費者は商品の購入を控えるようになったり、市場取引が円滑に行われなくなったりするといわれています。医療や介護の分野においても、専門職と利用者(患者)の関係に当てはめることができそうです。つまり情報の非対称性を放置すると、医療や介護のサービスがそれを本当に必要とする利用者(患者)に届きにくくなり、利用者にとって...情報不足が招く患者の不利益

  • 痩せた女性に糖尿病のリスクが高い

    私は若いころからひょろひょろのやせ型で、常にもう少し太りたいと思っていましたが、77歳の今まで太ったことはありません。こういった体質というのはどうにもならないようで、何度か目標体重を設定し、それに向けて一応努力しましたが一度も達成できていません。最近痩せた若い女性に糖尿病のリスクが高くなるといったニュースを見ました。国の調査で、20歳代の20.7%は体格指数(BMI)が18.5未満の低体重(やせ)となっています。BMIは体重(キロ)÷身長(メートル)÷身長で求めます。成人女性全体でも10人に1人がやせで、欧米や中国、韓国と比べて多く、健康への影響が心配されるようです。やせていると月経異常や貧血、骨粗しょう症になりやすいと分かっています。低出生体重児(2500グラム未満)の増加も、母親のやせが関係すると考え...痩せた女性に糖尿病のリスクが高い

  • なぜヒトの睡眠は2種類あるのか

    私は健康は食事と睡眠からをモットーにしています。食事に関してはかみさんに任せていますが、それなりに注意しているようです。睡眠に関してはゆっくり眠れるように工夫していますが、大体7時間か7時間半ぐらいで自然に目が覚めています。途中トイレに行ったりもしますが、すぐ寝つけており今のところ問題はないようです。睡眠に関してはなぜレム睡眠とノンレム睡眠があるのかは疑問ですが、実はこれは非常に難しいようです。地球上全ての生物が共通の祖先からその子孫へ枝分かれしながら進化したとする進化系統樹に沿って動物の睡眠状態を観察すると、系統的に古い順に昆虫、魚類、両生類、爬虫類くらいまではレム睡眠もしくはそれに類似した行動しか認められません。レム睡眠に類似した行動とは、巣穴など安全な場所で一定時間周期的に動かなくなる現象のことで、...なぜヒトの睡眠は2種類あるのか

  • 人類によって生み出された「人工元素」は何種類

    少し前に原子を取りあげましたが、実はこの原子が私が宇宙に興味がなくなった原因のひとつです。宇宙に進出すれば地球にない新しいものが見つかるだろうと考えていました。ところが原子は既に知られている118種類以外は、たとえどんな宇宙であっても存在しないことが分かりました。つまり膨大な金をかけて宇宙に進出しても、想定内の物しか発見されないことが分かり興味がなくなってしまいました。原子の基本を確認しますが、原子は陽子や中性子で作られた原子核と、周囲を取り巻く電子から成り立っています。陽子の電荷はプラス1なので、電荷がマイナス1である電子の数は、足し合わせた電荷がゼロとなるように決まります。この原子の持つ陽子の総数、陽子数のことを原子番号と呼びます。原子番号が変われば電子数も変わるので、それに応じて原子同士のつながり方...人類によって生み出された「人工元素」は何種類

  • 電動アシスト付自転車のメリット

    私は最寄り駅の付近や近くのスーパーなどには、自転車で行くことを基本にしています。私の自宅付近は丘陵地帯ですので、緩やかな上り下りが多く3年ほど前から電動アシスト付自転車(以下電動自転車)を愛用しています。これに慣れてしまうと、普通の自転車は非常に重く(電動自転車のスイッチを入れない時)、既に電動自転車以外は乗れないような気がしています。最近この電動自転車には、一部の人たちが思う以上に健康上のメリットがあるという記事を見ました。これによると筋肉が強くなる、寿命が延びる、心臓の健康が改善される、汗をかかず目的地に到着できるなど、既に証拠が得られているプラスの効果のようです。身体活動は、心血管疾患、ガン、糖尿病を含む複数の病気のリスクを軽くすることが分かっています。電動自転車に乗っている時の運動の強度は、これら...電動アシスト付自転車のメリット

  • ペットを飼う高齢者は認知症発症の確率低下

    私が子供のころはずっと犬を飼っていましたが、今の家になってからしばらくペットはいませんでした。結婚してからネコを飼うようになり、今では家猫1匹と保護猫3匹で、ネコにまみれ生活しています。ペット飼育は認知症の発症する確率を低下させるといった研究結果を、昨年東京健康長寿センターの研究チームが公表しました。介護費抑制につながるという別の調査結果もあり、高齢者福祉とペット問題を考えるうえで注目されています。認知症に関する調査は、東京在住の高齢者1万1194人(平均年齢74.2歳)を対象に、2016年〜20年の介護保険データから。認知症の新規発症者を分析しました。対象のうち調査開始時点でイヌを飼っている人は959人、ネコを飼っている人は704人いました。追跡期間の4年間に認知症を発症した人について調べたところ、イヌ...ペットを飼う高齢者は認知症発症の確率低下

  • 一週間遅れとなった定例麻雀

    先週はSKさんが用事があるという事で、一週間遅れて定例麻雀を開催しました。私は電車が一台前に乗れたため30分以上前に雀荘に着き、ビールを飲みながら待っていましたが、すぐにH君とSKさんが見えました。STさんも少し遅れて(集合時間20分前ですが)来て、すぐに始まりました。最初の半荘は私がチイチャでしたが、実は私はこれがあまり好きではありません。それでも東の1局は配牌もよくドラも2枚ありましたので、順調にタンヤオドラ2で上がれましたので、好調な滑り出しといえそうです。しかし南場の親の時、STさんにメンピン3色自摸ドラ1の跳満を上がられ、残念ながらこの半荘は2位となってしまいました。次の半荘に大きなチャンスが来ました。配牌で白発中が対子で、すぐに発が暗刻になったのです。これならば簡単に大三元が出来そうな形でした...一週間遅れとなった定例麻雀

  • 科学的根拠が貧弱すぎる機能性表示食品

    最近ドラッグストアに行くと、健康食品などサプリメントを含めた売り場が非常に広い面積を占めています。私は基本的に通常の食事をとっていれば、不足する要素はないと思っていますので、こういった類を買ったことはありませんが、いわゆる健康ブームで売れているのかもしれません。食品衛生法第4条には、この法律で食品とはすべての飲食物をいう。ただし医薬品、医療機器等の品質、有効性安全性の確保等に関する法律に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品はこれを含まないとあります。要するに医薬品と医薬部外品以外は食品であるという事です。食品はさらに機能性を表示できる「保健機能食品」と表示できない「一般食品」に区分されます。いわゆる健康食品は多数ありますが、機能性が表示できないという意味ではあくまでも一般食品です。トクホは消費者庁...科学的根拠が貧弱すぎる機能性表示食品

  • 女性が自己免疫疾患に掛かり易い訳

    私が派遣社員として勤務していた研究所の女性が、膠原病という自己免疫疾患にかかっていました。普段は元気なのですがちょっとしたことで不調になってしまうようでした。免疫系は、身体を病気や感染症から守ってくれています。しかしおよそ10人に1人(その8割が女性)は、免疫系が不調となり、自分自身の細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患にかかります。最近の研究によると、男性より女性がかかりやすい理由は、女性が持つ2つのX染色体のうち1つを停止させるメカニズムと関連している可能性があるようです。女性の体の細胞では、Xistとよばれる分子の働きで、2つあるX染色体の1つが不活性化しています。スタンフォード大学の研究は、このXistが自己免疫反応を引き起こすもとだと示唆しています。自己免疫疾患は、多発性硬化症、関節リウマチなど80...女性が自己免疫疾患に掛かり易い訳

  • iPS細胞から結石を溶かすマクロファージを作成

    私は経験がないのですが、尿路結石の痛みは本当にひどいようです。私が大学に研究生として行っていたころ、後輩に今夜あたり結石の痛みが出そうだから泊ってくれと頼まれました。予感どうり夜中に痛みが出て、彼の車で近くの大学病院に連れていきましたが、本当に痛みがひどそうでとても一人では対処できそうもありませんでした。この結石を溶かす免疫細胞のマクロファージを、ヒトの血液細胞より生成されたiPS細胞から作ることに名古屋市立大学などのグループが成功しました。患者が増えている尿路結石の予防薬や溶解を促す治療薬の探索に役立つと期待されています。尿路結石は腎臓内で形成された結石が、尿の通り道である尿管を詰まらせる病気で、背中などに強烈な痛みを起こします。結石の長径が1センチまでならば、尿と一緒に自然に体外へ排出されるのを待つの...iPS細胞から結石を溶かすマクロファージを作成

  • マスト細胞を抑える抗アレルギー化合物を発見

    アレルギーについてはこのブログでも取り上げていますが、私はタケノコアレルギーがある程度で、それほど問題はありません。山梨大学の研究チームが、アレルギー性疾患の治療薬になり得る低分子化合物を発見しました。免疫細胞でアレルギー症状を引き起こす根本要因となるマスト細胞を標的として特異的に抑え込むとみられ、薬剤候補として持続的な効果が期待できるようです。アレルギー性疾患は、花粉やダニなど環境中にあるアレルゲンによってマスト細胞が活性化し、ヒスタミンなどのアレルギー反応を引き起こす分子が放出されて起こります。現在広く使われている抗ヒスタミン剤や副腎皮質ホルモンなどはマスト細胞などから出る分子を標的とする対症療法に留まります。このため投与を中止すると比較的早い段階で症状が再発するケースが多いとされてきました。研究チー...マスト細胞を抑える抗アレルギー化合物を発見

  • 昔の仲間たちとのギター合宿

    先日昔からのギター仲間での合宿がありました。昔の仲間といっても大学時代のクラシックギター愛好会の同級生ですので、もう50年以上の付き合いとなります。同級生は10人いたのですが、残念ながらそのうちの一人は2年ほど前ガンで帰らぬ人となってしまいました。この仲間は年に1回は忘年会などで会っているほか、何かあるとオンラインミーティングなどをやっています。例年は一泊の合宿を幹事のO君の伝手で山中湖で開催していたのですが、コロナで中止していましたので久ぶりの開催となりました。今回は幹事がA君に代わり、やはり会社が会員となっている鎌倉のホテルでの開催となりました。今回はTI君が体調がすぐれないこととTM君は奥さんが病気という事で欠席になり、総勢7名での合宿となりました。ただ私以外は東京方面ですので、ギターを持ってくるこ...昔の仲間たちとのギター合宿

  • 自宅の安全性を考える暮らしの防災

    もうかなり前ですが、若干怪しげなリフォーム会社?の人が家の点検をさせてくれといってきました。自宅はもう築30年ですので、それなりに手入れはしていますが傷んでいるところもありそうなので、外からのチェックをしてもらいました。その結果何カ所か問題点が見つかり、すぐに補修が必要とのことでした。具体的なことは忘れましたが、あまり深刻そうな所はありませんでした。ぜひやらせてくれとのことでしたが、私の家は建てた大手建築会社の関連会社に任せているので、そちらと相談するという事でお断りしました。こういうことがありましたので、自宅の防災について考えてみました。自宅の建っている土地は元々丘だったところを削って平らにしたところです。ここは地主が私の叔父さんほか2名で、その丘を平らにして千坪ほどの宅地に替えたところです。家を建てる...自宅の安全性を考える暮らしの防災

  • 「香害」は神経障害による症状か

    先日と言ってもかなり前ですが、電車で座っていると隣に若い女性が座りました。この女性の香水の香りがかなり強いのです。私は化学物質過敏症ではありませんが、あまりにも強く頭が痛くなりそうな感じでした。夕方から夜にかけての時間帯でしたが、この女性は1日中この香りをまとっているとすると、職場の人に同情したくなりました。幸いすぐに降りて行ったので、これといった症状は出ませんでしたが、最近は香り付きの洗剤なども多いようです。家ではかみさんが香り付きを嫌っていますので、香りに対する耐性もないのかもしれません。柔軟剤や制汗剤の香りが原因で頭痛や吐き気を生じる「香害」の患者に神経疼痛の治療薬を処方したところ、約3分の2に症状の改善が見られたと発表しました。発症の原因が明らかになっていませんでしたが、神経障害などの原因疾患で引...「香害」は神経障害による症状か

  • 女性が危ない「心臓発作」の予兆

    私の歳になると(77歳)長い闘病生活後ではなく、ピンピンコロリで亡くなることを期待している人は多いと思われます。その点で心筋梗塞や脳卒中を望んでいると言えるのかもしれません。心筋梗塞の死亡率は、女性は男性の2倍高いというデータもあり、女性こそが危ないといえそうです。こういった心臓発作にも見逃してはいけない予兆があるようです。女性はこういった予兆を更年期障害の症状だと思い込み、見過ごしてしまう人が多いとしています。女性は痛みに対して我慢強いこともあり、一刻を争う病気だとは思わず治療が遅れやすくなっています。動脈硬化がリスク因子となる心臓発作の代表的なのは、心嚢の筋肉に血液を送る血管が詰まったり、欠陥が痙攣することで筋肉に酸素が届かず心臓が動かなくなる心筋梗塞です。例えば肩が痛いと言い出して整形外科に行っても...女性が危ない「心臓発作」の予兆

  • タバコを止めたい喫煙者の非合理的な心理

    私は最近肺の疾患になり、喫煙が悪影響があると分かっているのですが止めるつもりはありません。いわば確信犯ですので、特別な心理状態にはないと思っています。タバコを止めたい喫煙者は多いようで、そんな喫煙者の心理を考えてみます。日本人の20歳以上が約1億人で、喫煙率が18%程度になっているため、喫煙者は約1800万人となります。2019年の厚生労働省の調査によると、喫煙者の約26%がタバコを止めたいと回答しています。また約31%が本数を減らしたいと考え、約14%が止めたいか分からないとし、28.5%が止めたくないと回答しています。これをもとにタバコを止めたいと考える喫煙者が1/4から1/3とすると、その数は450万人から600万人程度となります。一方止めるつもりのない喫煙者は1200万人から1350万人となってい...タバコを止めたい喫煙者の非合理的な心理

  • 春の朝に二度寝してしまう科学的根拠

    私は朝は比較的スッキリ目が覚める方で、目覚ましで簡単に起きることができます。それでもごく稀に目覚ましを止めてから、二度寝してしまうこともあります。私の家では寝室は常にエアコンを入れ一定の温度になるようにしていますので、あまり季節感がないのですが、「春眠暁を覚えず」の傾向はあるのかもしれません。春の休日の朝に二度寝、三度寝を楽しんだ経験は誰しもあるでしょう。ただ現代人の「春眠」の多くは睡眠不足による寝だめといえそうです。季節に関わらず休日の朝には多くの人が寝だめを決め込んでいます。睡眠時間や眠気の季節変動を調べた研究はいくつかあり、ともにサインカーブ(波型の曲線)のように季節変動することが分かっています。この結果眠気が強くなるのは、春ではなく冬のようです。一年の中では冬季に睡眠時間が最も長くなり、日中の眠気...春の朝に二度寝してしまう科学的根拠

  • 厚生年金と国民年金から天引きされるお金

    私は既に年金生活となっていますが、この年金については人生で最大のギャンブルと考えています。私の年金額は正確には分かりませんが、まあ年額200万円としておきますがすでに15年ほどですので3000万円受領したことになります。もし私が60歳で亡くなったとすると、年金はゼロで全くもらえませんが、85歳まで生きると5000万円の収入となるのです。これだけ多額のお金が入るかどうか、これはギャンブルといえるような気がします。何年ぐらい貰うと支払った厚生年金の元が取れるかも興味あるところです。ここでは日本の公的年金制度「厚生年金と国民年金」の仕組みについての記事がありましたので紹介します。日本に住む20歳以上60歳未満の人は、原則として国民年金に加入します。保険料は一律で大体1万7000円前後の様です。公務員や会社員など...厚生年金と国民年金から天引きされるお金

  • 血液型で病気のリスクが違うことが判明

    私の血液型はO型で、女房もO型ですので私の家族は全員O型となっています。血液型による性格診断など血液型占い的なものが流行っていますが、私は全く信じていません。最近この血液型によって病気のリスクが違うという説が話題となっているようです。A型は几帳面、B型はマイペース、O型はおおらかで、AB型は変わり者といった性格診断が行われています。こうした診断は自分や周りの人に当てはめてみると、当たっているように思うこともありますが、実際には科学的根拠はなく、日本でしか話題にならないようです。A型の赤血球にはA抗原、B型にはB抗原、AB型にはAとBの両抗原がありますが、O型にはどちらの抗原もありません。この発見は血液型不適合による輸血事故を減少させ、輸血を発展させるきっかけとなりました。血液型は当初血液だけの判定方法とし...血液型で病気のリスクが違うことが判明

  • 地球上で生命ができる確率は限りなくゼロに近い

    生命誕生の謎は、私が大きな興味をもって調べており、このブログでも時々紹介しています。しかしあくまでも仮説が出ているにすぎず、私が生きているうちにこの問題は解決しそうにありません。ここでは宇宙論に関連した生命誕生の謎についての仮説を紹介します。一般に天文学者や物理学者の多くは、宇宙の広大さや地球がありふれた惑星であることから生命を宿す星は宇宙にいくらでもある、つまり生命の誕生は宇宙での必然だと考えてきました。一方多くの生物学者は地球には多種多様な生物が存在しており、それぞれの生物が複雑な高分子有機物を多数使いこなして生命活動を維持しているのを見て、そう簡単にできるはずがないと考えてきました。ある天文学者が研究対象を「宇宙の生命」にまで拡張しました。地球のような限られた時間と空間の中では、生命は誕生しえないと...地球上で生命ができる確率は限りなくゼロに近い

  • iPS細胞からの心筋球でサルの心機能改善

    iPS細胞については最近あまり見かけなくなっていますが、どうも最初の期待ほどではないような気がしています。ひとつは小さな組織を作るにも数千万円という多額の費用が掛かる点です。iPS細胞研究に何でこんなコストが掛かるのかよく分かりませんが、これでは実用化など程遠いと言わざるを得ません。信州大学や慶応大学のチームが、ヒトのiPS細胞から作った心臓の筋肉の細胞を、心筋梗塞を起こしたサルの心臓に移植して、心機能を回復させることに成功したと発表しました。これまで移植後に起きる不整脈が課題でしたが、移植する細胞の純度を高めることで不整脈の頻度を格段に減らせたようです。心臓の表面の血管が詰まる心筋梗塞が起こると、心筋の細胞が数億個も失われ、心不全という心機能が低下した状態につながります。心不全患者は高齢化とともに増え、...iPS細胞からの心筋球でサルの心機能改善

  • 酒も老化の原因物質のひとつか

    私はそれほど大量には飲みませんが、酒が好きで毎晩飲んでいます。夕食の時軽くビールを飲み、風呂上りにウイスキーを少し飲んで寝るというのが日課となっています。最近このエタノールが代謝されてできるアセトアルデヒドが老化原因物質のひとつであるという説が出てきました。歳をとると認知機能が落ち、筋力が衰え耳が聞こえにくくなったり視力が低下するなどして、身体の機能や環境への適応力などが落ちて老化します。老化は活性酸素によって身体が錆びつき、身体を作っている物質のひとつタンパク質が「酸化」や「糖化」作用により、劣化することなどで起きることが知られています。名古屋大学の研究グループは、酒に含まれるアルコールが体内で代謝されて作られるアルデヒドが老化原因物質のひとつではないかという論文を発表しました。今回の研究成果の背景には...酒も老化の原因物質のひとつか

  • 原子と元素は何が違うのか

    物質を徹底的に細かくしていくと、原子に到達します。この原子というのはいわば私の専門であり非常に身近なものですが、一般的にはあまり考えることもないでしょう。この原子を大きさ順に並べた周期律表を見ると、いろいろ思い出して非常に懐かしくなります。原子に現われる性質によって分子が作られ、化学反応を起こすようになり体や身の回りのものになっていきます。ですから原子がものの基本的な単位であるというのは確かなことです。私たちに馴染みのある性質が現れるのが原子という単位からで、眼に触れるすべての物は118種類の原子の組み合せなのです。118種類の原子は、性質が似ているいくつかのグループに分けることができ、原子をグループ別にまとめたものが「周期律表」です。この周期を生み出すもとになっているのが、それぞれの原子を作っている電子...原子と元素は何が違うのか

  • 脳の誤った通説、脳の10%しか使っていない説

    近年脳科学は大いに進展し、ブラックボックスであった脳が徐々に分かってきたような気がします。また心理学なども進み人の魂なども徐々に解明されているようです。この過程で誤った通説なども生まれてきましたので、ここではそういった物の解説記事を紹介します。まず人が「左脳タイプか右脳タイプか」という発想は不朽の概念となっているようです。脳の左側部分は論理的、右側は創造的であると擬人化され、人の個性やスキルはどちら側の脳が支配的かによって決まるという考えです。脳の左半球と右半球は対称的に配置されていますが、両者は非対称的に成長し機能することが分かっています。いずれも1000億個近いニューロンが識別可能な領域に位置しており、特定の役割のために調整されています。2つの半球は協力して機能しますが、それは直観的に思っているような...脳の誤った通説、脳の10%しか使っていない説

  • 加熱式タバコはアルツハイマー病の進行に悪影響

    最近加熱式タバコのハームリダクション(害の低減)についての記事を見かけるようになりましたが、完全禁煙推奨のため加熱式煙草の問題点を出すよりは、どんな害が減るのかも出す必要があるような気がします。今回も加熱式煙草の悪い点ですが、どうも科学的ではないような気もします。喫煙がアルツハイマー型認知症の発症や進行に影響を及ぼすことは知られていましたが、加熱式タバコについての新たな研究結果が発表されました。認知症は高齢化社会での大きな問題であり、日本では65歳以上の認知症の患者数が2025年に約730万人、2060年には1100万人以上になるという推計もあります。これは各年齢の認知症の危険因子となる有病率が、2012年から2060年までの間すっと20%上昇し続けると仮定した場合です。認知症にはアルツハイマー型認知症(...加熱式タバコはアルツハイマー病の進行に悪影響

  • 尿1滴で覚醒剤など薬物40種類を判別

    私が現役のころ、ラットやマウスの尿中の薬物排出量を測定して欲しいという依頼がありました。ところが尿というのは当然ですが老廃物の宝庫で、無数と言える化合物を含んでいます。しかもこの老廃物のパターンは、同じ個体でもいつ採尿したかによって大きく異なり、うまくバックグラウンドを消去するのに非常に苦労した記憶があります。近畿大学や愛知県警科学捜査研究所のグループが、尿1滴で覚醒剤など数種類以上の薬物を3分以内に特定できる手法を開発したと発表しました。これまで薬物犯罪捜査で科捜研に送られた被害者や被疑者の尿を、分析化学に精通した人が鑑定する際に時間がかかり、簡易検査では疑陽性の誤った結果も出るという問題がありました。このため逮捕から検察官送致のリミットである48時間以内にできず結果が出せないこともあり、被疑者が釈放さ...尿1滴で覚醒剤など薬物40種類を判別

  • 加熱より冷却が難しいと感じられる理由

    私の家ではまだエアコンは暖房用に使っており、冷却することはありませんが、何故温度を下げることができるのかについてはほとんど知っていません。ここでは冷蔵庫などが冷える仕組みについての解説記事を紹介します。一般に加熱より冷却の方が難しいと言われていますが、熱から仕事を作り出す熱機関は多種多様なものがあるのに対して、冷却器はあまりバリエーションがありません。エアコンは気体や液体などを使って熱を交換することで、室内の温度を下げたり上げたりする空調機器です。熱を移動させるための流体のことを冷媒と言います。エアコンではおもに水素とフッ素と炭素の化合物が冷媒として使われています。まず室内機の熱交換機で部屋の暖かい空気を集め、冷媒を暖めます。熱せられて冷媒は室外機に送られ、圧縮機で圧力をかけることでさらに高温になります。...加熱より冷却が難しいと感じられる理由

  • 人工関節の技術革新で広がる選択肢

    私の知人は数年前からひざに痛みが出て、色々な病院に行ったようですが良くならず、現在は杖に頼っています。根本的に治すには人工関節しかないようですが、まだ踏み切れずにいるようです。人工関節の機械的耐久性はかつて10〜20年程度といわれ、手術後における患者の負担もあったので、人工関節置換手術は原則1回、70歳前後にタイミングを見てとされていました。これは平均寿命と人工関節の耐久性を約15年とした場合、70歳前後に手術を受けた方が人工関節を再び取り換える再置換手術の可能性が低くなるという考えに基づいていました。しかし近年の人工関節の技術革新により、状況は大きく変化しています。1990年代以降、人工関節の製造技術の進歩に加え、改良を重ねて耐久性や安全性は目覚ましく向上しました。人工関節のデザインや形状の適合性や材料...人工関節の技術革新で広がる選択肢

  • 麻疹ワクチン「1回だけ接種」の人は要注意

    各地で麻疹(はしか)の報告が増えているようです。私の年代では子供のうちにしっかり接種しているはずですし、子供がはしかに罹った経験もありますので、まず大丈夫とは思いますが、若干気持ち悪い部分もあります。現時点では感染経路を追うことができていますが、感染者数が増えてくると、どこで感染したか分からなくなってしまう可能性があります。特に感染した人が中途半端な免疫を保有していると、「修飾麻疹」という状態になるため注意が必要です。麻疹は定期で2回に分けてワクチンを予防接種します。しかし忙しい、忘れてしまったなどの理由で2回目接種が行なわれないことがあります。子供のころに1回だけワクチン接種しているなど、麻疹に対して中途半端な免疫を持っている場合、麻疹ウイルスに感染すると、軽症で典型的でない麻疹を発症することがあります...麻疹ワクチン「1回だけ接種」の人は要注意

  • 健康食品の体にいい成分は本当なのか

    機能性表示食品についてこのブログでも取り上げましたが、私はこういった「健康食品」は全く摂取したことがありません。ひとつには普通に食事をとっていて、なにか特定の栄養素などが不足することはないと考えられるからです。また単に飲むだけの味も何もないものが、健康食品というのも奇妙な話です。それでも健康に良いとされる健康食品類が、毎日テレビやネットなどを通じて大々的に宣伝されています。病気の予防や健康維持に有効ではないかとされる物質が「機能成分」としてもてはやされ、それを摂取すれば容易に健康が得られるような「錯覚」に導いている気がします。健康食品は表向きはあくまで食品なので、どのような良いことがもたらされるかについて明記することはできません。そこで「行間を読ませる」手法が用いられています。たとえば「若々しくありたい方...健康食品の体にいい成分は本当なのか

  • 高学歴な人とそうでない人、どちらが長生き

    私は学位(博士号)をとっていますので、高学歴に分類されそうです。実は日本では博士号をとってもほとんど意味がありませんでした。研究職と言ってもサラリーマンですので給料が上がるわけではなく、なんの変化もありませんでした。こういった学歴と長生きに関係があるとは思われませんが、国立がん研究センターが日本人の教育歴ごとの死因別死亡率の推計を発表しました。その結果教育歴が短いと死亡率が高いという傾向が出たようです。がんセンターは2010年の国勢調査と10年から15年の人口動態調査の死亡表に共通してもうけられている、性別生年月などの5項目が一致するデータを同一人物とみなし、30〜79歳対象に死因別死亡率を分析しました。その結果教育歴が短い群(小学・中学卒業者)は、教育歴が長い群(短大・大学・大学院卒業者)に比べて男性で...高学歴な人とそうでない人、どちらが長生き

  • 湿布薬をたくさん使ってはいけない理由

    私はどこかが痛いという事がほとんどありませんので、湿布を使ったことはほとんどありません。かみさんはクリニックで多量に処方してもらい、そのまま貼ったり小さくしてガムテープで止めて使ったりしています。多くの人が肩こりや腰痛で湿布薬を使ったことがあるのではないでしょうか。医療機関でも処方してもらえますし、薬局やドラックストアでも市販品を購入できますから、最も身近な薬と言ってもいいかもしれません。しかし手軽だからと言って安易に使い過ぎてはいけないようです。とりわけ心臓にトラブルを抱えている人は注意が必要です。また高血圧で血圧を下げる薬(降圧剤)を服用している人も気を付けたいものです。湿布薬には血圧を上昇させたり、病状を悪化させたりする危険があるのです。湿布薬に含まれている代表的な成分は、フェルビナク、ジクロフェナ...湿布薬をたくさん使ってはいけない理由

  • 日本人は本当に絶滅するのか、少子化問題

    少子化の問題はいろいろ取り上げられていますが、確実に進行するようです。20年後の母親候補となる女性は既に生まれていますが、確実に減少しており、この人たちが数人子どもを産むとは考えにくいですので、少子化の流れは続きそうです。今後の日本社会は、子育て支援策が成果を挙げ、合計特殊出生率が多少改善したところで、出生数が増加することにはなりそうもありません。いわゆる論壇でも人口減少への対策に関してピント外れな議論が目立つようです。典型的なのが「労働力の不足は、AI(人工知能)の応用や移民の受け入れで解決する」という楽観的な主張です。日本の労働力人口は今後十数年で1000万人近くも少なくなるとみこまれています。そのすべてを機械や外国人に置き換えることは無理と言えそうです。今取りあげるべきなのは、人口の絶対数が激減した...日本人は本当に絶滅するのか、少子化問題

  • 「心筋」は他の部位には見られない唯一無二の筋肉

    今回は心筋(心臓の筋肉)の話ですが、私は昔から脈拍がやや早いようです。特に運動したり緊張したりしなくても100を超えてしまい、頻脈と診断されることが多くなっていました。精密検査などもしたのですが、どうも体質のようでそのままになっています。心筋は自律的な収縮をし、その収縮は平滑筋と同じように自律神経に支配されていますが、構造的には骨格筋と同じ横紋筋となっています。規則的な縞模様を持つことで、再現性が高く筋細胞全体で同期した収縮が可能となっています。心臓は血液をポンプで送り出す役割を担っているので、袋状の構造を膨らませたり閉じたりする機能が求められます。本来ならば内臓を収縮させるのと同じ平滑筋が向いているはずです。しかし生命維持の中核であるという性格上、単純に膨らんだり閉じたりすればいいというものではないよう...「心筋」は他の部位には見られない唯一無二の筋肉

  • 一週間延期となった定例麻雀を開催

    本来定例麻雀は先週やる予定だったのですが、前日私が37.9℃の熱が出てしまいました。それほど体調が悪くはなかったのですが、皆さんに延期をお願いしました。次の日かかりつけのクリニックに行き、抗生物質を処方されました。これが効いたとは思えませんが、3日ほどですっかり良くなり、1週間遅れで麻雀を開催することにしました。この日はH君が少し遅れる可能性があるという事で、13:15に雀荘集合にしました。1時前に雀荘に行ったところ既にH君とSKさんが来ており、すぐにSTさんも見えてすぐに始まりました。いつものように最初の半荘の東1局は今日のツキを占うという事で集中していましたが、親であるにもかかわらず配牌も悪く自摸も悪いという全く手が進まないままH君に上がられてしまいました。それでもその後軽い手を3回ほど上がり、満貫な...一週間延期となった定例麻雀を開催

  • 点滴の回数と病気の重さとの関係

    私が現役のころ、薬の開発をしていると効果のある薬が見つかった次の段階がADMEでした。これはA:吸収、D:分布、M:代謝、E:排泄、という体内に入ってからの挙動です。多くの薬は飲むことを前提にしていますが、どうしても腸管吸収されないというケースが出てきます。この場合は注射薬(点滴も含む)となりますがどうしても使いにくい薬となってしまいます。私の場合もそうでしたが、入院していると何回も点滴を受けることが多くなります。これは別に重症だと多くなるという訳ではなく、患者の負担を減らすために点滴投与がされています。これは先ほどのADMEのうち、吸収・分布を解決する優れた方法とも言えます。クスリの種類によっては、1日1回の投与と決められているものもああれば、1日複数回の投与が必要なものもあります。つまり軽い病気の治療...点滴の回数と病気の重さとの関係

  • 疲れた状態を作り出す「慢性神経炎症」とは

    私はあまり疲れたという感じになることはなかったのですが、新型コロナで肺炎になって以降は少し歩いただけできつい感じが出ています。これは肺機能が低下してしまったためですが、脳の健康が悪化することにより、意図的に身体が疲れた状態を作り出してしまうことがあるようです。脳に関わる健康及びエネルギーの問題は、元をたどると「神経炎症」と「血液脳関門の漏れ」に行きつきます。脳には全長600キロに及ぶ血管がつながっていて、酸素と栄養素をを脳に届けると同時に、代謝廃棄物を脳から運び出しています。この長い血管は、不必要な分子が脳の中に漏れ出さないように血液脳関門でコーティングされています。血液脳関門はいわば脳を守る門番と言えるようです。血液脳関門は外部の悪い物質、毒素、病原菌、誤った免疫細胞などから脳を守るのに欠かせません。一...疲れた状態を作り出す「慢性神経炎症」とは

  • 大麻は本当に健康に「害」を及ぼさないのか

    若者の間に大麻が広まっているようです。私はこういう話しを聞くと入手経路がどうなっているのかが不思議ですが、予想外に多くのいわゆる売人がいるのかもしれません。大麻には健康に害がないという情報が流れており、こういったことから気軽に手を出す傾向があるようです。少し前タバコより大麻の方が害が少ないという記事がありましたが、私は大いに疑っています。警視庁が発表した2023年の犯罪白書によると、全国の警察が大麻関連で摘発した検挙者数が覚醒剤関連のそれを初めて上回りました。大麻関連の検挙者の半分以上が若い世代で、「大麻には健康への悪影響はない」というネットなどで流布する間違った情報を鵜呑みにすることもその要因のようです。大麻については100種類以上の成分が確認されていますが、その中ではTHC(テトラヒドロカンナビノール...大麻は本当に健康に「害」を及ぼさないのか

  • 地球沸騰化時代、5月から熱中症に注意

    私は若いころから寒がりで、暑さには比較的強い方でした。冬はもこもこに着て本当に外に出たくありません。ですから夏は好きで、少々の暑さはあまり気にせず汗をかきながら平気で暮らしています。熱中症にはなったことがありませんが、こういったことも体質と関連があるのかもしれません。昨年の日本の夏は史上最も暑かったようです。6〜8月の平均気温は明治31年(1898)の統計開始以降で最も高く、各地で猛暑日日数の歴代最多を更新しました。酷暑はもはや地震や台風などと並ぶ「災害」に位置付けられ、命を守るための対策が必須な状況となっています。日本気象協会はこのほど「地球沸騰化時代の熱中症対策」として、情報発信を開始しました。気象協会は平成25年から、熱中症予防に向けた情報発信を進める「熱中症ゼロへ」プロジェクトを開始、公式サイトで...地球沸騰化時代、5月から熱中症に注意

  • ワクチンや薬で老化細胞を除去

    加齢によって生じる老化細胞がいろいろ問題を起こしていることは、このブログでも時々取り上げています。最近老化細胞をいかに除去するかの研究も進んでいるようですが、これに有効なワクチンが開発されたという記事が発表されました。ヒトの細胞は、神経細胞や心筋細胞などを除いて常に分裂・増殖を繰り返していますが、無限に分裂し続けられるわけではありません。分裂回数には「ヘイフリックの限界」と呼ばれる法則があり、一定の回数を超えると分裂できなくなります。ヒトの場合の限界値はおよそ50回とされ、細胞分裂できなくなった状態が細胞にとっての老化となります。このヘイフリックの限界を決める要因は、「DNAダメージ」と「テロメア」にあるようです。細胞にはDNAダメージが一定以上蓄積すると細胞を老化させる機能が備わっています。またテロメア...ワクチンや薬で老化細胞を除去

  • ビタミンDとカルシウムのサプリメントは効果なし

    現在は色々なサプリメントにあふれており、ドラッグストアなどでは広いスペースがこれに当てられています。私は基本的に必要な成分は食事からとれるはずと考えていますので、こういったサプリを飲んだことはありません。最近ビタミンDのサプリメントの摂取が骨折予防に役立つかどうかの検証が、2万6000人を対象とした実験結果が報告され、効果なしとなっています。さらに新たに3万6000人以上の閉経後の女性を対象に、ビタミンDとカルシウムの併用が及ぼす影響を22年間にわたって調べた大規模な研究が、医学誌に掲載されました。被験者は7年間サプリメントを摂取し、その後15年間追跡調査を受けるという長期にわたるものです。この研究では、サプリメントが股関節骨折に及ぼす影響だけでなく、ガンや心臓病で死亡する割合がサプリメントによって変化す...ビタミンDとカルシウムのサプリメントは効果なし

  • 糖尿病薬などありふれた薬の抗ガン効果

    現在のガン治療は手術優先で、例えば肺ガンなどはガンの部位だけでなく大きく肺葉をとってしまうという手術が主流となっています。こういった手術は患者にとって負担が大きく、ガンは治ってもその後遺症のようなものに悩まされるという話しをよく聞きます。最近はガン細胞の部位だけをとるという流れも出ているようですが、まだまだ変わるところまでも行っていないようです。しかし化学療法で使う抗がん剤も副作用の強いものが多く、これも問題かもしれません。最近は生活習慣病などで使われる薬が、ガンとの関連で注目されているという話題が出てきました。大阪大学と国立がん研究センターのグループは、男女6万7768人を対象抗コレステロール薬のスタチンとガン罹患リスクについて10年間追跡調査しました。スタチンを5年以上服用したグループは肝臓ガンのリス...糖尿病薬などありふれた薬の抗ガン効果

  • 冬野菜の凍結耐性を高めるための工夫

    今年は暖冬といわれてきましたが、3月に入っても寒い日が続きました。ホウレンソウなどの冬野菜は気温低下を感知し、凍結耐性を高めるるために細胞壁の多糖を増やすことを、埼玉大学などの研究チームが突き止めました。この働きは多くの植物で認められており、凍結耐性を改変することで農作物の収量増加や品質の向上につながる可能性があります。冬野菜は他の季節より甘くておいしいことが昔から知られていますが、このおいしさのもとは細胞内の糖分です。細胞液が水ならば理論的には0℃以下で凍ってしまうのですが、冬野菜の細胞液は気温低下を感じると糖分が増えて凝固点を下げるなどして、零下でも凍らず生存できるようにしています。埼玉大学の研究チームは、これまで構造の分析などが難しく凍結耐性の仕組みが分かっていなかった細胞壁に注目しました。ホウレン...冬野菜の凍結耐性を高めるための工夫

  • 抗ガン剤はいつまで続けるのか、その意義と効果

    私はこの歳(77歳)になっても幸いガンには侵されていないようです。ただ一切のガン検診などを行っていませんので、ただ見つかっていないだけかもしれません。私は現役のころ抗ガン剤研究も少しやりましたが、その作用を追求していくとひどい副作用が出るのは当然のような気がしていました。それ以来ガンになっても治療をしないと決めています。転移のある進行ガンに対する抗ガン剤治療の目標は「ガンとうまく長く付き合う」ことです。効果が得られていて、副作用が許容範囲であれば、同じ治療を続け効かなくなったら別の種類の抗ガン剤に切り替えていくのが一般的です。早期ガンに対して再発予防で抗ガン剤治療を行うときは、半年間や1年間など治療期間が決まっていますが、進行ガンでは延々と治療が続くことになります。抗ガン剤治療に限らずどんな医療行為にも、...抗ガン剤はいつまで続けるのか、その意義と効果

  • 機能性表示食品の臨床試験

    小林製薬の紅麹問題はまだいろいろ取り上げられていますが、生きた麹を使用しているのですから、色々な有害物が出てきてもやむを得ないと思っています。こういった機能性表示食品の多くの臨床試験で有利な結果が協調され、不利なものが消費者に伝わっていないことが分かったと、医師や研究者らのグループが発表しました。「特定保健用食品」は、健康を保つ機能を持つ食品を国が審査し許可する制度です。これとは別に2015年、申請のみで機能性を表示できる「機能性表示食品」制度が始まりました。機能性を確認する臨床試験は食品会社が「開発業務受託機関(CRO)」に委託することも多いようです。ただCROの試験の質や結果の消費者への伝わり方は、詳しく調べられてこなかったとしています。研究グループは検証を試みました。試験計画を事前に登録する仕組み「...機能性表示食品の臨床試験

  • 医師からの「多剤処方」の意外なリスク

    私が軽い肺炎となり市内の大型病院に行った際、肺炎はほぼ治っており肺に炎症があるということで6種類もの薬を処方されました。またかみさんは色々と痛いところがあるという事で、大量の湿布薬を出してもらっています。湿布薬は飲み薬よりも安全性が高いというイメージがあるためか、多用している人も少なくないようです。医療機関で処方できる1処方当たりの枚数は、2020年度診療報酬改定で上限63枚に制限されましたが、それでも少ない量とは言えません。手軽なクスリだからこそ、しっかりリスクを把握したうえで、適切な用法と用量を守る必要があります。それでも大きな問題は薬の「多剤処方」と「長期処方」です。高齢化が進んで慢性疾患を抱える患者が増加したことで、複数の薬を大量に処方される患者が増えています。厚生労働省の調査でも、65〜74歳の...医師からの「多剤処方」の意外なリスク

  • サンゴを守る海の掃除屋「ナマコ」

    私は子供頃よく海の岩場で色々な海洋生物と遊んでいました。その中でどうも苦手だったのがナマコで、見た目もグロテスクで触感も悪くあまり触ることができませんでした。大人になってからナマコを食べてみましたが(確か酢のものでした)、特に美味しいとは感じませんでした。最近の研究で、このナマコがサンゴの健康維持に重大なパートナーとなっていることが明らかになりました。ナマコは「海の掃除屋」と呼ばれる底生生物で、海底の堆積物を食べバクテリアや汚染された有機物を消化し、キレイになった健康な堆積物を海に戻します。したがってナマコはサンゴや生態系の健康維持にかなり貢献しています。研究結果によると、ナマコはこれと同じ作業をサンゴの表面でも行って、サンゴの健康を損ねる有機物を取り込んで掃除しているそうです。堆積物が原因で起きるサンゴ...サンゴを守る海の掃除屋「ナマコ」

  • 新型コロナ後遺症は今どうなっているのか

    私は2月の初めに新型コロナに感染し、間質性肺炎となり10日間も入院していました。その後順調に回復し、後遺症もないと思っていました。しかし何と3月下旬に調子が悪くなり、近所のクリニックに行ったところ、また肺炎を発症してしまいました。これはコロナの後遺症ではありませんが、やはり歳をとるとこういった病気にかかりやすくなってしまうようです。新型コロナも感染拡大から約4年経ち、後遺症に悩んでいる人もいると言われています。世界保健機構(WHO)では、コロナ後遺症について新型コロナの感染を経験した人で、他の病気で説明がつかない症状が2か月以上つづく場合と定義しています。これは感染直後から症状が続く場合も、感染から回復後に不調が出る場合もあります。岡山大学病院は2021年、後遺症の患者向けの外来を開設しました。今年2月ま...新型コロナ後遺症は今どうなっているのか

  • 検診結果に記された「HbA1c」の意味

    私は年に1回程度健康診断として血液検査をやっていますが、ほとんどすべての検査値が標準に入っているという、健康体となっています。尿酸値が若干高いのですが、ここ数年代わっていないようなので問題なさそうです。この検査結果の中に「HbA1c」という何の略か分からない項目がありますが、血糖値と同じ糖尿病関連の項目です。HbA1cは「糖化ヘモグロビン」とも呼ばれています。ヘモグロビンは、赤血球の中に大量に含まれる酸素運搬用のタンパク質で、これに血糖(血液中のブドウ糖)が結合したものが糖化ヘモグロビンです。赤血球は骨髄で作られますが、この時すでにその内部にヘモグロビンが格納されています。この段階ではヘモグロビンは糖化されていませんが、赤血球が血管に出てくると、血液中のブドウ糖にさらされて、徐々に糖化が進みます。血糖値が...検診結果に記された「HbA1c」の意味

  • ケラチンの球体ゲルで発毛・育毛

    私の髪の毛はすっかりグレーになってしまい、細く薄くなりましたがまだ何とか残っています。もう77歳ですので禿げてきてもおかしくないのですが、それほど手入れなどしない割には、残っていることに喜んでいます。筑波大学の研究チームが、髪の毛の主成分のケラチンを極小の球体ゲルにして皮膚に塗ると、発毛や育毛の効果があることを実証しました。中高年男性向けの発毛・育毛剤は市場に出回っていますが、人体の成分を使用するため副作用が少なく、薬を使用しにくい産後の女性の抜け毛などにも活用できると見込んでいます。髪の毛や爪、皮膚を構成するケラチンはタンパク質の一種で、何万〜何十万という分子で鎖状につながっています。筑波大学は、元々様々な物質を極めて小さなサイズで球体化する実験を重ねてきました。研究チームは羊毛由来のケラチンを、スプレ...ケラチンの球体ゲルで発毛・育毛

  • 生命の起源について知っておきたい3つの仮説

    生命の起源については、私が非常に興味を持っておりこのブログでも時々取り上げています。約46億年前に地球が誕生し、その10億年後には生命の存在が確認されています。その間いったい何が起こったのか、色々な仮説が提唱されていますので、ここではそれを紹介します。まずユーリー・ミラーの実験として知ら得る古典的(1950年代)な実験です。これは閉鎖された環境の中で水を加熱しつつ、水素、メタン、アンモニア、水蒸気が混じった気体に雷のように電気を流し、冷却するといった実験です。その結果1週間もしないうちに、実験で再現された「海」は赤茶色に変わりました。生命の構成要素であるアミノ酸が作られたためとしています。その後の研究により、地球の初期の大気組成は、この実験で作ったものとはやや異なり、主な成分は窒素と二酸化炭素で、水素やメ...生命の起源について知っておきたい3つの仮説

  • 人はどこまで長寿になれるか、老化研究の最前線

    私は特に長生きをしたいとは思っていませんが、できればあまり老化せずにいたいという当然の気持ちはあります。ワシントン大学の研究者は、老化のメカニズムを解明しつつあり、近いうち人の老化を遅らせ、健康寿命を延ばすことが実際にできるようになるでしょうと述べています。日本では抗老化効果があるとされる「NMN」のサプリメントに販売が過熱し、世界でも老化研究を社会実装する取り組みに注目が集まっています。一見同じように見える「老化」と「加齢」は、科学的に見ると異なる考え方のようです。老化とは時間の経過に伴う「身体の機能低下」のことで、加齢は時間の経過と共起こる「すべての現象」のこととしています。たとえば「白髪」は、細胞レベルで色素を作り出す機能が低下したために起こる加齢の現象ですが、身体機能が低下しているわけではないため...人はどこまで長寿になれるか、老化研究の最前線

  • 近所のクリニックは良い医師なのかダメな医師か

    このブログでも何回か書いていますが、2月の初めに新型コロナにより間質性肺炎となり、市内の大型病院に10日間入院しました。退院後は2週間ほど若干静養していましたが、ほぼ通常に戻り電車で出かけて麻雀をやったり、問題なく日常生活が送れていました。ところが3月中旬の日曜日に、近くのスーパーに自転車で買い物に行ったところ、駐輪場で非常に息苦しくなってしまいました。自転車は電動アシストですので、それほど運動をしたわけではないのに呼吸が苦しい感じでした。それもざっと買い物をして帰ってから酸素飽和度を測ると、80代まで低下していました。これは病院に行った方が良さそうと、入院していた病院を調べると、初診は紹介状が無いとダメなシステムでした。そこで最寄り駅の近所の呼吸器科を検索したところ、駅の近くにクリニックがありました。次...近所のクリニックは良い医師なのかダメな医師か

  • 脳腫瘍の状態を「少量の血液」で判別が可能に

    私の知人は、急に言動がおかしくなり検査したところ、脳腫瘍が見つかりました。幸い悪性ではなかったため手術後は普通に生活しています。悪性脳腫瘍である神経膠腫については、外科的な切除手術前に悪性度を知ることで、術後の経過を知ることが重要です。東北大学の研究グループは、神経膠腫の悪性度などについて、少量の血液検査で判別することのできる技術を開発しました。脳腫瘍には良性と悪性がありますが、ガン転移ではない原因が不明な原発性の悪性脳腫瘍のひとつが神経膠腫という脳腫瘍です。原発性脳腫瘍の種類は約150種類もあり、その中で神経膠腫(星細胞腫、上衣腫などの種類があります)は全体の4分の1以上で最も多くなっています。神経膠腫の治療には主に外科的な手術が用いられますが、放射線治療や化学療法も行われます。外科的な手術では周辺部位...脳腫瘍の状態を「少量の血液」で判別が可能に

  • 全世界で10億人以上が「肥満」という研究結果

    私の家族は息子や孫たちも含めて全員痩せ型ですので、「肥満」の60%以上は遺伝によるという説も間違っていないのかもしれません。1990年から2022年の間に、肥満の割合が著しく上昇したことが最新の研究で明らかになりました。研究者たちは、肥満の割合を下げるために、より栄養価の高い食品を摂取することが重要と考えているようです。最近の学術誌に掲載された研究によると、世界の成人女性の肥満の割合は1990〜2022年の間に2倍以上に増え、成人男性では3倍に増えており、子供ではこの間に4倍も高くなったことが分かりました。成人女性の肥満の割合が最も高いのはトンガ及びサモアで、成人男性の肥満の割合が最も高いのはナウルおよびサモアで、それぞれ人口の60%を占めていました。米国女性における肥満の割合は1990年の21.2%から...全世界で10億人以上が「肥満」という研究結果

  • 日本で「歯が生える薬」が実現間近か

    最近人生100年時代と言われていますが、そんな長寿にはならないと思っています。実はヒトの歯の耐久年数はその半分のおよそ50年といわれています。良い歯が残るかどうかは個人差が大きく、特にケアなどしなくても痛まない人もいれば、入念に手入れをしても悪くなる人もいます。私は後者で、母も若い内から歯に苦労していましたので、遺伝が占める部分もありそうです。そんな中人類の夢をかなえるべく、「歯が生える薬」が開発中であり、今秋から臨床試験が始まるという報道がありました。1990年代には、歯は1つの遺伝子の変異で数が増えたり減ったりすることが分かっていました。歯は生える数が決まっていて、全部で32本あります。しかし元々数が足りない先天性無歯症という患者が全体の1%くらいいます。また逆に、歯が32本より多くあるのを過剰歯とい...日本で「歯が生える薬」が実現間近か

  • コレステロール値と脳梗塞・心筋梗塞の関係

    このところ健康診断での血液検査の数値を取り上げていますが、基本的には一喜一憂するほどのものではないと思っています。ここではHDLコレステロールとLDLコレステロールを取り上げますが、職場検診や特定検診などの必須項目になっています。これら2つと中性脂肪が高いと「脂質異常症」といわれますが、すぐに何かの危険が迫っているというわけではありません。しかし動脈硬化が進みやすくなるため、徐々に脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上昇します。HDLコレステロールは「善玉」、LDLコレステロールは「悪玉」と覚えている人も多いと思いますが、基本的には間違っていません。悪玉は低い方が良く、善玉コレステロールは高い方が良いと押さえておけば、健康管理の上で特に問題はありません。コレステロールという物質は科学的には1種類で、HDLやLDLと...コレステロール値と脳梗塞・心筋梗塞の関係

  • 糸状菌や放線菌など人類と菌類の関係

    最近紅麹のサプリメントによる健康被害が大きく取りあげられています。この原因はまだはっきりしていないようですが、紅麹は糸状菌ですので、突然変異で有害物質を作ってしまう可能性はあるような気もします。こういった菌類と人類の関係はうまく利用していると言えるような気がします。まず大きな発見はペニシリンなどの抗生物質でしょう。ペニシリンは、パンなどに繁殖するアオカビ(糸状菌)が作り出す物質で強い抗菌作用があります。このように微生物が作り出す抗生物質は、多くの医薬品のもとになっています。特に結核に対しては、1943年に放線菌が作り出すストレプトマイシンが発見されたことで、多くの結核患者の命が救われることになりました。またカビの糸状菌は、衣類や建物に生育して汚染することから嫌われていますが、洋の東西を問わず古くから味噌、...糸状菌や放線菌など人類と菌類の関係

  • これだけ惑星があるのになぜ水は地球にだけ多いのか

    このブログでも何度も書いていますが、私は宇宙にはほとんど興味がありません。ただ地球という惑星は異様に水の量が多いのですが、なぜこんな現象が起きたかには興味があります。生命の誕生にはたぶん水が必須だったと思われますが、そういった点でも面白い現象と言えます。実際に太陽系の惑星の中でも、地球以外には水はほとんど存在していません。これは各惑星の温度や質量など微妙な問題のようです。地球は地表の71%は海水で覆われており、その平均の水深は3729mにもなります。この海水が地表にある水の96.5%を占めています。そして地下水として1.7%、氷河として1.74%の水があり、その他に湖水や河川水や大気中の水蒸気などがあります。地球近傍の宇宙空間では、水は氷ではなく気体となっています。氷であれば凝集して大きくなるので地球の引...これだけ惑星があるのになぜ水は地球にだけ多いのか

  • 「脳へ転移」したガンを治療する方法

    ガンは色々な臓器に転移することが知られていますが、肺ガンは脳に転移することが多いようです。金沢大学の研究グループが、肺ガンが脳に転移するメカニズムを解明し、治療法などの開発につながる成果を発表しました。肺ガンは診断時に脳への転移が見つかることが多く、脳へ転移したケースの約半数が肺ガンと考えられています。肺ガン以外では、前立腺ガン、乳ガン、腎臓ガン、メラノーマなどが脳へ転移することが多く、ガンの治療法が進化発達し、生存期間が長くなるにつれて脳転移の発生率が増加しています。化学療法に使われる抗ガン剤は血液脳関門を通過しにくいため、脳へ転移したガンに対しては外科的な手術や放射線治療が行われますが、これらの治療には手術の困難さや副作用の等の危険性があり、患者に大きな負担を強いることになります。金沢大学の研究グルー...「脳へ転移」したガンを治療する方法

  • 新型コロナ治療薬に「有用性なし」の評価

    私は新型コロナで間質性肺炎で入院した時は、点滴でコロナ薬を投与されていましたが、3,4日で終息したようです。最近厚生労働大臣の諮問機関である中医協から衝撃の発表がありました。新型コロナによる重症化(入院や死亡)を防ぐ薬として、国内で既に1600億円以上を売り上げている、「ラゲブリオ」に対し「費用増加」との評価が下されたのです。この言葉はあまり聞きませんが、このクスリを使っても「新型コロナによる入院や死亡のリスクは一般的な治療と変わらず、余分なお金がかかるだけ」というような意味のようです。つまりコロナ薬としては、ほとんど効果が無いと言えるのかもしれません。ラゲブリオは、日本で2021年12月に特例承認され、新型コロナ薬としてトップシェアを獲得し、今も診療現場で広く用いられています。目的は、新型コロナが重症化...新型コロナ治療薬に「有用性なし」の評価

  • 慢性的な疲労や気分の落ち込みは脳の不調が原因

    私は今肺炎後の肺機能のやや不調を気にしつつ暮らしていますが、肺炎で傷んだ部分は回復しないという説もありますので、このまま調子がやや悪いままかもしれません。自分を取り巻く環境に対する認識や、自分の精神状態は、日常のエネルギーレベルを決めるのに重要な役割を果たします。脳の健康に不調が生じると、周囲や自身に対する認識だけでなく、自分の身体を思うように動かしたいという感情や欲望にも悪影響が出ます。重度の疲労はうつを悪化させ、不安を高めると言われており、さらに疲労はうつの経済的負担を45%増やしています。疲労を軽減することがうつの治療に効果的なことも、うつと疲労の関連を示す証拠だと言えます。体が必要とするエネルギーを作り出すためには、脳内のニューロンが信号を出す必要があり、その信号を伝えるためには、大量の神経伝達物...慢性的な疲労や気分の落ち込みは脳の不調が原因

  • 50代で無しは珍しい白髪の科学

    私の友人のO君はいわゆる若白髪で、たぶん50代ぐらいから白髪が目立つようになり、60代で完全に白髪になってしまいました。Y君も白髪が目立っていましたが、最近(70代後半)になりやはり完全に白髪だけとなっています。私は白黒、灰色が混ざったグレーの髪の毛ですが、二人のように完全に白くなるのも良いと思っていますが、あまり気にしていません。ただ毛が薄くなってきたことは確かで、地肌が見えるようになってしまいましたが、まあ77歳では当然のことかもしれません。ここでは白髪についてのあれこれを紹介します。白髪とは髪の毛から色素が抜けて透明になることで、髪の毛の表面に光が反射して白く見える状態をいいます。個人差がありますが、通常年に1〜2%くらいの割合で進行し、後頭部に少なく黒髪より成長が速く、太く扁平になりやすい傾向があ...50代で無しは珍しい白髪の科学

  • 肥満症治療薬「ウゴービ」が抱えるニーズと乱用

    このブログでも肥満を時々取り上げていますが、私は肥満が多くの病気の誘因になっているのではないかと思っています。この肥満症の治療薬「ウゴービ」が2月末に販売開始されました。肥満症治療の新しい選択肢として期待される一方で、このクスリにはネガティブな意見も付きまとっています。ウゴービは、いわゆる「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれる薬の一種で、体内でインスリンの分泌を促します。インスリンは第一に血糖値を下げる働きがあり、そのためGLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病の治療薬として、血糖値の高い患者に対してそれを下げる目的で長らく使われてきました。またインスリンは食欲を抑える働きもあり、そのためこの薬は欧米では肥満症の治療薬としても使われています。ウゴービは欧米を中心に利用者が急増していますが、日本でも2023年3月...肥満症治療薬「ウゴービ」が抱えるニーズと乱用

  • ヒトへの「臓器移植用」ブタが国内で誕生

    ヒト以外からの臓器移植に関しては、かなり前にブタの心臓を移植した人の話を取り上げたことがあります。この患者は数カ月で亡くなったようですが、異種移植が現実となりつつあるようです。1996年にクローン羊ドリーが話題になってから28年も経ちましたが、現在の最先端のクローン技術は、臓器移植用のブタを誕生させるところまで到達しました。明治大学発のベンチャー企業などのグループが、クローン技術でヒトへの臓器移植を前提にした特殊なブタの生産に成功し、その子ブタが誕生したことを発表しました。誕生したブタは臓器移植しても拒絶反応が起きづらい遺伝子操作を施されています。ヒトへの移植を想定したブタが国内で生まれるのは初めてのことで、臨床応用への期待が高まっています。こういった異種移植の際にブタが選ばれるのは、臓器の大きさや適合性...ヒトへの「臓器移植用」ブタが国内で誕生

  • 全身のガンを早い段階で発見できる「PET検査」

    ガンの発見に有効とされる「PET検査」ですが、それほど広まっているという感じはしていません。以前友人がこの検査を受け、その画像を見たことがありますが、ガンと思われる部位が明るく光っており、納得できるような気がしていました。PET検査は、全身の脂肪の代謝を画像化する検査です。ガン細胞は正常な細胞の何倍もの多くのブドウ糖を消費します。この性質を利用して、ブドウ糖に似た構造の検査薬(FDG)を体内に注射し、このクスリが多く集まる場所を突き止めて、体内に潜むガンを見つけ出します。目安としてガン細胞が1センチ程度の塊になれば発見できます。ガンの種類によっては、ブドウ糖が強く集まるタイプと、薄く集まるタイプなどさまざまなレベルがあるため、内容を見極めるには経験が必要です。レントゲンやCT画像は、「形の変化」で良性か悪...全身のガンを早い段階で発見できる「PET検査」

  • ヒトの身体を支配する腸内細菌「移植」で治療

    近年腸内細菌の研究が盛んになり、「腸内細菌叢」が重要な役割をすることが分かってきました。それに伴い腸内細菌をビジネスへと活用しようとする動きも活発になっています。2020年に順天堂大学、東京工業大学、慶応義塾大学の研究者らが共同創業したMGTxもそのひとつです。腸内細菌ベンチャーと言えば、腸内細菌の検査ビジネスや腸内細菌を整えるサプリメント販売などを手掛けているイメージが強いのですが、MGTxは「便移植」を通じた腸内細菌叢の移植や、「腸内細菌叢バンク構想」などを掲げる変わった戦略を取っています。腸は地球上で最も高い濃度で微生物が存在する場所と言われています。腸の表面には細菌が40兆ほど共生していると言われています。人間の全身の細胞の数が37兆個であることを考えると、その膨大さが分かります。ヒトは生まれる前...ヒトの身体を支配する腸内細菌「移植」で治療

  • 「ALS」関連遺伝子を標的にした新薬登場

    「ALS」(筋委縮性側索硬化症)はそれほど良く聞く病気ではないのですが、怖いというイメージがあります。日本ALS協会によると、日本には約1万人の患者がいて、毎年2300人が新たに発症するとされています。20代、30代で発症することもあるようですが、多くは50代以上、祖父母や両親など家族に患者がいるケース(家族性)が5〜10%を占めますが、それ以外の「孤発性」の場合、原因や発症リスクはほとんど分かっていません。発症から人工呼吸器を必要とするまでの期間は、中央値で3〜4年とされています。手足の症状で始まるタイプに比べ、しゃべりや飲み込む嚥下機能低下で始まるタイプの方が症状の進行は早い傾向があります。個人差が大きく、発症後1年以内に呼吸不全になることもあれば、10年以上も人工呼吸器を必要としない患者も1割程度い...「ALS」関連遺伝子を標的にした新薬登場

  • ほぼ「接着剤」で組み立てられているクルマがある

    このブログでも書いたことがありますが、私は接着剤に興味を持っていました。残念ながらこの研究はできませんでしたが、カップ麺のようにぺりぺりはがすと簡単にはがれる物や、ウエットティッシュのように何回でもくっつくものなど本当に多彩です。しかしこの接着剤がなぜくっつくのかはいまだに謎になっているという話しもあります。磁石がくっつくのが不思議なのと同様に、接着剤が物と物をくっつけるのは当たり前ではないようです。どうも「接着」という現象の根本的な仕組みは、まだ完全に解明されてはいないらしいです。こういった接着の仕組みを調べている研究グループが、「接着剤が引きはがされるプロセスの電子顕微鏡によるリアルタイム観察」に成功しました。この産総研のグループによると、ここ10年くらいで接着剤に対する社会の期待が変わってきたそうで...ほぼ「接着剤」で組み立てられているクルマがある

  • 食道ガンの放射線治療法と化学療法

    少し前に食道ガンを取り上げましたが、やはり基本的な治療法は手術療法です。ここでは色々な理由で手術ができない時の、放射線療法と化学療法について紹介します。手術療法と並ぶガン治療の大きな柱となるのが、抗ガン剤を使う化学療法と、放射線療法です。食道ガンの場合化学療法または放射線療法を単独で行うより、2つを同時に受ける方が効果的で、両者を組み合わせる療法を化学放射線療法と呼んでいます。こういった方法は、根治が望めないほど進行している場合に、次善の策として取られる治療法というイメージがあるかもしれません。しかしこの2つを組み合わせた化学放射線療法は、病期によっては手術に匹敵する効果も期待できます。化学放射線療法を選ぶ理由として、手術に耐えられる体力が無い場合です。病巣は限られた範囲に留まっていても、全身の状態から手...食道ガンの放射線治療法と化学療法

  • 「中年太り」の原因、加齢で神経細胞に変化

    このブログでもよく書いていますが、私はこの歳になるまで痩せ型体形で、中年太りという経験はありません。むしろ60代ぐらいから下腹がぷっくりしてきたのですが、服を着ていれば全く目立つことはなく、若干気にしているという程度です。しかし肥満体形の人にとっては、中年太りは切実な問題となっているようです。名古屋大学などの研究チームは、この中年太りに関してラットを使った実験で、代謝や摂食をつかさどる脳の視床下部にある神経細胞の「一次繊毛」という部位が加齢などで短くなることが原因と突き止めました。ヒトにも同様の仕組みがあるとみられ、肥満が引き起こす疾患(肥満症)の根本治療につながると期待されています。中年太りの原因として、加齢による全身の代謝低下が挙げられていましたが、詳しい仕組みはよく分かっていませんでした。名古屋大学...「中年太り」の原因、加齢で神経細胞に変化

  • 乳がん治療で「乳房を広い範囲で切除」が減少

    ガンに罹る人は増加しているものの、死亡率は下がり続けています。これは「ガン治療」の進化が著しいことが要因のひとつです。日本乳ガン学会の「乳ガン診療ガイドライン」に示すように、現在でも手術は乳ガン治療の重要な手段です。しかしその位置付けや方法は、臨床試験のエビデンスや技術の進歩、社会状況によって大きく変化してきました。20世紀後半まで広く行われていたのは、ハルステッド手術と呼ばれる根治的な乳房切除術でした。ガン病巣のある乳房はもちろん、大胸筋、小胸筋から鎖骨下のリンパ節を切除し、ガンに侵された部位周辺の広い領域を徹底的に取り除く大手術です。加えて鎖骨上リンパ節や胸骨傍リンパ節、時には鎖骨そのものまで切除する拡大乳房切除術も行われました。こうした手術が普及した結果、乳ガンの局所再発率は低下したことは確かです。...乳がん治療で「乳房を広い範囲で切除」が減少

  • 顔と目と舌の写真だけで「老化度」を判定

    中国の研究者が、個人の顔と舌と網膜の画像を人工知能(AI)を使って分析し、「生物学的年齢」を判定するツールを開発したという記事がありました。ある人の実年齢(暦年齢)は、運転免許証などを見れば知ることができます。これに対して、生物学的年齢を知るのは難しく、実年齢とは違い広く合意された測定方法がありません。生物学的年齢は環境や生活様式や遺伝の影響を受ける可能性があります。例えば喫煙者は実年齢よりも老けて見えることがあり、フィットネスに熱中している人ははるかに若く見えることがあります。この2つの年齢の差は、見た目だけの問題ではないようです。生物学的年齢が実年齢よりも高い人は、慢性疾患があったり、平均よりも早く認知機能が低下したりしているかもしれません。一般に生物学的年齢を測定するモデルは「老化時計」と呼ばれてい...顔と目と舌の写真だけで「老化度」を判定

  • チョコレートの「脳への影響」とは

    私は若いころはチョコレートが好きで、当時マーブルチョコ(今でもあるのでしょうか)を常時携帯し、何かあるとひと粒舐めていました。それでもそれほど大量に食べるわけではなく、一箱(一本)あると1か月近くもっていたような気がしています。チョコレートに含まれるフラバノール(カカオ・ポリフェノール)は、心血管機能へ好影響を及ぼすとされていますが、最近は脳への影響がいろいろ研究されているようです。チョコレートのカカオに含まれるフラバノールには抗炎症作用があり、血管の内側の細胞を守ったり血小板の凝集を抑制するのではないかと考えられています。強い抗酸化作用があるフラバノールは、高密度リポタンパク質(HDL)を増やし、低密度リポタンパク質(LDL)の酸化を抑え、インスリンの抵抗性を下げる可能性があるようです。またフラバノール...チョコレートの「脳への影響」とは

  • 心疾患に関係する女性ホルモン

    心筋梗塞などの循環器病(心疾患)は男性に多いというイメージがあるようですが、女性も発症し世界では女性の死因のトップとなっています。私の身近な人で心疾患で亡くなった人がいませんので、あまり実感はわきませんが日本でも女性の死因の2位を占めています。女性のための心疾患予防・啓発プロジェクトが始動しましたが、専門家は心臓を始めとする臓器の機能には女性ホルモンが関与していると述べています。実際には男性と女性でなりやすいケガや病気に差(性差)があるようです。男性は20代から40代にかけてコレステロール値が高くなる傾向があります。脂質異常症になると、動脈硬化が進行し狭心症や心筋梗塞などを招く恐れがあります。糖尿病や痛風も男性の方が多い病気です。女性では貧血が代表的な病気で、生理を繰り返すことに伴うもので、肩が凝ったり腰...心疾患に関係する女性ホルモン

  • 私のせいで1回延期となった定例麻雀

    このところ家で静養していましたが、間質性肺炎で入院後退院してからほぼ1カ月がたちましたので、もう大丈夫だろうと麻雀を開催しました。ただ医師に進められて購入したパルスオキシメーターで血中酸素濃度を時々測っていますが、通常は92〜95程度で推移しているものの、運動という程でなくても動いたりすると90を切ることがありました。やはり初めて電車に乗り、長時間麻雀をやって大丈夫かという不安はありました。そこで近所のドラッグストアに行き、酸素吸入器を探してみました。結局店員に聞いたのですが、「携帯酸素」というスプレーのようなものを購入しました。やや大きめの物でしたが、これがあれば急激に酸素飽和度が下がっても何とか対応できそうな気がして、これを持参しました。雀荘にはH君とSKさんが来ていたので、待つ間にかなり詳しく状況を...私のせいで1回延期となった定例麻雀

  • 高い枕で寝ると脳卒中になりやすい説

    私は若いころは寝つきが悪く、ベッドに入ってもなかなか寝付けませんでした。別に枕にこだわりなどなく、どんな枕でも問題はなかったのですが、なかなか寝付けないことをやや気にしていました。それが歳をとってからは非常に早くなり、寝酒としてウイスキーを少し飲む習慣が良いのかもしれません。寝酒はあまり良くないと言われていますが、私にとっては良い睡眠をとるうえで大いに役立っているような気がします。脳卒中の原因のひとつ、特発性椎骨動脈解離は高い枕で寝る人ほど発症率が高いことが、国立循環器病研究センターの研究チームの分析で明らかになりました。研究チームは「殿様枕(とのさままくら)症候群という新しい病気の概念を提唱し、何気ない睡眠習慣が脳卒中のリスクになり得ることを認識してもらい、予防に繋げて欲しいとしています。突発性椎骨動脈...高い枕で寝ると脳卒中になりやすい説

ブログリーダー」を活用して、ごっとさんのブログさんをフォローしませんか?

ハンドル名
ごっとさんのブログさん
ブログタイトル
ごっとさんのブログ
フォロー
ごっとさんのブログ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用