BL小説・風のゆくえには~眼鏡の話(後編)
【慶視点】話は高校生時代に遡る。浩介と享吾は同じバスケ部だった。そのバスケ部男子の中で、とある女子……ずっと眼鏡だったけれど、ある日突然、コンタクトにしてきた女子のことが話題になり、「眼鏡やめて正解」という意見が大半をしめる中で、一人の部員が、「オレは眼鏡の方が好き」と、言い出したそうだ。「眼鏡の子が、時々、眼鏡外した時に、『え、かわいい』ってドキッとなる感じが更にいい」なんて、マニアックな意見まで言い出し、賛否両論巻き起こった中で、享吾は断然「眼鏡賛成派」だったそうだ。「村上って、普段こういう話に全然乗ってこないのに、この時だけは、すごーく食い気味だったから、印象に残ってるんだよねえ」記憶をたどるように、天井を見上げながら浩介が言った。「だからきっと、村上の好きな子は眼鏡かけてるんだろうなあって、その時...BL小説・風のゆくえには~眼鏡の話(後編)
2024/02/09 07:21