25年間寝起きした部屋から、別棟の部屋へ引っ越した。別棟といっても、いずれも、かつて石井記念友愛社の子ども達と指導員の先生たちが住んだ部屋である。廊下を挟んだ棟続きの部屋だが、そこから見ると、真ん前に見える仮面美術館として使っている部屋も、自分が暮らした部屋も別世界のような、深い森に埋もれた建物である。ここからまた、新しい日々を開始しよう。まずは片付けと、書籍類の引っ越しである。壁面に絵を飾ると、そこはたちまち安住の空間となる。自分の入った部屋は、これまでは神楽取材の仲間などにゲストルームとして使っていたが、隣の部屋はまだ自然布や染色の素材、古布資料などが積み上げられたままだ。まだ、激しい動きをすると神経痛が再発する恐れがあるから、少しずつ、引っ越しを進めよう。古民家や空家などを片付けて、絵画作品や古美術...森の中の絵のある部屋【森へ行く道<165>】