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  • ついて行ってはいけません

    「ついて行ってはいけません」6月25日『経済安保「スパイ対策」講演』という見出しの記事が掲載されました。『目黒署は22日、先端技術を保有する目黒区内の企業関係者らを対象に、経済安全保障に関する講演会を区内のホテルで開催した』ことを報じる記事です。その中に面白い記述がありました。『(社員は)知らないおじさんにはついて行かず、SNSに情報を載せる前に一度よく考えてほしい』という伊藤署長の言葉です。後段はよく分かります。しかし、前段の「知らないおじさん~」には、思わず笑ってしまいました。小さい子供に誘拐されないための注意をしているのではなく、いい大人に対して言っているのですから。しかしよく考えてみると、現代は、情報を入手するためには「普通の人」がターゲットにされる時代なのだという注意喚起であり、そういう意味では...ついて行ってはいけません

  • 鉛筆をもたせれば?

    「どうすればよかった?」6月26日書評欄に、詩人渡邊十絲子氏が、『書こうとしない「かく」教室いしいしんじ著(ミシマ社)』についての書評を書かれていました。その中に『書くことは、あらかじめ自分の中に用意したもののアウトプットではない。書くことで初めて姿を現すものを待ち受けることなのだ(略)中身あっての表現ではなく、表現が中身をつくっていく』という記述がありました。思わず唸ってしまいました。私が都教委の指導主事だった頃、表現を重視するという新しい教科指導の方向性が示されました。私も、表現力の育成をテーマにした校内研究に講師として呼ばれることがありました。私はそうした場で、表現の仕方に習熟させることが大切なのではなく、まず表現したいと思える内容を一人一人の子供にもたせることが重要だと説いていたのです。学習の中で...鉛筆をもたせれば?

  • 抗う壁になれ

    「拍車をかける」6月24日『映画鑑賞早送りで?』という見出しの記事が掲載されました。『「映画を早送りで観る人たちファスト映画・ネタバレ-コンテンツ消費の現在形」(光文社新書)』の著者稲田豊史氏へのインタビュー記事です。『早送りでの視聴者は、映画やドラマを1.5倍や2倍速で見るだけではない。結末にかかわりがなさそうな日常会話を飛ばしたり、視聴前に「ネタバレ」サイトをチェックして重要なシーンだけを部分的に見たりする』そうで、そうした行為の背景について、語られている記事です。記事の中に、『現代の若者は、時間がなく、お金もない傾向にある(略)でも、SNSで常に他人とつながり、共感を強要され、見るべき作品とされる映画は内容を把握しておかなければならない(略)食事そのものを楽しむのではなく、栄養を摂取する目的で手軽に...抗う壁になれ

  • 金持ちは死せず

    「ディベートしたら」6月21日『BTS活動休止表明「芸能人の兵役免除」韓国与党議員が主張』という見出しの記事が掲載されました。人気グループBTSの活動休止声明を受け、『与党「国民の力」の尹相現議員は20日、フェイスブックで「経済への影響が甚大だ」とし、功績が大きい芸能人の兵役を免除するための兵役法改正を主張した』ことを報じる記事です。BTSについては、メンバーの誰一人として知りませんし、楽曲も知りません。ホワイトハウスや国連本部に招待された世界的な人気と知名度を誇る人たちという程度の知識しかありません。それなのにこの記事に注目したのは、これはディベートの題材として最適だと思ったからです。中高生は、BTSに興味関心をもっているでしょう。そこで、BTSの兵役を免除することに賛成か反対かと問いかけるのです。兵役...金持ちは死せず

  • 私だけ?

    「みんなそう?」6月21日精神科医香山リカ氏が、『「スターの話題」内輪で』という表題でコラムを書かれていました。その中で香山氏は、患者さんに生活の様子を聞くときのことについて触れられていました。『スポーツや歌番組が好きなどと話しているうちに、「あの選手今年は全然ダメだね」「好きだった歌手が結婚したんだけど、イメージと違う相手なの。もうガッカリ」などと激しい言葉が飛び出ることがある』とし、『選手や歌手などスターにとっては気の毒な話だ。全く会ったこともない遠くの人たちに、「ダメ」「ガッカリ」と好き放題言われるのだから』と述べられています。そしてさらに、でも『それがスターの役割』とも述べ、『(私たちにとって)気楽に「いいね」「ダメだね」などと口にすることができて、ちょっとしたストレス解消にもなる』と精神科医らし...私だけ?

  • 無理なく根付かせる責任

    「学校教育への影響も」6月20日『離婚後の共同親権提案へ法務省』という見出しの記事が掲載されました。『法務省は、家族制度の見直しを議論している法制審議会の部会に、離婚した父母双方を親権者にできる「離婚後の共同親権」の導入を提案する方針を固めた』ことを報じる記事です。記事によると、提案内容は、『父母が話し合いや裁判所の判断で共同親権を選択できるようにする』もので、親権行使の場面としては、『進路や病気の治療方針を父母双方が共同親権に基づき、子のために熟慮して決定する』が想定されているようです。つまり、学校教育にも大いに関係があることなのです。さらに、離婚後は父母が別居することが一般的であることから、『この日常の世話について決める「監護権」を持つ親である「監護者」を置く制度も議論される』ということです。そして、...無理なく根付かせる責任

  • 危険な本

    「危険な本」6月18日書評欄に、JT生命誌研究館名誉館長中村桂子氏による『「戦争をやめた人たち1914年のクリスマス休戦」鈴木まもる文・絵(あすなろ書房)』についての書評が掲載されました。内容は誰もが一度は耳にしたことがある有名なエピソードです。『第一次世界大戦で、フランス、ベルギーに攻めこむドイツ軍をイギリス軍が迎えうつ最前線でのことだ。12月24日の夜、鉄条網を挟む二つの塹壕からクリスマスの歌が響き、いつしか一緒に歌っていた(略)その後4年間も続いた戦争の中で、彼らは撃ち合いを避けたという』という話です。聞いたことがありますよね。中村氏は、『敵と思っていた相手が音楽やスポーツを愛する同じ仲間であることに気づいて戦争をやめた人たちがいるのに~』と書かれています。この物語は、そういう話なのでしょうか。私の...危険な本

  • 経験とノウハウ再評価を

    「何故か」6月17日『こども家庭庁発足へ理念を実現できる体制に』というタイトルの社説が掲載されました。その中に、首を傾げてしまう記述がありました。『縦割り行政から脱却できるかどうかが焦点だ(略)一方で、幼児教育や義務教育は文部科学省が引き続き担当する。自民党の文教族などが移管に反対したためだ』という記述が一つです。そしてその少し後に、『いじめ問題でも、教育委員会や学校の対応が問題視されるケースが後を絶たない。こども家庭庁は自治体と連携し積極的に関与すべきだ』と書かれているのです。これらの記述から、「文科省が所管してきた幼児教育や義務教育をこども家庭庁に移管すれば、いじめ問題への対応もうまくいったのに残念だ。せめて文科省所管であってもこども家庭庁が関与を強めていじめ問題を解決していくべきだ」という考えがうか...経験とノウハウ再評価を

  • 強制せずに成り立つか

    「これで何回目?」6月16日『学校と分離混乱必至』という見出しの記事が掲載されました。最近部活をテーマにした内容が多くて恐縮ですが、今回も部活についてです。元埼玉県スポーツ局長久保正美氏へのインタビュー記事です。久保氏の見解の中から、再度確認しておきたい点をいくつか取り上げたいと思います。まず、『文科省は「休日から段階的に移行」と掲げているが、部活動を平日と休日で分かることは難しい』という指摘についてです。全くその通りです。ただ、久保氏は、だから地域移行は慎重に、という立場ですが、私は違います。土日や祝日、長期休業日などの部活を先行移行するのではなく、一気に全ての部活を地域移行すべきだと考えています。中途半端な移行で混乱を生み、改革が立ち往生することは避けなければなりません。現実的には、いきなり全ての部活...強制せずに成り立つか

  • 教員といえるか

    「教員?」6月15日『こども家庭庁設置法きょう成立』という見出しの特集記事が掲載されました。その中に『いじめ対策なお困難』という小見出しがあり、『いじめ対策は従来通り文科省が担うが、こども家庭庁の設置は、その改善につながるのだろうか』という問題意識で、分析と実情紹介が掲載されていました。そこに気になる記述がありました。『大津市は、13年度から全市立小中学校55校に学級担任を持たない「いじめ対策担当教員」を約70人配置し(略)21年度に市が「いじめ疑い」として把握した件数は8498件で、12年度の20倍超となり、早期対応が可能になった』という記述です。といっても、気になったのは施策の成果についてではなく、学級担任を持たないという教員の存在についてです。その70人は「教員」なのでしょうか、という疑問が浮かんだ...教員といえるか

  • 政経の溝?

    「そうだったの?」6月14日『そこが聞きたい日本の基礎研究』という見出しの記事が掲載されました。ノーベル医学生理学賞受賞者大隅良典氏へのインタビュー記事です。その中で大隅氏は、大学と企業との関係について問われ、『日本の企業の多くは最近、グローバル化の中で社会の持続的な発展や生き残りのため、大学の基礎研究を大切にしたいという意識が強まっている。だが、そうした変化を大学側が受け止められず、連携先として海外の大学に目を向けている企業も多い』と語っていらっしゃったのです。正直なところ、とても驚いてしまいました。私は、企業がすぐに製品化の役に立つ科学技術を求めている→政府が企業の要請を受け大学に実用性の高い科学技術の研究を強い、基礎研究に回す費用を削っている→大学における基礎研究が疎かになっている、という図式を描い...政経の溝?

  • それが言えれば苦労はしない

    「それこそが自己責任論」6月14日読者投稿欄に、東京都中学生S氏による『あだ名の一律禁止よくない』というタイトルの投書が掲載されました。その中でS氏は、あだ名で呼ぶことを止め「さん」付けで呼ぶよう指導する学校が増えているというニュースを踏まえ、『あだ名や呼び捨てを禁止して「さん」付けにしてしまうと友だちとの距離が縮まらなかったり(略)デメリットが多い』と書かれています。さらに、『僕自身はあだ名で呼ばれていやだとおもったことがない』『僕もあだ名でよばれることがあるが、それまでお互いに距離を感じていた人とも親しくなれた』などとあだ名の効用を説き、『つけられたあだ名がいやだったり、違う呼び方をしてほしかったりする人はいると思う。その時には自分から周りの人に申し出ることや、先生や親などの大人を通して解決できればい...それが言えれば苦労はしない

  • 既得権化する前に

    「スルー厳禁」6月13日『人をおとしめる「ランク付け」』という見出しの記事が掲載されました。『悪い言語哲学入門』の著者、南山大准教授和泉悠氏へのインタビュー記事です。その中に次のような記述がありました。『集団Aが集団Bを不快な表現で呼び、それが社会的にスルーされることでAとBの間に序列関係が生まれ、Bに対する暴力や差別が謝った形で正当化されてしまう』というものです。この文章を目にして、すぐに私の脳裏に浮かんだ光景がありました。それは私が6年生の担任をしていたときのことです。いつも身ぎれいな格好をして、少しおませな女児グループがありました。休み時間、その中心的人物であるSがグループの仲間たちとの会話で、「二軍の子たちがさあ~」と口にしたのです。私は、「二軍」が誰を指しているのか、どういう意味なのかすぐに察し...既得権化する前に

  • 欠課重視は簡単だから

    「簡単だから」6月12日心療内科医海原純子氏が、『プロセスも見る』という表題でコラムを書かれていました。その中で海原氏は、『ネットで映画を見る場合は、途中で退屈なシーンがあると、とばしたりする』という若者の視聴態度に触れ、『プロセスと結果、というもののとらえ方』が気になると書かれていました。そして、『一生懸命努力しても結果が思わしくない場合、がっかりしている子どもや部下の努力というプロセスを見る姿勢がないと、結果が出ないでつらい思いをしている人は救われない』と、保護者や上司に注意を促していらっしゃいます。結果重視・プロセス軽視という風潮については全く同意見です。その弊害についても、です。ただ、単にプロセスにも目配りをして努力を認めようというのでは、うまくいかないとも感じます。理念としての、プロセス評価が大...欠課重視は簡単だから

  • それは「失敗」ではない

    「失敗ではない」6月12日余禄欄で、『(大地の芸術祭)の展示予定作品の損壊が公表された』ことに関わるコラムが掲載されました。その中に、『美術家、クワクボリョウタさんの作品「LOST#6」など2点が修学旅行で見学した中学生に壊されてしまったという。踏み荒らされたクワクボさんの作品は展示できずにいる(略)クワクボさんによる9日のツイートには、救われた思いがした。▲「誰でも若いうちは失敗をする。誰かにけがを負わせたわけではない」「重要なのは生徒たちが内なる不満や怒りや欲望を様々な違った形で表現できるように支えること」(略)作品の作者にしかできない発信は、いまの大人社会が忘れかけていた包容力を思い起こさせてくれた』という記述がありました。記者は、クワクボ氏の「寛容な態度」を肯定的に評価していますが、私は強い違和感...それは「失敗」ではない

  • 本音に応える

    「本音を言うと」6月10日『改革先駆け脱「教育」』という見出しの記事が掲載されました。『通信制高校に通いながら、地域に根差して野球を学ぶ仕組みは、今後行われる部活動改革の流れにも通じる』ということで取り上げられたもので、新しい仕組みを立ち上げた、GXAスカイホークス運営安田厚社長へのインタビュー記事です。その中で安田氏は、『学校の部活動は23年度以降、段階的に地域のスポーツクラブなどに移行されます。これまでの経験から伝えられることはありますか』という問いに対し、『「教育」という概念を外した方がよいと思います。教育を掲げるがゆえに厳しくなり、締め付けが強くなってしまいます。理想かもしれませんが、スポーツは楽しむものです(略)管理しながらスポーツをさせるのは違うと感じています』と答えていらっしゃいました。斬新...本音に応える

  • 教員が知らなければならないのは

    「他には?」6月9日『地域移行道筋示して』という見出しの記事が掲載されました。部活について、『公立中で長年にわたって野球部監督を務め、4回の全国大会出場を果たした』猿橋善宏氏へのインタビュー記事です。その中に、いくつか気になる内容がありました。まず、部活について、『授業だけでは身に付けられない「非認知能力」を補うには最適の機会になった』と評価していることについてです。部活が、やり方によっては「非認知能力」を育てる場となるという点については異論はありません。しかし、最適なのかと言えば、そう言い切ることはできないと思います。生徒会活動も、学校行事も、そしていわゆる休み時間における人間関係も、「非認知能力」を育てることは間違いありません。違う言い方をすれば、部活がなくなっても、生徒の「非認知能力」を伸ばすことは...教員が知らなければならないのは

  • 政治家への謝礼

    「資金提供」6月9日『菅前首相の高校後援会中止神奈川県教委「参院選に影響」抗議殺到』という見出しの記事が掲載されました。『神奈川県教育委員会は8日、県立瀬谷西高校で13日に予定されていた菅義偉前首相の講演会を中止すると発表した』ことを報じる記事です。記事によると、『学校や県教委には「夏の参院選の投票行動に影響が出かねない」などの130件を超える抗議の電話が殺到していた』とのことです。『選挙権を持つ生徒もいることを考えると、講演は選挙活動と受け取られかねない』という識者の見解も紹介されていました。もっともな指摘だと思います。ただ、この指摘とは別に、私にはある疑問が浮かびました。それは、菅氏に対する講演の謝礼はいくらだったのか、ということです。教育委員会には、講師謝礼に関する規程があるはずです。大学教授ならば...政治家への謝礼

  • ぎゅうぎゅう詰めにして

    「状況が変わったから?」6月8日論点欄は、『佐々木投手と人材育成』というテーマの下、3人の識者が意見を述べていました。ロッテ投手コーチの吉井理人氏、元日本オリンピック委員会理事の山口香氏は、理念として、目先の成果にばかりを重視するのではなく、一人一人の個性を見極めじっくりと長期的な視野での育成が大切という趣旨の話をなさっていましたが、千葉商科大准教授常見陽平氏だけが少しニュアンスが違っていました。労働社会学者である常見氏は、『若者の数が多かった時代は競わせることで優秀な人材が生まれたが、少子化の今は違う。成果から育成へ-。そのシフトチェンジを自覚できるかどうか。佐々木投手に続く若者が育つかどうかはそこにかかっている』と語っていらっしゃったのです。つまり、常見氏は、多人数で競わせることができる環境があれば、...ぎゅうぎゅう詰めにして

  • うまい話は逃がすな?

    「望ましい変化?」6月7日『SNSトラブル5万件超す消費者白書21年最多2割が20代』という見出しの記事が掲載されました。『ネット交流サービスをきっかけとした相談が2021年、全国の消費者センターに5万406件寄せられたことが7日、政府が閣議決定した22年版の消費者白書で分かった』ことに関する記事です。その中に、『「チャンスと感じたら逃がしたくない」と考える人が10代後半で74.6%、20代で71.3%(略)業者などに利用され、トラブルにつながっているのではないか』という記述がありました。とても気になりました。うまい話には毒がある、私はこういう戒めをよく耳にして育ちました。私だけが変わっているというのではなく、当時はそうした考え方が一般的だったように思います。そのせいかどうかは分かりませんが、私自身、他に...うまい話は逃がすな?

  • うかつなことは口にできない

    「リトマス試験紙」6月4日『「嫁さん」「旦那」使われ続けるのは?』という見出しの記事が掲載されました。『(嫁さん、旦那という呼称は)男女平等の時世にはには適さない言葉ではないだろうか。なぜこうした呼称が使われ続けているのか』という問題意識の下に書かれた記事です。記事では、『(嫁、旦那)いずれも戦後の民法改正で廃止された家父長制や家制度が色濃く残った』ものであるし指摘し、『1955年の第1回日本母親大会で発起人の評論家、丸岡秀子さんが「主人と呼ばず夫と呼ぼう」と提唱した』と呼称問題には長い歴史的経緯があることも説かれていました。そして、『呼称が変わらなければ、人々の意識も変わらない』『呼称の変化は性別役割意識などの解消につながる』『専門家は(略)差別を含まない呼称の普及を後押しすべき』と訴えているのです。全...うかつなことは口にできない

  • 一度貼ったレッテルは剝がせない

    「不変」6月2日『AI無実の人「詐欺犯」に』という見出しの記事が掲載されました。『(オランダ)税務当局は児童手当を巡る受給詐欺の対策として、コンピューターを利用して個人データを分析。そのシステムが、無実の人々に理不尽なレッテルを貼り続けていた』事件について報じる記事です。記事によると、『「詐欺犯」のレッテルを貼られた被害者の多くには、ある共通した特徴があった。それは移民系住民であること』だそうです。つまり、『外国人の名前を抽出した民族的なプロファイリング』の標的にされたということです。『システムを運用した職員の偏見がデータの入力や分析に反映』され、『偏見に基づく過ちが、コンピューターを使ったデータ処理や、人工知能の分析により、大量に再生産』された。つまり、『コンピューターがデータを解析して自ら学ぶ「機械学...一度貼ったレッテルは剝がせない

  • ここでも骨太

    「理念なんて青臭い?」6月1日情報学者で東大名誉教授の西垣通氏が、『脱炭素エネルギーへの対応課題解決にとどまらぬ議論を』という表題でコラムを書かれていました。その中で西垣氏は、『多くの日本人は、気温上昇を深刻な危機だと認識していないのではないか』と疑問を呈し、『世界が進む方向を決めるのは説得力のある理念だ。しかしこの国では、理念は専ら海外からの輸入品。それらを勉強してひたすら細部の洗練や応用に専念すべし、というのが長年の習慣だ』と嘆いていらっしゃいました。そしてそれを、『原理追求型ではなく課題解決型の知』と呼び、『理念的な根本対策は徒労となりがち。状況に応じて具体策をねった方がよい』という姿勢、『再生可能エネルギーへと大転換をはかるより、既存の火力発電の改善』政策への批判へと論を展開なさっているのです。的...ここでも骨太

  • マスクをしてでもしゃべりたい

    「どちらを選ぶ?」6月1日『子どものマスク顔が見える日常へ工夫を』というタイトルの社説が掲載されました。『マスク着用について、文部科学省が学校生活で不要な場面を例示した』ことを受けて、『子どもたちの顔が見える日常を少しずつ取り戻していきたい』という趣旨で書かれたものです。私は、子供のマスク着用問題について、いつも疑問に思っていることがあります。今回の例示でも、『子ども同士の間隔が十分に確保できれば(略)登下校時には着用する必要がない(略)会話がほとんどない自然観察や写生の際もマスクなしでかまわない』とされているようですが、これは本当に子供にとって望ましいことなのか、という疑問です。ここで想定されている登下校の状況は、一人一人の子供が登下校の途中に友人と一緒になっても、数メートル距離を空けて近づかず、お互い...マスクをしてでもしゃべりたい

  • 尖がっていないとダメ?

    「尖がっていないと?」5月31日大学生が作る紙面「キャンパる」に、中央大P氏による『自分だけの色』というコラムが掲載されていました。その中でP氏は自分自身について、『勉強にしろ、部活動にしろ、趣味にしろ、すべての情熱をささげ、熱中したという経験がないのだ。だからといって、何事にも無関心というわけではない。部活動も勉強も、自分なりに真面目にやってきた。趣味も映画や音楽の鑑賞、読書など、幅広く手を出し、どのジャンルもそれなりに知識を蓄えた。しかしどの分野においても、この道一筋という人には遠く及ばない』と自己評価なさっています。P氏は、そんな自分に不満を抱いていらっしゃるようです。『「自分だけの色」を持たない私は、大人になるにつれ「自分らしい」進路を選択する勇気がないと実感する。途方もない虚無感が自分を襲う』と...尖がっていないとダメ?

  • 一部の馬鹿者が

    「真逆の反応」5月31日『児童は地域の宝だった』という見出しの記事が掲載されました。『米南部テキサス州ユバルディの小学校で児童19人と教師2人が死亡した銃乱射事件を受け、地元には深い悲しみが広がっている』ことを報じる記事です。以前もこのブログで、米国の銃問題を取り上げたことがありました。そのとき、私は銃規制強化を進めるべきという立場を明らかにしています。今回の事件の第一報が報じられた際、こんな悲劇を終わらせるため、銃を規制すべきだと主張する人々が涙ながらに声を上げる光景が併せて放送され、思わず「そうだ!」と声を上げてしまいました。バイデン大統領が『銃規制強化の必要性をアピールした』ことが伝えられたときも、銃規制が進展することを期待しました。しかし、記事には次のような記述もありました。『ユバルディ郊外在住の...一部の馬鹿者が

  • 執着するのであれば

    「せめて望ましい測定」5月29日総合研究大学院大学長長谷川眞理子氏が、『「測りすぎ」ていないか?数値目標による評価』という表題でコラムを書かれていました。その中で長谷川氏は、国立大学の達成度評価について、『評価疲れ』ともいうべき現状を憂い、『評価をすることによって、何が具体的に良くなるのか。疑問が尽きない』と問題提起なさっています。さらに、『こういうこと(「測りすぎ」)に躍起になるのは、ある分野の人間が培ってきた経験値と価値観による、その人の判断というものを信用しない』ということだと指摘なさっているのです。そして、考える手がかりとして、ジェリー・Z・ミュラー著「測りすぎ」という書籍の内容を紹介なさっています。『測ろうとすると、数値で測定できるものしか測定できない▽そうやって測定できたものが、測定したいもの...執着するのであれば

  • 変わらぬ真理

    「変わらぬ真理」5月28日『絵本読み聞かせで性教育』という見出しの記事が掲載されました。『全国1000カ所以上の学校で性教育を行ってきた産婦人科医の遠見才希子さんが、全3巻のシリーズ「性とからだの絵本」』を出版したことに関する記事です。記事の中に、『私たち大人は、子どもにとって安心できる存在でいることが大事だと思うのです。性を科学的に説明できることより、「今日こんなことがあったんだ」と話ができる関係を築いておくこと。それが何かあった時のSOSにつながるんじゃないかと思います』という遠見氏の言葉が紹介されていました。全くその通りです。ただ、誤解を受けそうな言葉だとも思いました。性教育に反対する「保守派」の人々、「寝た子を起こすな」派の人々がいます。彼らはこの遠見氏の言葉を聞いて、「精通だ避妊だと、ただ単に科...変わらぬ真理

  • 森を育む

    「森を育む」5月26日千葉大予防医学センター教授近藤克則氏が、『健康長寿の「森」つくる』という表題でコラムを書かれていました。その中で近藤氏は、『森にはたくさんの木が集まっている。だから木を見れば森がわかると思うのは勘違いである。なぜなら森は木の集合体というだけではない』とし、『足元の草花に集まる虫や木の実などを鳥や小動物が食べて運んだり、枯れ草などを微生物が分解したりして、森という生態系のシステムは成り立っている』と書かれていました。そして、『木と森の関係は、個人と社会の関係に似ている』と『「健康長寿社会」という<森>を実現』することの大切さを説いていらっしゃるのです。とても印象に残りました。私は、木と森の関係は、子供と学級の関係にも似ていると思ったのです。学級も小さな社会ですから。一人一人の子供は「良い子」...森を育む

  • 知ってるぞ、隠せないぞ

    「当方は把握しています」5月26日『いじめや体罰悩まず相談を』という見出しの記事が掲載されました。『子どもを巡る人権問題を解決するため、法務省は、全国の小中学生向けの「子どもの人権SOSミニレター」を作製した』ことに関する記事です。『ミニレターで受け付けるのは学校でのいじめや体罰、家庭での虐待』などが想定され、自分のことだけでなく『周りの友達に関する相談も受け付ける』ということです。さらに、『親に知られたくない場合は学校に届けてもらうことも可能』だそうで、こうした制度がつくられることには大賛成です。ただ、一つだけ気になる点がありました。『全国の法務局職員や人権擁護委員が解決方法について原則として1週間以内に手書きでアドバイス』するという対応についてです。これは見直したほうがよいと思います。失礼ですが、学校の状況...知ってるぞ、隠せないぞ

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