2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
2014年に公開されたアメリカ映画です。リアリティがあるかどうかといえば???ですが、なかなかよく出来たミステリー作品でした。ベン・アフレック、ロザムンド・パイク、二人の主人公の心理戦が大きな見どころですが、両人とも流石の演技でしたね。特にロザムンド・パイクのクールな凄みはお見事です。キャスティングの勝利でしょう。ゴーン・ガール[DVD]ベン・アフレックウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕ゴーン・ガール
2015年に制作されたアメリカ映画です。こういう作品を観ると、ハリウッド映画の底力を感じますね。実在の人物の評伝が原作ですが、“政治的なテーマ”をベースにしたモチーフを、エンターテインメント性をもって映像作品に仕上げるのは、本当に見事だと思います。とても見応えのある作品でした。キャスティング面でも、主演のブライアン・クランストンとダイアン・レインは出色でしたし、エル・ファニングも熱演でしたね。トランボハリウッドに最も嫌われた男[DVD]ブライアン・クランストンTCエンタテインメント〔映画〕トランボハリウッドに最も嫌われた男
NHKラジオ深夜便 絶望名言 (頭木 弘樹・NHK<ラジオ深夜便>制作班)
いつも聴いているpodcast番組(ジェーン・スーと堀井美香の「OVERTHESUN」)の企画で、ジェーン・スーさんと堀井美香さんがそれぞれ書店で自分が気になった本を買って紹介していたのですが、その中で堀井さんが手に取った一冊です。その奇抜なタイトルから私も大いに気になったので、近所の図書館で見つけてきました。(ちなみに最近、続編も含め一冊の文庫本として再出版されたようで、堀井さんが買ったのはそちらの方だと思います)NHK〈ラジオ深夜便〉の人気コーナーを書籍化したものとのことで、期待どおり興味を惹いたところは数多くありました。その中から特に私の印象に残った部分をいくつか書き留めておきます。まずは、冒頭、絶望名言の選者頭木弘樹さんが“絶望名言はどのようなものか”を語った一節です。(p23より引用)ネガティブ...NHKラジオ深夜便絶望名言(頭木弘樹・NHK<ラジオ深夜便>制作班)
2012年に制作されたアメリカ映画です。ブルース・ウィリスも出演しているのですが、完全に“脇役”に徹していました。「証人保護プログラム」というアメリカならではの制度をモチーフにしたものですが、それを取り込んだストーリーはそれほど珍しいものでもないようです。アクション作品としては、目を惹くような見せ場もなく、出演者も地味でした。華がないのはエンターテインメント作品としては物足りません。アメリカでは劇場公開されなかったというのも頷けますね。ファイヤー・ウィズ・ファイヤー炎の誓い[DVD]ジョシュ・デュアメルHappinet(SB)(D)〔映画〕ファイヤー・ウィズ・ファイヤー炎の誓い
1997年に制作されたアメリカ映画です。マフィアや汚職警官に絡んだ物語なので、その点では新規性はありませんが、ケヴィン・スペイシー、ラッセル・クロウ、ガイ・ピアースが演じる3人の個性的な刑事を軸に展開する構成は成功ですね。もちろん、キム・ベイシンガーも魅力的で、ハリウッド映画らしいしっかりした作りのエンターテイメント作品で、久しぶりに楽しめました。ラストのパターンはいろいろ考えられそうですが、確かにこのエンディングが皮肉も効いていてスマートですね。L.A.コンフィデンシャル[AmazonDVDコレクション]ラッセル・クロウウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕L.A.コンフィデンシャル
2023年に制作されたアメリカ映画です。最近のジェイソン・ステイサム主演のアクション作品なので、だいたいどんなものか想像はついているはずなのですが、つい観てしまいました。結果は、当然のように予想どおりです。ともかく“新機軸”が皆無なので結局「こんなものか・・・」で終わりですね。残念。あと、敵役のヒュー・グラント。彼も最近はこういった役どころが定番になってしまいましたね。オペレーション・フォーチュン(字幕/吹替)ジェイソン・ステイサム〔映画〕オペレーション・フォーチュン
2014年に制作されたアメリカ映画です。先に2作、先立つ作品があるので、本作で3作目になります。登場する主要なキャラクタは引き継がれていますね。ただ、特に連続しているストーリーがあるものではないので、続編としての意味は“懐かしさ”ぐらいでしょう。ちなみに、名優ロビン・ウィリアムズにとっては、本作が映像出演作品としての遺作になったとのことです。ナイトミュージアム/エジプト王の秘密[DVD]ベン・スティラー20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン〔映画〕ナイトミュージアム/エジプト王の秘密
きみが校長をやればいい 1年で国公立大合格者を0から20名にした定員割れ私立女子商業高校の挑戦 (柴山 翔太)
東洋経済ONLINEの記事を読んで興味を持ったのですが、ちょうど同じタイミングでいつも利用している図書館の新着本リストにアップされていたので手に取った本です。テーマは今までにも時折見かけたものですが、やはり実際の取組みを当事者本人がリアルに描いた内容は刺激に満ちています。そういった多彩なエピソードの中から、私の関心を惹いたくだりをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、私立福岡女子商業高校の挑戦の主役、30歳の若さで同校の校長に就任した柴山翔太さんの基本姿勢をうかがい知ることができるくだりです。(p73より引用)僕の進路指導のスタイルは、生徒の意向は尊重しつつも「生徒の選択肢を増やす」こと。最終的な意思決定は生徒がしますが、「大学に行けばこういう可能性があるかもしれない」「その仕事に就きたいなら、こ...きみが校長をやればいい1年で国公立大合格者を0から20名にした定員割れ私立女子商業高校の挑戦(柴山翔太)
2013年に公開された日本映画、2部構成の後編です。シリーズの完結篇ということで、勢いで観てしまいました。先の「漸ノ篇」で少しはこの作品の雰囲気に慣れたかと思ったのですが、印象の上下動が激しいですね。この最終篇に至って、結局私には合わなかったということがはっきりしました。この手の思い込みの激しい世界観はどうにも苦手です。劇場版SPEC~結~爻ノ篇スタンダード・エディション[DVD]戸田恵梨香TCエンタテインメント〔映画〕劇場版SPEC〜結〜爻ノ篇
1986年にアメリカとイスラエルで制作された映画です。制作国から想像できるとおり「アラブ人テロリストと戦うアメリカン・ヒーロー」ものですが、1980年代の作品なので手作り感満載でした。最近のCG映像を見慣れていると、こういったアナログ的な作りの方がかえって“映画らしいリアリティ?”を感じますね。主役のチャック・ノリスも、見た感じマッチョなタイプではなく、スーパーマンではありません。等身大のアクションがほどよい印象でした。デルタ・フォース[Blu-ray]チャック・ノリス20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン〔映画〕デルタ・フォース
2017年に公開された韓国映画です。ベネズエラ映画のリメイクとのこと。“タイムトラベル”による“パラレルワールド”の世界をミステリータッチに描いた作品ですが、いくつもの伏線を最終的には結構うまく回収して幕引きまで持って行っていますね。ただ、登場人物の中には、演技や演出がかなり雑だったり、意味のない役割だったりしたキャラクタがいたのは何とも残念です。そのあたり、かえって“B級色”を強めてしまったようです。時間回廊の殺人【オク・テギョン仕様】[DVD]キム・ユンジンアルバトロス〔映画〕時間回廊の殺人
2013年に公開された日本映画、2部構成の前編です。数日前。シリーズ前作にあたる「劇場版SPEC〜天〜」を観て、その感想の最後に「続編もあるようなのですが、よほどでないと手を伸ばさないでしょうね。」と書いた舌の根も乾かぬうちに、観てしまいました。今回は、前作で映画のテイストを理解していたので、それほどの違和感はなかったですね。やはり、ストーリーには没入できませんでしたが、この勢いで「後編」にもトライしましょう。劇場版SPEC~結~漸ノ篇スタンダード・エディション[DVD]戸田恵梨香TCエンタテインメント〔映画〕劇場版SPEC〜結〜漸ノ篇
いつも聴いている笑福亭鶴瓶さん、上柳昌彦さんのpodcastの番組に北方謙三さんがゲストで出演していて、そこでのお話がとても面白く印象に残りました。北方さんの著作は、かなり以前に何冊か呼んだことがあります。まだ“ハードボイルド”をお書きになっていたころですが、お話を聴いていると何とも懐かしく、往時の作品を読み直してみようと思い手に取った本です。やはり、このころの「和製ハードボイルド作品」は“いいな”と思いますね。もちろん物語の舞台は非現実的な世界ですが、作者のパッションを感じますし、“懐かしさ”も大きなプラス要因です。本作も、主人公を無謀な行動に駆り立てる動機や登場人物のキャラクタ設定は月並みではあっても、北方さんのストーリーテラーとしての秀でた構成力や緊迫したシーンを描く筆力が、作品のエンターテインメン...友よ、静かに瞑れ(北方謙三)
2019年にアメリカとイギリスで制作された映画です。何が柱なのかよくわからないストーリーですが、そこが“映画らしい映画”という感じがします。クエンティン・タランティーノが監督で、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの初共演作品とのことですが、ブラッド・ピットの一歩引いた演技もよかったですね。主役の2人の他にもキャスティングは豪華絢爛、マーゴット・ロビー、ダコタ・ファニング、アル・パチーノ、カート・ラッセルと居並ぶと圧巻です。あと、子役で出演していたジュリア・バターズも存在感がありました。ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドブルーレイ&DVDセット[Blu-ray]レオナルド・ディカプリオソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
2006年に公開された日本映画です。西川美和監督の作品を観るのは「蛇イチゴ」に続いて2作目になります。途中に“明確な”謎解きの伏線を置きながらのストーリー展開自体は今ひとつの感がありますが、香川照之さん、伊武雅刀さん、蟹江敬三さんといった実力派俳優の方々の卓越した演技力もあり、見応えのある作品に仕上げられたようです。ラストシーンの“一瞬”のタイミングは、想像どおりとはいえ、やはり印象的でしたね。ゆれる[DVD]オダギリジョーバンダイビジュアル〔映画〕ゆれる
2023年に公開された日本映画です。同名のコミックが原作とのこと、登場人物は少ないのですが、それぞれが個性的で、演じる役者さんたちもそれによく応えていました。主演は、広瀬すずさん。こういったテイストの作品では、同世代の女優さんと比較しても頭一つ抜きん出ていますね。特に、アップのシーンでの輝きは別格です。“映画”が似合う役者さんにまた一歩近づいたという印象です。水は海に向かって流れる[DVD]通常盤広瀬すず,大西利空,高良健吾,戸塚純貴Happinet〔映画〕水は海に向かって流れる
2019年に公開されたアメリカ映画です。観る前から想像できる典型的な“B級サスペンス”作品ですね。いつか奇抜なサプライズが準備されているだろうと期待して観ていたのですが、結局何も起こらず仕舞で、これでは低評価に甘んじているのもわかります。Mr.&Ms.スティーラー[DVD]テオ・ジェームズTCエンタテインメント〔映画〕Mr.&Ms.スティーラー
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。五木寛之さんのエッセイを見かけると、いまだについ手が伸びてしまいます。「地図のない旅」というタイトルの本ははるか昔読んだ記憶があるのですが、長い年月を経ての“新”版です。内容は、最近の五木さんの語りのとおりで、特に目新しい視点があるわけではないのですが、それでも日々の暮らしのなかでの気づきや想いを辿るにつけ、やはり気になるフレーズには出会えますね。それら中から私の関心を惹いたくだりをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「人間が馴化するとき」の章から。コロナ禍で予定されていた講演がすべてキャンセルになった五木さん、「リモート講演」の声がかかり、実際話してみた実感をこう語っています。(p98より引用)目の前にあるカメラを話す相...新・地図のない旅I(五木寛之)
2012年に公開された日本映画です。テレビドラマシリーズの劇場版とのことですが、私はドラマ自体観ていないので、登場人物の設定も物語の背景等も全く予備知識がない状態で観てみました。強いて観た動機といえば、戸田恵梨香さんが主演だったということぐらいでしょうか。作品の印象は、ドタバタ系のスリラー・コミックの映像版といった感じで、その割にはところどころに中途半端なメッセージ性が見え隠れしていて、正直なところほとんど楽しめませんでした。続編もあるようなのですが、よほどでないと手を伸ばさないでしょうね。劇場版SPEC~天~スタンダード・エディション[DVD]戸田恵梨香TCエンタテインメント〔映画〕劇場版SPEC〜天〜
〔映画〕バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版
1987年に制作された西ドイツ映画をもとに、2008年に調整し直した「ニュー・ディレクターズ・カット版」です。予想どおりの独特の雰囲気を醸し出しているコメディタッチの作りで、流れる気怠いテイストの音楽も評判どおり。なかなか味のある作品ですね。こういった作品も“映画ならでは”という感じがします。思い出したようなタイミングで、時折取り出して観てみたくなる不可思議な魅力があります。バグダッド・カフェニュー・ディレクターズ・カット版Blu-rayマリアンネ・ゼーゲブレヒト紀伊國屋書店〔映画〕バグダッド・カフェニュー・ディレクターズ・カット版
2014年に公開されたアメリカ映画です。モーゼを主人公に、旧約聖書の出エジプト記に記されたエピソードを描いた作品なので、まさに今観るとあれこれと思いを巡らせてしまいますね。単純に“エンターテイメント作品”としての印象を言うとすれば、モチーフのスケールの割には結構平凡な出来のように感じます。スペクタクルシーンも、CGに慣れてしまっている現代ではほとんどインパクトはなく、むしろ不自然さが際立ちます。エクソダス:神と王[DVD]クリスチャン・ベール20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン〔映画〕エクソダス:神と王
2022年に公開された日本映画です。さかなクンの自叙伝が原作で、実際のエピソードもかなり盛り込まれているようです。主人公のキャラクタがとても個性的なこともあり、映画としての好みは結構分かれるでしょうね。私の印象は、まったく受け付けないとは言いませんが、正直、かなり無理筋の作り方のようにも感じました。その中でも、主演ののんさんは熱演でしたね。彼女でなくては、作品としてまとまり切らなかったでしょう。さかなのこDVDさかなのこDVD沖田修一バンダイナムコフィルムワークス〔映画〕さかなのこ
いつも聴いている大竹まことさんのpodcastの番組に著者の津野香奈美さんがゲスト出演していて、本書についてお話ししていました。科学的データに基づくパワーハラスメントの発生要因や対策等の研究成果を体系的に整理し解説した著作です。私が今まで勤務した会社でも少なからずパワハラは発生し、それらへの対応に関与してきた経験もあることからちょっと気になって手に取ってみました。数々の興味深い指摘がありましたが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、「パワハラ発生のメカニズム」についてです。本書では、パワハラの発生するメカニズムして「個人的パワハラ」と「構造的パワハラ」の2類型を挙げています。いずれも気になるところですが、私としてのより強い関心は「個人的パワハラ」にあります。津...パワハラ上司を科学する(津野香奈美)
2023年に公開されたアメリカ映画です。iphone、google、instagram、facebook等々、多彩なデジタルツールを目まぐるしく使いこなして真相に迫っていく主人公の姿は、このうえなく“今”です。「家庭内暴力」という現代的課題をベースにした設定も、いくつものサプライズを織り込んだ謎解きのプロセスも、なかなかよく練られていました。観るまでは全く期待していなかったのですが、予想外に楽しめましたね。面白かったです。久しぶりに、素直に楽しめるエンターテイメント作品でした。search/#サーチ2ストーム・リード〔映画〕search/#サーチ2
2003年に公開された日本映画です。西川美和さんのオリジナル脚本で、監督としてもデビュー作品になります。描かれた家族設定は大いに混濁しているのですが、そのあたり、平泉成さん、大谷直子さん、絵沢萠子さんら芸達者な方々がしっかりと演じていました。唯一“ノーマル”な存在だったヒロイン役のつみきみほさんもよかったですね。作品としては、意図的な“尻切れトンボ”のラストがちょっと気になりましたが、何か劇的なエンディングを準備できるかといえば、そういったタイプの作品でもありませんから、こういった幕の下ろし方もアリなのでしょう。蛇イチゴ[DVD]宮迫博之バンダイビジュアル〔映画〕蛇イチゴ
1994年に制作されたアメリカ映画です。“アクション・コメディ”ですが、こういったノリの作品は、いかにもアメリカ好みのテイストなんでしょう。テロとの戦いというシンプルなモチーフや、核の扱いの軽さ等を観ると、ついそう感じてしまいます。そういう点では、アーノルド・シュワルツェネッガーがいつもながらのヒーローを演じるのも、さもありなんということですね。あと、出演者で、どこかで観た顔だと思っていた役者さん、あとでチャールトン・ヘストンだと知りました。トゥルーライズ[DVD]アーノルド・シュワルツェネッガーウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕トゥルーライズ
2021年に制作されたイギリス映画です。“死体を使った欺瞞作戦”というのはとても面白い着眼だと思ったのですが、第二次大戦期に実際に実行された作戦だったのですね。私が暗愚なだけで、この作品のモデルとなった実在の「ミンスミート作戦」以前にも前例はあるそうです。さて、映画としてのこの作品ですが、私は大いに楽しめました。モチーフの秀逸さに加えて、コリン・ファースとマシュー・マクファディンが演じた中心人物の二人の絡みがとてもこなれていましたね。並行して創作されたのであろうエピソードも効果的で、それらをすべて回収したうえで最後のHappyendに持ち込む構成もよく出来ていたと思います。エンターテイメント作品としては(私の好みだったということでしょうが、)“上級”の部類です。オペレーション・ミンスミート―ナチを欺いた死...〔映画〕オペレーション・ミンスミート-ナチを欺いた死体-
動物たちは何をしゃべっているのか? (山極 寿一・鈴木 俊貴)
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。霊長類学者の山極寿一さんと若手動物言語学者の鈴木俊貴さんとの対談ですが、タイトルをひと目見て惹き付けられました。類人猿や鳥類をはじめとしたさまざまな動物のコミュニケーションの最新研究成果から「ヒト」という生物の本性まで興味深い話題が尽きないのですが、それら中から、私の関心を惹いたくだりをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「Part2動物たちの心」の章から。鈴木さんの研究対象であるシジュウカラの鳴き声には、「単語」としての意味だけでなく、「文法」(語順による意味の違い)も存在するとのこと。これには大いに驚かされましたが、さらに、それを証明するための「実験」の構成がとても面白いものでした。ちょっと長いのですが引用しておきます...動物たちは何をしゃべっているのか?(山極寿一・鈴木俊貴)
2021年に公開されたスペイン映画です。難攻不落の「金庫」を破るというよくあるモチーフですから、大体のストーリー展開の見当はつきます。最後の脱出シーンも当然想定どおりでした。まあ、かなり軽めのエンターテインメントといったノリの作品で、それはそれで気楽に楽しめましたね。映画の出来はともかく、ラストの「イニエスタのゴール」は問答無用で最高でした。ウェイ・ダウン〔映画〕ウェイ・ダウン
2010年に公開されたアメリカ映画です。「ウォールストリート」が舞台で「マイケル・ダグラス」が主演の映画と聞くと、大体のストーリーラインは予想されるのですが、この作品はちょっとテイストが異なっていました。金融取引の切った張っただけでなく、“ファミリー”もモチーフとなっていて、物語の幅が広がっていたように思います。しっかりとした構成の“映画らしい映画”でしたね。キャスティング面では、定番のマイケル・ダグラスはともかく、出番は少なかったのですが、スーザン・サランドンが脇で顔を出しているのは効果的でしたし、ヒロイン役のキャリー・マリガンはとても自然で魅力的でした。〔映画〕ウォール・ストリート
2014年に公開された日本映画です。よくあるモチーフの主人公の“成長物語”ですが、舞台が「花街」というのがウリです。軽い“ミュージカル”的演出もあって、気軽なエンターテイメント作品としてはまずまずの出来だったと思います。私は、こういったシンプルなつくりが好みなので、十分に楽しめました。ともかく、主役に上白石萌音さんを据えた時点で作品の成否は決まりましたね。月並みな言い方ですが、とてもよかったです。それに加え、富司純子さんに草刈民代さん。品のある演技はもちろん、歌や踊り、ダンスと存分に魅せてくれました。舞妓はレディスタンダード・エディション(DVD1枚組)上白石萌音東宝〔映画〕舞妓はレディ
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2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、「論文作成の現実」についてです。学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという“探求への真摯さの程度”には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値が...バッタを倒すぜアフリカで(前野ウルド浩太郎)
1979年に「宇宙戦艦ヤマトIIヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。宇宙戦艦ヤマト2総集編松本零士〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2総集編
2024年に公開された日本映画です。安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。“タイムスリップ”というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り”への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽し...〔映画〕侍タイムスリッパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第42作目」です。今回の舞台は“奈良”。奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じまし...平城山を越えた女(内田康夫)
1980年に公開された日本映画です。有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、...〔映画〕影武者
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。ケアとは何か?・ケアとは傷つけないことである・ケアとはニーズを満たすことである・ケアとは依存を引き受けることであるでは、セラピーとは何か?・傷つきと向き合うのがセラピー・セラピーとはニーズを変更することである・セラピーとは自立を促すことであるそして、ケアとセラ...雨の日の心理学こころのケアがはじまったら(東畑開人)
2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。正直な印象では、“B級”のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。キャッツ・アイBIGBANDSTORY〔ドラマ〕Cat'sEyes
2003年に公開された日本映画です。向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でし...〔映画〕阿修羅のごとく
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”、第2作目“砂の狩人”を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直“ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしまし...黒の狩人(大沢在昌)
2024年に公開されたアメリカ映画です。ともかく観て単純に楽しめる“アクション・コメディ作品”です。スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。あとは、キャスティング。エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。フォールガイブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510120324ライアン・ゴズリングNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕フォールガイ
2024年に公開された日本映画です。柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。私にふさわしいホテル堤幸彦〔映画〕私にふさわしいホテル
いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。私も世の中的にいえば“老人”と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである“高齢化社会”を扱ったエッセイで、“明日は我が身”だからというノリもあって読んでみました。で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。“私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み”が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。エッセイなら、著者ならではの“感性”が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるの...老人をなめるな(下重暁子)
1998年に公開された日本映画です。“平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも“こども向けSFファンタジー”ですね。今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化”のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。モスラ3キングギドラ来襲[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ3キングギドラ来襲
2023年に放映された日本の長編テレビドラマです。2022年に連続テレビドラマとして人気を博した番組のスペシャル版で、主要な登場人物も引き継がれたテレビシリーズとの連続モノとして制作されました。江戸時代に「家電がタイムスリップして出現する」という発想がすべてですね。さらに本作はそのアイデアを「忠臣蔵」の物語に織り込む形で“無邪気なエンタメ”として楽しませてもらいました。滝藤賢一さんの独り舞台のようなつくりですが、その他のキャスティング面では、何といっても田島令子さんが目に留まりました。よかったです。もうこういった年季の入った役どころにはまるんですね。家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵〔ドラマ〕家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵
日本経済新聞の書籍紹介の欄でサイエンスライターの竹内薫さんが取り上げていました。ちょっと前に、いつも利用している図書館の新着本の棚で目には入っていたので、さっそく改めて借りてきました。恐竜絶滅の原因は最近では“隕石衝突説”が定説に近い位置にあるようですが、本書では、隕石衝突後“生物が絶滅に至るプロセス”と、その直後からの“再生のプロセス”を具体的に描き出して解説しています。興味深い内容が満載だったのですが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「隕石衝突の生命史上のインパクト」について。(p14より引用)地球の生命史は、「偶然性」というたったひとつの事象によって、不可逆的な変化を経験した。もし小惑星の衝突が起こらなかったり、もっと遅かったりしていたなら、あるいは、...恐竜最後の日:小惑星衝突は地球をどのように変えたのか(ライリー・ブラック)
2015年に公開された日本映画です。大泉洋さんが主演のコメディ作品ですが、井上ひさしさんの小説「東慶寺花だより」を原案にした原田眞人さんの脚本がとてもよかったですね。喜劇風の台詞回しも効果的でした。キャスティングも、樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんに山﨑努さんといったベテランが脇を固めた中で、満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、内山理名さんといった中堅どころの実力派が魅力的でそれぞれに持ち味を存分に発揮していました。あと、出色だったのが陽月華さん。彼女が演じたキャラクタがこの作品に爽やかな微笑みを纏わせてくれました。駆込み女と駆出し男[DVD]大泉洋バンダイビジュアル〔映画〕駆込み女と駆出し男
2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)
1985年公開のアメリカ・オーストラリア合作の映画です。「マッドマックス」シリーズの第3作目の作品ですが、最初のテイストとかなり変わってきましたね。完全に“劇画”路線に舵を切ったようです。キャスティング面では、“ロックンロールの女王”ティナ・ターナーも出演していますが、正直なところ、「話題性」以外に彼女である必然性は感じられないですね。かなり“もったいない”感じがします。マッドマックス/サンダードーム[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス/サンダードーム
1995年公開のアメリカ映画です。専門家の評価はそこそこ高いようなのですが、私の感覚が鈍いのか、正直かなり退屈でした。ストーリー展開に全くスピード感がなく山谷もありません。キャスティング的には、ジョン・トラボルタ、ジーン・ハックマン、レネ・ルッソ、ダニー・デヴィートと錚々たる面々が並んでいるのですが、やはりこういったコメディには今ひとつ合わないようです。ゲット・ショーティ[DVD]ジョン・トラボルタソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ゲット・ショーティ
2012年公開の日本映画です。伊坂幸太郎さんの短編小説が原作の作品ですが、無駄のないストーリーでサクッと楽しめます。キャスティングも、大森南朋さん、石田えりさんといった味のある実力派の俳優さんに、ブレイクし始めた木村文乃さんといった魅力的な面々で、さらに音楽は斉藤和義さんという私的には大いに満足した作品でした。それにしても、石田えりさんと木村文乃さんとの居酒屋のシーンは、なんともほのぼのと自然体で印象的でしたね。よかったです。ポテチ[DVD]濱田岳アミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ポテチ
2015年公開の日本とトルコの合作映画です。日本・トルコ友好125周年の記念、朝日放送創立65周年の記念、BSフジ開局15周年の記念という名目で制作された作品ですが、さすがにここまでコテコテの“優等生的映画”も珍しいでしょう。当時の両国のトップ同士でも話し合われた末に実現した企画ということですから、さもありなんです。出演している役者の皆さんの熱演は印象的ではありましたが、やはり、こういった経緯で作られた映画の“危うさ”はとても気になりますね。海難1890[DVD]内野聖陽TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕海難1890
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。たとえば、4番目に編まれている「白い闇」。読み進めるにつれ高まりゆくクライマックスに向かっての緊迫感。(p174より引用)濃い霧は二人を閉ざした。一メートル先が、白い、厚い紗でぼかされていた。ボートとその近い周囲のあおぐろい水だけが人間の視界にはいっている最大限であった。距離感も遠近感もまったく失われ、白い宙の中を舟は動いてい...空白の意匠:初期ミステリ傑作集(二)(松本清張)
2019年公開のアメリカ映画です。詐欺師が主人公のコメディ作品はそれこそ山のようにありますし、サプライズもかなりの確率で途中で透けて見えてしまいます。本作もそうですが、まあ見どころはアン・ハサウェイとレベル・ウィルソンのコントラストと、ともかく軽いタッチの作風にあるので、それ以外の出来についてとやかく言うものではありません。専門家の評価はかなり厳しいようですが、この手のコメディで「名作」というのはなかなかお目にかかれませんから。“詐欺師が主人公”の名作といえば「スティング」に勝るものを私は知りませんし・・・。ザ・ハッスルアン・ハサウェイスティング[DVD]ポール・ニューマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ザ・ハッスル
1992年公開のアメリカ映画です。ありがちなモチーフで、想像どおりのストーリー展開ですが、それでも素直に楽しめるのは、役者のみなさんの素晴らしい演技の賜物でしょう。主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグさんを筆頭に、キャシー・ナジミーさん、ウェンディ・マッケナさんの対照的ながらとても好感の持てるキャラクター、そして院長役のマギー・スミスさん、こちらは出色の存在感でしたね。このところ、マッドマックスやリディックといった濃い口の映画に浸っていたところなので、久しぶりに心洗われるコメディにホッと一息です。天使にラブ・ソングを…[DVD]ウーピー・ゴールドバーグブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕天使にラブ・ソングを…
そこそこ使っていた私のスマホPixel3XLですが、バッテリーの膨張で裏蓋が数ミリ持ち上がってしまいました。docomoの「ケータイ補償サービス」を契約していたので、サポートセンタに問い合わせたところ「バッテリー膨張でも代替機に交換可能」とのこと。早速、サイトから申し込みを始めたのですが、数ステップ進んだところで、「Pixel3XLの整備品は無く、代替機は『SamsungGalaxyA51』になる」とのメッセージ。負担額は8千数百円ではありますが、数年前のミドルレンジの機種というのには少々抵抗があります。Pixelの数世代前の機種あたりだったらよかったのですが。ということで、いったん「ケータイ補償サービス」の申し込みは中断して、「googleの故障修理店」でバッテリー交換を相談してみました。店員さん曰く、...〔買い物〕Pixel3XLからPixel8aに機種変更
2021年公開のアメリカ映画です。サスペンス・スリラーといったジャンルでしょうか、主人公の心理を独白で語りながらのストーリー展開は、最後にその主役が入れ替わるところも含め、面白いチャレンジだったように思います。とはいえ、キャスティングを眺めただけで、大体のサプライズの予想はついてしまいます。まあ、そういったことは本作品に限ったことでもありませんが、それだけアビー・コーニッシュの存在感が大きかったということですね。エージェント:0漆黒の暗殺者[DVD]通常盤ニック・スタグリアーノアメイジングD.C.〔映画〕エージェント:0漆黒の暗殺者
2004年公開のアメリカ映画です。ヴィン・ディーゼルが主役の作品なので、誰でも雰囲気は予想できるのですが、そのとおりのテイストでした。舞台は「宇宙」ですが、やはり結局は同じですね。ラストもこういう形になったけど、さて、その後はいったいどうなるのか、とても不安に思ってしまう結末です。同じ“ワンパターン・キャラ”なら、まだ「ワイルド・スピード」シリーズの方が私は好みです。まあ、五十歩百歩ですが。リディック通常版[DVD]ヴィン・ディーゼルアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕リディック
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第22作目」です。今回の舞台は“日光”。有名な観光地ですから私も何度か訪れたことがありますが、いわゆる観光シーズンの「紅葉の盛り」とかには縁がないので、あまり印象に残ってはいません。ポピュラー過ぎて新鮮さに乏しく感じるのかもしれません。で、肝心の作品について。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、「1勝2敗」ですかね。何かといえば、今回、浅見光彦は3つの事件に遭遇したのですが、そ...日光殺人事件(内田康夫)
1981年公開のオーストラリアの映画です。少し前に、前作の「マッドマックス」を観た流れで、この2作目にもトライしてみました。独特の近未来の退廃的な世界観は、人気コミックの「北斗の拳」にも通じるところがあります。しかし、主演にこれほど「台詞」が少ない作品もなかなかお目にかかりませんね。ともかくバイオレンス色に塗り籠められたカーアクションの迫力が最大の魅力ですから、そこが合わないと、別段ストーリーがあるわけではないので全く楽しめないでしょう。まあ、今しばらく付き合ってみるとして、とりあえず第3作目にはチャレンジしましょう。マッドマックス2[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス2
2019年公開のアメリカ映画です。マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公にした「アベンジャーズ」シリーズの“中締め”のような位置づけの作品です。シリーズものではありますが、前作の「インフィニティ・ウォー」を観ていない私の印象としては、独立作品として観てもそれほど違和感はないでしょう。もちろん、シリーズ中の何か一作ぐらいは観ておいた方が、少しでも登場人物間の関係性が浮かぶので、より楽しめるとは思いますが。ともかく、どこまでもエンターテインメントに徹し切った作品ですね。出来栄えがどうこうというより、ここまで豪華絢爛な役者のみなさんを揃えて、これでもかと凝った映像と、懐かしいシーンを織り交ぜた演出をみせられると、やはり敵いませんね。アベンジャーズ/エンドゲームロバート・ダウニーJr.ウォルト・ディズニ...〔映画〕アベンジャーズ/エンドゲーム
1979年公開のオーストラリア映画です。最近、シリーズ第5作目が封切られたようですが、45年間で5作なので、シリーズといってもピンとこないぐらいに悠長なテンポでの制作ですね。観た感想ですが、ストーリーはともかく、アクションシーンも本人やスタントマンによる実写なのでしょう、なかなかの迫力ですし、背景に流れる音楽も直裁的で、まさにシーンの盛り上げ役を十分に果たしていました。思いのほか楽しめましたね。しかしまあ、何より、主役のメル・ギブソン。40年以上前の彼の初々しい姿には驚かされます。マッドマックス[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス
2016年に公開された日本映画です。テレビシリーズの劇場版ですが、劇場版もシリーズ化されていて本作が7作目とのことです。私はテレビも映画もほとんど観た記憶はありませんが、改めて本作を観てみて、「これは合わない、ダメだ」と感じましたね。中途半端なギャグ映画としか思えませんし、荒唐無稽な設定に加え、ひと昔もふた昔も前の演出センスは情けなくなります。(まあ、ひと昔前の作品ですが・・・)舘ひろしさんも浅野温子さんも、ちょっと前の言いようでは“イタイ”キャラクタの典型でしょう。最近、復活版の映画が上映されているようですが、どうでしょう・・・、私は全く食指が動きません。さらばあぶない刑事(通常版)[DVD]舘ひろしバップ〔映画〕さらばあぶない刑事
いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、タイトルに惹かれて手に取ってみました。哲学者三木那由他さんによる“哲学的な視座”からのエッセイ集です。トランスジェンダーである三木さんならではの起点からの興味深い指摘や思索の紹介が数々ありましたが、そういった類のものとはちょっと違ったユーモラス?なエピソードをひとつ書き留めておきましょう。三木さんはかれこれ30年来の“GLAY(日本のロックバンド)ファン”とのことですが、言語哲学を学んだあと、歌詞の解釈に新たなバイアス?がかかったというのです。その歌詞は、こうです。(p125より引用)避けられぬ命題を今背負って迷ってもがいて真夜中出口を探している手探りで「puresoul」という楽曲の歌詞なのですが、この中の“命題”という単語に鋭敏に反応してしまうようにな...言葉の風景、哲学のレンズ(三木那由他)
2022年に公開された日本映画です。BLコミックを小道具に、年の離れたふたりの人間関係を描いたオリジナルシナリオの作品ですが、芦田愛菜さんと宮本信子さんが主役なだけに、とても落ち着いた優等生的な仕上がりですね。正直、ふたりの演技力や存在感を考えると、作品の出来はかなり物足りない印象です。まあ、たまには観る映画にこういった感じのものを混ぜるのも、心穏やかでいいかもしれません。「メタモルフォーゼの縁側」通常版(DVD1枚組)DVD芦田愛菜バップ〔映画〕メタモルフォーゼの縁側
2022年に公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作映画です。テレビドラマシリーズの続編を映画化したものとのことですが、確かにテイストは“ホームドラマ”的ですね。ストーリー展開もいくつかのエピソードが並行して進みつつも分かりやすく、HappyEndに収束していきます。そういったお決まりの安心感は万人受けする王道パターンなのでしょう。その点、物足りなさを感じるかもしれませんが、私はこの“ほどほど”が程よいのです。ダウントン・アビー/新たなる時代へ[DVD]4550510077604ヒュー・ボネヴィルNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ダウントン・アビー/新たなる時代へ
2010年から放送されたBBC制作のテレビドラマです。シリーズ1から4まで特別編を含めると13話。それぞれが1時間を超える長尺で、一流の映画だとっても十分通用するしっかりした作りです。ストーリーは一筋縄ではいかないとても凝ったもので、正直その複雑さと奇抜さにはついていけないところがありました。キャスティングも、主役のベネディクト・カンバーバッチをはじめマーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットら映画俳優としても有名どころが配されていて、見応え十分のドラマですね。SHERLOCK(シャーロック)#3『大いなるゲーム』スティーヴン・モファット〔ドラマ〕SHERLOCK(シャーロック)
1992年に公開されたアメリカ映画です。ブラックコメディ作品ですが、こういったノリは好き嫌いがはっきり分かれるでしょうね。ちなみに私には全く合いませんでした。ラストで語られるメッセージも、そのあとのシーンで混ぜ返されてしまったようで・・・。キャスティング的には、メリル・ストリープ、ブルース・ウィリス、ゴールディ・ホーンとかなりの重量級が並んでいます。それぞれコメディもこなす演技派だとは思いますが、まあ、こういったテイストの作品であれば“この面々でなくては、”といった感じでもありません。そのあたりも、ちょっとちぐはぐな印象でした。永遠に美しく・・・[DVD]メリル・ストリープジェネオン・ユニバーサル〔映画〕永遠に美しく…