副題は「戦争と革命の世界から見た昭和百年史」とあって大東亜戦争へといたる百年を解析した林房雄の『大東亜戦争肯定論』を連想しがちだが、本書は2025年が昭和百年となる視点から近代史を眺め直し、通説をくつがえす試みである。戦争は天災ではない。個人が引き起こす、それも狂人政治家がやらかすのだ。スターリンとルーズベルトという大悪党は、未曾有の野心を抱き、世界平和を根こそぎ破壊した。日本での大悪党といえば織田信長、そのまえは蘇我馬子くらいか。小悪党なら平清盛とか、藤原仲麻呂とかはいたが、戦争によって独裁を確保したほどの大悪人はいなかった。世界を真っ赤に染めるためにスターリンはコミンテルンを旗揚げし、ドイツを唆し、欧州戦争を惹起させ、その第二次世界大戦で中国と東欧を共産化した。冷戦後も朝鮮戦争を起こした。殺戮をなんと...細谷清著『日本が闘ったスターリン・ルーズベルトの革命戦争』(高木書店)昭和百年をチト早く振り返れば、戦争と革命の歴史だったふたりの狂人(スターリンとルーズベルト)が世界を狂わせた