花より男子二次小説、類つくです。 類とつくしの恋物語。 悲哀、ほのぼの、でも最後はハピエンで!
縁(えにし)& 命短し恋せよ乙女を投稿中です。
ルークの死から2週間が経とうしている。 つくしはあれから元気が無い。 その事は、美作家や西門家そしてNYの道明寺家でも知れ渡った。 「滋さん桜子です。先輩の処のルークが老衰で亡くなったってご存知ですか?」 「ええっ、ルークが死んじゃったの?...
つくしはいつまでも、ルークの亡骸から離れなかった。 いや、離れられなかった。 段々ルークの温もりが消えて行くのをつくしは 現実だと捉えられないでいる。 今朝まで、ここで元気に・・いや元気ではなかったが直ぐに逝ってしまう程 身体が悪かった等思...
つくし達が出掛けて暫くして、雅恵はルークの様子がおかしい事に気付いた。 「旦那様、ルークの様子がおかしいのですが。」 「おかしい?何処がおかしんだ?」 「それが、息が辛そうです。」 「雅恵さん、動物病院に電話して直ぐに診察に来てくれないか聞...
午後から東条先生のお宅に行く事を薫に伝える。 薫は快く出掛ける事を許した。 「お世話になったのだから、それはちゃんとお礼もしなければね?」 「はい、おじ様。」 「ママ、るーくはいっしょじゃないの?」 「ルークはお留守番ね。ここから上り坂だし...
翌朝、つくしは朝早く目が覚めて散歩に出た。 りんや類はまだ夢の中である。 いつもなら、ルークが一緒に行くのだが、ルークも起き上がらずに眠っている。 坂を下り潮風に吹かれながら、ゆっくりと海を眺める。 水平線の向こうから朝日が昇って行くのを眺...
御宿に近づくにつれ、海の潮の匂いが風と共に運ばれて来る。 眠っていた筈の、ルークがクンクンと鼻を鳴らす。 「ルーク、御宿の海よ・・久しぶりでしょう?」 「つくし、海でちょっと遊んで行く?」 「そうだね・・うん・・宜しく。」 懐かしそうにルー...
久我の別荘に行く日 類が用意した車はランドクルーザーだった。 「類、これどうしたの?」 「海だし・・こういう車の方が動きやすいでしょう?」 「でも、なんか類には似合わない。」 「だから黒じゃなく白にした。いかついけどこれならどうにかなるんじ...
その日 心配になったつくしは、ルークを連れて動物病院に連れて行く。 「どうしました?」 「最近、散歩を嫌がる様に・・それに食欲も無くて・・。」 そこの院長先生が、ルークを診終わるとつくしに告げた。 「もうシニアだし・・老化現象でしょうね・・...
あれから数日後 優紀からつくしに電話が掛かって来た。 いつより明るい声の優紀に、つくしは総二郎と仲直りしたんだと 直ぐに気付いた。 総二郎があの夜から熱を出して数日仕事を休んだ事を聞き その翌日に祐一郎も熱を出して、そして優紀まで熱を出して...
総二郎が話を終えようとしている、優紀は何故か急に寂しさを覚えた。 目の前の珈琲に総二郎が口を付けないのを見て 優紀は新しい珈琲を淹れようと立ち上がる。 すると総二郎が優紀に声を掛けた。 「珈琲ならもういい・・何だか体調が悪くて・・」 「お熱...
優紀が珈琲を淹れて総二郎と自分の前に置く。 その横に常備薬の風邪薬と水の入ったグラスが置かれた。 「あゝありがとう。」 「先にお薬飲んでください・・お熱計りますか?」 「いや・・いいよ。」 総二郎は自分で額に手を当ててそれを断った。 微妙だ...
重苦しい空気の中、優紀が耐え兼ねて部屋の窓を開ける。 涼やかな風が部屋の中をすーぅと通っていく。 優紀は大きく深呼吸した。 「・・優紀、俺はお前を裏切ってはいない・・だが隠してた事が 裏切りとなるなら・・俺は優紀を裏切ったんだ・・ 悪かった...
優紀は黙ったまま、総二郎が話すのを待っている。 だが総二郎は何を話せばいいのか分からないまま 離婚届をただ見つめていた。 「お家元?」 「なあ、お前が俺を家元って呼び始めたのはいつからだった?」 「・・・西門ではそういう仕来りだと教わりまし...
総二郎が西門に仕事を終え戻ると、優紀は自分の部屋で片づけをしていた。 「優紀は?」 「家元お帰りなさいませ。若奥様はお部屋の方のいらっしゃいます。」 「そうか分かった。」 総二郎が部屋に入るが優紀はそこには居ない、祐一郎の部屋を覗いてみるが...
総二郎がやっと口を開き、自分が三人の女性と浮気したと言う 事情に付いて、つくしに話をした。 大人しくつくしは、総二郎が話している事を聞いていた。 「じゃあ・・浮気って・・。」 「あゝ実際に何も無かった・・・だが、優紀には真実は言えない。 あ...
つくしが西門を出た同じ頃、優紀は西門の車で戻って来た。 西門の運転手が、花沢の車が出て行くのを停止して先に行くのを待った。 運転手同士が会釈する。 後部座席に乗っていた、優紀はその時は気付かなかったが 車窓に見慣れた、黒塗りの車が映り込...
つくしは、二人の話を聞くと決めたのだが どちらと先に話せばいいのか考えた こういう事は順番を間違えてはいけない。 優紀の性格は子供の頃から良く知っている、 自分と同じで優紀も 一途な思い込みが激しい一面を持ち合わせている。 ここは総二郎に先...
翌日、会社と幼稚舎に行く類とりんの二人を見送り つくしは、優紀に電話を掛ける。 プライベートの番号に掛けたが通じない。 10時過ぎた頃今度は西門に電話を掛けた。 生憎、優紀は西門流の仕事で留守にしていた。 だが前家元夫人である総二郎の母が ...
皆が帰って、りんとつくしと類は夕食を食べて仲良く3人でお風呂に入る。 髪を乾かし合いながら、パジャマに着替えて ベッドに入る。 「りん、今夜はママ達と一緒に寝ない?」 「・・・でも・・。」 「どうかした、嫌なの?」 「ううん、そうじゃないけ...
食事が終わると、後片付けを使用人に任せて皆でお茶の時間になった。 「ねぇ、さっき皆で何を話してたの?」 「あゝ・・それは・・。」 「ママ、あのね・・たくまとあおとのおうちに、赤ちゃんが来るんだよ。」 「まあ、本当?おめでとう、滋さん、道明寺...
大人たちは一瞬息を呑む。 戸惑いそして顔を見合わせる。 類がりんに優しく聞いた。 「りん、何故そんな事を知りたいの?」 「だって・・あのね・・」 そこへ逞と碧斗が息を切らして走って来る、その後に遅れて祐一郎もやって来た。 「ハァハァ・・、り...
不思議だった、りんを抱きしめた瞬間今まで忘れていた全てが 全てのピースがピッタリとつくしの頭の中で嵌った。 記憶が全て戻ったのだ。 「りん・・大きくなったね?」 「ママ・・」 「もう、どこにも行かない・・ずっとずっと・・りんと一緒に居るわ。...
類と寝室に戻ったつくし。 だけど、なかなか寝付けない。 明日の朝、本当に今までの事を覚えて居られるのだろうか? また、類やりんを忘れてしまっているのではないだろうか? 「つくし?眠れないの?」 「・・・ここ、私達の寝室じゃないよね?」 「あ...
つくしの瞳から涙が溢れ出す。 類はつくしを抱きしめた。 「もしかして・・つくしはあの事故の時、俺達のりんが死んだって思って居たんだね?」 「ええ・・ええそうよ・・それで私は現実から逃げ出す為に記憶を失くした。 大事な大事な・・りんの事を・・...
つくしが目を覚ました。 熱で魘されていたので心配していたが 目を覚ましたつくしが俺を見て類と言った。 記憶が戻ったと言ったつくしだが、りんの事を話すと何か様子が変だ。 「つくし?」 「・・ひっく・・・ううっ・・。」 「どうして泣いているの?...
花沢邸 部屋の中にシューシューと加湿器の音が響く。 規則正しい寝息を立てて眠るつくしの 息が急に変わる。 「つくし?どうしたの、苦しいの?」 「はっあ・・はあ・・はあ・・・」 「つくし?・・・はな枝、はな枝・・直ぐに医師を呼んで・・ つくし...
男の子が居なくなり つくしはまた、独りぼっちになった。 霧が深く深くなっていく・・ 心細さと悲しみが襲って来る。 まるでこの世の終わりのような気分だ。 どうしたらいいのか分からない。 途方にくれて、立ち尽くす。 霧がいつしか雨に変わった。 ...
つくしの瞳からボロボロと零れる涙。 悲しくて悲しくて・・ 心が張り裂けそうだ・・。 あの時・・ りんを庇ってりんを守れたと信じた。 自分の身を盾にして・・りんを守れるなら自分がどうなろうと良かった。 車がりんに向かって突進してくる、 りんを...
ここには自分だけしか居ないと想ってた。 霧が晴れたのか、自分の周りが段々明るくなった。 つくしの目の前には、いつの間にか小さな男の子が立っていた。 「ねぇあなたは、誰?」 「・・・。」 「ねぇ、あなたも一人なの?ここが何処だか知っている?」...
しとしとと雨が降っている。 花沢の邸の全てを重苦しい空気が流れている。 青白い顔をしたつくしは、ベッドに眠ったまま。 白く細くなったつくしの内肘に点滴の痕が痛々しい。 そこだけ液漏れしたのか、痛々しく青紫色に変わっていた。 主治医が来てくれ...
滋がドバイに旅立ち3日後の事だった。 夜、類のスマホに電話が掛かって来た。 「類、俺。」 「司・・無事だったんだ。」 「類、無事に決まってんだろうが・・今回は滋が大変世話になったな?」 「類、道明寺なの?ちょっと電話代わってよ。」 「あゝう...
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