風刺画から読み解く日本人像の変遷〜『黄禍論と日本人』

子供のころ教科書を日本史の教科書を読んでいた時のことを思い出す。教科書に載っていた日清戦争期の諷刺画が印象に残っていた。子供ながら諷刺画は日本とそれを取...

本の中に託された想い〜『ビブリア古書堂の事件手帖5』

シリーズ5巻目。栞子さんと大輔の関係も大きく進展する巻となっています。お互いの微妙な関係がじょじょに進展するさまはミステリー小説を読んでいるというよりも青...

今年の3冊

今年も後数時間で終わるので今年読んだ本の中で面白かったベスト3を発表します。3位 『理性の限界』ファイヤーベントの衝撃は本書で味わったものだった。ディベー...

繰り返される教育改革の声〜『教育改革の幻想』

教育改革というと当然だが学校教育改革のことを指す。そして学校教育を改革しなければいけないという声は過去何度も繰り返されてきた言説である。本書はその学校教育...

何気ない言葉にその人の思考が宿る〜『「思考」を育てる100の講義』

このエッセイに書かれている内容は取り留めのない内容だと思う。日常で人々いろいろなことに疑問を感じている、あるいは考えている小説家の姿が表現されている。しか...

対立を乗り越えられない歴史〜『新しい左翼入門』

彼ら左翼勢力の歴史はまさに内ゲバの歴史と言っていい。本書は戦前の左翼勢力がどのような歴史をたどったのかを語る。本書は左翼勢力の対立構造を理想を掲げ実現しよ...

神なき時代の宗教〜『世俗宗教としてのナチズム』

ナチズムやヒットラーが神秘主義的な傾向を持っておりその神秘主義的な傾向が後の破滅へとつながっている。そしてそのような神秘主義的なナチズムの魅力に第一次世界...

本の読み方が変わる時〜恋をして

以前読んだ本を再読すると最初に読んだ時とは違う場面に感動したり、気にならなかったことが気になったりすることがある。私自身のことを言えば、恋をして読み方が変...

コトバにすがりたくなる時

自分が苦しい時、ツライ時、人それぞれそういう心境の際にどのように対処するかは違うと思うが私の場合自己啓発本を読むという対処を取ることがある。私は普段、自己...

ドイツ的戦争責任の取り方〜『戦争責任とは何か』

「ドイツは第二次世界大戦の反省をしている、その責任も果たしている」このようなことを私たちは日本の戦争責任問題を批判する文脈で聞かされることがある。しかし本...

イギリス人が味わう日本食〜『英国一家、日本を食べる』

イギリス人のフードジャーナリストが家族を引き連れて日本食を食べる。子供が食とは関係ないところに惹かれるところがなかなか良い。この手の本にありがちな日本礼讃...

国家とは何か〜『国家の役割とは何か』

改めて国家を問い直さなければならない事態に我々は直面している。国際的なテロリズム、グローバルな犯罪組織、見えない感染症。これらの存在は国家というものの存在...

現代史の起点〜『第一次世界大戦(忘れられた戦争)』

前回紹介したちくま新書の『第一次世界大戦』が第一次世界大戦の通史的な内容なら本書は第一次世界大戦の外交関係を当時の指導者層を中心に描く。また第一次世界大戦...

子供の学ぶ力を引き出す〜『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』

本書はとてもキャッチーなタイトルであるが、その内容はなかなか説得力のあるものである。3兄弟のオヤジさんは子供たちに学ぶことに興味を持ってもらおうと様々な取...

自分にとって本を読むこと〜その意味

自分にとって本を読むことはもちろん知識をえるということもあるけれども、一番大きな目的は自分が閉じた世界で生きているそのことを自覚することだと思う。やはり社...