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2014/10/11

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  • 神隠し

    ―はぐれ長屋の用心棒(37)―鳥羽亮/双葉文庫2016年8月7日初版。著者の作品には、「凶盗」「鬼彦組」など虫食い的にお目に掛かったことがある。いずれも捕り物シリーズ中の一冊。この作品も捕り物と言えなくもない。このシリーズは本所相生町にある長屋の住人(店子)達が主人公である。主だったものは腕に覚えはあるものの、いずれも年寄りばかりで、こんな干からびたヒーローは滅多にいない。これが延々37話も続いてきたことになる。シリーズ最新の文庫では45まで伸ばしているらしい。今回は「神隠し」ということで、子供を狙った犯罪の話。犯罪自体は今も昔も変わらないが、そこに公的警察組織(奉行所、同心、岡っ引き)だけでなく、私的正義が存在することが面白い。成文化された法(法度)の他に、一瞬にして命のやり取りをする武士の矜持が併存するので...神隠し

  • 群青色の波

    ―口入屋用心棒41―鈴木英治/双葉文庫2018年6月17日初版。著者の作品は「さまよう人」「野望と忍びと刀」「鳥かご」「無言殺剣火縄の寺」「お陀仏坂」「歯のない男」などランダムに読んで来たが、中でもシリーズものが多い。時代小説のシリーズものばかり、あきれる程書いている。作品の話しのスジとしては、前作で秀士館の師範代、湯瀬直之進と読売屋の庄之助が一戦交えたようで、直之進が完敗したところから始まる。忽然と浮かび上がって来た庄之助という人物の実態探査が本作の主な内容。今回、庄之助の人物像にかなり迫ったのだが、最終的な結論には至らず、次回に持ち越しとなっている。何だかマンガ本のような(次回に期待させる)終わり方だ。そもそも326pという厚さで読みやすいこともあり、実質2冊分で通常の一冊くらいかと思われる。それでもシリー...群青色の波

  • ざ・りべんじ

    安達瑶/祥伝社文庫2012年12月20日初版。著者の作品はこれで四冊目。忘れたころにお目に掛かる。既読の作品は、2015/9「美女消失」、2016/1「悪徳探偵」、2018/11「悪女の囁き」。通常、同じ著者の作品であれば、場の雰囲気が似て来るものなのだが、どの作品もなかなか個性的で面白い。その原因は共作?に在るのかもしれない。今回は10年前のある少女暴行致死事件とその犯人(少年)達のその後に主人公が関わりを持つ。話しを面白くする仕掛けは実にありふれた「主人公の二重人格障害」である。二人は各々の人格で事件との関わりを深めていく。ここまで来ると「痛快なアクションと共に事件を締めくくる」のは見え見えなのだが、果たしてどんな結末にしてくれるのか、やはり気になってしまう。この作品はシリーズとして公言している訳ではないよ...ざ・りべんじ

  • 図書館革命

    ―図書館戦争4―有川浩/角川文庫2011年6月25日初版。著者の作品は2011年11月「三匹のおっさん」、2019年9月「県庁おもてなし課」でお目に掛かっているから、その作風は凡そわかるつもりだが、今回のシリーズは既読の作品と比べて、かなり肩に力が入っている。主人公の笠原が女性隊員で、話の硬さをごまかしているが、なかなか話としてはよく練られた構想だと思う。きっかけになったのは実際に日本図書館協会が1954年採択した「図書館の自由に関する宣言」であるらしい。この宣言の根本にあるのは「国民の知る権利」である。ここから体制派のメディア良化委員会(法的根拠:メディア良化法)/法務省と図書隊(法的根拠:図書館法)/文部科学省の熾烈な争いが始まる。どちらも武装し戦闘的な衝突も起きる。その他に自衛隊や警察もあるのだが、そこは...図書館革命

  • 牽制

    ―警視庁失踪課・高城賢吾8―堂場瞬一/中公文庫2012年12月20日初版。今回は高校球児の失踪。ドラフト一位指名のプレッシャー、夢を絶たれることへの恐怖、怪我の不安、醍醐刑事が元プロ野球選手であっただけに臨場感に満ちた緊迫の連続。一見華やかに見えるドラフト一位指名も、本人の努力、家族の期待、同級生の心情、監督の責任、球児への期待、スカウトの思惑、球団の判断・・・本人の印象が見えない位に諸々のものが折り重なり関連している。警察が扱う「失踪案件」ではなかったが、いかにも「失踪課」らしいテーマだった。純粋培養された高校球児、実際人間育成(教育)として、これで良いのかと思う。例え親や監督の期待があり、ドラフト一位指名を得たとしてもその行く末に、いかにも高校生的稚拙な行動、社会的通念の未熟さだけではない一抹の不安が過ると...牽制

  • 遮断

    ―警視庁失踪課・高城賢吾7―堂場瞬一/中公文庫2011年10月25日初版。今回の作品の結末は全く読めなかった。内容としてはそれなりに重いけれども、結果的に話としてはつまらなかった。期待過多というところだろうか。現場を見ながら上司の言う事も聞かねばならず、尚且つ仕事もビシッと決めなければならない中間管理職の大変さはよく解かる。失踪課のメンバーもかなり個性的、今回の作品はその辺が実によく滲み出ていたように思う。読み終えて感じるのは「爽快感」や「満足感」ではなく「疲労感」である。著者が意図したことかどうかはわからないが、このような作品も珍しい。主人公は「角」で癒しを得ているようだが、私の場合、ここはフロム・ザ・バレルのストレートで、ちょっと疲れた気持ちを癒したいと思う。遮断

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