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  • 雷 鳴

    昨日(30日)のことである。天気図を見てことのほか長かった今年の梅雨もようやく明けたと判断して、朝から梅の土用干しを行った。案の定、昼のニュースで「中国地方に梅雨明け宣言が出されました」と知らせていた。書棚から古い文庫本を取り出して、久しぶりに読み返していると、突如、天を真っ黒な雲が覆い始めたのを機に慌てて梅を取り込んだ。その直後、大粒の雨が激しい音を立てて降り始めたと思ったとき、ドカンドカンと鳴り始める。出梅の最後の儀式かのように、雷が轟音をとどろかせて落ちている。そのうち家が震えるほどの大きな音がした。ピカッと稲妻が光ってから音が聞こえるまでの時間を数えてみると2秒から3秒くらいのものが多い。距離に換算すると、音速は340m/sなので、我が家から約700m~1000mくらいのところに落ちた雷の音であろう。少...雷鳴

  • 土用干し

    7月30日、梅雨前線がやっと遠ざかった。朝から真夏の太陽が照り、待ちに待った梅雨がようやく明けて、しばらくいい天気が続くと判断した。例年になく今年は、奥さん共々この日を今か今かと待っていた。6月19日に漬けておいた2kgの梅を、我が人生で初めて「土用干し」するためである。聞きかじりした「土用干し」という言葉の中には、よく知らない言葉がある。まずは「土用」という意味である。「土用」とは、立春、立夏、立秋、立冬の前の日から数えた18日間のことをいい、夏の土用は7月20日頃に始まり、立秋の前日までとなる。有名な「土用の丑の日」は、夏の土用の丑の日のことで、季節の変わり目にあたる為に体調を崩しやすいので、疲労回復や食欲増進に効果的な成分が多いウナギを食べようということだという。ではなぜ夏の土用に梅を干すのか。7月20日...土用干し

  • 「雑草園」

    「バラ園」と称して、長年奥さんが30株ばかりオールドローズを育てている。5月には色とりどりのバラが咲き、十分に楽しませてくれた。その後も、四季咲きのため、数は少ないがこの時季でもぽつりぽつりと咲いてくれる。長雨の上、コロナ下とあって、庭に出ることが余りないまま過ごしている今朝、久しぶりに庭に出て見て驚いた。バラ園が、まるで「雑草園」のように一面に草が伸び伸びと我が物顔で生えているではないか。いくら何でもこれでは恥ずかしい。梅雨明けを間近に控えて朝から夏本番を思わせるような日差しの中、麦わら帽子をかぶり、ヘッジトリマーを取り出して草刈りを始める。奥さんが大切にしているバラの株を傷つけないように用心しながら作業をすること20分で、バラ園の草刈りを終えた。汗は出るわ、手はだるくなるわ、脈は速くなるわで急いで家の中に入...「雑草園」

  • 平準化

    今年の広島カープは、先発投手が打ち込まれて降板するだけでなく、救援投手も同様で押さえることが出来ないという投手力の低調で、打力が好調であるにもかかわらず現在は5位に甘んじている。そんな試合を多く見せられると、今シーズンは優勝を望んだりすることではなく、1戦1戦の試合で「やれ今日は誰がよく打ったな」とか「久しぶりに今日は誰がよく投げたな」とか言いながら、その日のゲームを楽しむという刹那的な見方をするのが正解かもしれないと思い始めている。そんな典型的な試合が先日(26日)の、対DeNA戦であった。7回を終了して6対0と一方的にリードされていた。ところが8回の表の攻撃である。それまで4安打と散発であったものが、何に触発されたのか2本のホームランを含めて一挙に7安打を放ち5点もとった。あと1点で同点となる9回の攻撃もす...平準化

  • 蝉しぐれ

    線状降水帯が停滞し、まれに見る洪水被害をもたらした今年の梅雨は、例年になく長引いている。ここ岩国地方では、天気図を見ると3日後の29日には、やっと梅雨明け宣言が出される気配を示している。ゆっくり起きた朝、新聞を取りに出る。窓を開け放して読み始めたちょうどその時、裏山から蝉が一斉に鳴き始めた。今年初めて聞く蝉しぐれである。ものの1分か2分鳴き続けたと思ったら、一斉に鳴き止む。こんなことを数回繰り返した後、今度は30分ばかり経った今全く鳴くことがない。一体どんなルールで鳴き始めたり鳴き止んだりするのだろうか。そんなことを思いながら、どんよりとした空の下で、湿った木々に止まって鳴いている蝉の身になって考えてみた。7年もの年月をかけて土の中からやっと這い出てみても、期待していた熱い太陽は見えない。まさか季節異変ではない...蝉しぐれ

  • カーチカチ!

    広島東洋カープは2019年の3月に、公式アプリ「カーチカチ!」というものをリリースした。今年も引き続きこの「カーチカチ!」を合言葉のように叫びながら、カープファンは真っ赤に染めた球場で応援し、チャンピオンフラッグを奪還することを夢見ていたはずであった。ところがコロナ禍のお陰で開幕は大幅に遅れ、無観客や制限された観客数の試合のせいか、選手も調整に齟齬を来したのか、打撃力はセ・リーグトップにもかかわらず投手力が破綻し、防御率は最下位に低迷している。その結果、昨年までは「逆転のカープ」と言われていたものが、今年は「逆転されるカープ」に変身している。抑えの投手がいまだ定まらないまま、日替わりの抑えとなっているが、「抑え」とは言うもののまさに「火付け」の様相を呈した試合がここ数試合続いている。その典型が昨夜(24日)横浜...カーチカチ!

  • たまに行くならこんな店

    6月の末、梅雨の晴れ間と言っても曇り空の日、広島の奥にある白竜湖というところに小さな旅をしてきた。泊まった翌朝、宿を出て家までをナビで調べてみると120kmある。あえて高速道路を使うことなく、走ったことのない一般道を使って帰ることにした。出発して間もなく広島空港の近くにある「三景園」に立ち寄った。空港ができた年に作られた大きな池のある和風の公園で一休みしたあと東広島に向かった。この地に広島大学が移転してかれこれ50年が経つ。今では人口も20万人となり、道路の並木も大きく育ち、学生の町らしく若い人が多く活気のある街に変貌している。時計を見ると早くも昼前になっていた。スマホを取り出して「フレンチ東広島」と入れて見ると2店が検索された。評判のよさそうな八本松駅前にある「ウッドハウス」という店に向かった。駅前と言っても...たまに行くならこんな店

  • 背中で語る

    月に1度、掛かりつけ医のところに薬を出してもらいに行っている。いつ行っても待合室は高齢者ばかりでいっぱいである。そんなある日の夕方、行ってみると待っている患者は数人しかいない。私が椅子に腰を下ろした直後、Tシャツ姿の見た目は元気そうな同年配の男が入ってきた。受付で話す声も大きくて、一体どこが病気かと思うほど威勢もいい。受付が終わった後、私の前にある長椅子に座った。白地のTシャツの背中に、何か大きな文字が躍っている。しっかりと読ませてもらうと「まだポンコツではありません」と印刷してある。白い中折れのハットをかぶっていて、身だしなみには気を遣っているようだが、背中の書き物が気にかかる。待っている間、少し興味を持って男の挙動を観察してみた。大抵の患者は、テレビを見たり目をつむったりしている中、私はいつも置いてある新聞...背中で語る

  • 落とし文

    ポケットに忘れてをりし落とし文伊勢市宮村正典今日の新聞の「毎日俳壇」に投稿されていた俳句である。「オトシブミ科の甲虫が、葉を巻いた巣の中に卵を産み、地上に落としたもの。季語の働きが絶妙」と評されている。「落とし文」が、季語とはいったいどういうこと?直ぐに辞書で調べてみると、「落とし文」とは次のように書いてある。①公然とは言えないことを文書にして落としておくもの。②江戸時代、火付けなどの脅迫文を書いて家に投げ込んだ文書。③オトシブミ科の甲虫。広葉樹の葉を巻いて巣を作り、その中に産卵する。夏の季語。新緑の時期に山歩きをしているとき、落とし文のような筒状に巻かれた葉が落ちているのを見ることがあった。器用に巻かれた葉を見て、どんな虫の仕業かと思っていたが、これをせっせと作って路面に落とすのがオトシブミ科の甲虫であること...落とし文

  • 夜のストレンジャー

    「夜のストレンジャー」といえば、1966年にフランク・シナトラが歌って有名になった楽曲。曲も歌詞も知らないが、意味深長で興味深いタイトルなので曲名だけはよく覚えている。この季節、我が家に毎夜「夜のストレンジャー」が訪れてくれている。その正体は一匹の「ヤモリ」である。陽が落ち辺りが暗くなったころ、居間の掃き出し窓のガラスの外面に、体長が10㎝余りのヤモリが毎夜訪れる。夜に電灯などのある明るい場所に出没し、ときどき飛んでくる夏の虫を、パクリと大きな口を開けて飲み込んでいる姿は愛らしい。ヤモリは、家のシロアリ、蜘蛛、ゴキブリなどの害虫を食べて家を守ってくれるため漢字で「守宮」「家守」「家宮」と書かれ昔から親しまれている。家を守ることは富につながるとして、金運アップ、開運、幸運アップなどのご利益があるとも言われている。...夜のストレンジャー

  • 三十六計 逃げるに如かず

    「三十六計逃げるに如かず」という諺がある。「三十六計」とは、中国の孫子の兵法で、戦で使うことができる戦術を36種類に分けたもの。「勝戦計」、「敵戦計」、「攻戦計」、「混戦計」、「併戦計」、「敗戦計」の6章に分けて36の戦い方の定石、作戦の立て方、策謀、奇策について書かれている。勝戦計とは、こちらが戦いの主導権を握っている場合の定石。敵戦計とは、余裕を持って戦える、優勢の場合の作戦。攻戦計とは、相手が一筋縄でいかない場合の作戦。混戦計とは、相手がかなり手ごわい場合の作戦。併戦計とは、同盟国間で優位に立つために用いる策謀。敗戦計とは、自国がきわめて劣勢の場合に用いる奇策について書いてある。この「敗戦計」の最後に「三十六計逃げるに如かず」という言葉の語源である「走為上」という兵法が書かれている。「兵法にはたくさんの種...三十六計逃げるに如かず

  • 湖畔の宿

    鶴田浩二の「傷だらけの人生」の歌の文句じゃあないが、♪何から何まで真っ暗闇よ筋の通らぬことばかり右を向いても左を見ても馬鹿と阿呆の絡み合いどこに男の夢がある♪を実感するような日々を過ごしている。コロナ禍が終息しない現在、律儀に今もって不要不急の自粛生活を続けている。漫然とテレビのワイドショーを見ている一方、もて余す時間をつぶすために新聞は隅から隅まで丹念に読んでいるが、コロナ禍と安倍政権を取り巻く腐敗した政治などの暗い話題ばかりが報じられている。政治はまさに歌の文句にある「右を向いても左を見ても馬鹿と阿呆の絡み合い」という様相であるが、かといって我が身一つで何をすることもできないくせに、あまり愚痴ると「あなたが選んだ人たちですよ」とたしなめられる始末。こうなると、件の副総理がおっしゃった「日本人は他国とは違って...湖畔の宿

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