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  • 吉田達也+神田綾子+纐纈雅代@公園通りクラシックス

    渋谷の公園通りクラシックス(2022/2/23)。TatsuyaYoshida吉田達也(ds,voice)AyakoKanda神田綾子(voice)MasayoKoketsu纐纈雅代(as)吉田達也さんはルインズでのごとく最初から最後までともかくも爆走する。しかし共演するふたりが振り落とされることはない(その逆もいうことができる)。神田綾子さんは吉田さんと2度目の共演であり、ゼロからヴォイスのフラグメントを創り出し、それらをさまざまな形態に成長せしめてゆく。ときにどこかからの姿なき声のように思えた。纐纈雅代さんは意図的に爆発的なブロウを抑制しているように感じられたのだが、そのかわりに、多彩なサウンドを空間に持ち込む。序盤に撒いたそれらの要素を集めて音のアーチを創出したのはみごとだった。FujiX-E2、7Art...吉田達也+神田綾子+纐纈雅代@公園通りクラシックス

  • マヤ・アンジェロウ『The Heart of a Woman』

    2年くらい前にロサンゼルス近郊のウッドランドヒルズという町の古本屋で買った。ようやく読んだ。詩人・公民権運動家のマヤ・アンジェロウは自伝を7冊書いており(最初の2冊は邦訳されている)、この『TheHeartofaWoman』は4冊目にあたる。彼女は歌手としても活動し『MissCalypso』を1957年に出しているのだが、この本はその頃から数年間のことを思い出して書かれている。そのような縁もあって、ツアーに来たビリー・ホリデイを自宅に呼ぶところから語りがはじまっていておもしろい。やっぱりビリーは精神のバランスを少し崩していたようでマヤの息子につらくあたり、母子の心にも傷を与えた。ビリーのことでもあり、書くことにもためらいがあったかもしれない。それにしても公民権運動の時代、エピソードになまなましさがある。キング牧...マヤ・アンジェロウ『TheHeartofaWoman』

  • 『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』@目黒区美術館

    目黒区美術館の『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ色とりどり』展。木村伊兵衛が1954、55年にパリに取材旅行したときの作品群であり、眼が悦ぶ。異邦人としてパリの重みにやられてしまったのかなと思える写真も無くはないが、雑踏で近くの人を捉えたショットなんてさすが木村伊兵衛。同時期の勅使河原宏によるドキュメンタリー映画『十二人の写真家』にも木村が登場し、(本当に)笑ってしまうほどの早わざでスナップを撮る驚異の場面があったことを覚えている。しかしパリの写真には出たばかりの富士フイルムのカラーリバーサルが使われていて、なんとASA(ISO)10。日本国内のように瞬速で撮影できなかったかもしれないし、実際、写真をじろじろ見ると手ブレも被写体ブレも結構ある。夕方なんてわりと明るくても8分の1くらいだったんじゃないかしら。(とは...『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ色とりどり』@目黒区美術館

  • シェーン・ボーデン+神田綾子+Rohco@東北沢OTOOTO

    東北沢のOTOOTO(2022/2/18)。ShayneBowden(electronics)AyakoKanda神田綾子(voice)Rohco(electronics)ヴォイスとエレクトロニクスふたり、「こんな感じだろう」と事前に想像してもしかたがない。そして手練れの三者による即興はまったくクリシェに陥ることなく、時々刻々と変わってゆくものだった。はじまりは、シェーンさんが下から濁りを絶えず供給し、Rohcoさんが濁りの雲に電気の刺激を与える。暗い洞窟内で何かが見えてくるようなあんばい、そこに暗がりから神田さんが浮かび上がってきた。Rohcoさんが持ちこんだサンプリングヴォイスは静かに野蛮で驚いたのだが、それに重なる神田さんのヴォイスはまるで楳図かずおの少女のようにあまりにも無防備でさらに驚いた。エレクトロ...シェーン・ボーデン+神田綾子+Rohco@東北沢OTOOTO

  • 本藤美咲+岡千穂@Ftarri

    水道橋のFtarri(2022/2/13)。MisakiMotofuji本藤美咲(bs)ChihoOka岡千穂(laptop)バリトンサックスの静かな共鳴からはじまり、両者が音の紙を重ねるようにしてサウンドが多層的になってゆく。本藤さんはびりびりと震える低音を増幅したりフラジオでの高音を素材として提示したり、バリトンサックスならではのマージナルな音領域を意図的に拡張させた。岡さんはサウンド全体を整地させたり掘り返したり。サックスが常に「わたし」の策動だとすると、岡さんのラップトップは「わたし」がそっぽを向いてサウンドに自律性や匿名性を与えているように思えた。終盤のバリトンサックスはまるでビバップのフロッタージュのようでおもしろい。セカンドセットはサンプリングされた自然音などに事件を次々に足してゆくようなあんばい...本藤美咲+岡千穂@Ftarri

  • 落穂の雨@稲毛Candy(JazzTokyo)

    稲毛のJazzSpotCandy(2022/1/29)。『JazzTokyo』にレビューを寄稿した。>>#1193落穂の雨–JazzTokyoFujiX-E2、7Artisans12mmF2.8、RolleiPlanar85mmF2.8(M42)落穂の雨:MakotoKawashima川島誠(altosaxophone)LouisInageルイス稲毛(bass)NaotoYamagishi山㟁直人(percussion)●川島誠福岡林嗣+ルイス稲毛+川島誠@高円寺FourthFloorII(2022年)大友良英+川島誠『DUO』(JazzRightNow)(2021年)大友良英+川島誠@山猫軒(2021年)川島誠+クリスティアン・メオス・スヴェンセン@東北沢OTOOTO(2019年)ピーター・コロヴォス+川島誠...落穂の雨@稲毛Candy(JazzTokyo)

  • ブライアン・アレン『Almanac』(JazzTokyo)

    ブライアン・アレン『Almanac』(-2021年)のレビューを『JazzTokyo』に寄稿した。>>#2154『ブライアン・アレン/Almanac』–JazzTokyoBrianAllen(trombone,voice,synth,keyboard,melodica,drums,percussion,art,editandeverything)withMarkAanderud,EduardoAlcayaga,SimonAllen,DaveBallou,MelissaBiggs,Brainkiller,BrianCasey,RoyceChambers,BradClymer,CoreyFogel,MichaelFormanek,GuadalupeGalván,TomKessler,Gen&Rika,JacobKo...ブライアン・アレン『Almanac』(JazzTokyo)

  • ダニエル・カーター+石当あゆみ+エリック・プラクス+ザック・スワンソン+ジョン・パニカー『Open Question Vol. 1』(JazzTokyo)

    『JazzTokyo』に、ダニエル・カーター+石当あゆみ+エリック・プラクス+ザック・スワンソン+ジョン・パニカー『OpenQuestionVol.1』(557Records、2020年)のレビューを寄稿した。>>#2155『ダニエル・カーター+石当あゆみ+エリック・プラクス+ザック・スワンソン+ジョン・パニカー/OpenQuestionVol.1』DanielCarter(trumpet,flute,clarinet,soprano,alto,tenorsax)AyumiIshito石当あゆみ(tenorsax/fx)EricPlaks(piano,Wurlitzer)ZachSwanson(acousticbass)JonPanikkar(drums)●ダニエル・カーターアーロン・ネイムンワース+ダニエル・...ダニエル・カーター+石当あゆみ+エリック・プラクス+ザック・スワンソン+ジョン・パニカー『OpenQuestionVol.1』(JazzTokyo)

  • 『生誕110年・香月泰男展』@練馬区立美術館

    練馬区立美術館に足を運び、「生誕110年・香月泰男展」を鑑賞。「シベリア・シリーズ」は、中学生のときに山口県立美術館ではじめて接していらい繰り返し観ているのだけれど、そのたびに発見がある。土を固めたようなマチエールは、ヨーロッパの石の文化から触発されたものでもあったのだなと実感する。そして過酷な抑留体験を終わらせるためだった「シベリア・シリーズ」に香月自身が塗りこめられてしまい、脱却のかわりに成熟をもたらした。2016年に平塚市美術館で開かれた「香月泰男と丸木位里・俊、そして川田喜久治」展には行くことができず、図録をあとで手に入れた。たしかに表面のディテールが切実な意味を持ったという点で、この4人に共通するところがある。図録には映画監督の小栗康平が次のように書いていて、あらためて共感した。「世界を変形して受け止...『生誕110年・香月泰男展』@練馬区立美術館

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