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  • 多木浩二『未来派 百年後を羨望した芸術家たち』

    多木浩二『未来派百年後を羨望した芸術家たち』(コトニ社、2021年)いきなりイタリア未来派の本。しかも多木浩二のテキスト、読まないわけにはいかない。「なぜいま」かと言えば、未来派の中心人物マリネッティが『未来派』を書いてから百年あまり。かれらが羨望した世界などとうに過ぎ去っているし、政治との添い寝や工業からの逆襲なども体験済み。それだけに、この運動を振り返ることがおもしろいのだと思えた。分析や情報の内容としては、ティズダルとボッツォーラによる『未来派』のほうが充実しているけれど、ここには多木浩二の視線という大きな価値がある。ところでむかしミラノに行ったとき未来派の作品を観ようと思って観光センターで尋ねたところ、常設の美術館はないとの答え。がっかりして画集を買って帰った。結局、未来派の作品をまとめて観ることができ...多木浩二『未来派百年後を羨望した芸術家たち』

  • 徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(その3)

    水道橋のFtarri(2021/6/27)。MasahideTokunaga徳永将豪(as)FumiEndo遠藤ふみ(p)このデュオは3回目であり、前回と同様に、「曲」に基づいている(ファースト・遠藤、セカンド・徳永)。両者ともにスマホをストップウォッチとして使い、なんらかのルールを「曲」として演奏しているようである。終演後にちらりと徳永さんの書いたものを見たところでは、ヨガにも通じる呼吸のありようが意識されていた。ファーストセットでは、アルトの連続音が状況、ピアノの減衰音(のはじまり)が事件として響いた。ふたりとも音を選び、その過程が静寂や残響を含めた独特のサウンドとなっていた。遠藤さんの鍵盤の摩擦音も際立って伝わってきた。セカンドでは徳永さんは音量のレンジも振幅も大きく取り、重層的な音色を提示した。それに重...徳永将豪+遠藤ふみ@Ftarri(その3)

  • 松風鉱一@本八幡cooljojo

    本八幡のcooljojo(2021/6/19)。KoichiMatsukaze松風鉱一(as,ts,fl)TakayukiKato加藤崇之(g)YoshinoriShimizu清水良憲(b)KenkichiDomoto堂本憙告(ds)加藤さんのエフェクターがなんということもなく音を出しはじめ、松風さんは飄々と「始まってる?」と。フルートによる「LifetimeBlues」はそんなふうにはじまり、腕を痛めている加藤さんは逆にそれを活かして斬るようなプレイ。それだけでなく缶を使って遊んだりもして、松風さんのグループにおける加藤さんの自由さにはいつも笑ってしまう。松風さんは、ちょっと詰まったようなテナーも、「Outside」なんかでのからりと抜けたアルトもとても良い。演奏後、松風さんはジャズを演るなら16ビートも8ビ...松風鉱一@本八幡cooljojo

  • 独自でありたいという表現者の矜持 追悼・橋本孝之さん(JazzTokyo)

    >>独自でありたいという表現者の矜持追悼・橋本孝之さんFujiX-E2、XF60mmF2.4●橋本孝之ピーター・コロヴォス+川島誠+内田静男+山㟁直人+橋本孝之@千駄木BarIsshee(2019年)マーティン・エスカランテ、川島誠、UH@千駄木BarIsshee(2019年)組原正+橋本孝之+鷲見雅生、内田静男@七針(2019年)フローリアン・ヴァルター+直江実樹+橋本孝之+川島誠@東北沢OTOOTO(2018年)山本精一+橋本孝之@大久保ひかりのうま(2018年)#167【日米先鋭音楽家対談】クリス・ピッツィオコス×美川俊治×橋本孝之×川島誠特集クリス・ピッツィオコス(2017年)PsychedelicSpeedFreaks/生悦住英夫氏追悼ライヴ@スーパーデラックス(2017年)第三回天下一Buzz音会-...独自でありたいという表現者の矜持追悼・橋本孝之さん(JazzTokyo)

  • ジェシカ・アッカリー『Morning/mourning』(JazzTokyo)

    ジェシカ・アッカリー『Morning/mourning』(CacophonousRevivalRecordings、-2021年)>>#2088『JessicaAckerley/Morning/mourning』JessicaAckerley(g)●ジェシカ・アッカリージェシカ・アッカリー『ANewKindofWater』(JazzTokyo)(2019年)「JazzTokyo」のNY特集(2018/10/6)ジェシカ・アッカリー『Morning/mourning』(JazzTokyo)

  • 『Total Knock Out Orchestra』(JazzTokyo)

    『TotalKnockOutOrchestra』(2020年)>>#2087『TotalKnockOutOrchestra』TotalKnockOutOrchestra:YutaYokoyama横山祐太(trumpet)ShojiSugawara菅原昇司(trombone)YoshiyukiTsubota坪田佳之(tuba)YoshinoriOkuno奥野義典(altosax)NonokoYoshida吉田野乃子(altosax)KimYooiキムユウイ(tenorsax)HirotakaTakeuchi武内宏峰(baritonesax)YoshiakiIkeda池田伊陽(guitar)HiroeNakajima中島弘惠(piano)YasuhikoTachibana立花泰彦(bass)ShotaKoyama小...『TotalKnockOutOrchestra』(JazzTokyo)

  • 照内央晴+喜多直毅@本八幡cooljojo

    本八幡のcooljojo(2021/6/13)。HisaharuTeruuchi照内央晴(p)NaokiKita喜多直毅(vln)8度目のライヴとなったデュオ。はじめは意外に思えたけれど、いまではそれぞれが自身の音をためらいなく出すことができる緊張関係のように思えるから不思議なものである。ファーストセットはヴァイオリンの絶え間なく軋み揺れる音から入り、ピアノがその波間に灯りを置いていくように重なりが作られた。ヴァイオリンが重層的になるのと並行してピアノが重くなってゆく。そしてヴァイオリンがマージナルな領域へと進み、ピアノが轟音へと進む。この音世界を抜けるとそれまでが狂気であったように別の世界がみえる。ヴァイオリンが音を上に飛ばすとピアノも浮力を得る。セカンドセットは逆にピアノの和音からはじまり、ヴァイオリンがそ...照内央晴+喜多直毅@本八幡cooljojo

  • 細田茂美+神田綾子@高円寺グッドマン

    高円寺のグッドマン(2021/6/12)。ShigeyoshiHosoda細田茂美(g)AyakoKanda神田綾子(voice)少し前にキュノポリス(鎌田雄一+細田茂美)のライヴに神田綾子さんがゲストで加わったとき、じゃあ次は細田さんと神田さんのデュオだと一瞬で決まった。そのときわたしは、また観にくるので<私だけの十字架>を歌ってほしいと伝えた。やはりグッドマンならではのリラックスした雰囲気であり、細田「じゃあまずソロから演ってよ」、神田「えっ?」。神田さんのソロは放送ノイズのような擦音からはじまり、声、さらに口笛へと移り変わり、なにかの胎動を強く感じさせるものだった。語りとときに苦し気な呼吸がなにものかのライフタイムを凝縮したようにも感じられた。デュオは細田さんのプリペアドから入った。どこかに拘泥するでもな...細田茂美+神田綾子@高円寺グッドマン

  • 大・タイガー立石展@千葉市美術館

    千葉市美術館の「大・タイガー立石展」が最高に愉快。これまで、友人のド・ウーメン氏が案内してくれた有楽町の居酒屋にしまってある大きな衝立に驚いたり、板橋区立美術館所蔵のジョルジョ・デ・キリコのパロディ的な作品に惹かれたりと、限られた作品にしか触れてこなかった。そんなわけでよくわからない巨大な存在だったが、こうして作品をまとめて観てもなおよくわからない存在。すべてのものがぎらぎらと生命力をアピールしている。《昭和素敵大敵》では古賀春江《海》のパロディ(もとよりこれもコラージュなのだけど)に顔が美空ひばり。つい声を立てて笑ってしまった。不覚。それにしても、この人が筑豊の出身だったことや、イタリアに渡ってしばらくエットーレ・ソットサスのもとで働いていたことなど、まったく知らなかった。炭鉱も異国の地もすべてエネルギーに転...大・タイガー立石展@千葉市美術館

  • ふちがみとふなと@西荻窪clop clop

    西荻窪のclopclop(2021/6/6)。ふちがみとふなと:FuchigamiJunko渕上純子(vo)FunatoHiroshi船戸博史(b)自然なヴィブラートのある声と柔らかいコントラバスの音との交わりがこれほどに気持ちいいとは。山之口貘へのトリビュート盤『貘』を聴いてからずっとライヴを観たかった。●参照マラカイ・フェイヴァースのソロ・アルバム『週刊金曜日』の高田渡特集ふちがみとふなと@西荻窪clopclop

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