ダーウィンの進化論は自然科学において、ニュートンの万有引力の法則と並んで最も重要な発見であるとされている。思想史的に見ても、私達の世界観にこれほど大きな衝撃を与えた学説は他にないと言ってもよいのではないかと思う。ところが、未だに「猿が人間に進化した」とか「キリンは高い枝の葉っぱが食べられるよう首が長くなった」式の説明が堂々とまかり通っている。多分「進化」という言葉がいけないのだと思う。進化という言葉を使うのなら、進化する主体というものががなければならないはず。しかし、そんなものはないのである。下の図を見て欲しい。この絵を見ると、まるで猿が人間に変化していくように見える。しかし、そうではないのである。この図の中に変化などしているものはない。ここに描かれているものは一つひとつがそれぞれ別個の個体であり、猿とし...「進化する」と言うが、いったい何が進化しているのか?