「芹沢さんが私をどう思っているのかは、正直分かり兼ねます。寧ろ、皆さんの方が客観的に見て下さっていると思います。そもそも、私を特別視する意味も理由も分かりません。分かっているのは1つだけ。現時点で彼らを何処まで信用して良いのか、判断に迷っているという事です」 その後は、毛内が説明を引き受けた。 御陵衛士の存続を最優先として分離を考えた事。服部には事前に相談もしたが、基本的な部分は毛内と加納2人で考…
「あれこれ考えているのが馬鹿馬鹿しくなっただけだ。結論から言う。服部、毛内。お前達の狙いは何だ?」 「ね、狙いですか」 毛内はすかさず、服部と加納に目配せをする。何処まで話をしたものか、判断が難しい。 現状において、土方及び新撰組は少なくとも敵ではない。しかし、諜報は殆ど全ての組織が最重要視している。ここで迂闊に京都天狗党に対する懸念を口にして、その事が芹沢やその一党に伝わってしまえば、御陵衛士…
町人風の着古した着物姿であったが、隙のない姿に、その場の者達が思わず声失ってしまう。 「土方副長」慌てて最初に声を上げたのは山崎だ。「何故ここに?」 山崎の言葉に答えるでもなく、一同の驚きの様子なども一顧だにする事もなく、土方は近くの卓の椅子を1つ手にすると、服部達と同じ卓に着いた。 「俺に構わず話を進めてくれ」 「そんな訳には行きませんよ」 平然と言い放つ土方に対して声を上げたのは山崎だ。 暫…
「岩倉卿がそれも覚悟の上で芹沢さんと組んでいるのか、或いは何らかの保障というか、確約が存在しているのか。 もう1つ気になるのは、岩倉卿と芹沢さんを結び付けた切っ掛けです。ここに何か別の存在というか、意思を感じるのです」 「黒幕というか、2人を繋いだ者がいる、という事ですか」 「現時点で確たる証しはありませんが」 「しかし、例えばその人物が芹沢さんを押さえ付ける保障のような物を持っているとしたら、関…
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