私たちの見込んだ通り、結局その日は何も起こらなかった。夏帆に確認してみると、女子の大半があのメールを受け取ったと話しており、やはりクラスの全員に送信されたとみて間違いないだろう。昨日の今日だという事もあり、クラスではその話題で持ち切り。など
「メール?あれ、私にも来てる。………………。」「気持ち悪いよね。どうしよう、先生に話した方がいいかな?」「…鳴海には私から言っとく。夏帆は、真理あたりに連絡とってみて。私たちに届いているってことは、皆にも行ってるはずだから。」「う、うん。わ
季節の移り変わりは、私たちのあずかり知らぬ所でせっせと事を進めている。日々というのもこれ然り。歩いている時は実に遅く感じる物だが、振り返ってみればなんてことなくあっという間だったりする。12月になってしまった今日も、私はそれこそ浮遊霊のよう
JUGEMテーマ:自作小説_____カタ、カタカタ、カチッ 件名:【舞咲高校3年1組ノ生徒二告グ】オ前タチノ犯シタ罪ヲ、俺ハ知ッテイル。忘レル事ハ決ッシテ許サナイ。思イ出セ、オ前タチノシテキタ事ヲ。コレカラハ、悔イ改メタ奴ダケガ救
「さっきのあれ…どう思う?」彩の家からの帰り道、家を出たっきり黙り込んでいた葛城くんが呟いた。一瞬、独り言かと思った程だ。「…私にはさっぱり。彩は帰国子女だけど、普段から英語を話すわけじゃないし、今まで一緒にいてあの言葉は聞いたこと無い。」
「それで…聞きたいことって何かしら?」広々としたリビングは、二人で住むには空間が余るのだろう。置物やら写真立てなど様々な装飾が施され、そこには彩の写真も存在した。おばさんに出してもらった紅茶を飲み、私と葛城くんは打ち合わせ通り話出す。&nb
彼との出会いから3日後、私は彩が住んでいた家の最寄駅で彼を待っていた。あの時、危うく連絡先を聞き忘れる所だったが、葛城歩(かつらぎあゆむ)と言うのが彼の名前らしい。彼曰く、本当はあの後すぐに彩の家へ向かい家族に話を聞きたかったそうだが、私が
中庭の狭いベンチでちょっとの距離を保ちながら、私と彼は黙りこくっていた。たまにここを通る生徒が、なんだか気まずそうに歩き去っていく。私が下を向いて大人しくしているのと、彼の姿勢が腿に肘をあて手を組んだ状態へ変わった為、季節の変わり目に別れ話
「ちょっと待って。本当にどういうこと!?」私は思わず、飛びかかりそうになった。動揺を隠しきれないばかりでなく、質問の意図が全く理解できない。「とにかく、ここじゃこれ以上は話せない。ついて来て。」そう言って彼は私に背を向ける。こう
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