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みずのゆうの 小さな小さな物語 https://ameblo.jp/yumizuno36/

ここにはオリジナルの小さな物語を掲載しています。 童話や絵本あるいは癒し系の小説のような内容です。

みずのゆう
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福島市
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福島市
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2013/02/11

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  • 『クワガタ』

    上半身を起こし、まるで威嚇するかのように、彼は道の真ん中に立っていた。まだ小さい。しかし、2本の大きな顎は健在だ。「こまったな。これじゃ通れないや。」そのとき…

  • 『海』

    『海』ぼくはきみが亡くなった理由をしらない。いや、本当はしっている。きみは、仲間を助けたかったんだろう。きみはぜったい海に入っちゃいけなかったのに。あんなやつ…

  • 『1000年後の牛車』

    「今宵は良い月夜じゃ。」「さようでございますね。」「おお、あの牛車はなんじゃ! 月をふたつつけておるではないか。」「あれは、“へつどらいと”と言う物にございま…

  • 『BGM』

    絵に描いたような里山の風景。服の内側から暖めているような春の陽射し。こんな朝には、最高のBGMが必要だ。わかってる。姿は見えないが、もう来てる。しー。ホーーー…

  • 『ジョギング』

    朝食のパンをのせたお皿の上で妖精が走っている。皿の縁のあたりを時計回りと反対に走っている。あつ、走るのをやめた。座り込んだ。と、思ったら、立ち上がって僕に向か…

  • 『残るもの』

    星がひとつ消えたんだ。生まれるときはあんなに時間がかかったのに。死んじゃった。山がひとつ消えたんだ。おっきな噴火でふきとんじゃった。あとかたもない。何かがひと…

  • 『女王』

    こんなところに「女王」なんてこんな時間に本当に現れるのだろうか学校帰りの高校生たちはホームにたたずんでスマホを眺めている電車は少し遅れているようだふと、駅裏の…

  • 『9000兆分の1』

    その日、あなたの体温は失われてしまったかもしれない。けれど、そのあたたかさは空気を100億分の1あたためるだろう。100億分の1あたたまった空気はきっと、地球…

  • 『くま』

    男の子は、くまと丘の上で夜空をながめています。「あっ、星が降ってきた。」「流れ星だよ。」くまは、低い声でゆっくりと答えます。風がすうっとふいてゆきますが寒くは…

  • 調査報告書 (掲載)

    今日は、私が本名でおこなっている社会問題の調査活動の報告書を掲載します。とても悲しい事件なので、みなさん、つらく感じたら読まなくても大丈夫です。廣瀬爽彩さん死…

  • 『すさまじきもの』

    「ねえ、おにいちゃん。」「ん?」「『すさまじきもの』って、どういう意味?」「おっ、枕草子か?」「うん。」「『すさまじきもの』っていうのは、興ざめってことだよ。…

  • 『くはでぬ』

    「『AでB』、いいかー、『AでB』だぞー。」もう布団に入ってるのに、頭の中で古典の先生の声がひびく。「『AしないでB』、何何しないで何何するってことだからなー…

  • 『節分』

    鬼はーそと! 福はーうち!鬼はーそと! 福はーうち!鬼さん、外に追い出しちゃったらさむくないのかな?福の神さんはうちの中だからあったかいけと鬼さん、寒くないの…

  • 『雨の日』

    雨の日って、きらいじゃない。都会の汚いものをぜんぶ洗いながしてくれているような気がするから。車の排気ガスがながれ空気がきれいになっていく気がする。ビルのホコリ…

  • 第7部終了のお知らせ

    こんにちは。みずのゆうです。第7部が終了しました。今回は途中でだいぶ間があいてしまいましたが、いかがでしたでしょうか。これからもマイペースで投稿していきたいと…

  • 『死ぬのかな』

    家族で海水浴。ぼくはまだ泳げないから、浮き輪。初めての海だけど、浮き輪がしっかり守ってくれるから沖に出てもへっちゃらさ。それに、浮き輪をつけながらだって泳げる…

  • 『とびこみ』

    とびこみたい とびこみたい早く家に帰って とびこみたい「ただいまー!」玄関に転がるランドセルおかえりが頭のうしろで聞こえる裏の木工所までは歩いて50歩だけど、…

  • 『すごいじゃん』

    「やだお赤飯たかなくちゃ。」やめてほしいよな。かあさん、なにかというとさわぎたてるもんな。「あれ、どしたの?」うわ、にいちゃんだ。きかれたくないなあ。「あきひ…

  • 『遭難』

    山の中で、道がわからなくなったんだ。これはまずい。日が暮れてきた。あっ、湖だ!遠くに遊覧船が通ってる。助かった。「おーい!」思いっきり手を振る。みんながにこや…

  • 『風花(かざはな)』

    (山に降った粉雪がね、風でもういちど舞い上がって街におりてくるのを風花って言うらしいの。) 花びらのように舞う雪に、手のひらをかざしながら彼女は言った。 (こ…

  • 『かわいい』

    その服、かわいいね。 「ほんと?」 うん、ほんと。 「どんくらいかわいい?」 うーん。ものすごーく、かわいい。 「ジェラートピケのパジャマよりもかわいい?」 …

  • 『冬の朝』

    外に出ると、雪に太陽が反射してまぶしい。「んっ?」車庫に一羽のセキレイがうずくまっている。具合いが悪いわけではなさそうだ。羽毛をたてて、びっくりするほど膨らん…

  • 『はちみつ』

    「ふっふっふっ。一人でこのアジトに乗り込んでくるとはいい度胸だ。しかし、爪が甘かったようだな。」「ボス、『詰めが甘かった』じゃないスか?」「ばっきゃろー。オレ…

  • 『夢おち』

    「ちょっとずつ時間とか何かがずれていく感じなんだよなあ……。」「ふーん。で、どんな夢だったの?」「覚えてない。」「えーっ。」「100年分ぐらい、いっぺんに見た…

  • 『波音』

    まっくらな海。繰り返す波音を、ぼくたちはただ見つめていた。ほんの数時間前の体育館での熱気が嘘だったかのように、風がほっぺたをすり抜けてゆく。負けたんだな……。…

  • 『冬の大三角』

    やあ、ペテルギウス。久しぶり。一年ぶりぐらいかな。犬の散歩かい?よーしよし、シリウス、元気だったか。お前はいつもおとなしいな。おっ、わかった、わかった。プロキ…

  • 『星のカケラ』

    ハロウィンの夜は、魔法がかかっている。誰でも、ほしいものを手に入れることができる。「へっ、へっ、へっ。オレは龍のつのを手に入れたよ。」「あら、あたしなんか夕焼…

  • 『雨音』

    “あめおと”?“あまおと”だよ。トタン屋根で水がダンスする音?そうだよ。人間は、その音を聴きたくてカサをさすの?そうかもしれないね。“あめおと”?“あまおと”…

  • 『ぼちぼち』

    「ぼちぼち行こうか。」「ぼちぼち?」ぼくはおじいちゃんに聞いた。「ああ、『ぼちぼち』っていうのはね、『そろそろ』ってことだよ。」「ふーん。」「もう夕方になった…

  • 『桐のゲタ』

    桐のゲタって、あたたかいんだよ。ぼくの通ってた高校は、ゲタ履きを伝統にしてた男子校だったから、真冬でもゲタを履いて登校してたんだ。裸足なのにね。普通のゲタはね…

  • 『星と海』

    星 (今夜はひえるね。)海 (そうだね。)ひゅーんんん、んかぽ。星 (さかなたちもふるえているのかな?)海 (でもね、ぼくの中はけっこう温かいんだよ。)ひゅー…

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