2571 三蜜を避けて愛まで見失う 北の轍

2570 ひと呼吸おいた言葉を重く聞く 北の轍

2569 笑う渦母は笑顔のど真ん中 北の轍

2568 コロナ禍に脳も錆びつく自粛ぼけ 北の轍

2567 手を振って点になるまで送る母 北の轍

2566 憧れの七つボタンの少年期 北の轍

2565 大落暉ジュジュと燃えて染める海 北の轍

2564 六道の辻で仏と知恵比べ 北の轍

2563 香たいて彼岸の妻の愚痴を聞く 北の轍

2562 断捨離を阻む机上の積んだ汗 北の轍

2561 コロナ禍に増える恐怖のカタカナ語 北の轍

2560 アルバムに眉山の夜景甦る 北の轍

2559 打ち続けその指一瞬削除キー 北の轍

2558 妻の分生きよと他人軽く言う 北の轍

2557 お荷物になるのは嫌とスクワット 北の轍

2556 大胆か無知か自撮りの裸婦メール 北の轍

2554 憧れの志功夢見た老いの画布 北の轍

2554 あと少し自画像に足す好きな彩 北の轍

2553 卒寿生き目指す白寿へ磨く貌 北の轍

2552 無職でも川柳作家と書いてみる 北の轍

2551 遊ぶ酒これも処世と父の自負 北の轍

2550 無欲だという目ん玉が光ってる 北の轍

2549 執刃医ご家族呼べと顔厳し 北の轍

2548 塾通い腕白消して死語になる 北の轍

2547 老いの辞書詩嚢耕す夢を引く 北の轍

2546 断捨離を阻む机上の積んだ汗 北の轍

2545 八十年熱い絆の師弟の譜 北の轍

2544 にぎにぎが好きな家系の末裔です 北の轍

2543 人間の素顔に戻る旅が好き 北の轍

2542 笑みやさし思い出重ね遺句を読む 北の轍