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松和のマスター
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2012/11/12

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  • インパルスのモーダルな「JM」

    ブレイキーは、リーダーでありながら、バンドの演奏トレンド、演奏志向には口を出さなかった。ジャズ・メッセンジャーズ(JM)のそれぞれの時代で、メンバーの中から「音楽監督」的立場のメンバーを選び出し、バンドの演奏トレンド、演奏志向は、この「音楽監督」に任せて、一切、口を挟むことは無かった。『Art Blakey and the Jazz Messengers(1961 album, Impulse!...

  • 叙情的ジャズ・メッセンジャーズ

    ジャズを本格的に聴き始めた頃から「アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」はお気に入り。アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのアルバムを聴き通すだけで、ジャズの演奏トレンド、演奏志向の歴史が判る。ブレイキーは、リーダーでありながら、バンドの演奏トレンド、演奏志向には口を出さなかった。ジャズ・メッセンジャーズのそれぞれの時代で、メンバーの中から「音楽監督」的立...

  • ”暗黒時代の音” では無いですね

    ホレス・シルヴァーと袂を分かって、ブレイキー単独となったメッセンジャーズ。ブルーノートに移籍してブレイクする前のアルバム群。以前のジャズ盤評論としては「ブレイク前のメッセンジャーズの暗黒時代」とされる時代のアルバム達。しかし、そうだろうか。僕はこのアルバムを実際に自分の耳で聴いて、この盤は決して「暗黒時代」の音では無い、と判断している。Art Blakey & The Jazz Mess...

  • ECM流クロスオーバーの名盤

    レコード・コレクターズ 2024年11月号の特集「ECMレコーズ」にある「今聴きたいECMアルバム45選」。この「今聴きたいECMアルバム45選」のアルバム・セレクトが気に入って、掲載されているアルバムを順番に聴き直し&初聴きしている。今回のアルバムは、実は初めて聴く「初聴き」盤である。Barre Phillips『Three Day Moon』(写真左)。1978年3月の録音。ECM 1123...

  • ラヴァの『Quotation Marks』

    今月発売の「レコード・コレクターズ 11月号」の特集「ECMレコーズ」にある「今聴きたいECMアルバム45選」。この「今聴きたいECMアルバム45選」のアルバム・セレクトが実に気に入って、掲載されているアルバムを順番に聴いている。以前聴いたことがあって、今回聴き直しのアルバムもあれば、初めて聴くアルバムもある。どちらも「今の耳」で聴くので、意外と新鮮に感じるから面白い。Enrico Rava『...

  • Wolfgang Dauner『Output』

    今月発売の「レコード・コレクターズ 11月号」の特集に「ECMレコーズ」があった。これは「創設者マンフレート・アイヒャーのコンセプトと55年の歴史の概説」と「今聴きたいECMアルバム45選」の2本立ての特集。特に、後半の「今聴きたいECMアルバム45選」のアルバム・セレクトが実に気に入った。ということで、この45枚のアルバムについて、ブログ記事としてアップしようと思い立った。Wolfgang D...

  • 僕なりの超名盤研究・34

    今日で「僕なりのジャズ超名盤研究」シリーズの三日連続の記事化。小川隆夫さん著の『ジャズ超名盤研究』の超名盤を参考にさせていただきつつ、「僕なりのジャズ超名盤研究」をまとめてみようと思い立って、はや3年。やっと第1巻の終わりである。ジャズを本格的に聴き始めたのが1978年の春。フュージョン・ジャズの名盤の何枚かと、純ジャズのアルバム、MJQ『Pylamid』、 Herbie Hancock『Mai...

  • 僕なりの超名盤研究・33

    小川隆夫さん著の『ジャズ超名盤研究』を参考にさせていただきつつ、「僕なりのジャズ超名盤研究」をまとめてみようと思い立って、今回までで32枚の「超名盤」について聴き直して、聴き直した時点での感想をブログ記事に綴ってきた。そして、いよいよ、残すは2枚。今回はキース・ジャレットの登場。 Keith Jarrett『The Köln Concert』(写真左)。1975年1月24日、当時の西ドイツ、ケル...

  • 僕なりの超名盤研究・32

    この歳になると、なかなか「超名盤」について聴き直す機会が無いだけに、楽しみながらの聴き直しになっている。小川隆夫さん著の『ジャズ超名盤研究』を参考にさせていただきつつ、「僕なりのジャズ超名盤研究」をまとめてみようと思い立って、今回までで31枚の「超名盤」について聴き直して、聴き直した時点での感想をブログ記事に綴ってきた。そして、いよいよ、残すは3枚。Chick Corea『Return to F...

  • 古澤良治郎 ”キジムナ” を聴く

    まだまだ夏日が顔を出す、暖かいというか、蒸し暑い日が続く10月だが、真夏日以上という「酷暑」は去ったので、様々な類のジャズを聴く時間が増えた。特に、この10月は、何故だか判らないが、和フュージョンと合わせて、和ジャズの名盤・好盤を探索したり、聴き直したり。特に、学生時代から、若き社会人時代に聴きまくった盤を聴くことが多い。古澤良治郎『キジムナ』(写真左)。1979年10月16~20日、東京、日本...

  • ゼロ戦『アスファルト』を語る

    フュージョン・ジャズ時代、そのアルバムの成り立ちが変わっている例として、高中正義『オン・ギター』をご紹介した(2024年10月10日 のブログ記事・左をクリック)。この『オン・ギター』は、ギター教則本の付属レコードとして発表されたものだった。ゼロ戦『アスファルト』(写真左)。1976年の作品。ちなみにパーソネルは、大谷和夫 (key), 長岡道夫 (b), 鈴木正夫 (ds), 佐野光利 (g)...

  • 阿川の ”フュージョン・ボーカル”

    フュージョン・ジャズの時代、インスト中心のアルバム作りが主流で、ボーカルがメインのアルバムは少なかった。ボーカル入りのアルバムはあったが、どちらかと言えば、ファンクネスな要素の彩りが欲しい時の「ソウル、R&B志向のボーカル」で、フュージョン・ジャズとして、「ボーカリストの歌を聴かせる」盤は希少だった。阿川泰子『Lady September』(写真左)。1985年6~7月、東京での録音。ちなみにパ...

  • 野呂一生のファースト・ソロ盤

    我が国を代表するクロスオーバー&フュージョン・バンドである「カシオペア」。意外と超ストイックなバンドで、結成時(1976年)から1989年までの野呂一生・櫻井哲夫・向谷実・神保彰によるメンバーでの第1期の活動の中で、10年以上、常にカシオペアはグループとしての活動を優先、ソロ活動は一切御法度という厳しい規律の上でバンド運営されていた。1985年〜1986年、当初から期間を厳格に定めてソロ活動を容...

  • 「Jay&Kai」のColumbia好盤

    ジャズの演奏で大切なものは色々あるが、リーダーのフロント楽器の特性に応じた「アレンジ」は特に重要な要素。そして、その「アレンジ」に適したリズム・セクションの手配。この「アレンジ」と「適したリズム・セクション」がバッチリ合ったセッションは優れた結果になる。J.J. Johnson and Kai Winding『Jay & Kai + 6: The Jay and Kai Trombone...

  • 高中の名盤『Brasilian Skies』

    ここヴァーチャル音楽喫茶「松和」では、「夏だ、海だ、高中だ」ではなく、「秋だ、爽快だ、高中だ」というキャッチが蔓延している(笑)。とにかく、この2〜3日前から、ググッと涼しくなった関東地方。涼しくなって、空気が爽快になって、高中正義のアルバムの聞き直しの続きである。高中正義『Brasilian Skies』(写真左)。1978年のリリース。リオデジャネイロの「PolyGram Studios」と...

  • 異色の 高中正義 「オン・ギター」

    この2〜3日、関東地方では気温がグッと下がって、昨日などは、11月中旬の陽気になって、ちょっと寒いくらい。慌てて、合物の服を出して、夏物のほとんどを衣替えである。これだけ涼しくなると、音楽を聴くのにも良い環境になって、夏には聴くのを憚られたハードなジャズやロックなども聴くことが出来る。高中正義『オン・ギター』(写真左)。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、高中正義 (g), 石川清澄 (ke...

  • 「Kai」のトロンボーン名盤です

    「Jay&Kai」のアルバムを聴いていて、改めて「トロンボーンの音色ってええなあ」と思った。もちろん、トロンボーンを吹く上でのテクニックが優れていることが前提なんだが...。テクニックに優れたトロンボーンの音色って、ブリリアントで、エモーショナルで、ニュアンス豊かで、柔らかで優しい。そんなトロンボーンの音色が好きで、今でも時々、ジャズ・トロンボーンの好盤を引っ張り出してきては聴き直している。K...

  • A&Mでの ”Jey & Kai” の復活

    「A&Mレコード」が牽引役を担ったのが、聴き易さと分かり易さと適度な刺激を追求した「クロスオーバーなイージーリスニング・ジャズ」。そのカラクリは「聴き易さと分かり易さと適度な刺激を追求した、ロック&ポップスとジャズとの融合」と考えると、A&Mの諸作は実に興味深く聴くことが出来る。J. J. Johnson & Kai Winding『J&K: Stonebone』(写真左...

  • 60年代後半の「新しいジャズ」

    1960年代半ば以降、ビートルズをはじめとするロック・ミュージックの台頭によって、ジャズのシェアは下降線を辿り始めた。一般聴衆は、聴き易く分かり易く適度な刺激のある「ロック&ポップス」を好んで聴くようになる。ジャズは「古い時代の音楽」として、その人気は徐々に衰え始めていた。一方、ジャズは多様化の中で、ハードバップから派生した大衆志向なファンキー&ソウル・ジャズ、そして、ハードバップの反動から派生...

  • ブラウニーのジャム・セッション

    ブラウン~ローチ・クインテットの始動後、『Clifford Brown & Max Roach』と『Brown and Roach Incorporated』の直後、同一日、同一メンバーでのジャム・セッションの『Clifford Brown All Stars』と『Best Coast Jazz』は、ブラウニー(クリフォード・ブラウンの愛称)にとって、1954年8月のロスでの、怒涛の「名演...

  • 好盤 ”Clifford Brown All Stars”

    関東地方はやっと涼しくなってきた。最高気温23〜25度の日もあれば、30度に届く日もあるが、連日35度前後という酷暑の毎日からすると、グッと涼しくなった。これだけ、涼しくなってきたら、連日、耳を傾けるジャズも、耳当りの良い爽やかなもの一辺倒から、熱気溢れるハードバップものに変わってくる。『Clifford Brown All Stars』(写真)。1954年8月11日、ロスでの録音。ちなみにパー...

  • Glassmenagerie名義のコブハム

    ドラマー、トニー・ウィリアムスが率いる「ライフタイム」、クロスオーバー・エレギのレジェンド、ジョン・マクラフリンが率いる「マハヴィシュヌ・オーケストラ」。そして、ヴァイオリンを活かしたクロスオーバー・ジャズなんてことを書いていたら、ふとこのアルバムを思い出して、思わす再聴。Billy Cobham's Glassmenagerie『Stratus』(写真左)。1981年3月18日、ロンドンでの録...

  • 唯一無二な ”マハヴィシュヌの音”

    ジョン・マクラフリン率いるマハヴィシュヌ・オーケストラは、マクラフリンがマハヴィシュヌを結成する前に所属していた、トニー・ウィリアムス率いるライフタイムと、よく一緒くたに語られるが、マハヴィシュヌとライフタイムは全く「音の志向」が異なる。ライフタイムは、エレクトリックな「限りなく自由度の高い」モード・ジャズから、エレクトリックなフリー・ジャズ。ライフタイムの音の志向は「フリー」。片や、マハヴィシ...

  • 向谷ならではのフュージョン盤

    我が国を代表するクロスオーバー&フュージョン・バンドである「カシオペア」。結成時から1989年までの野呂一生・櫻井哲夫・向谷実・神保彰によるメンバーでの活動の第1期の中、常にカシオペアはグループとしての活動を優先した為、1985年〜1986年、当初から期間を厳格に定めてソロ活動を展開したが、そのソロ活動も各自のソロアルバムを制作するだけに留めている。向谷実『Welcome To Minoru's...

  • これ、意外とグリーンの名盤かも

    ブルーノート御用達、独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなギタリスト、グラント・グリーン。グリーンのリーダー作に「ハズレ」は無い。どのリーダー作も水準以上の出来で、特に、オルガン、ドラムとのトリオの演奏でのグリーンは、とりわけ「弾けている」。Grant Green『Iron City』(写真左)。 1967年の録音、1972年のリリース。ちなみにパーソネルは、Grant...

  • 増尾好秋 ”Sunshine Avenue”

    フュージョン・ジャズ全盛時代の1970年代後半、増尾好秋の『Sailing Wonder』、『Sunshine Avenue』、『Good Morning』の3枚のアルバムは、勝手に「増尾好秋のフュージョン3部作」と呼んで愛聴していた。机に向かって勉強するにも、麻雀するにも、いきつけの喫茶店で寛ぐにも、この「増尾好秋のフュージョン3部作」をヘビロテにしていた時期があった。増尾好秋『Sunshin...

  • 増尾の和フュージョンの名盤

    1970年代後半から1980年代前半、和フュージョンの全盛期のギタリストと言えば、まずは「渡辺香津美」そして「増尾好秋」。この2人が代表格で、和フュージョンのギターを牽引していた印象が強い。特に、増尾好秋は、フュージョン・ジャズに転身しつつ、その演奏の軸足は「ジャズ」にしっかり残していた様に思う。増尾好秋『Good Morning』(写真)。1979年の作品。ちなみにパーソネルは、Yoshiak...

  • 仲村裕美『’Swonderful』を再聴

    1970年代後半から1980年代前半の、フュージョン・ブームの10年間の「和フュージョン」の好盤を発掘しては聴き直している。「発掘」とは言っても、未発表音源を探し当てて聴くなんていう「マイケル・カスクーナ」ばりの、未発表音源発掘のインディー・ジョーンズでは無く、1970年代後半から、1980年代前半の当時、聴き親しんでいたアルバムで、しばらくの間、忘れ去っていた盤を、所有のライブラリーから再度、...

  • ライフタイムの「フリーの成熟」

    そういえば、トニー・ウィリアムスって、フリー・ジャズが好きだったな。そんな思い出がある。マイルス楽団にいた頃も、親分マイルスのいないところで、フリーなドラミングに走ったり、自らのリーダー作では、公然とフリー・ジャズを展開して、とにかく「ブイブイ」言わせていた。The Tony Williams Lifetime『(Turn It Over)』(写真左)。1970年7月の録音。ちなみにパーソネルは...

  • トニーの先進的なフリー・ジャズ

    トニー・ウィリアムスのドラミングがお気に入りだった。純ジャズのドラミングも、クロスオーバーでのドラミングも、どちらも僕にとっては「お気に入り」。超ハイテクニックで叩きまくるが、どれだけ速く叩こうが、複雑に叩こうが、リズム&ビートはしっかりとキープされ、独特のデジタルチックなグルーヴもしっかり確保されている。フロント楽器によって、叩き方、叩く内容を変化させる器用さも素晴らしい。The Tony W...

  • 次を見据えるマクリーン、である

    いきなり涼しくなった千葉県北西部地方。今日の最高気温なんざぁ、23℃。先週の水曜日の最高気温が36℃だったから、一週間で、一気に13℃下がったことになる。これだけ涼しくなると、ハードなジャズもOK。モードだろうが、フリーだろうが、これだけ涼しくなれば大丈夫。ということで、いきなり、純ジャズ、モード・ジャズに走る。Jackie Mclean『Right Now!』(写真左)。1965年1月29日の...

  • 「進化する人」の面目躍如な盤

    ジャキー・マクリーンは「進化の人」。一つのジャズの演奏トレンドで実績を上げたからと言って、その演奏トレンドに安住することは無かった。メンバーを厳選し、若手からも新しいアイデアを学び、自分のものとしつつ、ジャズの新しい演奏トレンドに挑戦し、自分の演奏スタイルに取り入れていく。1960年代のマクリーンは「モード・ジャズへ挑戦し、自家薬籠中のものとする」が目標。Jackie Mclean『Action...

  • 僕なりのジャズ超名盤研究・31

    ジャズの「奏法&演奏トレンド」の中で、よく出てくるものが「モード・ジャズ」。モード奏法をメインに展開するジャズのことだが、ジャズを聴き始めて、ジャズの勉強を始めて、まず、ぶち当たるのが「モード奏法」。モード・ジャズとは「コード進行よりもモード (旋法)を用いて演奏される」ジャズ。1950年代後半以降、従来の和声(コード)に基づく即興演奏を、より自由に発展させるために編み出された奏法。ジャズの奏法...

  • 『Live Under the Sky ’83』

    伝説的ジャズ・フェスティヴァル「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」の1983年でのライヴ・パフォーマンスの記録。ソニー・ロリンズのピアノレス、ギター入りカルテットの演奏で、ギターにパット・メセニーが参加。アルフォンソ・ジョンソンがエレベで、ドラムにポリリズムの名手、デジョネットが参入。Sonny Rollins『Live Under the Sky '83』(写真左)。1983年7月31日、東京・読...

  • グラスパーの ”Code Derivation”

    ロバート・グラスパー(Robert Glasper)は、米国ヒューストン出身のアメリカ人のジャズ・ピアニスト。1978年4月5日生まれだから、今年で46歳。ジャズ界の中では中堅も中堅。一番脂が乗った、一番充実した年頃である。僕はこのグラスパーについては、2012年の第55回グラミー賞で最優秀R&Bアルバム賞を受賞したアルバム『ブラック・レディオ』で出会っている。内容的には明らかに21世紀...

  • ジョンアバとジョンスコの共演

    ジョン・アバークロンビー(John Abercrombie、以降「ジョンアバ」と略)。基本、ECMレーベルのハウス・ギタリスト的位置付け。欧州ジャズらしい、彼しか出せない叙情的なサスティーン・サウンドが、とにかく気持ち良い。ジョン・スコフィールド(John Scofield、以降「ジョンスコ」と略)。不思議に「ねじれた」というか、ちょっと外れた、というか、とにかく一聴するだけで「ジョンスコ」と判...

  • 僕なりのジャズ超名盤研究・30

    ジョン・コルトレーンは、ジャズの歴史上、最重要レジェンドの一人。ジャズ・テナーのスタイリストで、コルトレーン・スタイルのテナーは、コルトレーン逝去以降、ジャズ界のテナー吹奏のスタンダードとなっている。逆に、そんな最重要な存在であるが故、コルトレーン入門盤のチョイスは重要で、変に難解な盤を聴いてしまうと、ジャズ者初心者としては、以降、コルトレーンを敬遠する可能性がある。ジャズ者の先輩としては、ジャ...

  • ナットのエレ・ジャズ・ファンク

    9月も半ばを過ぎたというのに「暑い」毎日である。熱中症を警戒の「引き篭もり」の日々がまだ継続中。確実に運動不足になりつつあるのでが、これはこれで仕方がない。涼しくなったら、せっせとウォーキングをしてリカバリーする予定。「引き篭もり」の部屋の中で聴くジャズ。硬派な純ジャズをメインに聴き続けてきたら、流石に「飽きてきた」。ふっと思い出したのが「CTIジャズ」。純ジャズの耳安めに、8月中は「ボサノバ・...

  • 僕なりのジャズ超名盤研究・29

    ジャズを聴き始めの「ジャズ者初心者」の方々向けに、様々な入門盤紹介本や、初心者向けのジャズ盤紹介本が刊行されている。どれもがほぼ同じアルバムを言葉を変えて紹介しているので、どの紹介本を買ってもあまり変わりがない。これって、差し障りのない、全方向のオールマイティーな盤を選択している訳で、ジャズを聴いてみたい、聴いてみようという向きには「隔靴掻痒」の感は否めない。Oscar Peterson『We...

  • チック&オリジンの ”Change”

    確かに、チックって、いつも、質の良い「ジャズの新しい何か」を提示してくれるのだが、世の中に受けないと思ったら、一旦、さっさと撤収することが多いので、このチックの提示する「ジャズの新しい何か」に違和感を感じた方々は、やっぱりチックもそう思って引っ込めた、と勘違いしているきらいがある。Chick Corea & Origin『Change』(写真左)。1999年1月の録音。ちなみにパーソネル...

  • 良い, Senri Oe『Class of ’88』

    大江 千里(おおえ せんり、英語: Senri Oe)、1960年9月生まれ。今年で64歳。1983年に、シンガーソングライターとしてプロ・デビュー。「十人十色」「格好悪いふられ方」「Rain」「ありがとう」などのシングルがヒット。Jポップの世界でメジャーな存在となる。が、2008年ジャズピアニストを目指し渡米、NYのTHE NEW SCHOOL FOR JAZZ AND CONTEMPORAR...

  • ソウルフルなグラント・グリーン

    昨日から、ブルーノート御用達、独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなグラント・グリーンのギターに着目、まだ、当ブログで記事化していないリーダー作を順に聴き直している。特にグリーンのキャリアの後半に未記事化のリーダー作が集中しているので、せっせと聴き直し、である。Grant Green『Alive!』(写真左)。1970年8月15日、ニュージャージーの「クリシェ・ラウンジ...

  • ヴァーヴのグラント・グリーン

    9月になった。それでも、真夏日の日々は変わらない。まだまだ、長時間の外出は控えねばならない。熱中症の警戒しての昼下がりの「引き籠もり」の日は続く。引き篭もりの折には、ジャズを聴く。8月は「ボサノバ・ジャズ」だったが、9月になっても、ボサノバ・ジャズはなあ、ということで、なぜか「ファンキー・ジャズ」である(笑)。Grant Green『His Majesty King Funk』(写真左)。196...

  • 僕なりのジャズ超名盤研究・28

    今日で「僕なりのジャズ超名盤研究」シリーズの三日連続の記事化。小川隆夫さん著の『ジャズ超名盤研究』の超名盤を参考にさせていただきつつ、「僕なりのジャズ超名盤研究」をまとめてみようと思い立って、はや2年。やっと第1巻の終わりに差し掛かってきた。Lee Morgan『The Sidewinder』(写真左)。1963年12月21日の録音。ブルーノートの4157番。ちなみにパーソネルは、Lee Mor...

  • 僕なりのジャズ超名盤研究・27

    この盤は、僕がジャズ者初心者の頃、よく聴いた。確か、当時、大手レコード屋が、ジャズ者初心者向けにアルバム紹介の冊子を配っていて、それをもらって、片っ端から「購入しては聴く」を繰り返していた。全40枚あったと思う。そんな中に、このアルバムはあった。ジャケは「秋の公園のベンチで日向ぼっこをして寛ぐ老人の男性」の写真をあしらっていて、ちょっと違和感があったが、思い切って購入したのを覚えている。Hor...

  • 僕なりのジャズ超名盤研究・26

    ほんと、久しぶりにボサノバ・ジャズの元祖的アルバム『Getz / Gilberto』を、メインのステレオ装置で、しっかりとスピーカーに対峙して聴いた。僕なりのジャズ超名盤研究の第26回目である。前にこの『Getz / Gilberto』を記事にしたのが、2006年7月。あれから、18年が経過した。それまでに、ボサノバ・ジャズのアルバムは、沢山、新規にリリースされたし、リイシューについても、今まで...

  • ポール・ウィナーズの第4弾です

    昨日、ご紹介した、当時の楽器別ジャズ人気投票で1位(Poll Winner)を獲得した3人が、テンポラリーなトリオ、ポール・ウィナーズ・トリオ。このトリオは、1957年から1960年の3年間で、全4枚のアルバムを出している。最初が『The Poll Winners』、2枚目が『The Poll Winners Ride Again!』、3枚目が昨日、ご紹介した『Poll Winners Thre...

  • ポール・ウィナーズの第3弾です

    台風10号が迷走し、その影響が関東地方にまで及んで、天気が不安定なこと極まりない。天気を見ながら、散歩に行くことはあるが、雨模様の日は、一日、しっかり引き篭もり。猛暑が少しだけ和らいだと思ったら、天気不安定で、再び引き篭もりである。引き篭もりの部屋で聴くのはジャズ。酷暑の夏にハードなジャズはしんどいので、軽妙なボサノバ・ジャズなんぞを聴き流していたのだが、気がつけば、なんと9月である。9月になれ...

  • バグスのサボイ・レーベル最終盤

    ジャズを聴き始めた頃から、ミルト・ジャクソン、愛称「バグス」のヴァイブがお気に入りで、ずっとバグスのリーダー作を追いかけてきた。が、バグスの初期のリーダー作の多くが、サボイ・レーベルからリリースされていた、なんて情報は、ジャズ雑誌やジャズ盤紹介本には全く無くて、『Opus de Jazz』だけが唯一だと思っていた時期が長く続いた。Milt Jackson『Jackson's Ville』(写真左...

  • バグスの多彩な才能の記録です

    ジャズ・ヴァイブの神様、ミルト・ジャクソン(愛称「バグス」)のキャリア初期のリーダー作は、概ね、サボイ・レーベル(Savoy Label)からのリリースになる。ブルーノートの『Milt jackson』、プレスティッジの『Milt Jackson Quartet』は、どちらも該当レーベルからの単発。サボイからの最終作『Jackson's Ville』までのリーダー作9作中の6作までがサボイからのリ...

  • 若き日のバグスの成熟度合い

    ミルト・ジャクソン(Milt jackson)。ジャズ・ヴァイブの神様。愛称は「バグス」。このバグスのリーダー作を棚卸しがてら、聴き直しているのだが、バグスの初期のリーダー作って、どんなんだっけ、と思い当たった。ブルーノートの『Milt jackson』、プレスティッジの『Milt Jackson Quartet』はしっかり聴いているが、その他は意外と怪しい。バグスのディスコグラフフィーを再確認...

  • Milt Jackson名盤 ”Bags’ Opus”

    ミルト・ジャクソンはジャズ・ヴァイブの神様。愛称は「バグス」。このバグスのリーダー作を棚卸しがてら、聴き直しているのだが、バグスのリーダー作の中での名盤・好盤の類について、当ブログでまだまだ記事化されていないものがある。これはいかん、ということで、バグスのリーダー作の記事化のコンプリートを目指して、せっせとアルバムを聴き直している。Milt Jackson『Bags' Opus』(写真左)。19...

  • 浪花エクスプレス ”No Fuse”

    和フュージョン、いわゆる「日本のフュージョン・ジャズ」は、米国のフュージョン・ジャズとは距離を置いて、独自の進化・独自の深化を遂げた、と感じている。リズム&ビートはファンクネス皆無、フレーズの展開はロック志向、ソフト&メロウな雰囲気は希薄で、爽快感&疾走感が優先。和フュージョンは、世界の中で独特のポジションを獲得している。日本の中での和ジャズは、かなり地域特性があった。東京の和ジャズだけがレコー...

  • 増尾好秋 ”Sailing Wonder”

    増尾好秋。 1946年10月12日生まれ。今年で78歳。我が国の和フュージョンの代表的ギタリストの一人。渡辺貞夫に認められ、1968年から1971年まで、渡辺貞夫のグループに在籍。1971年に渡米。1973年から1976年までソニー・ロリンズのバンドに在籍したのは有名。1980年代なかばから2008年まで、ニューヨークのソーホー地区に本格的なレコーディングスタジオ The Studio を所有し...

  • 松岡 直也 ”Long for The East”

    松岡 直也は、我が国におけるラテン・ジャズの第一人者。フュージョン・ブームの折には「ラテン・フュージョン」で一世を風靡した。聴けば直ぐに「松岡 直也のラテン・ジャズ」と判るくらい、松岡の個性溢れるアレンジが秀逸。コンテンポラリーな純ジャズ志向、フュージョン・ジャズ志向の「両刀使い」で、我々の耳を楽しませてくれた。惜しくも、2014年4月29日に76歳で逝去している。松岡 直也『Long for ...

  • 今田勝『アンダルシアの風』です

    台風10号の予報が「迷走」している。当初予報よりもどんどん西に西に進路予想がずれていく。テレビのワイドショーの天気予報のコーナーの気象予報士は概ね、変な解説に終始している。もはや、テレビの情報を鵜呑みできる状況では無い。台風10号はどんどん西に逸れていくが、関東地方は当初予報は「曇り」だったのが、連日、ギラギラの真夏の太陽が照りつけ、猛暑日が続いている。「命を守る為の引き篭もり」も、もう一ヶ月を...

  • 夏はボサノバ・ジャズ・その38

    しかし、お盆も過ぎて、もうあと1週間で8月もおわるというのに「暑い」。暑い、というより酷暑である。「命が危険な暑さ」が午前中からで、もう朝9時には「命を守る引き篭もり」をせざるを得ない。日差しは強烈で、外に出て日に当たろうものなら、数十秒で露出している皮膚が「ジリジリ」してくる。「命を守る引き篭もり」が7月の終わりから続いているのだが、引き篭もりの間は、ジャズを聴くか、ブログを整理するか、読書を...

  • ホーニグの「ネオ・ハードバップ」

    21世紀に入ってはや丸23年。21世紀に入って頭角を現した、将来有望なジャズマンを追いかけていくと、ライヴ情報などで、サイドマンで活躍する、新たな将来有望なジャズマンに出会う。これが楽しい。新たなジャズ盤に出会って、そのパーソネルなど情報を確認すると、またまた新たな将来有望なジャズマンに出会う。これがまた楽しい。この2024年になって振り返ると、将来有望な中堅ジャズマンがかなりの数、出揃った感が...

  • ステーシーの酷暑の夏向き好盤

    酷暑の8月。毎日の様に「熱中症警戒アラート」時々「熱中症特別警戒アラート」が出まくり、それも朝からのアラート発報なので、朝から終日「命を守るための引き篭もり」をせざるを得ない日々が続く。エアコンをつけた部屋で、ブログを更新したり、天体写真の画像処理をしたり、録画を見たり、本を読んだりしているのだが、バックに流れる音楽は、やはり「ジャズ」。エアコンをつけていても、なんとなく、外からの熱気は感じるの...

  • ECMのハーシュのソロ・ピアノ

    暑い日が続く。というか、酷暑の日が続いていて、我々としては「命を守るため」の部屋への引き篭もりの日が続く。外は酷暑、気温が35度を超えているので、部屋はエアコンは必須。エアコンをつけて窓を閉め切っているので、部屋の中は静か。こういう時、僕はジャズの「ピアノ・ソロ」盤を選盤することが多い。Fred Hersch『Silent, Listening』(写真左)。2023年5月 スイスにて録音。ECM...

  • ボサノバ&サンバ・ジャズの好盤

    セルジオ・メンデス(Sergio Mendes)。1941年2月、ブラジル生まれのピアニスト、今年で83歳。作曲家、編曲家、バンドマスター。ボサノバを語る上で、欠かせないレジェンド。1950年代後半にはジャズで活躍、そしてアントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトの影響を受け、ボサノバに転身。ブラジル国内外でボサノバを演奏。1960年代の世界的なボサノバ・ブームの牽引役となった。Se...

  • 夏はボサノバ・ジャズ・その37

    ボサノバ・ジャズとは、ボサノバの要素を取り込んだ「ジャズ」。リズム&ビートはボサノバのリズム&ビートをジャジーに仕立て直した「ボサノバ・ジャズ」のリズム&ビート。旋律はボサノバの旋律をそのまま取り込み、即興演奏は、ボサノバの持つ個性的なコード進行を取り込んで、ボサノバの響きを宿したアドリブ展開を繰り広げる。ボサノバ・ジャズは「ジャズ」で、ボサノバでは無い。正統なボサノバを聴きたければ、ボサノバ・...

  • 夏はボサノバ・ジャズ・その36

    チャーリー・バード(Charlie Byrd)は、ブラジリアン・ミュージックに傾倒した米国ギタリスト。 1925年9月16日、米国バージニア州サフォークにて生まれ、1999年12月2日に74歳で鬼籍に入っている。ゲッツと組んでリリースしたボサノバ・ジャズの名盤『Jazz Samba』はつとに有名。Charlie Byrd『Brazilian Byrd』(写真左)。1964年12月, 1965年1...

  • トリオ・タペストリーの3枚目

    酷暑の夏、命を守るための「引き籠り」が長く続く。締め切った、エアコンの効いた部屋は、意外と雑音が少ない。外は酷暑であるが故、静的でスピリチュアルな、硬質で透明度の高い「ECMサウンド」で涼を取りたくなる。21世紀に入っても、西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」は健在で、ここ10年の間に、ECMサウンドは、更なる高みを目指して「深化」している。Joe Lov...

  • ケントン流のボサノバ・ジャズ

    1962年以来、米国ジャズ界は暫くの間、ボサノバ・ブームに湧いた訳だが、とにかく、猫も杓子も、あらゆる一流ジャズマンはこぞって、ボサノバを取り込んだ「ボサノバ・ジャズ」に手を染めた。なんせ、あのマイルスだって、ギル・エヴァンスと組んで、ボサノバ・ジャズ志向のリーダー作『Quiet Nights』をリリースしているくらいだ(まあ、マイルスはこの盤を認めていないみたいだが・笑)。猫も杓子もボサノバ・...

  • 西海岸のアフロ・キューバン

    台風が千葉県の太平洋東岸の沖を通過しつつある。今朝の始発から東海道新幹線が東京〜名古屋間で、地下鉄東西線は西船橋〜東洋長官が終日運転見合わせとかで、どんな暴風雨になるのかしら、と思って速報天気図などを見ていた。が、テレビの報道などは「大袈裟」の限り。千葉県北西部地方は暴風域にも入らず、強風域に入ってはいるが、そんなに大騒ぎするほどの強風は吹いていない。雨は断続的にゲリラ豪雨っぽい強い雨が降るけど...

  • ボサノバ曲の米国西海岸ジャズ化

    明日は台風7号が関東地方に再接近する予報。ここ千葉県北西部地方から見ると、東の太平洋上を北上するらしいので、吹き込みの強い暴風は避けられると思うので、ちょっと安心。逆に台風の強雨域が台風の西側に広がっていて、これがこの辺りにもかかってくる可能性があるので、大雨だけは細心の注意を払う必要はある。ということで、明日は一日、台風通過の一日となるので、自宅に引き篭もりである。まあ、今年は猛暑日続きで、外...

  • 純ジャズ・ボーカルのベンソン

    2ヶ月ほど前になるだろうか。ネットのジャズの新盤情報を覗いていて、こんな文章が目に飛び込んできた。「ジャズ・ギタリストそしてシンガーのジョージ・ベンソンが全盛期に録音していながら、長きにわたり発表されてこなっかた幻のアルバムが遂に35年の時を経て現代の技術でリマスターを施した公式作品となって登場!」ジョージ・ベンソンは「唄って弾きまくる」ギタリスト兼ボーカリストの、いわゆる「ジャズ二刀流」のレ...

  • バップ・ギタリストなベンソン

    マイルス・デイヴィスに見出され、ウェス・モンゴメリーの後継として頭角を表した「バップ・ギタリスト」のジョージ・ベンソン。クロスオーバー&フュージョン・ブームの折には、余芸だったボーカルを前面に押し出し、「唄って弾きまくるフュージョン・ギタリスト」として一世を風靡した。1980年代以降、現在まで「超一流のギターの巧いブラコン志向のボーカリスト」として、ボーカリストをメインに活動を継続。今では、ベン...

  • 夏はボサノバ・ジャズ・その35

    夏はボサノバ・ジャズが良い。特に今年の様な猛暑日の連続だと、まず「熱いジャズ」は絶対に避けたい。フリーやスピリチュアルな「激しいジャズ」も避けたい。そうすると、ほとんどの純ジャズ、メインストリーム系ジャズは避けたくなる。そこで活躍するのが「ボサノバ・ジャズ」。Astrud Gilberto『Shadow Of Your Smile』(写真左)。邦題『いそしぎ』。1964年10月から、1965年2...

  • 夏はボサノバ・ジャズ・その34

    ボサノバ・ジャズの「歌姫」は、アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)。アストラッドは、1940年3月生まれ。つい昨年、2023年6月に83歳で亡くなった。1959年にジョアン・ジルベルトと結婚、ブラジル国内での情勢不安、軍事政権による圧力などもあって、1963年にアメリカ合衆国に移住。アルバム『ゲッツ/ジルベルト』に参加し、アストラッドの囁く様な、気怠くアンニュイなボーカルで...

  • 夏はボサノバ・ジャズ・その33

    1962年、ボサノバ・ジャズのブレイクの年である。ズート・シムズの『ニュー・ビート・ボサノヴァ Vol.1』や、スタン・ゲッツの『ジャズ・サンバ』、クインシー・ジョーンズの『ビッグバンド・ボサノヴァ』など、ジャズとボサノヴァが融合した好盤がリリースされた。当然、セールスは好調だったようで、この1962年からしばらくの間、ジャズ界は「猫も杓子も」ボサノバ・ジャズに走った。Gene Ammons『B...

  • 夏はボサノバ・ジャズ・その32

    今年の夏は特別に「暑い」。いわゆる酷暑日が連日続く。朝の9時を過ぎると、朝の日差しが灼熱化して、もう外出するのが憚られる。というか、外出すると「危険」な暑さ。これだけ暑いと「シビアなジャズ」を聴く気力がなくなってくる。フリー・ジャズなんてもってのほか(笑)。ハードバップだって、なんだか暑苦しい。ということで、やっぱり、夏はボサノバ・ジャズ、である。ここバーチャル音楽喫茶「松和」では、以前「夏はボ...

  • ディメオラの異色の秀作です。

    振り返ってみれば、アル・ディ・メオラ(Al Di Meola・以降「ディメオラ」)は、超絶技巧なクロスオーバー&フュージョン・ジャズ志向のギタリストで、その演奏スタイルは変わらないのだが、リーダー作の「音の志向」については、定期的に変化している。常に「バリバリ弾きまくっている」訳ではない。Al Di Meola『Cielo e Terra』(写真左)。1985年の作品。ちなみにパーソネルは、Al...

  • ビル・オコンネルの初ライヴ盤

    ビル・オコンネルは、1953年8月、NY生まれのジャズピアニスト。ラテン・ジャズやハードバップとの関わりが最も深い。教育者でもあり、ニュージャージー州ラトガース大学ニューブランズウィックキャンパスのメイソングロス芸術学校でジャズピアノを教えている。リーダー作については寡作。1970年代に1枚、1980年代に1枚、1990年代に3枚。21世紀に入ってからは、2015年以降、やや頻繁に、1〜2年に1枚...

  • 小洒落たファンキー・ジャズ

    ファンキー・アルト・サックスのレジェンド、キャノンボール・アダレイについては、どうも我が国では人気がイマイチ。「ファンクの商人」なんて酷いあだ名をつけられて、ファンキー・ジャズやジャズ・ファンクをベースに、商業主義に走ったジャズマンの烙印を押されている。酷い話である。ファンキー・ジャズ&ジャズ・ファンクは俗っぽくて、芸術としてのジャズでは無い、との評価で、しかも、キャノンボールのリーダー作は、米...

  • コーエンの「温故知新」な好盤

    コロナ禍の影響だろうか、2021年以降、ジャズの新盤で、ソロやデュオの演奏が多くみられる傾向にある。ソロやデュオだとスタジオに入っても、あまり「密」な状態にはならず、感染防止に最適な演奏フォーマット、という判断もあったのだろう。そうそう、自宅のスタジオでも、いわゆる「宅録」のアルバムも結構あったなあ。コロナ禍は、ジャズの演奏フォーマットにも影響を及ぼしている。Emmet Cohen & ...

  • 初めて、エスコフェリーを聴く

    Smoke Sessions Records は、コンスタントに、現代のネオ・ハードバップ、現代のコンテンポラリー・ジャズの好盤をリリースしている。今まで、影の存在に甘んじていた、優れた資質を持つジャズマンをスカウトして、専属のリーダー人材とするのに長けている。今まで、Smoke Sessions Records からリリースされたアルバムのリーダーの中で、この人は誰、というジャズマンも多くいた...

  • ファンズワースのスモーク第3弾

    Smoke Sessions Records。1999年、ニューヨークのアッパーウエストにオープンしたジャズクラブ「Smoke」のオーナーが2014年に設立したジャズ専門レーベル。そのジャズクラブ「Smoke」に出演している人気アーティスト、特に、実績のある中堅〜ベテランのジャズマンをリーダーにしたアルバムをメインにリリースしているのだが、その内容は「昔の名前で出ています」的な旧来のハードバップ...

  • レイ・ギャロンの個性的なピアノ

    ジャズを長年聴いてきて、ある日突然、コロッと魅力的な内容の盤が出てきて、リーダーは誰かな、と思って見たら、今までに聴いたことが無い名前で、調べてみたら、長年、米国でジャズマンとしてプレイしてきた、意外と実績のあるジャズマンだったりして、改めて、ジャズの裾野の広さと深さに呆れたり、感心したりすることがある。Ray Gallon, Ron Carter & Lewis Nash『Grand ...

  • 素敵なジョン・ルイス楽曲集です

    伊ジャズの至宝、欧州ジャズ・ピアニストの第一人者、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)がオーケストラと共演したアルバムがもう一つ。長年共演関係を続けてきた、ルカ・ブルガレッリ、マウロ・ベッジョとのトリオで、イタリアの室内管弦楽団、オルケストラ・フィラルモニカ・イタリアーナとのコラボレーションである。Enrico Pieranunzi Trio & Orchest...

  • ピアノ + ペット + ビッグバンド

    ここ2〜3年、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)が元気である。自らのリーダー作から、共演作含めて、「毎月、何かしらのアルバムをリリースしている」印象の多作ぶりである。1949年12月5日、ローマでの生まれなので、 現在、年齢 74歳。もうベテランの域を超えて、レジェンドの域に達した、伊ジャズの至宝、欧州ジャズ・ピアニストの代表格なのだが、とにかく「多作」。しかも、その...

  • ディメオラの新境地開拓な盤

    1982年に、それまでの活動を総括したライヴ盤『Tour De Force』を出したアル・ディ・メオラ(以降「ディメオラ」と略)。内容的には、それまでに聴いたことのあるディメオラてんこ盛りで、ディメオラ者には実に楽しめる、ディメオラ乳門盤の様な内容だった。しかし、その音世界には「マンネリ」の雰囲気が漂っていたのは否めない。Al Di Meola『Scenario』(写真左)。1983年の作品。ち...

  • ギルの「ジミヘンへのオマージュ」

    久しぶりに、サイケデリックなジャズ・ロックとして、ジョン・マクラフリンの『Devotion』(1970年)を聴いて、確か、この盤って、マクラフリンによる「ジミ・ヘンドリックス(ジミヘン)へのオマージュ」を表明した企画盤だったことを思いました。ジミヘンと言えば、マイルス・デイヴィスと一緒にプレイする可能性があったことは有名な話で、ただ、1970年9月18日に、ジミヘンが麻薬のオーヴァードーズが原因...

  • マクリーン流ハードバップの完成

    1961年のジャキー・マクリーンは、マクリーン流のハードバップを完成させた年。アルト・サックスの吹きっぷり、演奏のイメージとアレンジ、どれもがマクリーン流にこなれて、マクリーン独特のアルト・サックスの音色と相まって、一聴してすぐに判る「マクリーン流」ハードバップな演奏を確立している。Jackie Mclean『A Fickle Sonance』(写真左)。1961年10月26日の録音。ブルーノー...

  • マクラフリンの初期の名盤です

    ジャズ・エレギのイノベーター&レジェンドの一人、ジョン・マクラフリン。彼は、ギタリストのキャリアの中で、何度か、そのスタイルを大きく変えている。いわゆる「進化」するタイプのギタリストで、その「進化」の跡は、後継に対して、一つの「スタイル」として定着している。John McLaughlin『My Goal's Beyond』(写真)。March 1971年3月、NYでの録音。John McLaug...

  • サイケデリックなジャズ・ロック

    ジョン・マクラフリンのエレギは、ジャズに軸足をしっかり残した、先鋭的で革新的なエレギで唯一無二。ジャズ色の強いクロスオーバーなエレギなので、何故か我が国では人気は高くないが、ジャズ・エレギのイノベーターの一人として、絶対に無視できない。John McLaughlin『Devotion』(写真左)。1970年2月の録音。ちなみにパーソネルは、John McLaughlin (el-g), Larr...

  • マクリーンの果敢な挑戦の記録

    ブルーノートには「ボツになった理由不明」の未発表音源がゴロゴロしていた。そんなブルーノートの未発表音源を「Blue Note LTシリーズ」として、1979〜1981年にLP40数タイトルでリリースした。どのアルバムも聴いてみて、「どこがお蔵入りなんや」「どこが気に入らなかったんや」と思ってしまう優秀な音源ばかりなのだ。Jackie McLean『Vertigo』(写真左)。1959年5月2日、...

  • プログレッシヴなジャズ・ロック

    John McLaughlin(ジョン・マクラフリン)。英国出身のジャズ・ギタリスト。ジャズ・ロック〜クロスオーバーなエレギを基本とするテクニシャンで、ジャズ・ギタリストの歴史の中でも、重要なポジションを占めるバーチュオーゾである。マイルスの「In a Silent Way」から「On the Corner」まで、エレギ中心に参加、当時の「エレ・マイルス」のビートを形成する上で、重要な役割を担っ...

  • アジムス初期のライヴ音源です

    酷暑の日が続く。ここまで暑いと「爽やかなフュージョン」が聴きたくなる。ブラジリアン・フュージョンの代表的バンド「アジムス」を選択。ソフト&メロウなフレーズに、軽快なファンクネスをベースに、スペーシーな音の広がりとサイケデリックなブレイクダウン、しなやかでソリッドにうねるようなグルーヴが、涼しいエアコンが効いた部屋の中で聴くのにピッタリ。Azymuth『Live at the Copacabana...

  • ソウル・ジャズの ”G・グリーン”

    グラント・グリーン(Grant Green)という伝説のジャズ・ギタリスト、我が国ではあまりポピュラーな存在では無かった。生まれは1935年6月6日、米国ミズーリ州セントルイス、ギタリストとしての活動期間は、概ね1959年〜1978年。1959年、セントルイスで演奏しているところを、ルー・ドナルドソンに見出され、ブルーノートの総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンに紹介される。1961年か...

  • グリーンの優れたカヴァー能力

    暑い。酷暑である。梅雨明け宣言があった翌日からの猛暑。午前中から外出が憚られる強い日差しと熱風。外出したら絶対に体に悪い。これはもう「引き籠り」しかない。ありがたいのはエアコンの存在で、朝からエアコンをフル稼働させて、なんとか涼しい部屋の中でテレビを見たり、ジャズを聴いたり。Grant Green『I Want to Hold Your Hand』(写真左)。1965年3月31日の録音。ブルーノ...

  • オルガン入りギター盤の秀作です

    グラント・グリーンは、ほとんど「ブルーノートのお抱え」ギタリストと思って良いと思う。グラント・グリーンの秀作は、当時のブルーノート・レーベルに集中している。ブルーノートの総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンが、グラント・グリーンのギターの個性について、いかに造詣が深かったか、が非常に良く判る。Grant Green『Street of Dreams』(写真左)。1964年11月16日の録音...

  • グリーンの奏でるハードバップ

    僕はグラント・グリーンのギターが好きだ。ウエス・モンゴメリーの豪快なオクターヴ奏法も格好良いが、グラント・グリーンの質実剛健、誠に潔い「シングル・トーン」= 一本弾きが、とてつもなく「好き」。独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなギターを弾きまくるグリーンは格好良い。Grant Green『Idle Moments』(写真左)。1963年11月4, 15日の録音。ブルー...

  • チックのソロ傑作 ”Expressions”

    チック・コリア。我が国においては、1980年代以降のリーダー作については、概ね不当な評価を受けていた様に思う。純ジャズ志向、メインストリーム志向のジャズをやれば、持ち味が全く違う両者を比較して、キースの方が圧倒的に優れている、とか、適当に手を抜いて、ウケ狙いで弾いているなどという、もはや、これは客観的な評価では無い、個人的な言いがかりとしか思えない、酷い評論もあった。エレ・ジャズ中心のコンテン...

  • 邦題通り「アメリカン・ポップ」

    『エクステンションズ』『モダン・パラダイス(邦題)』とジェイ・グレイドン・プロデュースの優れた内容の作品が2作。ジャズ名曲あり、ポップあり、アカペラあり、とアルバムの完成度が非常に高く、ともにグラミー賞受賞した。さて、その次はどの様な展開になるのか、興味津々の1983年。マントラは「ポップ志向」の色濃い、R&Bをも取り込んだ傑作をリリースしてきた。The Manhattan Transfer『B...

  • ジョンアバとタウナーの再会盤

    梅雨空が続く。天気予報ではもうすぐ梅雨明け、という話だが、ここ3〜4日、思いっきり梅雨空で、時々雨が降って、湿度はマックス状態になり、少しでも日差しが差し込もうなら、モワッとした不快指数マックスの空気になる。こういう時は、もはや家の中に引きこもって、エアコンをかけながら、静謐感&爽快感溢れるジャズを聴くに限る。エアコンをかけながらの「静謐感&爽快感溢れるジャズ」となれば、ECMレコードの諸作だろ...

  • ブレイのピアノの個性が良く判る

    ポール・ブレイのディスコグラフィーを整理して、ポール・ブレイって、かなりの数のリーダー作をリリースしていたのを確認して、少々驚いている。リーダー作は、100枚は超えているのではないか。我が国では、フリー・ジャズが基本の、マニア好みなピアニストの位置付けで、あまり人気があるとは言えない。我が国ではフリー・ジャズは、ジャズ評論家があまり取り上げないので、一般ウケしない。ポール・ブレイもそんな一般ウケ...

  • チックが一番「尖った」ソロ

    チック・コリアのソロ・ピアノの落穂拾い。残すは5枚。チックの真の実力とピアニストとしての力量が如実に判る、1980年代以降、チックがジャズ・ピアノのスタイリストの一人として、その個性と実力を確立した後のソロ・ピアノ盤の数々。チックを確実に語る上では避けて通れないソロ・ピアノの数々。Chick Corea『Solo Piano: From Nothing』(写真左)。1982年7月の録音。ちなみに...

  • エスペランザのボーカルの扱い

    エスペランザ・スポルディングのデビューは、結構、衝撃的だった、と記憶している。ベーシストとしてのデビューだったので、女性でありながら、骨太でソリッドで切れ味の良いアコースティック・ベース、繰り出すフレーズが新鮮だった。デビュー盤ではスキャット中心のボーカルで、ベースを弾く傍らでの「彩り」だと感じていた。しかし、1曲だけ、『Cantora De Yala』は、 エスペランザのベースのみの弾き語りに...

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