序章 プロローグ

太陽に照らされた青い海と穏やかな空、遠くに見えるレインボーブリッジ、お台場の周りに浮かぶ客船は絵画のように静かだ。東京は汐留に立つ高層ビルの27階。30人は入…

第4話 ウェルテルの告白20【棚卸し・棚卸商品】

広大な有栖川家の屋敷の2階。その一番奥から一つ手前にバトラー北條の個室。「こんかいもご苦労だったね。」そういいながらゆっくりとこちらを振り向き白いひげをさする…

第4話 ウェルテルの告白19【棚卸し・棚卸商品】

売れない商品は管理コストや処分コストという形でシャルロッテの財務体質をむしばんでいった。貸借対照表上は棚卸資産を過少に計上できたとしても、入金されないキャッシ…

第4話 ウェルテルの告白18【棚卸し・棚卸商品】

創立以来黒字経営を続けてきていたシャルロッテだったが、右肩上がりの売上が落ち始め、返品が倉庫に積まれるようになり始めたのが4年前。服から小物まで、デザインをほ…

第4話 ウェルテルの告白17【棚卸し・棚卸商品】

有栖川家のお嬢様の部屋。暖炉の明かりが煌々と部屋を照らしている。「そういえば、お嬢様、先週末の棚卸作業はいかがでしたか？」「棚卸しは超完璧に終わったわ。でも何…

第4話 ウェルテルの告白16【棚卸し・棚卸商品】

倉庫の棚卸し風景朝の9時。東京は新木場の倉庫まで来た。運河を挟んだ反対側には夢の国ディズニーランドが見える千葉県だ。「山川さんおはよう！」「早いね！どうやって…

第4話 ウェルテルの告白15【棚卸し・棚卸商品】

夜の監査役と阿部のやり取り―阿部くん。お疲れ様。単刀直入に聞きたいことがある。若林くんのことをどう思っているのかな？―Commented by 豊臣at 20…

第4話 ウェルテルの告白14【棚卸し・棚卸商品】

―豊臣様お疲れ様です。若林でございます。 シャルロッテの阿部さんのことでお伺いしたいことがあります。― Commented by 若林at 2013-02-1…

第4話 ウェルテルの告白13【棚卸し・棚卸商品】

「すっごいいい匂いがするのよ！」お嬢さまが、浮かれた表情で話す。「だって、あの阿部トオルさまが私のためだけに棚卸の説明をしてくれるのよ！」「はぁ・・・左様でご…

第4話 ウェルテルの告白12【棚卸し・棚卸商品】

「さっそくなんだけど、時間がないから駆け足で説明していくわね」阿部さんがホワイトボードに書き込みをしていく。「まず棚卸は実地棚卸規定という会社のルールに基づい…