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あつし@草莽 https://elkoravolo.hatenablog.com/

仏教のめずらしい経典や和讃などをタイピングしたり、メモをつくっています。

仏教のめずらしい経典や和讃などをタイピングしたり、メモをつくっています。浄土真宗関連やテーラワーダ仏教関連、華厳経、文殊経典関連、諸経部など。他にも漢詩や福澤諭吉などなど。

あつし
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2012/05/08

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  • 戦争犠牲者をどう捉えるかの若干の雑感

    先の大戦の戦争犠牲者については、いろんなとらえ方がありうると思う。 それらの人々の苦難や悲しみを思い、二度と戦争を繰り返さないようにするための教訓にするということは、毎年夏に必ずよく言われることである。 あるいは、靖国や護国神社に見られるように、国家のために献身的に戦った人々に感謝の祈りを捧げるという人もいるのかもしれない。 上記のものが混ざっている場合もあるかもしれない。 以下のことは、私のあくまで思いであり、なんら客観性はないのだけれど、上記のものとは別に、「贖いの死」というとらえ方もありうるのではないかと思う。 聖書においては、「贖い」という考え方が出てくる。 つまり、罪や悪の結果は本来…

  • 祖父が戦争で人を殺さなかった理由についての考察

    私の父方の祖父は若い時に七年間、赤紙が来て兵隊をしていたそうである。 これほど長期間の兵役は職業軍人以外はあんまりいなかったとも聞いた。 だが、祖父は一度も人を殺さなかったそうである。 「戦争で人を殺したことはあった?」と、夏休みに会った時に小さい頃の私が二、三度尋ねたことがあったが、なかったといつも即座に答えていた。 今朝、ふとその理由について考えてみた。 祖父が本当に戦場で人を殺していなかったというのは、間違いないと思う。 幼い孫の私に本当のことを語れなかった、というわけではなかったと思う。 一度だけ、戦地の思い出話を聞く中で、キュウリをたくさん籠に載せた中国人の商人が歩いているところを、…

  • 戦争に関する特集についての備忘メモ 2

    最近見た、いくつかのNHKの戦争に関する特集についての備忘メモ: 『新・ドキュメント太平洋戦争 1944 絶望の空の下で』では、さまざまなエゴドキュメントから、1944年当時の庶民の体験や思いが再構成されていた。 サイパンの玉砕と、本土空襲が始まった様子が描かれていた。 もうその時点であまりにも悲惨だった。 サイパンでは両親と山の中を逃げ惑い、両親が死んだあと助かった少女の手記が紹介されていた。 また、別の少女の日記が紹介され、その少女は学徒動員されて工場で働いていたが、空襲で亡くなったことが伝えられていた。日々の工場の勤務の合間に、ちょっとしたオシャレを工夫したり、ピアノの練習に励んでいた様…

  • 松崎紀之助『くちなしの志士 淵上郁太郎の幕末』を読んで

    松崎紀之助『くちなしの志士 淵上郁太郎の幕末』(文芸社、2021年)を読んだ。 この本は、先日、真木和泉の旧居の山梔窩を訪れた時に、その隣の売店で売っていたので、この本を知って読んでみた。 恥ずかしながら全然それまで名前も知らなかったのだけれど、渕上郁太郎は真木和泉の山梔窩の塾生の一人で、師の真木和泉と同じく幕末に活躍した尊皇の志士だったそうである。 久留米の出身で、医師の家の出身でもともとは武士ではなかったようだが、途中で士分に取り立てられたそうである。 真木和泉に付いて諸藩の尊王攘夷の志士と交わり、池田屋事件の現場にもおり、数少ない生き残りだったようである。 蛤御門の戦いにも参加したが、天…

  • ETV『昭和天皇 秘められた終戦工作』を見て

    ETV『昭和天皇 秘められた終戦工作』を見た。南原繁が木戸幸一に終戦を進言し、木戸幸一から熱心に昭和天皇に進言し、6月22日以降たびたび昭和天皇への働きかけがあった様子が特集されてた。南原と木戸は、昭和天皇の決断による終戦と、その後は退位すべきだと考えていたことが紹介されていた 番組の最後のほうで、南原繁が自分たちだけでなく、いくつかのグループが当時早期の講和のために働いていたことを証言する言葉も紹介されていた。南原と同じく無教会の中では、番組では描かれていなかったけれど、塚本虎二が独自の人脈を通して、早期講和について天皇に進言していたそうである。 南原は、愛弟子の丸山眞男に多少語った以外は、…

  • 雑感 「群青」について

    谷村新司の「群青」を聞きたいと思ってアレクサにリクエストしたら、ヨアソビの「群青」が流れてきた。 両方良い曲なんだけれど、かたや昭和、かたや令和、って感じがする。両方好きな歌ではあるのだけれど、内容や背景がかなり異なる。 ヨアソビの「群青」は、現代人の抱える漠然とした虚しさやいかに自分の心の声を聞いてしっかり生きていくか、ということをよく表現していると思う。 一方、谷村新司のは映画『連合艦隊』のテーマソングだったように、ド直球で昭和の戦争という、個人ではない民族の悲劇や運命を描いているのだと思う。 昭和初期の戦争は、個人の思いや自己実現の悩みなどという余地のない、民族全体に降り掛かってくる悲劇…

  • 2024年夏 戦争に関する番組 備忘メモ

    備忘メモ: 今年も数多くの戦争に関する番組があったが、印象深いものが多数あった。 「夏井いつき “原爆俳句”を訪ねて」という番組は、近年発見されて長く忘れられていた、敗戦後十年ほど経った時に出版された『原爆句集』という本の中の、印象的な俳句の紹介と、その俳句を詠んだ人の背景を探る番組だった。 腕を切り取るという内容の、意味がよく読み解けない俳句が、背景を探ると、軍の施設から遺体を持ち出すことができず、腕のみ切断して遺骨として持って帰ったことを背景としていたということや、被爆して亡くした子どもの残した俳句をずっと大切にして、自分自身も俳句をその後も続けていた方のことが紹介されていて印象的だった。…

  • 時論公論「記録が語る“戦犯裁判”」を見て

    先日のNHK時論公論の「記録が語る“戦犯裁判”」に、潁川幸生さんというBC級戦犯として死刑になった方のことが紹介されていた。 https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024081510336 佐世保の相当ダムの建設に米軍捕虜265人が使役され、そのうち53人が死亡したことについて、警備を担当していたため戦犯として捕虜虐待の責任を問われた。 しかし、実際は潁川さん自身は可能な限り捕虜の待遇に気を配り、私費で食料を配ったり、りんごを実家から取り寄せたこともあったそうで、りんごについては米軍兵士から感謝の手紙をもらったこともあったという。 問題は極寒の環境と食料・防寒の乏し…

  • 漫画 高濱寛『ニュクスの角灯』を読んで

    漫画『ニュクスの角灯』をやっと全六巻読み終わった。だいぶ前にEテレの『こころの時代』で作者の高濱寛さんの特集があり、なんだか胸打たれたので、実際に読んでみようと全巻買ってはいたのだけれど、なかなか暇がなくて集中して読めなかった。冒頭、戦時中の長崎で老婆が孫娘に思い出を語るシーンから始まり、若かった頃、世界が輝いていた頃、たまたま骨董店に務めることになり、そこで多くの人に出会い、仕事でパリにまで行った思い出が語られる。ネタバレになるので詳細は省くが、最後まで読むと、深く胸打たれる作品だった。どんなに悪いことがあろうと、光のほうに一歩ずつ歩んでいくこと、いつかきっとまた人生は良くなることを、教えら…

  • 本間正人『経理から見た日本陸軍』を読んで

    本間正人『経理から見た日本陸軍』(文春新書、2021年)を読み終わった。 面白かった。 軍隊は予算が決定的に必要だそうで、日本陸軍も経理部が重要な役割を担い、大蔵省とさまざまな交渉をしながら、予算の調達とやりくりをしていたそうである。 本書の魅力は具体的な数字のデータがわかりやすく散りばめられているところで、師団長(陸軍中将)と二等兵の給料は81:1ぐらいで、今の金銭価値に換算すると、それぞれ月給242万円と3万円だという話は、戦前の軍隊内の歴然たる格差を数字ではっきり見れて興味深かった。 他にも、軍刀や兵器などの価格も興味深かった。 食料の話も具体的で面白かった。 対ソ戦を想定して満州に急に…

  • 映画『沈黙の前の叫びたち』(Screams Before Silence)を見て

    ドキュメンタリー映画『沈黙の前の叫びたち』(Screams Before Silence)をやっときちんと視聴した。 10.7のハマスによるテロや性被害について、体験者や目撃者へのインタビューをまとめた映画である。 自分自身が人質となっている間にレイプされた証言や、多くの裸の死体を見た証言などがあった。 また、眼の前で親が撃ち殺されたり、草むらに隠れている時に眼の前でレイプを目撃せざるを得なかった証言もあった。 あまりにひどいと、絶句せざるを得ない内容だった。 日本ではガザの被害については多くの報道があるが、イスラエルの被害についてはほとんど報道がなされない。 双方ともに一般市民の被害は平等に…

  • 『ゆきゆきて、神軍』を見て

    ドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』を動画で見た。とてつもなく重い作品だった。戦後四十年頃なので、今から四十年ぐらい前に撮影されている。ニューギニア戦線において起こった、終戦後の軍隊内部の殺人事件について、被害者のために加害者のもとを一人ひとり訪ね、当時のことを聞き出していくというストーリー。それらの人々の重い口から語られるのは、食べ物が全くない極限状況において、「代用豚」として人肉食が行われており、白人兵は白豚、現地の人は黒豚と呼ばれていたとのこと。また、日本人の中でも、食料の奪い合いなどが原因で殺人が横行していたとのことだった。到底平和な戦後の私たちからは想像もつかない地獄がそこにはあ…

  • 『でっちあげ』(「福岡市「教師によるいじめ」事件」)を読んで

    漫画の田近康平(福田ますみ原作)『でっちあげ』を読んだ。 いわゆる「福岡市「教師によるいじめ」事件」についての作品である。 「福岡市「教師によるいじめ」事件」は、2003年に起こった事件で、当初アメリカ人の血を引く小学生の児童を「血が穢れている」などと言い、耳を引っ張ったり殴ったりして怪我をさせていじめた教師がいたということで裁判になり、マスコミが大きくそのように報道して大きな問題となった。 しかし、その後、被害者とされる児童やその親の発言が虚偽で事実に反することが次々に明らかになり、そもそも児童はアメリカ人の血を引いてもいないことが明らかになり、「殺人教師」と世の中から指弾された教員が実は無…

  • 上野英信『天皇陛下万歳 爆弾三勇士序説』を読んで

    上野英信『天皇陛下万歳 爆弾三勇士序説』(筑摩書房、1972年)を読み終わった。 爆弾三勇士は名前だけは知っていて、詳しいことを知らなかったので知りたいと思い、読んでみた。 最近、久留米の招魂社を訪れたところ、爆弾三勇士の碑があった。 それで、ずいぶん昔、生前の祖父が、戦争中の話をする中で、「肉弾三勇士」(祖父はこう呼んでいたと記憶する。こちらの呼称も当時一般的だったようである)について話していたのを思い出したからである。 爆弾三勇士は、第一次上海事変の時に、敵の鉄条網を破壊するために自ら爆弾を抱えて自爆して突破口を開いた三人の兵士たちのことである。 いずれも炭鉱や林業や運送業の、片親あるいは…

  • ダルウィーシュ『パレスチナ詩集』を読んで

    マフムード・ダルウィーシュ『パレスチナ詩集』を読み終わった。著者は2008年に亡くなったパレスチナ人の詩人で、アラブ諸国では詩集が百万部以上売れたことがあるなど、高名な詩人だそうである。ただし、日本ではほとんど紹介されてこなかった。読んでみての感想は、純粋に文学として非常に良かった。神話的なヴィジョンを駆使し、とても豊かな、そしてしばしば人生について深く考えさせられる詩だった。おそらく著者は出自からすればイスラム教徒なのではないかと思われるのだけれど、あまりイスラム的な色彩はこの本からは直接的には感じられず、むしろ旧約聖書からの引用やナザレのイエスへの言及がしばしばあった。政治については、予想…

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