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あつし@草莽 https://elkoravolo.hatenablog.com/

仏教のめずらしい経典や和讃などをタイピングしたり、メモをつくっています。

仏教のめずらしい経典や和讃などをタイピングしたり、メモをつくっています。浄土真宗関連やテーラワーダ仏教関連、華厳経、文殊経典関連、諸経部など。他にも漢詩や福澤諭吉などなど。

あつし
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2012/05/08

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  • ガザ戦争から半年 雑感

    もうすぐガザ戦争が始まって半年になる。 この半年間、ずっと違和感を抱いていることがある。 それは、あまりにも日本のメディアが、また多くの人々が、パレスチナ寄りに偏向しているのではないかということである。 もちろん、ガザの悲惨な状況を伝えることは大事である。パレスチナ人も大切な生命であることはもちろん言うまでもない。 だが、中立あるいは日本のようにどちらの勢力とも地理的に距離のある立場から、まず確認しなくてはならないことは、パレスチナ人もイスラエル人もどちらも人権があり、どちらも大事な生命であるということである。 ゆえに、どちらの人権にもきちんとした配慮と尊重が払われなければならないことである。…

  • ざしきわらし、あるいは光の玉

    先日、彼女と島根県に旅行に行き、途中島根に住んでいる友人と会った後、出雲大社に近い海沿いの温泉旅館に泊まった。 そこは、ざしきわらしが出るということで有名な旅館で、私も彼女も楽しみにしていた。 おもちゃを持参すると良いそうで、彼女は紙風船などを百均で買ってきていた。 だが結局、はっきりとはざしきわらしがいるのかどうか、よくわからなかった。 夜中にちょっと不思議な物音が窓の外で複数回したことと、窓は閉まっているのに、いつの間にか置いていた紙風船の位置が動いていたことぐらいが、多少不思議なことで、それ以上は何もなかった。 しかし、その後、不思議といえば不思議なことがあった。 ひとつは、翌日出発し、…

  • 吉塚御堂

    吉塚御堂の三周年法要に行った。 吉塚御堂は、今までその存在すら知らなかったのだけれど、吉塚商店街の一角にある多文化共生のお寺で、ベトナム・ミャンマー・日本の仏教徒の各宗派の方々が協力して建立し維持している。 友人のOさんから今日の法要をお知らせいただき、行ってみたところ、気さくなこじんまりした感じで、部外者の私も別け隔てなく参加させていただいた。 神戸から来たベトナム人のお坊さんと、門司の平和パゴダのミャンマー人のお坊さんと、吉塚の西林寺という浄土真宗のお寺のお坊さんが、順番でそれぞれの宗派の御経を唱えておられた。 ベトナム語のお経ははじめて聞いたけれど、朗々とした声の明るい節回しの御経で、意…

  • 古居みずえ『ガーダ 女たちのパレスチナ』を読んで

    古居みずえ『ガーダ 女たちのパレスチナ』読了。 www.amazon.co.jp いろんなパレスチナ人のおばあさんたちの人生の聞き書きが収録されている。読んでいて、なんだか本当に気の毒になった。彼女たちにとっては、突然わけもわからず戦争に巻き込まれ、家族を失ったり故郷を離れて苦しいばかりの人生だったことが伝わってきた。 その中に、トルコ統治時代はけっこうひどくて、それよりはイギリスが幾分マシだったという記述があって、へーそうだったんだと思った。また、1948年以前のユダヤ人とは仲良くしていたこともあったことが記されていた。しかし、二度のインティファーダで、そのたびごとに大きく雰囲気が変わってい…

  • 「家(HOME)」 歌詞の意訳・仮訳

    昨年の年末、イスラエルで1000人のミュージシャンが集って人質の救出を願うコンサートが開かれた。 たまたま動画でその様子を見て、深い感動を覚えた。 動画に英訳の歌詞は映るものの、和訳がないようなので、かなり意訳しながら試みに翻訳してみた。 といっても私はヘブライ語は本当に初歩的な知識がないので、ほとんど英語からの重訳となってしまっている。 ゆえに、正確には違う部分もたくさんあると思うので、多くの方からの訂正やご助言を仰ぎたいと思う。 もともと、1980年代にイスラエルのレバノンとの戦争の頃に歌われたそうで、2000年代にも人質の解放を願う運動とともに歌われたことがあったそうである。 今また、ガ…

  • 高史明 「歎異抄に導かれて」を見て メモ

    先日、NHKの「こころの時代」という番組で、今年の7月15日に91歳で亡くなった作家の高史明さんが出演した「歎異抄に導かれて」という2004年に放映された回が、再放送されていた。 高史明さんが人生の折々に歎異抄に触れて得てきたことをお話されていて、その深い読みと領解にとても感動させられた。 特に四つのことがらが心に残った。 ひとつは、善悪のことについて。 歎異抄には、親鸞が善悪の区別について否定的で、自分は善悪について知らないと言い、悪人正機を打ち出している。 これについて、高史明さんは、自分の出自や政治運動に参加して挫折した体験を踏まえて、親鸞が言いたいのは、世間の善悪の基準と阿弥陀如来の善…

  • 『マッカーサー大戦回顧録』を読んで

    先日、『マッカーサー大戦回顧録』上下巻(中公文庫)を読み終わった。 これはもっと分量の多い回想録の太平洋戦争と日本の占領政策に関連するところのみを収録した版だが、読んでいてとても面白かった。 感心したのは、その卓越した戦略的頭脳と、沈着冷静なところと、味方に対してポジティブで適切に褒めて激励し、敵に対して寛大であるところである。 敬虔なクリスチャンで夜寝る前は常に聖書を読み、祈りを欠かさなかったというエピソードも興味深かった。 日本の占領統治においては、常に寛大であることと、日本人の自主性を尊重することを心がけていたそうである。 そうしないと民主主義や改革が支持されず根付かないからと考えていた…

  • 備忘メモ たまたま見た番組で印象に残った戦争に関連する話 (戦後78年)

    8月になると戦争に関連した報道が多くなる。 今年も、たまたま見ていた番組で紹介されていた話のいくつかが、印象的だった。 ひとつは、岐阜のある方の話だった。 二歳の時に父親が出征し戦死し、戦後母親が女手ひとつで育ててくれたそうである。 とうとう父の遺骨は戻らず、父の身の回りの品なども戦地から何一つ戻ってこなかったので、何かあったならばと母も言っていたそうだが、母は五年前に亡くなったそうである。 そしたら、母が亡くなった数年後、テキサスの博物館に展示してある日章旗の寄せ書きの、中央に書いてある寄せ書きの対象者が、その方の父親なのではないかという問い合わせが厚労省から来たそうである。 母が生きていれ…

  • ワグネルの乱についての雑感

    昨夜、ワグネルがプーチンに反旗を翻し、モスクワに進撃中という報道が流れた。しかし、今朝には、首謀者のプリゴジンはお咎めなしとされた上でウクライナに亡命ということで、あっさりと解決した。昨夜は、あまりにもロシアのクーデターに対して心配と期待が昂じすぎて、朝起きて体重計に載ったら0.7キロやせていた。しかし、泰山鳴動して鼠一匹といった感じだったようである。昨日の夜、寝る前にテレビをつけたら、どこのテレビ局もまったくロシアについて報道していなくて(少なくとも私が見た福岡に入る民放とBSとNHKとは)、平和そのものだった。なんだかかなり不気味なものを感じた。これが平和ボケってやつだったんだろうか…。好…

  • 消災吉祥陀羅尼(仏説熾盛光大威徳消災吉祥陀羅尼)

    曩謨三満哆 母駄喃 阿盋囉底 賀多舎 娑曩喃 怛姪他 唵 佉佉 佉伵 佉伵 吽吽 入縛囉 入縛囉 盋囉入縛囉 盋囉入縛囉 底瑟娑 底瑟娑 至瑟哩 至瑟哩 娑發舎偌 娑發偌 扇底迦 室哩曳 娑婆訶 Namaḥ samantha buddhānāṃ apratihatā śāsananāṃ tadyathā: oṃ kha kha, khāhi khāhi, hūṃ hūṃ jvālā-jvālā, prajvala-prajvala, tiṣṭha-tiṣṭha ṣṭiri-ṣṭiri sphoṭa sphoṭa, śāntika śriye svāhā.

  • メモ 陀羅尼等

    不空羂索観音 oṃ padma-dhara-amogha-jayani suru suru svāhā. (蓮華を持し、間断なく調伏したまう尊に帰命したてまつる、消除したまえ、消除したまえ、幸あれかし) 如意輪観音 陀羅尼 Namo ratnatrayaya Namo ariya avalokitesvaraya Bodhisattvaya mahasattvaya mahakarunikaya Tadyatah om cakra mirati cintamani patumi ruru tista jvala akalisaya hum phat svaha. (仏法僧の三宝に礼したてまつる…

  • メモ 請観音経 陀羅尼

    請観音経 十方諸仏救護神呪 tad yathā uhuni mahuni tubhani tambhani aṇṭali paṇṭali śubiti panpaṇṭa rabāsiṇi tad yathā ili mili thiśuli kaphali kṣathivaṃkṣi candre mataṅke rakṣa rakṣa sarvasatva sarvabāyabi svāhā. tad yathā gati gati nigati śulibhi śulibhi rakṣa rakṣa sarvasatva sarvabāyabi svāhā. (すなわち好喉鬼よ、癡鬼よ、怕人…

  • Dhātovandanā その他 メモ

    Dhātovandanā Vandāmi cetiyaṃ sabbaṃ sabbaṭhānesu patiṭṭhitaṃ sārīrikadhātu mahābodhiṃ buddharūpaṃ sakalaṃ sadā. Kalyāṇivihārāvandanā Āyācanāya maṇi akkhimahoragassa, yasmiṃ nisīdi bhagavā maṇimaṇḍapasmiṃ, tassopariṭṭhitam upaṭṭhita vītarāgaṃ, Kalyāṇīcetiyam ahaṃ sirasā namāmi. Bodhivandanā Yassa mūl…

  • NNNドキュメント 安倍元首相銃撃事件特集を見て

    この前、NNNドキュメントで安倍元首相銃撃事件の特集があっていて、録画で見た。 その番組によれば、安倍さんの銃撃のとき山上氏は二回発砲していて、一回目から二回目の発砲の間に2秒半ぐらい時間があったそうである。その間に安倍さんの間近にいたSPが適切な行動をとっていれば、二回目の致命傷になった発砲を回避できたようである。 また、2022年の夏の参院選の時に、安倍さんは数十回応援演説で全国をかけまわっていたが、屋外でかつ背後に人の出入りが可能だった会場は二か所だけであり、奈良の銃撃の場所はたまたまそのうちの一つだったそうである。いろいろ偶然が重なって、実現してしまった犯行だったんだろうとあらためて思…

  • 平田篤胤 『霊の真柱』

    平田篤胤の『霊の真柱』を読んだ。これは岩波文庫で、昔出版された頃に本屋で見て、いつか読もうと思いつつ、四半世紀ぐらい経ってやっと読んだ。面白かった。内容は、記紀について解釈し、その世界観を平田の観点から明らかにしているもので、特に黄泉と幽冥界のことを重視している。動物は幽冥界に近く、人間には察知できないことを早めに察知する、ということが書いてある。とすると、幽冥界というのは、今の言葉でいうと、個々人の意識を超えた無意識の世界につながるもののことを言うようである。あと、平田が力説していて、そうだったのかーと思ったのは、古事記に出てくる黄泉の国というのは、人が死んで行く場所ではないということである…

  • 野田さんの安倍さん追悼演説を聞いて

    今日、衆院本会議で野田佳彦元総理による、安倍晋三元総理の追悼演説が行われた。 リアルタイムには聞けなかったけれど、動画で視聴した。 正直、胸打たれた。 政治家の演説でこれほど感動させられることはあまり多くはないと思う。 政治的には立場を異にしたものの、そうであればこそ真剣に火花を散らして真っ向からぶつかった政敵だったからこそ、本当にわかる部分もあったのだろうと聞きながら思われた。 また、野田さんが、安倍政権の「光と影」を両方を問い続けることの大切さを訴えていたことにも考えさせられた。 言葉をもって「光と影」、つまり功績のみでなく負の部分についてもきちんと問い続けることを、演説の最後で野田さんは…

  • 安倍さんの訃報を聞いて

    昨日、安倍さんの銃撃による訃報を聞いて驚いた。 私の数少ないモノマネのレパートリーの一つが、安倍さんのモノマネだった。たまにそれを使って人を笑わせたことがあった。また、一度だけ十年ぐらい前に実物を見たことがあった。そうしたことを思うと、昨日の安倍さんの訃報を聞いて、政治的なことは横に置けば、いささか寂しい気持ちになった。 今のところ、まだよくわからないところもあるが、報道によれば犯人の動機は政治的な事柄ではなく、カルト宗教をめぐる私怨のようである。なので、当初ネットにおいて堀江貴文氏などを中心に主張された、報道や野党が安倍政権を攻撃しすぎたからこういうことになったということは、全く無関係な筋違…

  • マルティアリスの詩 メモ

    マルティアリスの詩で、以前も書いたが、気になっていたものがあった。 雑感 幸せな人生とは - elkoravoloの日記 当時はサリー伯の英訳までしか読めなかったが、ラテン語原文がちょっと読めそうな気がしてきたので、ラテン語原文をネットで探してみたら、見つかった。 https://sites.google.com/site/texteschoisis/home/martial-2?tmpl=%2Fsystem%2Fapp%2Ftemplates%2Fprint%2F&showPrintDialog=1 そのうち、じっくり読んでみようと思う。 Livre X Épigramme XLVII Vi…

  • 泉さんの話を聞いての感想

    先日、知人の誘いで、泉健太さんのお話を聞きに行ってきた。初めて実物を見たけれど、さわやかな信頼できそうな人物のように感じられた。生活者目線の、生活安全保障ということを力説していて、物価上昇への対策や、家賃補助金を出す政策などを具体的にいろいろ熱をこめて演説していた。また、教育の無償化や、現実的で具体的な防衛政策の必要性を主張していた。また、まっとうな政治や立憲主義・民主主義ということの大切さも訴えていた。ただ、安倍政治との対比で、まっとうな政治や立憲主義を主張するのは一応はわかるのだけれど、岸田政権との闘い方をどうしていくのかはちょっとわかりにくかった。岸田さんはとらえどころがなく攻めにくいと…

  • ドラマ『オスマン帝国外伝』について

    BS4で放映されていた『オスマン帝国外伝』のシーズン4の最終話を見た。シーズン4までなので、これですべて見たことになる。トルコでは2011年~2014年にかけて放映されたそうで、日本のBS4ではシーズン1が2019年に放映され、その時から視聴した。最後まで見終わると、なんとも感慨深かった。『オスマン帝国外伝』は16世紀初頭のトルコが舞台で、主人公は皇帝のスレイマンと、その妃となったヒュッレムの二人である。その他に大宰相のイブラヒムなど、実在の人物たちが登場し、もちろん脚色されながらも、その数奇な人生がよく描かれていた。私は今までトルコや中東の時代劇はほとんど見たことがなかったが、『オスマン帝国…

  • 祖母と正信偈

    先日、祖母の命日に、ひさしぶりに正信偈を読んだ。祖母は若い時に父親に先立たれ、そのあと息子を幼い時に事故で失くし、弟が戦死した。娘の一人(私の伯母)もわりと若くして亡くなったし、私の妹である孫にも先立たれたので、生きている間多くの悲しみや苦労があったと思う。新聞や週刊誌をよく読んでいて、わりと現実的な性格だったけれど、毎朝毎夕仏壇の前で正信偈を声をあげて読んでいた。ときどき法事の時は、阿弥陀経をお坊さんと一緒に読んでいた。祖母が亡くなるまで、私はあんまり正信偈にも阿弥陀経にも興味がなかったので、その中のどの箇所が好きなのか聞きそびれて、はっきりどの箇所を祖母が特に愛していたのかはよくわからない…

  • 歎異抄第四条について

    古典というのは、しばらくして読みなおすと、その時の状況によって、以前読んだ時はあんまり深く感じなかったことを感じさせられたり考えさせられたりすることがある。 私にとって、最近は歎異抄がそうだった。特に以下の第四条がである。 「一 慈悲に聖道・浄土のかはりめあり。聖道の慈悲といふは、ものをあはれみ、かなしみ、はぐくむなり。しかれども、おもふがごとくたすけとぐること、きはめてありがたし。浄土の慈悲といふは、念仏して、いそぎ仏に成りて、大慈大悲心をもつて、おもふがごとく衆生を利益するをいふべきなり。今生に、いかにいとほし不便とおもふとも、存知のごとくたすけがたければ、この慈悲始終なし。 しかれば、念…

  • 花祭りの日によせて

    今日は花祭りの日で、日本では仏陀釈尊の生まれた日とされる。(スリランカなどではウエサカ祭の日とされている。) 私が通った幼稚園は浄土真宗のお寺さんがやっているところだったので、そういえばかすかな記憶でお花祭りの日には甘茶を注いだり歌を歌ったような記憶がある。 そんなことを思い出しつつ、ふと、自分は仏典の中のどの言葉が好きだろうかと考えてみた。 その時々で変わるような気はするけれど、以下の華厳経の言葉がわりと好きである。やや長いが、要するに「信」は心を澄まし、良い方向に人生を向かわせるという意味である。 「信は道の元とす、功徳の母なり。一切のもろもろの善法を長養す。疑網を断除して愛流を出で、涅槃…

  • 怨みに報ゆるに徳を以てせよ

    ロシアのウクライナに対する侵略戦争と、その結果としてのウクライナの被害や瓦礫の山を報道で見ていて、ふと思ったことがある。日中戦争のあとの、中国はまさに今のウクライナのような目に遭いながら、「怨みに報ゆるに徳を以てせよ」と言って、日本に対する報復や賠償請求をしなかったということは、本当にすごいことだったのだなぁということである。 今のプーチンのやり口は、昭和初期の日本と不気味なほどよく似ている。まず、戦争を戦争と呼ばずに「特別軍事作戦」と呼び、戦争ではないとしているが、これは戦争ではなく「満州事変」や「日華事変」と呼称したあの時代の日本とよく似ている。また、一部支配地域に傀儡政権をつくったり、分…

  • 「台湾の不思議な思い出」

    「台湾の不思議な思い出」 旅行をすると、誰にでも少し不思議な思い出ができる場合がある。 あとで思い出すと、そのつど何かとても大切なことを教えられるような思い出が。 私も、かれこれ二十年ぐらい前に台湾をひとり旅した時に、こんな思い出があった。 当時、二十代前半だった私は、一週間ぐらいの予定で台湾にひとり旅に行った。 ガイドや団体が嫌いな私は、なんとかなるだろうと思って宿だけ予約して行った。 台湾は漢字で看板や標識が書いてあるし、ときどき日本語が話せる親切なお年寄りが当時はまだたくさんいて、私はぜんぜん中国語ができないけれど、不自由なく旅ができた。 コンビニに行けば美空ひばりや浜崎あゆみの歌謡曲が…

  • 311から11年

    311から11年。この日が来るたびに、思い起して忘れないようにしなければと思うことが、私には三つある。 ①人間の想像力の弱さ。②誰にでもいつ何が起こるかわからないことへの謙虚さ。③世界中が助けてくれたこと。 の三つである。 ①は、主に以下の二つのことについてである。 福島原発があった場所は、元は海面から35mの高い崖だった。それをわざわざ25m削って10mの高さにして原発を建てた。ターン・キー方式で米企業に原発をつくらせたため、海水をとるパイプの長さに合わせるためにそうしたとのことである。そして、311の時に、13mの洪水にやられた。また、予備電源を原子炉建屋の中でなくタービン建屋の中につくっ…

  • 色川大吉さんの訃報を聞いて

    色川大吉さんの訃報を報道で知った。高校や大学の頃、色川さんの書いた歴史の本が好きでよく読んだ。民衆史、と言えばいいのだろうか、司馬遼太郎のような英雄の活躍ではなく、明治や昭和の時代の名もなき草莽の人々を描いた歴史は、とても胸を打たれ、多くのことを教えられた。主に自由民権の歴史や、御自身が体験された昭和の戦争についての著書が多かったと思うけれど、中にはユーラシア大陸を横断した旅行記やチベットの旅行記などもあって、その幅の広さと豊かさがとても面白かった。今の時代にはめずらしい、浪漫溢れると言えばいいのか、良い意味で専門に縛られない研究者だったのだろうと思う。直接は一度もお目にかかったことがないのは…

  • 終戦ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』を見て

    終戦ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』を見た。五輪の関係か、民放では本当に戦争の歴史を語り継ぐ番組が今年は少なかったというか、ほとんど見かけなかったが気がするが、NHKはこうしたドラマや他にもいくつか特集をきちんとつくってくれていた。この作品も、良い作品だったと思う。ドラマでは若干大学の名称が変えられていたが、戦時中に起った九大病院における米軍捕虜生体解剖事件を描いた作品だった。登場人物の名前も若干変えられていたが、主人公のモデルは鳥巣太郎だと思われる。また、巣鴨プリズンにおいて同じ部屋という設定で登場していた冬木という人物のモデルは、冬至堅太郎だと思われる。冬至堅太郎は福岡では有…

  • 戦没者の遺骨の追悼について

    先日、録画していたTBSの「報道特集」を見た。戦没者の遺骨についての特集だった。 先の大戦で、海外で死亡した日本人は240万人だが、そのうち112人万人の遺骨は未だに収集されずそのままになっていること、そのうち30万人分が海中にそのままになっているとのことなどが紹介されていた。 私の大叔父はフィリピンのレイテ島で21歳で戦死しているが、空の白木の箱が返ってきただけで、結局遺骨は未だに一切帰ってきていない。 アメリカでは毎年100億円以上を費やして、戦死者の遺骨を集めDNA鑑定などを進めて可能な限り遺族のもとに届けるように努力しているそうである。 戦後の日本は長い間多くの場合ほとんど放置され、最…

  • アヴェスタを読んでの感想

    野田恵剛『アヴェスタ 原典完訳』(国書刊行会)を読み終わった。昨年刊行された日本初の原典からのアヴェスタの全訳で、なにせ640頁ぐらいあるので、なかなか読むのは大変だった。訳者はさぞかし大変だったと思う。アヴェスタは言うまでもなく、ゾロアスター教の聖典である。高校時代の世界史などで習って、名前だけは知っていたものの、中身を詳しくきちんと読んだことはなかった。アヴェスタはササン朝ペルシア帝国の時代に編集されたそうで、もとはもっと長かったらしく、現存するのは四分の一ぐらいだそうである。その中の最古の部分は、おそらくアケメネス朝ペルシア帝国ぐらいの時代のものにさかのぼるらしい。ゾロアスター教は、ザラ…

  • ETV「心の時代」今井紀明「怒りを超えて優しさを」を見て

    ETV「心の時代」の、今井紀明さんという方の「怒りを超えて優しさを」の回を、この前録画していたので見た。 https://www.nhk.jp/p/ts/X83KJR6973/episode/te/119PN5Y1W8/ 今井さんは2004年にイラクで人質となった過去を持つ。 そういえば、当時高校生の人がイラクで人質になった報道をなんとなく覚えている。 詳しいことは当時は私は知らなかったのだけれど、番組を見ていて驚いたのは、無事解放されて帰国した後、「税金泥棒」とか「死ね」とか「キモイ」といった葉書や手紙が全国から自宅に届いたということだった。 今井さんは一度自分の心は死んだ、ということを話し…

  • 東京五輪の音楽担当者の過去の言動についての雑感

    東京五輪の開会式の音楽制作に小山田圭吾という人が参加していたそうだが、その人の過去のいじめについて、最近問題になっていた。 さほど関心がなかったし、その人についてよく知らなかったので、そこまでひどいものとは思っていたなかったら、ネット上にそのいじめについて本人が語った過去の記事が紹介されていた。 https://koritsumuen.hatenablog.com/entry/20061115/p1 これはひどい。。ここまでひどいとは。ただただ絶句した。 なんでこんな人を五輪の担当に起用したのだろうか。完全な人選ミスとしか言いようがない。しかも、このブログも相当に前のもので、調べようと思えばこ…

  • 中村薫さんについて

    真宗大谷派のお坊さんで、中村薫さんという方がいて、随分前に一度だけ御話を聞いたことがあった。たしか、鳥栖の九州龍谷短大で特別公開講演か何かがあって、そこで聞いたと思う。 だいぶ前に買っていたその方の『いのちの根源』(法蔵館)という本を、ふと昨日本棚から手にとって読み終えた。靖国神社や部落差別などについて真宗の立場から論じてあって、真摯な本だった。 で、今日ネットで検索したら、一年ぐらい前の訃報を見つけた。 向こうはぜんぜんこっちを覚えていなかったろうけれど、そして私も長い間思い出すこともなかったのだけれど、深い御話をされる方だったと思い出す。 娘さんが自死されていて、私が聞いた時もその御話をし…

  • 前田利貴という人の遺書について

    昨夜、『世紀の遺書』をひさしぶりに少し読んでいたら、前田利貴という方の遺書があった。 陸軍大尉で、31歳で戦犯として処刑されたそうである。名前から、ひょっとして前田家の係累だろうかと思い調べてみたらやはりそのようで、加賀前田家の分家の男爵家の跡取りで、馬術のオリンピック候補だったそうである。 現地の人から慕われ、裁判でも現地の人々は前田に有利な証言をしたにもかかわらず、死刑判決を受けた。華族出身で学位もありすべてに恵まれたように見える前田に対し、検察側が最初から敵意を持っていたからだったようである。獄中でクリスチャンになったそうで、遺書からは高潔な人格が偲ばれた。 それで、その遺書の中で、前田…

  • ゼンダウエスタって誰?と思いきや

    堀秀彦編『格言の花束』(現代教養文庫)という本があり、古今東西のさまざまな格言を集めてある。 その中に、「ゼンダウエスタ」という人の言葉として、 「神はよき思想のうちに、真実の言葉のうちに誠実なる行為のうちにあらわれる。そしてみずからの息吹によって、世界に繁栄と永遠性とを与えるのである。」 という言葉が載っていた。 巻末に簡単な人名索引があり、どの国の何をしていた人かということも少しだけ書いてあるのだけれど、「ゼンダウエスタ」については「不詳」とあるだけである。 いったい誰なのだろうと思い、カタカナでgoogle検索してみるものの、一つも見つからず。 で、おそらく、”Zendavesta”だろ…

  • どろさん「日蓮上人書『念仏無間地獄抄』を破釈する 」

    どろさんが昔書いていた文章を転載する。たぶん、全集にも載っていないと思う。 【目次】1.はじめに2.【日蓮上人『念仏無間抄』のこと】3.【念仏は釈迦の正法である法華経を誹謗し、こわす教えですか】4.【念仏は釈迦を捨てて他人である阿弥陀仏にすがる忘恩・反逆の教えですか】5.【念仏は時代遅れで用済みになった役に立たない教えですか】6.【〈念仏は方便だから釈尊によって捨てられた教えですか】7.【念仏は創始者でさえ救われなかった教えですか】8.【『法華経』とはどんなお経ですか】 【はじめに】 「念仏を唱えていても阿弥陀如来の浄土へは行けない。」 「それどころか念仏を唱えていると地獄に堕ちる。」 こうい…

  • 千住真理子さんの演奏を聴いて

    今日は、千住真理子さんのコンサートがアクロス福岡であったので聞きに行ってきた。 千住さんの演奏は、十二年前に聞いたことがあり、その時も感動したけれど、今日もとても素晴らしかった。 曲目は、 J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番より第5章「シャコンヌ」 J.S.バッハ:G線上のアリア J.S.バッハ:アリオーソ J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ ベートーヴェン:アダージョ・カンタービレ~「悲愴ソナタ」より ベートーヴェン:ロマンス 第2番 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調「雨の歌」作品78 ブラームス:ハンガリー舞曲 第1番 で、アンコールで、タイ…

  • てれふく「“生きる”ことを教わった〜ホームレス支援の若者たち〜」を見て

    昨日、てれふくであっていた「“生きる”ことを教わった〜ホームレス支援の若者たち〜」を見た。 www.nhk.jp 北九州でホームレス支援を長年行っている奥田知志牧師の抱樸館と、その職員の若いスタッフの特集だった。 顔の見える関係や絆をつくることの大切さや、具体的な誰かとのつながりが生きる力を与える、という奥田牧師の御話は、聞きながらなるほどと思った。人間関係の希薄化が進んでいるとの指摘も、そのとおりと思った。 たぶん、インタビューされていた抱樸館の若いスタッフの女性の方は、福岡市内のホームレス支援のところで一度だけお会いした記憶がある。もう五、六年前の記憶なのでうろ覚えだし、向こうはぜんぜん覚…

  • こころの時代「水俣いのちの海のただなかで」を見て

    録画していたETVのこころの時代「水俣いのちの海のただなかで」を見た。 緒方正人さんと緒方正実さんの御話で、家族の水俣病による苦しみや死や、御本人の苦悩や体験を通じた御話をされていた。 実は私は、2013年に緒方正人さんの、2017年に緒方正実さんの講演を、それぞれ福岡でお聞きしたことがある。 どちらにも感銘をその時に受けた記憶がある。 ただ、月日が経つ中でせっかくの御話の内容を恥ずかしながらだいぶ忘れてしまっていた。 この番組を見て、あらためて考えさせられる深いことばの数々に胸打たれた。 緒方正人さんがおっしゃっていたことで、あらためて考えさせられたのは、水俣病は人間が人間を人間として見てい…

  • BSドキュ「ゴルバチョフ 老政治家の“遺言”」を見て

    録画していたBSドキュメンタリーの「ゴルバチョフ 老政治家の“遺言”」という番組を見た。去年の制作の番組で、90歳になるゴルバチョフのインタビュー番組だった。 「大切なのは命であり、命をどう扱い、扱われるかということだ。」 というメッセージには、感銘を受けた。 二十年前に妻のライサを亡くしたことに関する話の中で、 「一人の女性を愛し、愛されること、それ以上に高尚なことが人生にあるかね」 と言っていたのにも、あらためて誠実な愛妻家だった様子が伝わって来て胸打たれるものがあった。 大統領を辞めた時、ゴルバチョフが持っていたのは質素なアパート以外財産らしいものはなかったそうで、本当に真面目な清貧な政…

  • 八幡愚童訓乙本 不浄事

    不浄事。 右、御詫宣に、吾れ神道と現れて、深く不浄を差別するゆえは吾れ不浄の者と、旡道の者を見ば、吾心倦みて相をみざるなり。我人五辛肉食せず、女の汗穢各三日七日、死穢は三十三日、生穢は二七日なりとぞありし。香椎の宮には、聖母の月水の御時、いらせたまい所とて、別の御殿を作り、御さはりの屋と名付けたり。神明なを我御身を忌れたまう。いわんや凡夫の不浄つつしまざらんや。東大寺の大菩薩の御殿の後にして、大宮司田丸、女祢宜を嬈乱しけるを、人はいかでか知るべき、御詫宣によりて、十五年流罪せられにけり。御許山の舎利会に、一人の俗女房をすかして、人の見ぬ谷の底にて犯しけるほどに、二人共にいだき合いて、離れずして…

  • 八幡愚童訓乙本 正直事

    正直事。 右、大菩薩、已に八正道より権迹をたれたまえば、群類の謟曲を除かんと思しめすゆえに、御詫宣に、神吾れ正道を崇め行わんと思うは、国家安寧のゆえなりとある。誠にも非法を旨とし、正道を捨つる時は、その国必滅亡する事なれば、邪をすて正に帰よとなり。生死の稠林には、直木は出やすく、曲る木は出る事なし。現当の為に正直を専らにすべきものなり。武内の大明神の、昔大臣として応神天皇に仕えたまう時、舎弟の甘美内宿祢、旡実の讒奏を以て、已に武内誅せられんとせし時、両方かたく相論ありしかば、銅の湯に各手を入れて、損ぜざるを旡実とすべしと勅宣ありしに、武内の御手は水にりたるが如し。甘美内の手はししむら皆落ちにけ…

  • 八幡愚童訓乙本 受戒御事

    受戒御事。 右滅罪生善のはかりごと、正法久住の徳、出家受戒による故、たとひ宝塔を起て、忉利天に至るも、また出家・受戒の功徳に劣り、戒はこれ旡上菩薩の本と。もし大利を求まば、まさに戒を堅持すべしといへり。このゆえに、大菩薩も御許山の石体の坤にあたり、三四町を去りて、御出家ありしかば、御出家の峰と名付けたり。宝亀八年五月十八日御詫宣に、明日辰時に沙門となりて、三帰五戒を受くべし。自今以後、殺生を禁断すべし。ただし国家のため、巨害の輩出来の時は、この限りにあらずと告げたまえるは、大菩薩本地妙覚果満の如来にましませば、事あたらしく御出家受戒の告げあるべからず、神通自在をえたまえど、出家受戒して仏道を修…

  • 「鉄丸を食すといへども、 心穢なき人の物を受けず。 銅焰に坐すといへども、 心濁りたる人のところに到らず。」  

    「鉄丸を食すといへども、 心穢なき人の物を受けず。 銅焰に坐すといへども、 心濁りたる人のところに到らず。」 という言葉が、八幡大菩薩の託宣にあったとして、中世でよく軸などに書いて尊重されていたそうである。 なかなか潔くて良い言葉である。 「三社託宣抄」より。

  • 八幡愚童訓 乙本

    「八幡愚童訓乙本」 (原文カタカナをひらがなにしている。八幡大井と書いてあるのは、「八幡大菩薩」と読む。) 八幡愚童訓上並序 夫人界に来る事は。六趣の中勝れたり。神国に生るゝ事は。四州の間に越たり。天修鬼畜の苦楽を感じたらましかば。仏法値遇の悦有べからず。震旦印度の依報〔異邦歟〕に住したらましかば。大権垂跡の縁をむすばざらまし。今此秋津島は。三千余社の神明跡を留給へる貴国にして。大小権実の聖教。あまねくひろまる勝地也。所住の土を思へば。瓦礫荊棘をあらためず。自然相応の大日本国なるが故に。坂東の八国は。胎蔵界の八葉。海西の九州は。金剛界の九会。陰陽主掌の両部。理智相対の万荼也。能居の人を云ば。伊…

  • 「八幡愚童訓乙本 名号御事」

    「南無八幡大菩薩」という名号は、中世には盛んに唱えられたものの、神仏分離以後はあまり言われなくなったようである。 『八幡愚童訓乙本』の中に、「名号御事」として「南無八幡大菩薩」と唱える功徳について説明した箇所があり、タイピングしてみた。 中世においては、後生のことは南無阿弥陀仏、現世のことは南無八幡大菩薩と称えて、現当二世の安楽を願う信仰が流行っていたようである。 (原文はカタカナのをひらがなに変え、若干の漢字を読みやすく送り仮名を付けたりひらがなに直している。) 「八幡愚童訓乙本」 名号御事。 右八幡の御名は、人倫の詞よりも出でずして、まさしく御詫宣に、西拘屋(※シルクロード西方の地域、拘弥…

  • 枝野幸男氏『枝野ビジョン』を読んで

    枝野幸男著『枝野ビジョン』を読んだ。 www.amazon.co.jp 自己責任を強調してきた新自由主義の流れを変えて、安心できる支え合いや助け合いの仕組みを政治や行政が率先して築いていくべきである、という主張自体は、私も基本的には賛成だし、異論はない。が、まず、第一章の歴史観や宗教論があまりにも粗雑で、むしろなかった方が良いのではないかと思われた。保守とリベラルの言葉遊びに走っている点も疑問である。さらに、総論的な主張はわかるとして、たとえば社会保険制度をそれではどう具体的に組み替えていくのか、ロスジェネ世代をどう支援していくのか、いまいち具体策が見えず、理念的な主張に終始している感がある。…

  • 「「本来の保守」という言葉遊びについて」

    枝野幸男氏の『枝野ビジョン』を読んでいて、疑問に思われたことの一つは、保守とリベラルの言葉遊びに走っていることである。 おそらく、日本におけるマジョリティが保守を好むという想定のもと、自分こそ保守なのだというマッピングをして、彼らの支持をとりつけたいということなのだろうけれど、はたして意味はあるのだろうか。 そもそも、「理性によって理想の社会像を作り上げ、その実現のために邁進する」のが「革新」だとして、それをあざ笑うしたり顔の保守の方がはるかに蔓延し、そもそも理想のための努力もろくになされていない本邦で、革新に対抗する保守を強調する意味がどれだけあるのだろうか。 そのうえ、保守とリベラルという…

  • 「枝野幸男著『枝野ビジョン』1章への批判 歴史観と宗教の問題について」

    枝野幸男氏が最近刊行した『枝野ビジョン』(文春新書、2021年)を読んで、政策には違和感がなく共感するところも多いものの、第一章の宗教と歴史についての箇所がなんとも疑問に思わざるを得なかった。 中には、一章は枝葉末節であり、しかも歴史学者が書く著作ではないのだから雑でも良い、文句を言うな、という立場の人もあろう。 しかし、宗教と歴史は、いわば魂であり、根幹である。 今は良い枝や葉も、根や幹が腐っていたり曲がっていれば、いずれ長期的にはゆがみ腐るのではないかと心配するのは当然と思う。 ゆえに、『枝野ビジョン』第一章の宗教と歴史観について、問題と思われるところを指摘したい。 枝野氏が『枝野ビジョン…

  • 枝野幸男著『枝野ビジョン』の浅薄な宗教観に失望

    今日、枝野幸男著『枝野ビジョン』を購入し、甚だ失望せざるを得なかった。 政策面ではさほど違和感はないのだけれど、「日本社会の本質は多神教」などと帯にも書き、多神教=寛容という浅薄な宗教観が披瀝されているのに驚き呆れ果てた。 宗教についてはむしろ何も書かない方が良かったのではないか。 そもそも「寛容」という言葉は16世紀17世紀の激烈な宗教戦争の時代を経て、西洋の中で彫琢されてきた概念である。 多神教が寛容などというのはいかに誤謬かは、中国における三武一宗の法難や、日本においても念仏弾圧や切支丹弾圧や廃仏毀釈を見れば一目瞭然である。 また、日本社会の骨格をつくってきたのが多神教というのも極めて浅…

  • 八幡宇佐宮託宣集を読んでいてのメモ書き

    八幡宇佐宮御託宣集を読んでいたら、八幡の三つの宮を法体・俗体・女体とし、それぞれ断悪修善・正直憲法・大慈大悲の徳を現すと記してあった。中世の神仏習合の頃の、仏教の影響が濃い解釈なんだろうけれど、中世の日本人はそんな風に考えて、そういう意味付けでいたんだろうなぁとは思う。 また、筥崎宮には「戒定慧」の筥が埋められてある、と八幡宇佐宮御託宣集の巻二には、何か所か書いてあった。中世の頃にはそう信じられ、そう思われていたということなのだろう。 また、田布江、鷹居、郡瀬、太祢河、酒井、乙咩浜、馬木嶺、安心院、小山田、菱形池の移動のことは興味深かった。 薦八幡や大分八幡の話も興味深かった。 また、八幡は三…

  • ETV 「エリザベス この世界に愛を」

    今日(4月17日)の夜11時から、ETV「エリザベス この世界に愛を」の再放送があるそうである。 「エリザベス この世界に愛を」 - ETV特集 - NHK 以前の放送の時に見たが、とても考えさせられる番組だった。多くの人に見て欲しい。 在留資格がない外国人が帰国に応じない場合、入管収容所に入れられるが、その人数は数千人に及ぶそうである。中には収容が三年以上の長期に及び、心身共に健康を害する場合も多く出て、自殺未遂やハンガーストライキも多発してきたそうである。 番組で特集されているエリザベスさんは、ナイジェリア人のクリスチャンの女性で、収容されている人々に電話をかけたり面会に行って、ひたすら愛…

  • パトナーヤク『ラーマーヤナ』を読んで

    パトナーヤク『インド神話物語 ラーマーヤナ』(原書房)を読み終わった。 とても面白かった。 ラーマーヤナはマハーバーラタと並び称されるインドの古典文学で、名前だけは知っていたけれど、本当に面白い物語だと今回読んでいて思った。 また、物語の合間合間に示される深い叡智の言葉の数々にも感嘆させられた。 心を広げ、あるがままに事実や状況を受け入れ、他者の視点を理解しようとし、怒りを乗り越えて思いやりを持って生きようとするラーマやシーターの姿勢には、多くのことを教えられる気がした。 また、読んでいて感銘深かったのは、アハムとアートマンについての話だった。 人間はそれぞれ、自分のつくりあげた世界を生きてい…

  • パトナーヤク『マハーバーラタ』を読んで

    パトナーヤク『インド神話物語 マハーバーラタ』を読み終わった。 膨大な叙事詩を簡潔に二巻本に再話したものであり、とても読みやすかった。 読んでいて感じたのは、おそらく古今東西の古典文学の中で、最も面白く深いということである。 話の筋は、パーダヴァと呼ばれる五人の王子たちと、カウラヴァと呼ばれる百人の王子たちが、さまざまな因縁があり、クルクシェートラという場所で十八日間の大戦争が行われるという物語である。 戦争に至るまでの物語や、戦争が終わった後の物語や、付随して語られる物語や言葉が、しばしばとても深い叡智を湛えており、インドの精神文化の深さにあらためて驚嘆させられた。 おそらく、この物語はかな…

  • ドラマ 「フォーガットン・アーミー」

    ドラマ『フォーガットン・アーミー』を見終わった。インド国民軍を描いた作品で、シンガポール陥落あたりから話が始まる。イギリスと日本の間で、当時のインド人の一般兵士たちはさぞかし大変だったろうなぁと見ながら思われた。第二次大戦中、二百五十万人のインド人がイギリス軍兵士としてドイツや日本との戦いに従事したそうである。また、五万人以上のインド人がインド国民軍として日本側に立ってイギリスと戦った。インド国民軍には女性部隊もあり女性兵士もいたそうである。ソビエトにもいたので、世界初というわけではないのかもしれないが、かなり早い部類には属すると思われる。作品では、主人公と女性兵士の淡い恋なども描かれて、彼ら…

  • フランスの小さな村についてのニュース

    第二次世界大戦中に、ナチスの迫害からかくまってくれたフランスの小さな村に、そのおかげで生き残ったユダヤ人の男性が二億五千万円の遺産を贈ったという。 マイケル・モーパーゴの小説になりそうな、胸打たれる話である。 そのル・シャンボン・スル・リニョン村という村は、ユグノー戦争の頃から多くの人々をかくまって助けてきた伝統があるそうである。 一人の人のいのちを助けることは全世界を救うに等しいという格言がアヴォートにあったけれど、本当にそれぐらい偉大なことだと思う。 ル・シャンボン・スル・リニョン村は、第二次大戦中にも二千五百人以上のユダヤ人をかくまい、助けたとのことである。 https://www.bb…

  • 二二六事件から八十五年

    今日は、二月二十六日で、二二六事件から八十五年が経った。 民主主義と暴力の関係は、今も切実な問題である。実際、つい最近も、アメリカでは一部のトランプ支持者が暴徒化して議会に乱入する事件が起こった。ミャンマーでは今現に実際に民主主義を停止して軍部によるクーデターが起こっている。そこまで実際の暴力行動が行われていなくても、日本も含めて多くの国々で民主主義に対する疲れや苛立ちを感じている人がしばしば見かける時代となった。 議会制民主主義というのは、時間がかかる。すべて議会における手続きが必要で、その手続きもめんどくさい。そしてまた、現実の社会というのは複雑で多様な利害や考えが存在しており、その調整や…

  • アウンサン・スーチーとロヒンギャと軍部について

    アウンサン・スーチーに対しては、ロヒンギャの迫害に反対しなかったということで、随分と非難している人々がいたけれど、そういう人々はミャンマーの憲法や政治情勢が分かっていないのではないかと思う。 ミャンマーは半世紀以上軍部が支配していた国であり、通常の国とは全く置かれている状況が違う。 2015年の民主的な選挙よりも前に、軍部はスーチーを排除するために憲法に外国籍の家族を持つ者は大統領になれないという規定を盛り込んだ。 また、憲法改正には議会で四分の三以上の賛成が必要という規定にした。 で、軍部は選挙なしに四分の一の議席を占有することを定めた。 つまり、スーチーが軍部のロヒンギャ攻撃を批判すれば、…

  • バイデンの大統領就任式を見て

    バイデンの大統領就任式はなかなか良かったと思う。あらためてアメリカはたいしたものだと感心した。バイデンが、アウグスティヌスや聖書を引用していたのはさすがと思った。日本にはいつこれぐらいの教養と精神的な深みのある指導者が現れるのだろうか。レディー・ガガの国歌斉唱も堂々としていて良かったと思う。金色の鳩の刺繡の入った服も、聖書の創世記の希望のエピソードを踏まえていたのだと思う。ガース・ブルックスが歌った「アメイジング・グレイス」も良かった。日本も首相の就任式に歌を入れたらいいのにと思った。アマンダ・ゴーマンの詩の朗読も良かった。あと、消防隊の隊長が若い黒人の女性で、きびきびとバイデンに敬礼していた…

  • トランプ支持者の議会への乱入のニュースを見て

    昨日のニュースで、トランプ支持者が議会に乱入している映像を見て、驚かされた。 アメリカという、民主主義と現代文明の中心地であるはずの国の首都において、暴徒が暴力で議会に侵入しようとする、「野蛮」としか言いようがない事態が実際に展開されていた。 二十一世紀の文明はその内部にとんでもない野蛮を抱え込んでしまっているということについて、あらためて考えざるを得ない。 インターネットは人を賢くするとは限らず、かえって使い方を誤れば野蛮や迷妄に陥れる。 今回の事態はその証拠なのだと思う。 これは何もアメリカに限らず、日本でもSNSなどを見ていると同じ現象はしばしば見かける。 誤った仕方でインターネットを利…

  • 劉暁波『詩集 独り大海原に向かって』を読んで

    劉暁波の詩集『独り大海原に向かって』を昨夜読み終わった。 読後感は、なかなかうまく言い表せないのだけれど、不思議な深い印象を受けたと言えばいいのか。 混沌としたものややるせない鬱積した思いと、清冽な希望や光のようなものが、深い悲しみや怒りとともに、撹拌されていた。 劉暁波は2010年にノーベル平和賞を受賞した中国の文筆家・詩人で、天安門事件に深く関わったために以後は政府当局の厳しい監視や拘禁・弾圧を受け続け、2017年に亡くなった。 この詩集にも、一年ごとに書いた「六・四」つまり天安門事件に対する追悼の詩が多く収録されている。 どれも天安門事件で非業の詩を遂げた人々のことと、あの日の暴力と悲惨…

  • 宮沢賢治『銀河鉄道の夜」を読んで

    先日、真新しいきれいな状態の岩波文庫版の『銀河鉄道の夜』をブックオフで200円ぐらいで手に入れることができた。 それで、昨日、夜の三時半までかかって、読み終わった。 素晴らしかった。 天才としか言いようがない。 幽冥の境をこれほど生き生きと描く作品は、めったにない。 今回読んでいて気づいたのは、ところどころ原稿に欠けがあり、「…(この間原稿五枚ナシ)…」といった部分がしばしばあることである。 なんとも惜しまれる。 どのような内容が欠けた部分にはあったのだろうか。 そういえば、小さい頃、藤城清治の版画絵本の銀河鉄道の夜は小さい頃繰り返し読んでいた。 また、猫のキャラで描かれたアニメ映画版も小さい…

  • 「枝野幸男がなんでも答えます」を視聴して

    昨日、youtubeのライブ配信で、立憲民主党の枝野幸男さんがいろんな質問に答える「枝野幸男がなんでも答えます」というイベントがあっていたので視聴してみた。 さまざまな質問にテンポよく的確に誠実に答える枝野さんの様子には好印象を抱いた。 アーカイブでも見ることができるそうなので、多くの人に見て欲しいと思えた。 コロナ対策についての質問では、予備費を使って医療従事者に年内に迅速に慰労金を支払うべきと提言していた。 与野党関係なく、それが実現して欲しいと聞きながら思えた。 また、枝野さんは第二弾の給付金の提言をしていた。 さらに、春の時はともかく迅速にということで一律十万だったが、半年経ったので、…

  • BSドキュ 「世界一豪華な刑務所内側」を見て

    BSドキュメンタリーの『世界一豪華な刑務所の内側』を見た。 ノルウェーのハルデン刑務所を取材してあり、ともかく驚いた。 まず鉄格子がほとんどなく、服役者は最初に刑務官たちから握手で迎えられるそうである。 個室にはテレビ・DVD・冷蔵庫があり、バスルームもあり、まるで旅行先のホテルやロッジのようである。 職業訓練も充実していて、自動車の整備やいろんな技術について、資格を取得でき、工具も良いのがずらっと揃っていた。 妻や家族とも週二回面会用の個室で面会できる。 立派な図書室もあり、音楽活動もできて録音用のスタジオもある。 宗教用のプログラムもあって、参加を希望すれば三週間通常の作業などを中断して、…

  • カバラ 「神への祈りの言葉」

    カバラ 「神への祈りの言葉」 神よ、 他者を苦しみから救ってあげるためだけに、 そして、他者の一番大切な願いをかなえてあげて、 他者に最高の喜びを授与してあげるためだけに、 その神のただ一つの願いを、 ただ一つの愛・授与・善意を、 かなえてあげるためだけに、 私の意図を、 授与へと完全に修正してください。 他者のため、神のため、授与のためだけに。

  • 映画 「バイス」を見て

    映画『バイス』を見た。ブッシュ政権時代の副大統領をしていたチェイニーを描いた作品である。二十年前の、ブッシュ政権と911とイラク戦争の頃、陽気で軽薄そうな大統領のブッシュの側には、陰険でぼそぼそしゃべるおっかなそうなチェイニーがいたことはよく覚えいている。あの頃の出来事を思い出しながら見た。面白かったと言えばいいのか、見ながら腹が立って仕方がなかったと言えばいいのか。見てて思ったのは、あれほどのことをしでかした人も、凡庸な悪人だったということだった。タイトルの"vice”は、「悪」という意味と、副大統領の「副」という両方の意味がある。まさにどちらも同時にチェイニーを現している言葉である。だが、…

  • アニメ 「聲の形」

    良い作品だった。 何度か泣かされた。 耳の聞こえない少女と、その子に好意を寄せる少年の話。 https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01ND0S7QA/mixi02-22/

  • 枝野幸男 結党大会 演説(全文)

    枝野幸男さんの、2020年9月15日の立憲民主党結党大会の演説は、字数にすると六千四百字以上となり、充実した深い内容の堂々たる大演説だった。 一度に聞いただけで全部十分に頭や心に入る人もいれば、ゆっくり時間をかけて味わった方が良い方もいるかと思う。 私も後者の人間である。 wordにコピペして縦書きにし、印刷して繰り返し読んだ方が良いと思われる。 そのため、数字は縦書きに向くように漢数字にしておいた。 多くの人が繰り返し読むことを願う。 「枝野幸男 結党大会 演説」 (2020年9月15日) いよいよ、ついに、ようやく、こうして新しいスタートを切ることができました。さまざまな経緯や困難を乗り越…

  • 「新立憲民主党の結党大会の様子を視聴して」

    四日前の9月15日に行われた新・立憲民主党の結党大会の様子を、いそがしくて見れていなかったので、やっと今日動画で視聴した。 思っていたよりも、ずっと内容の充実した、良いメッセージの数々だったと思う。 ゲストの人々のメッセージも良かった。 まず、冒頭に小川淳也さんが開会の発言をしていたが、さわやかで良かったと思う。 若くて同い年ぐらいに見えるが、私よりかいくばくかは年上とのこと。 次に、平野博文さんが、二党二グループの合流の経緯を報告していて、その最後に「しんどかったですわ」と笑顔で言っていた。 苦労の実感と達成感がしみじみ感じられた。 何事も壊す時は簡単で修復するのは大変である。 2017年に…

  • ドラマ 「独孤伽羅」

    北周と隋と唐の皇后にそれぞれなった三姉妹を描いていて、脚色はもちろんあろうけれど、独孤家から三人も姉妹で皇后になったとは、なんと数奇な運命の一族だろうかと感心。中世における宋家の三姉妹みたいなものだろうか。 北周の明帝の皇后になった般若と、隋の文帝の皇后になった独孤伽羅と、唐の初代皇帝の李淵の母に曼陀と、三人が姉妹だったとはなんと数奇な運命だろうか。たまたまの偶然にしては、出来過ぎというか、何かよほど強力なカルマみたいなのがあったんだろうか。 にしても、隋唐のあたりの歴史も、掘ればいろいろ面白いんだろうなぁとあらためて思わされた。 Amazon 独孤伽羅~皇后の願い~ DVD-BOX1 <…

  • 映画 「ビューティフルマインド」

    数学者のジョン・ナッシュの人生を描いた作品。プリンストン大学で教授なり、良い妻も得て順風満帆かと思いきや、統合失調症に悩むことになり、現実には存在しない人物の妄想に苦しむ。妻や大学の同僚たちの優しさや助けにより、徐々に症状が回復していき、かなり老齢になってからノーベル賞を受賞する。胸打たれる、良い作品だった。 www.amazon.co.jp

  • 9月10日新党代表選における枝野さんの演説を聞いて

    おととい(9月10日)の新党代表選における枝野さんの演説を、今日やっとyoutubeで聞いた。 いそがしくてきちんとリアルタイムで聞けておらず、NHKのはしょった報道を通じてしか見てなかったのだけれど、やっと全部聞いた。 熱意の伝わるものだった。 長さも6分ぐらいでちょうど良かったと思う。 https://www.youtube.com/watch?v=usNtBKPPqcs 枝野さんが中学の時に親が失業し大変だったことや、当時は再びチャレンジできる社会で大学の授業料もとても安かったこと、今は一度壁にぶち当たると再起ができない社会に日本がなってしまったこと、日本を再び誰もが再起できる社会にとの…

  • アニメ 「ぼくの名前はズッキーニ」

    良いアニメだった。それぞれに事情を抱えた孤児院の子どもたちの物語。ラストにはほろりとさせられた。 www.amazon.co.jp

  • アニメ 「夜明け告げるルーの歌」

    とても良いアニメだった。漁村の若者たちと、人魚の物語。人魚たちの優しさに思わずほろりとさせられた。 https://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%A4%9C%E6%98%8E%E3%81%91%E5%91%8A%E3%81%92%E3%82%8B%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%9F%E3%80%8D-DVD-%E5%88%9D%E5%9B%9E%E7%94%9F%E7%94%A3%E9%99%90%E5%AE%9A%E7%89%88-%E8%B0%B7%E8%8A%B1%E9%9F%B3/dp/B073V2YK…

  • 映画 「ジェロニモ」

    良い映画だった。ジェロニモの勇気と不撓不屈さにも胸打たれるが、個人的にはゲイトウッド中尉が印象的だった。ゲイトウッドの父と兄は南軍に従軍し、負傷と戦死したそうで、そうした背景もあってアパッチ族に理解や共感を持つことが出来たのだろう。にしても、ゲイトウッドなどの一部の人間を除き、白人の度重なる約束破りと傲慢さにはなんとも見ていてあらためて暗澹たる思いになった。ジェロニモたちの怒りの中に義があったことを、せめても後世の人間は忘れないでいたいと思う。 https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%8…

  • アニメ 「バケモノの子」

    良いアニメだった。 まずは師匠の真似をしてなりきることの大切さや、心の闇にとりこまれないようにすること、そのためには多くの人の世話や関りを思い出すこと、など、あらためてなるほどと思った。 https://www.amazon.co.jp/%E3%83%90%E3%82%B1%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%81%AE%E5%AD%90-%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-DVD-%E7%…

  • 映画 「名もなきアフリカの地で」

    だいぶ前に録画していた「名もなきアフリカの地で」という映画を見た。ナチスの迫害を逃れて、ケニアに移住したユダヤ人の一家の物語で、原作は実体験の回想の本らしい。実体験がもとらしく、わりとリアルな感じで、アフリカでの暮らしの大変さと、かつアフリカの人々のおおらかな優しさが印象的だった。本国でナチに殺されるよりはよほど良かったのかもしれないが、アフリカまで逃れて行った当時のユダヤの人々の境遇を思うと、なんとも大変だったろうなぁとあらためて思われた。わりとすんなり現地にとけこみ、楽しそうにしている主人公の少女が偉いと思えた。 https://www.amazon.co.jp/%E5%90%8D%E3%…

  • チャイルディッシュな負の遺産 安倍政権という時代

    加藤節先生が、安倍政権の負の遺産として、以下の三つの点を指摘していた。 news.yahoo.co.jp 1、立憲主義を否定して法的安定性を崩壊させたこと 2、無責任体制の蔓延3、長期政権の病理 たしかに、これらの負の遺産は大きいと思う。 また、安倍さんのことを「チャイルディッシュ」と指摘していたのも、たしかにそうかもしれないと思えた。 これは別に安倍さんに限らないのかもしれない。 昔の首相は、それなりに成熟した大人の人物を感じさせられたものだったけれど(村山さんとか橋本龍太郎さんとか)、最近は必ずしもそうでないようにも思える。そして、そのような安倍さんが高い支持率を得続けたのは、メディアも国…

  • モーパーゴ 『月にハミング』

    最後まで読むと、本当良い小説だった。1915年のルシタニア号の事件が背景となっている。乗客の一人だった少女が主人公で、話自体はフィクションだけれど、第一次大戦を背景に、人間の良さも危うさも描かれていた。ああいう戦争のさ中には、流される人と、まともでありつづける人と、両方いたのだろうとあらためて思う。 www.amazon.co.jp

  • アニメ 「君の膵臓をたべたい」

    意外と良い作品だったと思う。映像も美しかった。また、博多の景色がいろいろ出てきたのも良かったと思う。生きるとは、人と心を通わせること、人を認め、愛すること、というのは、そのとおりと思う。 www.amazon.co.jp

  • 映画「グリーンマイル」

    心に残る映画だった。無実の罪で死刑囚となった黒人の大男の人物が、実は人を癒す奇跡を起こす能力を持っているという物語。刑務官の人々の苦悩を通じて、安易に死刑だと人を決めつける世間の偏見や思い込みの恐ろしさや、死刑制度の是非についてあらためて考えさせられる。思うに、キリストが20世紀前半のアメリカにいたとしたら、という設定の物語なのだと思う。 www.amazon.co.jp

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