血縁中心の家族の物語から脱し、隣人共同体の絆をつかむ 海女共同体に注目した「おつかれさま」 ペットとの再会を想像力で解きほぐした「君は天国でも美しい」 私たちは他人とつながることができるでしょうか。 ドラマは社会的変化を反映するメディアであり、現在私たちがどんな価値を追求しているのかを映す鏡です。 長い間ドラマで欠かせない素材は「家族」でした。 最近発表された統計庁の資料によると、韓国の1人世帯の割合は全体の35.5%(2024年の統計で見る1人世帯)に達します。 3軒のうち1軒が1人世帯であるわけです。 伝統的な家族形態が弱まり独立した個人が増え、孤立と寂しさが新しい社会的問題として浮上しています。 これに伴い、ドラマでも家族中心の叙事は依然として強力ですが、崩れた家族の隙間に入り込んで他人との関係、共同体に対する熱望を捉える視線が明らかになっています。 #家族の物語の普遍性と変奏 韓国ドラマで「家族」は物語の中心軸でした。 急激な産業化と都市化の中で、家族は変化を吸収し、葛藤を解消し、個人のアイデンティティを再確認する装置として機能しました。 夫婦、嫁姑、世代間の葛藤はもちろん、社会的地位や階級問題まで多様な話に拡張されました。 週末劇、一日劇、さらにはマクチャン劇まで家族中心の叙事が動力として作用していました。 1990年代の代表作であるMBC、SBSは家父長中心の大家族の姿を理想的に描き、血縁中心の叙事を強化しました。 保守的な両親と子供間の葛藤および嫁姑葛藤、愛と結婚、成功と挫折を扱った話は視聴率50~60%を記録するほど大衆的呼応を得ました。 同じ時期、MBC『母の海』は犠牲的な母性を中心とした家族叙事を盛り込んで「国民の母」というニックネームを得たりもしました。 当時、ドラマは過度に伝統的な家父長制を固着化しているという批判も受けましたが、大衆との情緒的共感を構築することに成功しました。 繰り返し再現された家族敍事は、大半が和解と復元という結末に帰結しました。 普遍的価値を守りましたが、同時に時代が経つほど陳腐だという評価を避けられませんでした。 ミニシリーズでは次第に家族中心の叙事が周辺に押し出されました。 核家族化が進み、男女主人公を中心としたロマンス物が人気を集め、家族の話は主演から助演になりました。 既存の家族叙事に新しい素材を結合し、劇的な緊張感を高め