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大福 りす
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2011/01/21

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  • 孤火の森 第72回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第70回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第72回馬を駆けさせ森にやって来た。目の前には草原が広がっている。ゆっくりと馬を歩かせる。左の方向に小屋が見える。兵たちが色々言っていた小屋がこれなのだろう。その小屋に向かって進行方向を斜め左に変える。小屋の前にはいくつかの手綱掛けがある。馬から降りそこに手綱をかけると森を見た。一面に広がる緑の葉を付けた木々が見える。この森には一度も来たことは無かった。この森が死んでいたという想像ができない。鞍に付けていた木箱から花の束を出し手に持った。そして一歩ずつ森に向かって歩いて行く。あと一歩で森に入るというところで足が止まった。やはり迷わされたら、と考えてしま...孤火の森第72回

  • 孤火の森 第71回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第70回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第71回旅から戻って来て全く違っていたキリアスだったのに、カーシャンに対してだけは昔と変わらなかった。少々口うるさいところはあったが、カーシャンに向けられる目は昔と同じだった。「きみは人が好過ぎる。まぁ、そうさせていたのは僕だけどね」だがさせられていたとしても、潰そうとしている相手にあんなに優しい目を向けるなんて。「ああ、それが・・・君か」上げていた顔を下げ、数歩歩くとベッドに腰掛ける。「でもね、わたしはきみを見ていると、あの時のことを思い出して嫌だったんだ」キリアスが他州、他国へ行ってしまい数日が経った頃、イジメに遭うことになった。理由は相手から告げ...孤火の森第71回

  • 孤火の森 第70回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第70回たとえ相手が釧路と言えど、城に入り不思議な声を聞いたとか、鍵が降ってきたとか、道案内をされたなどという話は出来ない。無難な方に話を振る。「仔犬だったイヌが十年も白玉の臭いを覚えていたとか、医者先生とカブキが俺を助けてくれた時って隠れ家が兵に見つかったんだ。それで逃げてたのを助けてもらったんだけど、どう考えても兵に隠れ家が見つかるはずはなかったんだ。祇園に助けてもらってからは、ずっと外には出ないで籠ってたのに」「うーん・・・犬の医者ではありませんから、イヌのことは何とも言えませんが、兵はねぇ・・・侮らない方がいいですよ。ましてやあの時の兵は必死の...孤火の森第70回

  • 孤火の森 第69回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第69回どこにいったのかと白玉が辺りを見るがどこにも見当たらない。だがここで一緒に探すとも言えず戸を開けると、そこに落ちているではないか。「あの、この紙で御座ろうか」紙を拾い上げピラピラと振ってみせ、それを読み上げるようにする。「えっと、葡萄酒畑―――」そこまで読むと今津以外の全員がドドドと押し寄せてきた。白玉を囲むようにその紙を見てくる。白玉が目の前にいる周南に紙を渡し、周南がそれを読み上げる。「葡萄酒畑以下全て取り止め」「え?」全員がその口のままで止まっている。周南が表裏を変え全員に見せる。周南の言うようにその文字が書かれ、その下には場所も書かれて...孤火の森第69回

  • 孤火の森 第68回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第68回一陣の風が吹きサイネムの白銀の髪が舞った。(歩いて三、四日ほどの距離)自分の身体を一度上から見ると目線を変え、右手方向を見る。飛んでいる状態で徒歩の感覚がつかめるだろうかとは思うが、千歳は高い崖があると言っていた。それが一つの目安になる。右手の方向に飛んでいく。海沿いを暫く飛んでいると、砂浜が姿を消し岩浜が多くなっている所に来たが、そこには人家が見える。ここにアーギャンを連れてくるわけにはいかない。それに千歳の言っていた高い崖がどこにも見えない。(まだまだ先と言うことか)「なんだと!」総兵隊長が大声を上げた。まさか皇子が勝手に銃を受け取っていた...孤火の森第68回

  • 孤火の森 第67回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第67回長い船の旅を終え船を降りると、馬車を乗り継ぎ七日ほどでやっと着いた。「ここがアンチの」船の中でサイネムが『若頭』と言った時『若頭はやめてくれ。もう群れの人間でもなければ、ジャッカ州の人間でもない。安智で頼む』と言われていた。荒波の中に凸凹とした岩がいくつも見える。「ああ、オレの・・・オレ達の郷」船に乗っているときに見た波とは全然違う。白波を立たせ岩にぶつかる。白波が浜を打ち付ける。「荒い波ですなぁ」ドリバスとリンゼンはジャッカ州を出て転々としたが、その時に海は見ていた。だがこれほどに荒い海を見たことは無かった。「アーギャンはどこに」見渡した限り...孤火の森第67回

  • 孤火の森 第66回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第66回『二人とも呪師でリンゼンとドリバス』一人づつを指して言ったが、名前だけで男か女かは分かる。それに安智はリンゼンという名を波路から聞いていた。そのリンゼンがどういう環境にいた者かも。リンゼンとドリバスは、波路であるリョーシャンと別れてからもずっと一緒に居た。そしていつまでも州兵に怯えて暮らすのは心臓に悪いということで、ジャッカ州を出ようということになり、隣の州では心許なく幾つもの州を越えたということであった。『前に話していたリンゼン。あの時、女王の森に居た呪師だよ』波路、その時はリョ―シャンという名で兄である安智を探していた。たった一通しか届かな...孤火の森第66回

  • 孤火の森 第65回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第65回三人が椅子に掛けるとオリシオンが口を開いた。カーシャンが武器庫から剣を少しずつ取らせ、それをまとめると国交、州交に出た折、銃に換えさせていた。どうしてキリアスがそれに気づかなかったか。「最後尾二台の馬車が、どんな動きをしているかまでは見ておられなかったでしょう?」二台の馬車が道筋を変えていた。そして少し行ったところで待っていた銃の売り屋と合流し、その場で銃と剣を交換すると何食わぬ顔で馬車の列に戻って来ていた。「それを段取っていたのがニッポニャンの皇子セミマルです」「え?皇子が?」オリシオンが頷くのを見てキリアスが続ける。「では皇子は何もかもご存...孤火の森第65回

  • 孤火の森 第64回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第64回あくまでもシラを切るようである。側仕えに目顔を送ると、扉の方に歩いて行き、その二枚扉を大きく開けた。すると小隊長であるケリスによって台が押されてきた。その台には国交によって手にしてきた、おびただしいほどの数の銃が載せられていた。ケリスはオリシオンに言われ、ずっと銃の監視をしていた。振り向いてその様子を見ていたカーシャン。そのカーシャンがゆっくりとセイナカルを見る。その顔が微笑んでいる。「我が州の剣をその銃に換えられて、どうしようと思っていらっしゃるのかしら」このジャッカ州では銃はまだ認めていない。カーシャンが両の眉を上げ、ようやく手をテーブルと...孤火の森第64回

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