孤火の森 第63回
『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第63回祇園がしてくれていた配膳、そして何度も拒否をしとおした下(しも)のことを、この白玉が祇園に代わってしてくれていた。「なんということは御座らん。息災でお暮し下されんこ―――」「白玉!」“れんこん”と、最後まで言おうとした前に祇園の声が飛んできた。この祇園の声は何度も聞いていたし、祇園からもどうして白玉が里帰りをしてきたのかも聞いていた。「お・・・お暮し下され」思わず岩国が吹き出し、釧路が大きなため息を吐く。「うん、ありがとな」今津の顔は腫れも引き傷も治ったものの、縫い合わせた後が少々残っている。釧路なりにかなり丁寧に縫ったのだが、全ての傷がスパン...孤火の森第63回
2025/02/28 20:04