chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
大福 りす
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2011/01/21

arrow_drop_down
  • 孤火の森 第63回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第63回祇園がしてくれていた配膳、そして何度も拒否をしとおした下(しも)のことを、この白玉が祇園に代わってしてくれていた。「なんということは御座らん。息災でお暮し下されんこ―――」「白玉!」“れんこん”と、最後まで言おうとした前に祇園の声が飛んできた。この祇園の声は何度も聞いていたし、祇園からもどうして白玉が里帰りをしてきたのかも聞いていた。「お・・・お暮し下され」思わず岩国が吹き出し、釧路が大きなため息を吐く。「うん、ありがとな」今津の顔は腫れも引き傷も治ったものの、縫い合わせた後が少々残っている。釧路なりにかなり丁寧に縫ったのだが、全ての傷がスパン...孤火の森第63回

  • 孤火の森 第62回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第62回「最初に、どうして最初の最初にアーギャンは海の民の前に現れたんだ?」そこのところをサイネムは話していないし、ゼライアも時の女王からの教えに無い。きっとサイネムも時のローダルからの教えは無かったのだろう。「きっとその事は時の女王も考えたと思う」「でも分らなかった?」ゼライアが首を振る。「え?分かってた?」そうであるのならば、そこを解決すればいい話ではないか。「女王の教えの中には生態に関することもあるの。でもその殆どは森に住む生き物の事。森の民は海には住まない。だから海の生き物の生態のことは詳しくは分からないの」分かっているのは寒い地方に住む陸海両...孤火の森第62回

  • 孤火の森 第61回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第60回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第61回若頭がチラッと見ると、目は閉じられたままではあったが、サイネムの表情からはザリアンからの質問の受け答えは許されるようである。「そこに書かれてあったのが、アーギャンのことだった。俺が実際に読んだわけではないが、書かれてあることを伝え聞いた。アーギャンを鎮められるのは・・・森の女王だと」え?と言って静かに聞いていたゼライアが思わず若頭を見た。それを代弁するかのようにザリアンが口を開く。「いや、待ってよ、沈めるって、どういうことだ?海に沈ませて息をさせないってことか?そんな風に書かれてたっていうのかよ」それではさっきサイネムが言っていたこととは違って...孤火の森第61回

  • 孤火の森 第60回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第50回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第60回「向こうでそれなりにある程度の知識は入れてきたつもりだったんだがな、残念ながら森の民の情報は殆どなくて。ましてや街の民のことは多少の知識としてはあったが、この国に入った時にはこれ程に色んな髪の色や瞳の色があるとは思ってもいなかったしな」初めて街に入った時には、あまりの色とりどりの髪の色や瞳の色に驚いた。それも黒以外を初めて見たのだ、百聞は一見に如かずとはよく言ったものだ、と感心どころか驚きのまま固まってしまったほどであった。「へぇー、こっちで当たり前のことも知られてないってことか?」たしかにこっちでも森の民のことはあまり知られてはいないが、それ...孤火の森第60回

  • 孤火の森 第59回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第50回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第59回お頭の話を聞き、我が甥ながら情けなくなってくる、と思った時に気付いた。若頭はさっき、お頭が若頭のことを山の民ではない事に気付いていたと言っていた。それに月の満ち欠けから満潮という言葉も発していた。月の満ち欠けや潮のことを知っているのは一つの民しかいない。それにアーギャンのことにしてもそうだ。「若頭はそのニッポニャンの海の民なのか?」いや、と言った若頭の口がニヤリと笑っている。何度か見た笑い方である。決して嗤笑(ししょう)しているのではない事は分かっている。これがこの若頭の笑い方なのだと。「ニッポニャンには海の民とか、山の民、森の民、どこかの民な...孤火の森第59回

  • 孤火の森 第58回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第50回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第58回海の民がやって来るのは、決まって海での困りごとを何とかしてほしいというものであった。話の内容で薬草を渡す時もあったりはしたが、それだけでは治まらないこともあった。そしてこの時、海の民から話を聞いた時の女王は、話しの中のあまりの惨状に『なんということ・・・』と言い、森を出ることに時のローダルから反対をされながらも、海まで出向きアーギャンに対峙したということであった。「アーギャンとて、海ならば海だけであったのならば、時の女王もアーギャンを抑えることをしなかったでしょう。海の民が海に入ればアーギャンだけではなく、他にも命を脅かされるものは居るのですか...孤火の森第58回

  • 孤火の森 第57回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第50回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第57回「街の民か。まぁ、無難か」笙が送ってきてくれた本を波路も端から端まで読んできたようである。ならば何も心得を言って聞かせなければならなくはないだろう。笙の送ってきてくれた本は事細かに書かれていたのだから。そう思えば波路とてもう二十三の歳になる。いつまでも子供ではないのだった。「髪、伸ばしてんだ」三つ編みにされた髪が長く背中に垂れている。「ああ、切ると郷との繋がりが切れるような気がするし、何よりも見つけられるまではってな、願掛けのようなものだな」「そっか、安心して。誰も兄貴のことを忘れてないから」安智が一つ微笑むと今度は安智から問いかける。「みんな...孤火の森第57回

  • 孤火の森 第56回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第50回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第56回セイナカルとジャジャムが話している時に声をかけてくるなどと何があったのだろうか。こちらを向いたセイナカルに小さく頭を下げると「どうしました」と側仕えに向き合った。もし側仕えが言いにくそうにするのならばこの場を離れるが、そうでなければこのまま聞く方がセイナカルも納得するだろう。「オリシオン様がセイナカル様に急ぎ御目通りをと」オリシオンはセイナカルが州王に付けた側近である。だが州王はオリシオンのことを良くは思っていないのだろう、州内に居る時はまだしも、州交の為に州を出るにあたってはオリシオンとの一切のパイプ役をキリアスに任せている。だがそのキリアス...孤火の森第56回

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、大福 りすさんをフォローしませんか?

ハンドル名
大福 りすさん
ブログタイトル
大福 りす の 隠れ家
フォロー
大福 りす の 隠れ家

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用