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大福 りす
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2011/01/21

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  • 孤火の森 第37回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第30回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第37回「だって、お頭、あの中で何がどうなってんだか知らないけど、食わなきゃ力も出ないだろう?」「まぁ、そうだがな、ポポとブブはちげーよ」「なんだよそれ」「ブブはポポほど食い意地が張ってねーってこった」「ちぇっ、今は食い意地の話なんてしてないだろ」「まぁ、ポポも腹が減ってるだろうが、旦那が言ってた三日間、この間は黙って見守ってやろうじゃねーか。それにあんなに綺麗なのにブブが包まれてんだ、儀式とやらが終わった時に話してやろうじゃねーか」「うん・・・。明日の陽が沈む頃だよな」「ああ」「その時に何があんだろ」「さぁなー。この綺麗なのさえ想像もつかなかったんで...孤火の森第37回

  • 孤火の森 第36回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第30回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第36回翌日夕刻を過ぎ、日中街中を回っていた兵たちが城に戻って来ると、待ち構えていた大隊長から叱責を受けた。あれほど兵を街中に送ったというのに、捕まえたのはほんの一握りだったからである。それは周南たちから言わせれば東山達の仲間である。周南達の仲間と違い東山達の仲間は多い。それだけに捕らえられる人数も多くなってくる。「馬鹿もんが!昨日に続いてお前たちはネズミ一匹捕らえられんのか!」東山たちの仲間を捕らえてきた小隊から目を外してはいるが、それでも根こそぎとはいっていない。捕らえてきた小隊にも一瞬目を移すがその目をすぐに逸らせ、手ぶらで戻って来た兵たちを睨み...孤火の森第36回

  • 孤火の森 第35回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第30回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第35回儀式が始まるのを見守ることなくその場をあとにした。儀式は無事に迎えられただろうが、それでもピアンサが剃った、産まれたばかりのゼライアの髪の毛の量は少なかった。葉がどれだけ機能してくれているのかが分からない。ピアンサが自ら切った髪の毛と、ゼライアの髪の毛を葉は認めただろうか。葉が認めなくてはゼライアは女王になれない。通常なら女王になるべき御子は、毛先を整えるくらいでずっと髪の毛を伸ばす。そして徴の兆しが見られた時、初めて切る長い髪の毛を茎にある胞(ほう)に近づける。すると胞が開き髪の毛を包み込む。そして儀式に向けて葉が御子の髪の毛を認めていくのだ...孤火の森第35回

  • 孤火の森 第34回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第30回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第34回緩めていた頬を引き締め「いえ、キリアスとは合わないようですから」心の中で思っていたことを誤魔化すように言った。「ふっ、ジャジャムも気付いておったか」ジャジャムが頬を緩ませていたのは、オリシオンとキリアスとの仲を笑っていたのだろうと、セイナカルは思ったようである。ジャジャムがセイナカルの誤解に胸をなでおろす。キリアスはオリシオンのことを相手にもしていないようだが、オリシオンの方はキリアスに対し構えているところがあるのをセイナカルは知っている。それをジャジャムも知っていたようである。「それとも?」セイナカルが片眉を上げて改めてジャジャムを見た。それ...孤火の森第34回

  • 孤火の森 第33回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第30回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第33回セイナカルが小屋の周りを見渡す。呪を感じることは無い。何らかの呪を、ここまでは広げていないようである。顔を下げると瞼を閉じ大きく息を吐いた。(疲れた、か)馬を駆ってここまでやって来た。途中、ケリスの進言によって休憩は入れたものの、馬を駆らせるに相当な遠回りをしてきた。騎乗だけでも疲れるところ、その後にすぐ呪を使った。ましてやいつもならこの時間は既に寝ている。ゆっくりと瞼を上げ火傷のあとの腕を見る。ただれこそしていないもののまだ赤い痕がある。痛くないと言えば嘘になる。(森の民であるのならば、このような痕も呪で治すのだろうか・・・)そうであるのなら...孤火の森第33回

  • 孤火の森 第32回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第30回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第32回サイネムが幾つか組み換えていた指を離し、右手をセイナカルの方向に出すと、まるで何かを握って回すようにした。十七度目、セイナカルが呪を打った途端、その呪がセイナカルに弾き戻りセイナカルの胸を打った。うっ、と数歩下がり胸を押さえて屈みこむ。「セイナカル様!」ジャジャムが走ってセイナカルの肩に触れるが、その手を弾く。「おのれ・・・」「お前の力はその程度のもの」胸を打つだけで身体を打ち破るほどのものでは無いということ。“その程度のもの”で森の女王に手を出そうなどとは、厚顔無恥を思い知らせねば。セイナカルが立ち上がり、右手で左腕に付けている腕輪の形をした...孤火の森第32回

  • 孤火の森 第31回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第30回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第31回あの者はこの十三年、十四年の間、御子を隠し続けている。それは容易なことではない。そこから考えるに、単に呪を使える森の民では無いのかもしれない。だが何を考えようが、相手が誰であろうが、今更手の施しようがない。今の段階でこちらには呪師がいないのだから。ジャジャムが呪を使えると言っても、それは主に追う為の呪であり相手の呪に対するものでは無い。「この森を見ていた兵は」「小屋の中に」ジャジャムが小屋に足を運ぶと、山の民の格好を真似た兵が寝転がっていた。「話がある」腕を枕にしていた一人が首を回すと、その目にジャジャムが映った。飛び起きて姿勢を正す。その様子...孤火の森第31回

  • 孤火の森 第30回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第20回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第30回ジャジャムは兵が集まった報告を聞いたと言っていた。ではなにか予測できないことでも起きたのか。例えば兵のまとまりが悪かった。それとも言い出したのは昨日だ、それも五日間夜だけに燃やせと言った。準備が間に合わなかったか。ふっ、と息を吐く。いくらなんでもそれはないだろう。(兵のまとまりは大隊長か兵隊長が仕切っているはず)では準備が間に合わなかったか・・・。夜のみ焼くということは、延焼にならないよう周りの木を伐採しなければならない。(指揮か・・・)指揮のまずさか。「大隊長は」側仕えの女が一瞬にして顔色を変えた。ジャジャムは出て行ったところである。こんなこ...孤火の森第30回

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