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eterna http://storiaeterna.blog10.fc2.com/blog-entry-1.html

糖度高めなオリジナルBL小説(短篇~長篇)を扱っています。 ドイツ人広告代理店社長×イタリア人家具デザイナーが美味しいもの食べたり困難を乗り越えたりいちゃついたりする日々の物語。 #溺愛攻め #トラウマ持ち受け

受け溺愛主義かつ強火担の攻めが何が何でもハピエンにします。

あざさ
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2011/01/01

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  • ストレリチアが蕾む頃 2

    耳を澄ませば、馬の嘶きが聞こえてくるような。ふと振り返れば、回廊の奥から甲冑を身に纏った騎士たちが歩いて来るような。目を閉じれば、砲撃の煤けた匂いや炎の熱を感じるような錯覚さえ受けた。重厚な門扉を抜けた先にあった光景はそれほどに、かつての姿のままそこにあった。アルフレードのデザイナーとしての才能を見い出し、今はパトロンとしてその活動を支えているパスクァーレの招待で訪れたマルタ島。個人的に所有してい...

  • ストレリチアが蕾む頃 1

    空と海の間にあるはずの境界線がない世界を見たことがあるだろうか。見事に溶け合ったコバルトブルーの眩しさに、ハインリヒは胸元のポケットに差していたサングラスを手に取った。執務室という閉鎖された空間で過ごすことに慣れた身体はどこまでも広がる夏の景色に圧倒され、蛍光灯とは比べ物にならない光量に瞳を細める。しかし、ふわりと頬を撫でた潮風は柔らかなもので。痛いほど強い日差しにじりじりと肌は焼かれるが、それを...

  • 鋼玉石にとける

    世界に名を馳せるブランドの服、それ1つで資産になり得る腕時計、発表されたばかりの新車。つらつらと並べられる単語を前に、アルフレードはゆっくりと首を横に振った。何か与えたい、という彼の気持ちが分からないわけではない。その気持ち自体はやはり嬉しい。だが、それらは自分の身の丈に合わない、と高級ブランドの名前を指折り挙げていたハインリヒにアルフレードはきっぱりと言う。「時計も靴もスーツも全部もうハインが贈...

  • Side car

    滅多に取材のアポイントが取れないことで有名だった大手広告代理店のCOOが、いつの頃からかインタビューの依頼を断らなくなった。もちろん受けるべき記事の内容は取捨選択され、悪意あるゴシップ誌の記者は近寄ることさえできない。だが、基本的には出版社の規模に問わず、地域誌のアマチュア記者であっても望めばその門扉は開けられるようになった。経済誌ならともかく娯楽誌にまで受け入れるようになった理由を、正直に言えば人...

  • 誰かの何かであるためのオブリージュ 12

    彼らがその関係を公にしたとき、世間の声は歓迎と批判に二分した。そして、それは圧倒的に後者に軍配が上がっていた。嘆く声もあれば、汚らわしいと侮蔑する声もあった。悪だ罪だと蔑み、憎悪を露わにした者もいた。ハインリヒがCOOの椅子に就く企業株は一時的とは言え大幅に値を下げ、その年の株主総会では彼を引責辞任させるべきだという声が挙がり荒れに荒れたという。社内でも実質のトップである男が同性をパートナーに選んだ...

  • 誰かの何かであるためのオブリージュ 11

    11世紀、カトリックを信仰するヨーロッパの貴族たちは巡礼者の宿泊と医療奉仕のために整地エルサレムに修道会を作った。聖ヨハネ騎士団と呼ばれた彼らは信仰や人種を問わずに医療奉仕を続け、十字軍に派遣された際も多くの兵士の治療にあたったという。その後、地中海のマルタ島に拠点を移したことで“マルタ騎士団”と呼ばれるようになる。しかし、ナポレオン軍の侵攻によってこのマルタ島に置いた本拠と地中海に有していたいくつか...

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