あまり旅ができていないので,ネタがなくなりつつあるのと,いろいろ見返してみると最近の追加指定が反映されてないとか情報が古かったりするので,新しい記事を休みつつ前に書いたのの修正をしようかと思います.とりあえず2週間ぐらい?...
伊豆にある近代の学校建築です.【旧岩科学校校舎】(HDR合成,撮影:2022年12月30日)明治6 (1873)年創立の学校で,現存する旧校舎は同13 (1880)年の竣工.擬洋風建築だけど,和風の手法も多めになっています.名称:旧岩科学校校舎(いわしながっこうこうしゃ)文化財区分:重要文化財(近代/学校)所在地:静岡県賀茂郡松崎町岩科北側...
松江市にある茶室.建物は重文で,敷地は史跡および名勝です.【菅田庵及び向月亭 - 菅田庵】(HDR合成,撮影:2022年11月14日)菅田庵と向月亭に2棟の茶室と附で御風呂屋が重文.写真は菅田庵です.寛政4 (1792)年(寛政2 [1790]年の説もある)に松江藩の松平不昧によって建てられた茶室です.向月亭と不昧公の弟の雪川の好みによるもの.菅田庵の少し高いところに御風呂屋があって,待合なんだけど浴室をそなえているという珍し...
重文民家なんかは優先して見ていたけど,都指定や市(区)指定だとあとまわしでなかなか見られずにいました.都内にも民家園みたいなのはいくつかあって,3ヶ所がそこそこ距離も近いのでまとめて見てきました.写真は次大夫堀公園民家園にある旧安藤家住宅主屋.式台もそなえた立派な民家です....
伊豆にある近代の住居建築です.【松城家住宅】(HDR合成,撮影:2022年12月30日)西伊豆の旧戸田村(現・沼津市)にあって,重文指定は主屋と他6棟.写真の石造のアーチの門も重文です.主屋は明治6 (1873)年の上棟で,その時の棟札も残っています.洋風の意匠を取り入れた擬洋風建築ですが,個人の住宅の擬洋風建築でごく初期のものという点で価値が高いです.漆喰鏝絵が特徴的で,石積風の外壁なんかも実は漆喰で作られています...
鎌倉の鶴岡八幡宮の境内にある近代建築です.2020年12月の重文指定.【旧神奈川県立近代美術館】(HDR合成,撮影:2022年3月13日)坂倉準三の設計で,昭和26 (1951)年の築.坂倉準三はル・コルビュジエに師事した建築家で,この建物も一階をピロティとしていたりしてル・コルビュジエ的なモダニズム建築です.名称:旧神奈川県立近代美術館(きゅうかながわけんりつきんだいびじゅつかん)文化財区分:重要文化財(近代/文化施設...
埼玉県川口市にある近代の住宅建築です.【旧田中家住宅】(HDR合成,撮影:2022年9月17日)重文指定は写真の洋館の他に和館,文庫蔵(旧仕込倉),煉瓦塀2棟.洋館は大正10 (1921)年の建築で,和館は昭和9 (1934)年の増築.田中家は味噌醸造をやっていた家で,後に川口市長にもなっています.洋館は主体部,蔵部,台所部からなっていて,主体部,台所部は煉瓦造,蔵部は土蔵造となっています.大正期の煉瓦造建築として貴重.洋館...
香川県の県庁舎です.2022年2月の重文指定.【香川県庁舎旧本館及び東館】(HDR合成,撮影:2022年12月11日)丹下健三の作品で,昭和30 (1955)年着工で同33 (1958)年に竣工.八階建塔屋三階付の旧本館(写真左)と三階建の東館(写真右)があります.家具類もよく残っていて,57点が附で重文になっています.庁舎前は庭園になっていて,石灯籠3基,太鼓橋1基も附で重文.名称:香川県庁舎旧本館及び東館(かがわけんちょうしゃくう...
松江市にある2つの弥生時代の遺跡をまとめての史跡です.環濠集落なのかな?【田和山・神後田遺跡 - 田和山遺跡】(HDR合成,撮影:2022年11月14日)もともと田和山遺跡が史跡指定を受けていたところ神後田遺跡が追加され,史跡指定名称も変更されました.写真は田和山遺跡のほう.三重の環濠が特徴的です.集落をともなった環濠だけれども,環濠に囲まれた部分は狭く,環濠の外に集落があるのが普通ではないところです.これ,環...
「三仏寺 #1」の続き.残りの重文建築3件について.【三仏寺納経堂】(HDR合成,撮影:2022年11月12日)山を登って投入堂の少し手前の岩の窪みにある建物.納経堂という名称ですが,元々は三徳山の鎮守でした.神社建築の春日造の形式で,神社の種別での重文指定です.鎌倉期の建立といわれてきたけど,年輪の調査では1082年とでているので,平安後期の建立です.正規でない見世棚造だけど春日造では最古の遺構.現状では重文だけ...
今日は金剛寺から.前行ったのは金堂の修理時で,終わってから行こうと思いつつようやく行けました.その後,「金剛寺」の名称でいろいろまとめて重文指定があったので,そういうのも見たり.今日は早々に帰るつもりでいたので,他3ヶ所見ただけです.文化財近くの公園の駐車場に車を停めようとしたら,どちらも満車で時間くっちゃいました....
大阪にきております.行きの新幹線でいろいろ調べていたら,重文の吉村家住宅の公開が今日と明日ってことだったので,行ってきました(写真).大阪府の重文民家は非公開が多いので,もう少し見る機会があればなぁと思います.とりあえず数をこなしたいってことで,まだまだ未訪文化財の多い大阪府ですが,国宝仏を見に行ったけど,重文建築を撮っていなかった葛井寺とか,重伝建の範囲が広がったり,新しく重文指定のあった富田林...
伊豆国一宮の三嶋大社の社殿です.【三嶋大社本殿,幣殿及び拝殿】(HDR合成,撮影:2022年12月30日)本殿,幣殿,拝殿が一体となった権現造.本殿は三間社流造の形式です.写真は拝殿の部分で,桁行七間,梁間四間の規模.正面に千鳥破風と軒唐破風が付きます.慶応3 (1867)年の上棟で,このときの棟札が残っています.江戸末期の建築らしく装飾が多く華やかです.三嶋大社の宮司は矢田部氏が世襲していて,この家に伝わる文書は...
「建長寺 #1」の続き.【建長寺唐門】(HDR合成,撮影:2022年11月19日)寛永5 (1628)年の建立された東京芝の増上寺の門を正保4 (1647)年に移築したもの.向唐門の形式.方丈の正門となっています.【建長寺庭園】(HDR合成,撮影:2022年11月19日)方丈の北側にある池泉鑑賞式の庭園で国指定の史跡と名勝の両方の指定.蘭渓道隆が作ったといわれるけど,どう見ても鎌倉時代の様式ではないですね.鎌倉末期の文献では広大な苑池が...
江戸の大名庭園の遺構.特別史跡と特別名勝の両方の指定を受けています.【旧浜離宮庭園】(HDR合成,撮影:2022年9月25日)もともとは将軍家の鷹狩の場所だったけど,甲府藩藩主の松平綱重の別邸となり,その後,徳川家宣が浜御殿として改修し将軍家の別邸として使われていました.明治になると宮内省管理の離宮になり,その後都に下賜されて現在は都立庭園です.苑池は昔のままで,海水を引き入れて潮の干満で景観が変化する潮入...
埼玉県八潮市にある古民家です.【和井田家住宅】(HDR合成,撮影:2022年9月17日)重文指定は主屋と長屋門.主屋,長屋門とも同時期のもので,江戸中期頃の建築とされています.屋敷構えもよく残っていて,中世の居館のような構堀があったり,水害対策の水塚があったり.間取りは改造があったみたいで,元は広間型三間取りの変形.写真奥に式台が見えるけど,これは後補です.公開は1,8,12月を除く毎月第3土曜日のみです.名称...
小豆島にある寺院建築です.【明王寺釈迦堂】(HDR合成,撮影:2022年12月10日)元は高宝寺という寺院の釈迦堂.瓦の銘に建立の経緯が書いてあって,大永2 (1522)年の着工で,天文2 (1533)年の竣工.和様が貴重で,禅宗様がちょっと入っている感じ.中にある禅宗様の厨子も附で重文です.名称:明王寺釈迦堂(みょうおうじしゃかどう)文化財区分:重要文化財(近世以前/寺院)所在地:香川県小豆郡小豆島町池田...
島根県松江市の地蔵崎にある灯台.2022年2月の重文指定です.【美保関灯台】(HDR合成,撮影:2022年11月13日)重文指定は灯台と併せて,旧吏員退息所と旧第一物置.附で重文の便所や囲障などを含む一連の建造物群は明治31 (1898)年に建てられたもので,灯台は山陰地方では最古の石造灯台です.明治初期の灯台はイギリスの技術で建てられていたけど,この時代になると日本人技師が設計できるようになっていました.名称:美保関灯...
国宝の投入堂で知られる鳥取県三朝町にあるお寺.2回に分けて紹介します.【三仏寺奥院(投入堂)】(HDR合成,撮影:2022年11月12日)国内最古の懸造の建築.年輪年代法による調査で1098年頃に伐採した木が使われていることがわかっています.この調査に使われた古材は大正3年の解体修理で取り除いたものの一つで,これも含めた古材43点も附で国宝.流造の両側面に庇屋根と隅庇屋根が付く構造.向こう側に見える附属屋は愛染堂で...
伊豆にあるトンネル.近代土木の重要文化財です.【天城山隧道】(HDR合成,撮影:2022年12月29日)通称旧天城トンネル.明治37 (1904)年竣工の石造のトンネルです.長さが445.5 mもあり,この中の総切石積みの覆工などよく残っています.写真は南側の入口.両端は石造坑門が設けられています.名称:天城山隧道(あまぎさんずいどう)文化財区分:重要文化財(近代/産業・交通・土木)所在地:静岡県賀茂郡河津町梨本・伊豆市湯...
鎌倉の有名寺院.建長3 (1251)年に蘭渓道隆を開山として開かれた臨済宗建長寺派の大本山で,鎌倉五山の筆頭です.鎌倉時代の建物なんかは残っていないものの,文化財が多数あります.【建長寺山門】(HDR合成,撮影:2022年11月19日)境内の中心には山門,仏殿,法堂が南北に並んでいてどれも重文です.山門は安永4 (1775)年建立の三間一戸の二重門で,上層正面に軒唐破風が付いています.上層は二手先,下層は出組としているけど...
江戸時代の花園の遺構です.国史跡と国名勝の両方の指定を受けています.【向島百花園】(HDR合成,撮影:2022年9月10日)佐原菊塢という人が江戸の文人の協力のもとに文化2 (1805)年に開園した花園.もとは梅が主体だったけど,万葉集などの古典に詠まれた植物を集め,いろんな草木が見られるようになりました.写真は桑の茶屋跡から池を眺めたところ.名称:向島百花園(むこうじまひゃっかえん)文化財区分:名勝・史跡所在地:...
埼玉県蓮田市にある縄文遺跡です.【黒浜貝塚】(HDR合成,撮影:2022年9月11日)縄文前期の集落の遺跡で,「黒浜式土器」の標識遺跡.谷を挟んで南側の炭釜屋敷貝塚と北側の椿山遺跡があり,谷とそこからつながる低地の部分含めて国指定史跡となっています.写真は南側の宿浦のムラともよばれる炭釜屋敷貝塚の住居跡で,窪地の広場を囲んで住居が並んでいました.使われなくなった住居跡の窪みに貝塚が形成されています.名称:黒...
山形県中山町にある近代和風住宅です.2019年9月の重文指定.【旧柏倉家住宅】(HDR合成,撮影:2022年10月16日)江戸時代は紅花生産をやっていて,近代には金融業も手掛けた家です.重文指定は主屋,内蔵,仏間,前蔵,北蔵,大工小屋,長屋門,裏門.写真は右に主屋,奥に仏間.主屋は明治31 (1898)年の築で,一部に前身となる天明3 (1783)年の建物の部材を残しています.近代の住居としての重文指定だけど,仏間,大工小屋,長...
昨年の奈良の旅はこんな感じ.重伝建になりそうな御所まち,平日しか見られない正倉院,国宝が近くにいっぱいあってスルーしていた法隆寺の重文建築あたりが目的.あと,移築が終わった「旧春日大社板倉(円窓)」(重文)も見たくて,見て撮ったものの,記事にしようとしたら「春日大社」でまとめた方がいいかなぁと思ったけど,春日大社の方の撮影が不十分ってことでブログに載せるのはまたあとにすることにしました.あとは,ま...
久しぶりに鉢形城に行ってみました.10年以上前に行ったきりで,博物館の開いてない日で雨降ってたりで,ちゃんと見てないしよく覚えてない.写真は復元された門.石積の復元とかもあってよく整備されています....
奈良の有名寺院の興福寺.東大寺,春日大社,奈良博と近くにいろいろあるので,ついでに立ち寄ったりすることもしばしば.昨年10月の旅では正倉院とかのついで近くを通ったら五重塔の中が公開されているということで,わくわくしながら再訪.興味の対象はむしろ五重塔前の石燈籠基礎(参照:興福寺 #1)だったのだけど,柵の内側は撮影禁止ってことでがっかり.しばらく行っていなかった興福寺だけど,中金堂の再建が終わっていま...
「再訪 - 法隆寺 #1」の続き.西院伽藍の国宝3件の撮り直し.【法隆寺経蔵】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)【法隆寺鐘楼】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)【法隆寺大講堂】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)...
前に「法隆寺 #1」で西院伽藍の国宝建築を載せたけど,だいぶ前のことなので,改めて撮影.前の記事を更新してもいいかもしれないけど,記録として残しておきます.【法隆寺五重塔】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)【法隆寺金堂】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)【法隆寺中門】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)【法隆寺廻廊 - 東廻廊】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)...
重要文化財の「正蓮寺大日堂」(奈良県橿原市)ですが,この中に重要文化財の仏像があります.文化財指定名称は「木造大日如来坐像」.自由に撮ってよくてSNSへの掲載も可ということでした.【正蓮寺大日如来坐像】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)鎌倉前期の作です....
重伝建の橿原市今井町(参照:橿原市今井町 #1,橿原市今井町 #2,橿原市今井町 #3)は重伝建の選定範囲に8件もの民家の重文があって(それと1件の重文寺院建築),この数は全国の重伝建の中でも最多.そんな今井町なので,県指定文化財もあります.【旧上田家住宅(丸田家住宅)】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)現地の看板には「吉村家住宅」と書いてあるのだけど,文化財指定名称は「旧上田家住宅(丸田家住宅)」です.どう...
「菊家家住宅」(重文,奈良県奈良市)を見て,「長谷寺」(国宝・重文,奈良県桜井市)に向かう途中で,見事な茶畑の景観に出会いました.【奈良市月ヶ瀬の茶畑景観】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)奈良市というと古社寺の集まる平野部をイメージするけど,それと同じくらいの面積の山地が東側に広がっています.そんな山地の一地区である月ヶ瀬は大和茶の産地.約300年前に茶の栽培が始まったそうです....
前に「ならまちの登録文化財」について書いたけど,よくよく調べてみると市指定と県指定もあったので,改めて行ってみました.【細川家住宅と森家住宅】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)写真に並んでいる町家のうち,奥が奈良県指定文化財の細川家住宅で,手前が奈良市指定文化財の森家住宅です.細川家住宅は文化・文政年間の祈祷札があるということで,19世紀初期の建物.和ろうそくの製造をしていた家です.森家住宅はもとは細...
今日は深谷駅近くで車を借りて,その周辺をまわっていました.写真は重要文化財の「日本煉瓦製造株式会社旧煉瓦製造施設」の旧事務所(日本煉瓦史料館).ここにきたの2回目なのだけど,休みの日は開いていると思って,月曜日が休みのときだかに行ったのだけど,実は土曜,日曜しかやっていないということで,塀の外から見ただけでした.ということで,中に入ったのは初めて.いっしょに重文になっているホフマン輪窯六号窯は保存...
奈良県生駒市の往生院は行基の遺体が火葬されたところと伝わる古寺で,輿山往生院とも呼ばれます.周辺の輿山墓地は中世以降生駒谷六郷の惣墓となって,古い石造物が多いです.本堂の近くに重文の宝篋印塔があります.【輿山往生院宝篋印塔】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)重文指定名称は寺号も院号もつけずに「宝篋印塔」となっています.笠の隅飾りが軒と連続にのべ作りにされた馬耳型なのは古い形式です.正元元 (1259)年の...
奈良県生駒市の円福寺.本堂は重要文化財ですが(参照:円福寺本堂),その前に2基の古い宝篋印塔があってこれも重要文化財です.【圓福寺宝篋印塔】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)写真左側の北塔には永仁元 (1293)年の刻銘があって,南塔も同時期とされています.どちらも完存していて状態がいいです.南塔の笠下に蓮弁を置くのは珍しい手法です....
奈良県御所市の御所まちの町並み.近いうちに重伝建になると思います.【御所市御所まち - 西御所】(HDR合成,撮影:2022年10月1日)環濠集落の西御所(御所庄)と環濠を有した寺内町の東御所が16世紀中頃には成立していたようで,江戸初期の一時期あった御所藩の成立後に藩主桑山氏によって一体的に整備されたという町.陣屋が近くにあって陣屋町としての性質もあったのだけど,廃藩になって陣屋もなくなったということで,在郷...
健康診断の再検査で鶯谷に行ったので,ついでに東博と都内散歩.東博では新指定文化財の展示と,大安寺の仏像の展示やってます.東博の庭園は古い建物がいくつかあって,文化財指定はないのでスルーしていたけど,今日はさくっと見学撮影.あとは上野から神田をJRで移動して,徒歩でいくつか撮りつつ日比谷まで.日比谷公会堂(写真)と市政会館は都指定の文化財になるそうですね....
「東大寺 #4」の続き.国宝の「東大寺法華堂」(参照:東大寺 #3)まわりの重文建築について.「東大寺法華堂北門」と「東大寺法華堂経庫」はすでに載せているので(参照:東大寺 #1,東大寺 #3),その他2件.【東大寺法華堂手水屋】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)国宝の法華堂の東側にある建物.建武2 (1335)年の建立.桁行七間,梁間四間の切妻の建物です.【東大寺三昧堂(四月堂)】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)治安...
「東大寺 #3」の続きです.国宝の「東大寺二月堂」(参照:東大寺 #3)周りの重文建築について.二月堂というとお水取り(修二会)が有名だけど,この行事に関連した建物があります.【東大寺二月堂仏餉屋(御供所)】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)大仏殿裏の講堂跡付近から二月堂に向かって坂を上がって,すぐ右手に見える建物.鎌倉前期の築で,桁行五間,梁間二間の切妻の建物.大仏様木鼻が印象的な新和様の典型ともいえる...
「法隆寺 #7」の続き.国宝の「法隆寺東院夢殿」(参照:法隆寺 #2)などがある法隆寺東院の重文建築です.法隆寺シリーズはとりあえずこれで最後.【法隆寺東院四脚門】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)東院の西側の入口の門です.鎌倉前期の四脚門.門の南北に接続する築地塀も重文で,指定名称は「法隆寺東院大垣」.東面,西面,南面のあわせて211 mが重文です.【法隆寺東院廻廊 - 西廻廊】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)...
「法隆寺 #6」の続き.【法隆寺妻室】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)保安2 (1121)年頃の建立.梁間は二間だけど,桁行二十七間の長い建物です.国宝の「法隆寺東室」(参照:法隆寺 #4)と並び建っていて,もとは東室小子房.東室大房(今の東室)と対面する部屋で一対になって,大房には上位の僧,小子房にはその従者が住むという僧房でした.【法隆寺食堂及び細殿 - 細殿】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)文永5 (1268)年頃...
「法隆寺 #5」の続き.【寶珠院本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)法隆寺境内の西寄りにある国宝の「法隆寺西円堂」(参照:法隆寺 #3)に行こうとすると,その途中に重文の「法隆寺中院本堂」とこれが並び建っています.永正9 (1512)年の建立.【法隆寺地蔵堂】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)西円堂はやや高いところにあるのだけど,その高台から東側をみおろすとこの建物があります.応安5 (1372)年の建立.西円堂の裏側...
「法隆寺 #4」の続き.国宝いっぱいの世界遺産のお寺だけど,重文もいっぱいあります.全部ではないけど,4回に分けて紹介します.【西園院上土門,法隆寺西園院唐門】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)国宝の「法隆寺南大門」(参照:法隆寺 #3)から境内に入ってすぐ左側に重文の門2棟が並んでいます.上土門は「あげつちもん」と読んで,檜皮葺きの門だけど,本来は土をのせる珍しい形式の門です.隣の平唐門形式の門とともに江...
奈良県川西町にある寺院建築です.【富貴寺本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)内陣柱の墨書に至徳5 (1388)年に再建されたものとあるのだけど,江戸時代に墨書なので,本当だかどうだか.様式とは矛盾はないので,その当時のものとされています.本尊の「木造釈迦如来坐像」,脇侍の「木造地蔵菩薩立像」も重要文化財です.法隆寺境内に移築されている「旧富貴寺羅漢堂」(重文)はもともとこのお寺にあった三重塔の初層部分で...
奈良県橿原市にある寺院建築です.吉楽寺の寺号もあるようだけど,文化財指定名称は瑞花院の院号の方が使われています.【瑞花院本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)桁行五間,梁間五間の規模で寄棟屋根の大きなお堂です.棟木の銘から嘉吉3 (1443)年の上棟.古瓦には嘉吉元年の銘があったりもします.瑞花院は今は浄土宗だけど,もとは真言宗で,このお堂も中世密教本堂として建てられています.改宗後の寛文の修理で浄土宗本...
奈良県広陵町にある寺院建築です.重要文化財としての名称は旧字を使って「百濟寺三重塔」となっています.【百済寺三重塔】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)日本書紀の巻第二十三の舒明天皇の十一年(639年)の十二月のところに「是月於百濟川側建九重塔」とあって,この寺院がこの百済寺のようです.現存している塔は三重塔で,鎌倉中期のもの.もとは木瓦葺だったらしく,瓦の刻銘によると寛正4 (1463)年に瓦葺に改められたこ...
奈良県大和高田市の環濠集落にある神社建築です.昨年9月の重文指定です.【十二社神社本殿】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)隅木入の春日造で,室町時代中期の建立.庇と身舎を繋梁でつなげずに手挟で納めるのは奈良県南部にありがちな形式です.極彩色は後世のもののようです.神社がある藤森集落は中世に成立した環濠集落で,環濠がよく残っています.名称:十二社神社本殿(じゅうにしゃじんじゃほんでん)文化財区分:重要...
奈良県大和高田市にある寺院建築です.【不動院本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)文明15 (1483)年の建立で,棟木の銘から建立年が明らかです.桁行五間,梁間四間の規模で,寄棟の屋根で一間の向拝が付きます.舟肘木で軒下をすっきりさせつつも正面に桟唐戸を並べて,簡素ながらも凛とした雰囲気になっています.不動院の院号は大正になってからのもので,もとは金輪山證菩提寺というお寺で,明治に廃寺になっていて大正に...
奈良県橿原市にある神社建築です.【人麿神社本殿】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)棟木に康永4 (1345)年の墨書銘があります.今は隅木入の春日造だけど,建立当初は隅木のないタイプだったようです.修理時の棟札が近代のものも含めて11枚保存されていて,そのうち江戸時代の4枚が附で重文です.名称:人麿神社本殿(ひとまろじんじゃほんでん)文化財区分:重要文化財(近世以前/神社)所在地:奈良県橿原市地黄町...
奈良県橿原市にある寺院建築です.【正蓮寺大日堂】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)文明10 (1478)年上棟の棟札があるのだけど,部材の墨書に康正2 (1456)年や文明17 (1485)年もあって,着工から竣工までだいぶかかったようです.方三間の規模の簡素なお堂.中にある「木造大日如来坐像」は鎌倉時代の作で重要文化財です.名称:正蓮寺大日堂(しょうれんじだいにちどう)文化財区分:重要文化財(近世以前/寺院)所在地:奈良県...
今日は栃木県に行ってきました.まだ行ったことのなかった下野国庁跡と,行ったことはあるもののあまりちゃんと見ていなくてブログにも載せていない,下野国分寺跡と下野国分尼寺跡が目的.国庁跡は資料館があって,国分寺跡と国分尼寺跡は風土記の丘として整備されているので,勉強になります.風土記の丘資料館は国分寺跡と国分尼寺跡の間に立地しているので,国分寺関係の展示がメインなのかと思っていたけど,周囲に古墳も多い...
重伝建の橿原市今井町(参照:橿原市今井町 #1,橿原市今井町 #2,橿原市今井町 #3)にある寺院建築です.昨年3月に解体修理が終わりました.【称念寺本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)解体修理の際に内陣と外陣の境の部材から寛永18 (1641)年の墨書が発見されていて,この頃の建立とみられます.真宗本堂の初期の遺構として貴重な建造物です.今井町は中世に成立した寺内町だけど,その中核となったのが,この称念寺でした...
「橿原市今井町 #2」(重伝建・重文,奈良県橿原市)の続き.残りの重文の民家2件について.【中橋家住宅】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)称念寺の近くにある民家.称念寺所蔵の寛延元 (1748)年の古図に載っていて,当時すでに建てられていたようです.当初は平屋で,19世紀初期につし二階に変更されています.【上田家住宅】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)延享元 (1744)年の祈祷札があって,これよりやや古い年代に建てられ...
「橿原市今井町 #1」(重伝建・重文,奈良県橿原市)の続き.伝建地区内の重文建築について.【高木家住宅】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)19世紀初期の建築.二階部分は遅れて整備されたもので,近代的な印象があるけど,幕末にはこうなっていたそうです.【河合家住宅】(HDR合成,撮影:2022年10月4日)主屋と納屋が重文.18世紀中頃.杉玉が下がっているけど,現在も造り酒屋をやっています.【旧米谷家住宅】(HDR合成,撮...
お出かけしようと思っていたら,天気がいまいちで屋外撮影する気になれないので県内の博物館に行ってきました.千葉市の市立郷土博物館は「遺物から見える地域文化の発達 縄文時代前期後葉~末葉」という企画展を開催中.縄文のほんの一時期に関東の東西で文化が違っていたことをテーマにした展示.なんともマニアック.市原市の市原歴史博物館は昨年11月にオープンしたばかりの新しい博物館.稲荷台1号墳出土の王賜銘鉄剣は国宝...
今年も自宅で年越しです.今年の長めの旅というと5月の大分・熊本,10月の奈良でした.大分・熊本の旅は阿蘇の文化的景観が目当てで,それにあわせて最近行っていなかった大分県もまわろうという感じ.結果,大分メインの旅になったけど,やっぱり印象に残ったのは水をはった扇棚田(参照:阿蘇の文化的景観産山村の農村景観)だったりします.前にテレビで見て見てみたいと思ったけどすっかり忘れていた阿蘇の牛道(参照:2022年5...
今回の旅では重文の松城家住宅が一番見たかったのでした.前は時々公開日があるぐらいだったのが,修復工事を経て,常時公開されるようになりました.駐車場もできた.擬洋風の住宅建築です.久しぶりに伊豆を車で走ったけど,時間かかるねぇ.時間がなかったり,そもそも年末で休みだったりで見られなかったとこも多いので,また行こうかと思います.棚田も見たいので,ぜひ田植えの季節に....
伊豆にきております.朝の東京発の踊り子で熱海に入って車を借りました.今日は伊豆半島の東側.下田まで行って町並み撮ったりしてました.写真は重文の天城山隧道.今日は三島に泊まります....
奈良県桜井市の有名な寺院で,真言宗豊山派の総本山.本堂が国宝で,多数の建造物が重文指定を受けています.【長谷寺本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)慶安3 (1650)年の建立.竣工時の棟札があって建立年代が明らかです.帳簿や図面などの資料も残っていて,建設の経緯もよく分かっています.これらの資料も附で国宝.桁行七間、梁間四間の正堂前面に懸造の相の間及び礼堂が接続する複雑な構成になっています.【長谷寺 - ...
奈良市東部にある古民家です.【菊家家住宅】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)18世紀初頭の築とされています.こじんまりとした民家.中は見られなかったけど,間取りは前座敷型の三間取りになっています.菊家家は農家だけど,奈良から柳生街道を経て伊賀上野に至る道筋にあって,旅籠屋も営んでいたそうです.名称:菊家家住宅(きくやけじゅうたく)文化財区分:重要文化財(近世以前/民家)所在地:奈良県奈良市月ケ瀬桃香野...
奈良市東部地域にある寺院建築です.【南明寺本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)鎌倉後期の建立.桁行五間,梁間四間の規模の仏堂です.簡素でどっしりした感じ.丸い垂木が古風です.コロナで拝観停止中.境内外からの撮影です.見てないけど,中の「木造薬師如来坐像」,「木造阿弥陀如来坐像」,「木造釈迦如来坐像」も重文です.平安時代の作.名称:南明寺本堂(なんめいじほんどう)文化財区分:重要文化財(近世以前/...
奈良博の建物です.【旧帝国奈良博物館本館】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)奈良国立博物館の前身の帝国奈良博物館の本館.今は奈良国立博物館のなら仏像館.明治27 (1894)年の竣工.片山東熊の設計で,ルネサンス様式です.明治中期の博物館建築として代表的なものです.建物が「旧奈良県物産陳列所」として重文になっている仏教美術資料研究センターも奈良国立博物館の施設です.このあたりは春日大社の境内だったところで,...
奈良の近代建築です.奈良国立博物館の南側の敷地にあります.【旧奈良県物産陳列所】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)今は仏教美術資料研究センターの建物になっていますが,もとは明治35 (1902)年に物産陳列所として建てられたもの.奈良の物産の展示販売が行われていました. 中央楼から左右に翼部を伸ばし楼をおくのは平等院鳳凰堂にならったものです.写真は前面は撮りにくかったので,背面にしました.この写真に見える部分...
奈良の有名建築.「古都奈良の文化財」(英名:Historic Monuments of Ancient Nara)の構成資産として世界遺産に登録されています.【正倉院正倉】(HDR合成,撮影:2022年10月3日)もともとは東大寺の正倉.明治になって内務省や宮内省の管理下に入りました.現在は宮内庁の管轄.貴重な天平建築だけど,天平の校倉としては規模が大きい点でも貴重です.宝物出納の記録もよく残っていて,古い記録は天平宝字3 (759)年なのでこの...
今日(2022年12月16日)の文化審議会で史跡7件の新指定,重要文化的景観1件の新選定などが決まりました.近いうちに官報告示を経て正式に指定・選定されます. 【史跡】- 鍋倉城跡(岩手県遠野市)- 旧東田川郡役所及び郡会議事堂(山形県鶴岡市)- 烏山城跡(栃木県那須烏山市)- 山王塚古墳(埼玉県川越市)- 南比企窯跡(埼玉県比企郡鳩山町)- 佐伯城跡(大分県佐伯市)[※]- 奄美大島要塞跡(鹿児島県大島郡瀬戸内町)【重要...
奈良県広陵町にある特別史跡の古墳です.【巣山古墳】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)馬見古墳群では最大の古墳で,墳丘長220 mの前方後円墳です.4世紀終わり頃の築造.写真は西側から見たところで,右に後円部,左に前方部という向き.くびれ部分の造り出しが見えるように撮っています.名称:巣山古墳(すやまこふん)文化財区分:特別史跡所在地:奈良県北葛城郡広陵町...
奈良県河合町にある古墳です.【ナガレ山古墳】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)馬見古墳群を構成する古墳の一つで,5世紀前半頃築造の全長103 mの前方後円墳.東側半分が葺石に覆われた昔の外観に整えらえています.馬見丘陵公園にある古墳で,同公園内では「乙女山古墳」も史跡.こちらは木だらけで写真にはしにくかったです.公園の外だけど,近くに特別史跡の「巣山古墳」もあります.名称:ナガレ山古墳(ながれやまこふん)...
昨日は小豆島で宿泊.醤油の町を歩いたりしてました....
今日は重文の旧島津家本邸を見てきました.大学内にあって通常非公開です.春と秋に公開がありますが,事前申込みが必要で,人が多いと抽選.いつでもいいよってことで応募していたら今日になりました.今週末は帰省してきます....
奈良県香芝市にある古代寺院の遺跡です.【尼寺廃寺跡】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)香芝市の尼寺という地区で見つかった古代寺院跡で,特にあまでらだったわけではないです.7世紀半ばから後半にかけて造営された寺院跡.写真は塔跡から金堂跡を見たところ.塔と金堂が南北に並んでいるけど,これらを囲む回廊は東側の門に接続するので,東向きの法隆寺式伽藍配置のようです.塔は地下式の心礎があって,3.8 m四方という巨大...
奈良県生駒市にある寺院建築です.【宝幢寺本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)室町前期の築とされています.嘉吉元 (1441)年の文献に寺名があって,おおよそそのの頃の建立のようです.今は桁行五間,梁間五間の規模だけど,昭和61 (1986)年の解体修理で復元されたもので,その前は三間堂です.とういうことで,当初材は少なそうです.名称:宝幢寺本堂(ほうどうじほんどう)文化財区分:重要文化財(近世以前/寺院)所在地...
奈良県生駒市にある寺院建築です.【円福寺本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)重文指定名称は旧字を使って「圓福寺本堂」となっています.和様でシンプルな造り.旧来迎壁額縁が附で重文になっていますが,この裏面に応安4 (1371)年の墨書銘があります.このお堂の前に鎌倉後期の宝篋印塔が2基並んでいて,これも重文です.名称:圓福寺本堂(えんぷくじほんどう)文化財区分:重要文化財(近世以前/寺院)所在地:奈良県生...
今日と明日で福岡出張です....
奈良県生駒市にある寺院建築です.【長福寺本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)桁行五間,梁間三間の規模の入母屋のお堂.内部は極彩色の壁画があるそうです.文化庁のデータベースでは鎌倉後期となっているけど,保存修理事業の報告書では鎌倉前期となっていました.寺伝では13世紀中頃の建立.おおむね和様だけど,禅宗様,大仏様が取り入れられています.向拝の木鼻などは新しそうだけど,向拝自体は創建時からあったようで...
奈良県生駒市にある神社建築です.【高山八幡宮本殿】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)奈良には案外少ない三間社流造.元亀3 (1572)年上棟の棟札があって建立年が明らかです.高山八幡宮では7つの宮座が継承されていて,宮座の行事が市指定の無形民俗文化財になっています.拝殿前には舞台を座小屋が囲む独特な景観になっています.名称:高山八幡宮本殿(たかやまはちまんぐうほんでん)文化財区分:重要文化財(近世以前/神社...
奈良市にある神社建築です.【添御縣坐神社本殿】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)社名が古風で読みにくいですが,「そうのみあがたにいますじんじゃ」と読みます.重文の本殿は五間社流造で,屋根には千鳥破風が3つ付く造り.永徳3 (1383)年の建立.名称:添御縣坐神社本殿(そうのみあがたにいますじんじゃほんでん)文化財区分:重要文化財(近世以前/神社)所在地:奈良県奈良市三碓町...
奈良県大和郡山市にある寺院建築です.【松尾寺本堂】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)建武4 (1337)年の建立.桁行五間,梁間五間の規模の中世密教本堂.おおむね和様でできています.松尾寺は舎人親王が厄除けの願いを込めて創建されたという日本最古の厄除霊場.「木造大黒天立像」は鎌倉時代の作で重要文化財です.あと未指定ながら鎌倉時代の石塔があったりも.名称:松尾寺本堂(まつのおじほんどう)文化財区分:重要文化財...
斑鳩にある遺跡.瓦を焼いた窯の跡です.【三井瓦窯跡】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)斑鳩の法起寺に近くにあります.2基の窯跡があって,写真は1号窯.地下式有階有段登窯という形式です.2号窯はかなりくずれているとのことで,見ることはできません.八葉複弁蓮華文の軒丸瓦が近くで見つかっていて,同類のものが法隆寺や法輪寺で出土しています.名称:三井瓦窯跡(みいかわらかまあと)文化財区分:史跡所在地:奈良県生...
今日は旧長濱検疫所一号停留所の公開の日でした.横浜市の金沢区にあります.金沢区には住んでたことあるのだけど,ここは初めての訪問.外観はペンキが落ちたりして傷みがあったけど,中はきれいでした.検疫の施設と思っていたけど,むしろホテルのようなもので,最初期の洋風ホテルの遺構として貴重とのことでした.今は厚生労働省の横浜検疫所の施設だけど,検疫所が移転するため今後どうなるかは未定.なんとか残してほしいも...
斑鳩にある寺院の遺跡です.【中宮寺跡】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)中宮寺というと法隆寺と隣接したところにあって,国宝の「木造菩薩半跏像」でも有名ですが,江戸時代に移転するまでは法隆寺の東側に伽藍があり,この遺構が史跡指定を受けています.写真は塔基壇から金堂基壇を見たところ.塔と金堂が南北に並ぶ四天王寺式の伽藍配置です.金堂基壇は飛鳥時代の創建時の切石積,平安期(10世紀)再建の瓦積,鎌倉期(13世...
斑鳩にある寺院建築です.【吉田寺多宝塔】(HDR合成,撮影:2022年10月2日)法隆寺のある斑鳩ですが,こんな寺院建築も.奈良では少ない多宝塔です.心柱に寛正4 (1463)年の墨書があり,建立年が明らかです.和様の塔.中備えは蟇股を上下に重ね,下側の背の高い蟇股は中に梵字の彫刻があります.吉田寺では本堂内の本尊の「木造阿弥陀如来坐像」も重文です.平安時代の作品.名称:吉田寺多宝塔(きちでんじたほうとう)文化財区...
今日まで山陰の旅行でした.三仏寺の登山が天気のいい日にできるように3日とっていました.今日は松江をぶらぶらして,そのあと出雲大社へ.写真は重文の茶室の菅田庵です.松江は何度か行っていたけど,しばらく非公開だった菅田庵は未訪でした....
久しぶりにやってきました,投入堂.何年か前に下から仰ぎ見たことはあったけど,山登りして投入堂のすぐ下までやってきたのは19年ぶりです.前行ったときは数人とすれ違ったぐらいだったけど,今日はやたら人がいて,鎖場とか渋滞してました.最近はこんな感じなの?人が少なければもう少し落ち着いて撮れたのだけどなぁ.前は国宝は撮っておこうという感じだったけど,今回は県指定まで(美術工芸は除く)はきちんと写真におさめ...
奈良県御所市にある古墳.史跡指定名称は宮山古墳だけど,室の地名を付けて室宮山古墳とよばれています.【宮山古墳】(HDR合成,撮影:2022年10月1日)墳丘長238 mの大型の前方後円墳で,全国でも第18位の大きさです.5世紀初頭頃の築造とされています.埋葬施設は複数あって,写真は後円部に2基ある竪穴式石室のうちの一つで,長持型石棺を見ることができます.名称:宮山古墳(みややまこふん)文化財区分:史跡所在地:奈良県...
奈良県御所市にある古代寺院の遺跡です.【巨勢寺塔跡】(HDR合成,撮影:2022年10月1日)巨勢寺の創建についてはよくわからないけど,日本書紀では朱鳥元 (686)年にすでに大寺院としての様子が記されています.椿の名所だったらしく,万葉集にも詠まれています.付近にある阿吽寺と正福寺(元は勝福寺)は巨勢寺の子院でした.塔跡には心礎が残っていて,舎利孔を囲んで二重の溝が彫ってあって,さらに外へ水を流す穴が掘られてい...
奈良県御所市にある寺院建築です.【安楽寺塔婆】(HDR合成,撮影:2022年10月1日)塔婆というあまりない名称での文化財指定ですが,元は三重塔だったものです.鎌倉後期の建立だけど,延宝8 (1680)年に上部を撤去して初層をのみを残したお堂になりました.三重塔の初層といわれると違和感ない感じですが,延宝の改修では軒を一軒にするなど規模が縮小されていました.現在の形は昭和63年からの保存修理で復原されたものです.名称...
奈良県五條市の山間地の賀名生の地にある古民家です.【堀家住宅】(HDR合成,撮影:2022年10月1日)中世から残る民家というのは日本には少ないけど,そのうちの一つとして有名です.もとは16世紀初め頃で,当初は二階建の楼閣だったようで,金閣との類似性が指摘されています.現在のようになったのは江戸初期で,古い部材はあるものの近世の民家として捉えたほうがいいような気もします.南北朝の頃に後村上天皇が賀名生に逃れて...
今日は前から行ってみたかった鋸山へ.日本寺の大仏とか人気観光地という感じだけど,房州石の産地としても有名なところです.写真は車力道跡.山の中だけど道に石を敷いて,荷車で石を運んでいました.石を滑らせて運搬した樋道の遺構もあります.金谷の町は房州石の石塀なんかも残っているし,採石から運搬,利用まで,各工程と関わりのあるものが一体的に残っているのはとても稀有なことだと思います.日本寺はちょっとだけ散策...
奈良県御所市にある民家です.【中村家住宅】(HDR合成,撮影:2022年10月1日)慶長年間の建立と伝わるそうだけど,実際はもう少し新しそう.それでも17世紀前半には建てられていたようで,とても古い民家として貴重なものです.中は非公開なので,外観だけの見学です.名称:中村家住宅(なかむらけじゅうたく)文化財区分:重要文化財(近世以前/民家)所在地:奈良県御所市大字名柄...
昨日も行ったけど,また青梅に行ってました.写真は馬場家御師住宅.武蔵御嶽神社の参道にある御師住宅で,都指定の文化財.武蔵御嶽神社はケーブルカーがあって楽に登れると思いきや,上の駅からも結構歩くのですね.この参道付近に古い建物がいっぱいあってなかなかおもしろい.武蔵御嶽神社は美術工芸で国宝2件あるのだけど,その1つの赤絲威鎧は修理中ということで,ほんの一部だけの展示でした....
東京文化財ウィークですよ.ということで,重文の旧磯野家住宅へ.わくわくして行ったけど,中には入れないのですね.前庭から見るだけでした.銅板張りの三階建て応接棟がよい!玄関の細部の意匠もよい!このあとの予定を立てていなかったのだけど,丸の内線の茗荷谷が最寄りなので,丸の内線で荻窪に行ってみました.荻外荘(国史跡)は工事中!江戸東京たてもの園に行こうかと思って中央線に乗ったけど,今日は無料らしいので,...
今日(2022年10月12日)の文化審議会で国宝1件,重要文化財9件の新指定が決まりました.近いうちに官報告示を経て正式に指定されます. 【国宝】- 勝興寺(富山県高岡市) [※]【重要文化財】- 尻屋埼灯台(青森県下北郡東通村)- 佐藤家住宅(秋田県大仙市)- 富岡家住宅(山梨県甲府市)- 名古屋テレビ塔(愛知県名古屋市)- 外村家住宅(滋賀県東近江市)- 経ヶ岬灯台(京都府京丹後市)- 住吉神社(兵庫県加西市)- 角長(加納...
奈良から帰ったところで,奈良編はじめたいので,写真の編集と調べ事をいくらかやっておきたい.1週間ほど更新休みます....
奈良県の旅も今日で終わり.ちょっと早めの飛行機で関空から羽田へ.関空で車を借りると高速道路で直接返しに行けると思っていたけど,ガソリン入れるためにいったんおりんといかんのね.今日はあまり時間なかったけど,中世建築を撮りたいと思いいくつかまわりました.その前に近くに泊まったので,今井再訪.写真は今回の旅で最後に行った富貴寺本堂....
今日は有名なところが多め.早起きして,8:00前から法隆寺で撮影.混雑が避けられて平日の朝はよいです.今回は重文を撮ろうと思ってやってきました.国宝もとっちゃいますが.そして,正倉院へ(写真).ここは平日しか開いてないので,ここから見るのは初めて.遠くから見たことはあったけど,近くから見ると,でかいです.明日帰りますよ....
今日はいろいろ見る日ってことで,まだ行ってないところとか,ブログに載せてないのとか,いっぱい見に行ってました.写真は重文の宝篋印塔2基で圓福寺のもの.この横にある本堂も重文です.奈良県はどこにでも文化財があるけど,どこにでも駐車場があるわけでもないので,そこで苦労します.現地に駐車場がある場合も,そこに行くまでが細い道だったりで,どうにもこうにも.大通り沿いにコインパーキングでもあればいいのだけど...
昨日の夜の便で関西空港にきていました.泉佐野で泊まって,今朝関空で車を借りて奈良県入り.全国まわってるとそれなりに多くの空港に行くことになるのだけど,関空は初めてでした.写真は近いうちに重伝建になりそうな御所の町.西側は在郷町,東側は寺内町を起源とし,あわさって陣屋町として発展したちょっと変わった歴史のある町です....
川越といえば重伝建の「川越市川越」があり古い建物の多い町ですが,重伝建選定範囲外にも古い建物は多く,国の登録文化財もそれなりにあります.【手打ちそば百丈(旧湯宮釣具店)】(HDR合成,撮影:2022年7月31日)今は蕎麦屋さんになっている釣具店だった建物.昭和9 (1934)年以前に建てられたもので,意匠のおもしろい看板建築です.【日本聖公会川越キリスト教会礼拝堂】(HDR合成,撮影:2022年7月31日)大正10 (1921)年の...
茨城県結城市というと結城紬で有名な織物の町.「結城紬」は重要無形文化財で,ユネスコの無形文化遺産にもなっています.そんな結城の町は「見世蔵」と呼ばれる 商業用の蔵造りが多く残っていて,登録文化財も多数あります(登録文化財の結城酒造株式会社新蔵,安政蔵の2棟は今年5月に焼失).【武勇見世蔵・脇蔵】(HDR合成,撮影:2022年3月21日)見世蔵と脇蔵が並んでいて,写真奥の方が見世蔵です.江戸末期で結城の見世蔵で...
今日は 重文の「旧三河島汚水処分場喞筒場施設」を見てきました.日本最初の近代下水処理施設です.見学には予約が必要で,決まった時間に行って,何人かまとめて案内してもらうところなのだけど,今日は自分一人だけでした.おかげでじっくり写真撮れて楽しめました....
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あまり旅ができていないので,ネタがなくなりつつあるのと,いろいろ見返してみると最近の追加指定が反映されてないとか情報が古かったりするので,新しい記事を休みつつ前に書いたのの修正をしようかと思います.とりあえず2週間ぐらい?...
新しい文化財についての既掲載記事の更新です.2日に1回更新して,本記事でお知らせします.【たつの市龍野】(HDR合成,撮影:2024年2月12日)【旧尾藤家住宅】(HDR合成,撮影:2011年5月1日)【宇和島市津島町岩松】(HDR合成,撮影:2019年3月30日)【勝興寺 - 本堂】(HDR合成,撮影:2013年4月29日)【角長(加納家住宅)】(HDR合成,撮影:2012年4月30日)- 4月3日更新:「たつの市龍野」(重文,兵庫県たつの市)- 4月8日...
旅前の天気予報からは富士山は見られそうになかったけど,からっとは晴れないにしても,富士山は見えました.写真は世界遺産になったけど,ずっと行く機会のなかった三保松原.今日は富士宮市,富士市まで行ってみました....
今日は天気がいまいちで,撮影意欲もいまいち.駿府城では天守台跡で発掘調査やってます.天守台は上の方は削られてしまっているのだけど,土台部分が調査ででてきました.天正期の石垣と慶長期の石垣とを比較してみることができます.駿府城の城内には新しい博物館ができたので,これも今旅の目的でした.博物館建設時の調査で戦国時代の道がでてきて,これが露出展示されています....
今日は在宅勤務を定時で終わらせて,新幹線に乗って静岡へ.いつもなら宿へ直行だけど,今日は車を借りて清水へ.前から見てみたかった登録文化財の清水港テルファーが目的です.日中は人多そうだし,夜撮るしかないよね.今旅は土曜日までの予定.天気がいまいちそうだけど,妻が子を連れて帰省している間の旅なので,日を選べないのです....
隣接する愛知県庁と名古屋市役所は重要文化財.2014年12月の指定.最近の指定と思っていたら,もう10年でした.【名古屋市庁舎と愛知県庁舎】(HDR合成,撮影:2024年3月8日)写真奥が名古屋市庁舎で,手前が愛知県庁舎.愛知県庁舎は工事中でした.名古屋城の旧三の丸にあたるところに建っています.名古屋市庁舎の方が古くて昭和8 (1933)年の築で,愛知県庁舎は昭和13 (1938)年.「日本趣味を基調としたる近世式」という設計趣旨...
東かがわ市にある城跡です.2020年3年の史跡指定.【引田城跡】(HDR合成,撮影:2024年2月11日)旧引田町(現東かがわ市)の標高82 mの城山にある山城に遺構です.中世の水運の資料として「兵庫北関入船納帳」という有名なのがあるのだけど,それにも引田の船が載っていて,引田は古くから水運で栄えていました.引田城は生駒親正による天正15 (1587)年築城.天正13 (1585)年に秀吉が四国を制圧すると讃岐は仙石,尾藤を経て,生...
名古屋のテレビ塔です.2022年12月の重文指定.【名古屋テレビ塔】(HDR合成,撮影:2024年3月8日)テレビ塔では初めての重文指定.昭和29 (1954)年に建てられたもので,高さ178.7 m.建設当時では日本一の高さの自立式鉄塔でした.日本でテレビ放送が始まったのは昭和28 (1953)年の東京で,三波を個別に送信していました.このテレビ塔は集約電波塔で,中京圏に割り当てられた二波を一括送信する方式でした.展望台も建設当初から...
加西市にある神社建築です.2022年12月の重文指定.【住吉神社】(HDR合成,撮影:2024年2月13日)重文指定は東西に3棟並んだ本殿(東本殿,中本殿,西本殿)と拝殿の4棟.本殿は棟札や厨子の墨書から嘉永2 (1849)年から同5 (1852)年の建立で,拝殿は古文献から文化5 (1808)年の建立.本殿は住吉造を基調にしたものですが,「住吉大社本殿」(国宝,大阪府大阪市,参照:住吉大社)とは平面構成,素木としている,屋根に反りがある...
福岡県糸島市にある神社建築です.昨年9月の重文指定.【髙祖神社本殿】(HDR合成,撮影:2023年12月22日)三間社流造の社殿で,棟札から天文10 (1541)年の建立.髙祖神社の境内は「怡土城跡」の史跡指定範囲に含まれています.名称:髙祖神社本殿(たかすじんじゃほんでん)文化財区分:重要文化財(近世以前/神社)所在地:福岡県糸島市高祖...
福岡県糸島市にある神社.昨年9月の重文指定です.【櫻井神社 - 楼門】(HDR合成,撮影:2023年12月22日)重文指定は本殿,拝殿,楼門の3棟.福岡藩によって建立された近世の社殿です.本殿は寛永9 (1632)年の建立の三間社流造.拝殿・楼門も同時期とされています.拝殿は桁行三間,梁間三間の切妻妻入の建物,楼門は三間一戸の形式です.本殿の後ろに古墳があって,その古墳に覆屋をかけて岩戸宮としています.岩戸宮から本殿・渡...
重伝建の「桐生市桐生新町」にある神社建築です.昨年9月の重文指定で,指定名称はシンプルに「天満宮」となっています.【天満宮】(HDR合成,撮影:2023年12月10日)重文指定は写真の本殿・幣殿・拝殿と末社春日社本殿をあわせての指定.附で末社機神神社本殿なども指定されています.社殿は拝殿から本殿までが一体となった権現造で,本殿部分は三間社流造です.江戸後期に整備されたもので,本殿・幣殿は寛政元 (1789)年の上棟...
指定文化財のネタが尽きそうなので,撮りためていた登録文化財を紹介します.2日に1つ増えるペースで本記事に追加していって,10件まで.特に説明とかしないんで,気になったら調べてみて下さい.登録文化財の登録名称は一般人のフルネームが入っていたりもして,それをここに書くのもはばかられるので,ちょっと変えます.【旧赤星鉄馬邸/東京都武蔵野市】(HDR合成,撮影:2023年11月18日)【宮地嶽八幡神社陶器製鳥居/長崎県...
今日は名古屋の中心からちょっと離れたところで,まず東山動植物園に行って,そして志段味古墳群へ.写真は志段味古墳群の白鳥塚古墳.志段味古墳群は新しい博物館があったり,きれいに整備されていてよいです.東山動植物園から志段味古墳群へは,地下鉄東山線で終点の藤が丘に行って,そこから車を借りていくという経路.名古屋の週末は ドニチエコきっぷというバスと地下鉄に乗れるのがあって便利です.それ以外のところで車を...
今日は午後からお仕事なので,文化財は午前だけです.テレビ塔,県庁,市役所と新しめの文化財を撮影.テレビ塔の重文指定はついこないで,県庁と市役所もわりと最近と思っていたら2014年なので結構たってました.名古屋で文化財撮るのもかなり久しぶりだったようです。県庁は工事中でがっくり....
明日の午後,名古屋で仕事があって,今日はその代休です.名古屋でいろいろ見るつもりでもいたけど,今日はなんとなく伊勢へ.写真は重文なのにまだ見ていなかった旧賓日館.二見の町並みもなかなかよいですね.あとは斎宮跡も行ってみたかったとこでした.広い遺跡だけど,見られる遺構はほとんどないし,いまいち全体像がつかみにくい.今日は伊勢市駅付近で車を借りたけど,14:00までしか予約とれなかったので,斎宮まで走って...
瀬戸内海の与島のすぐ近くの小島の鍋島にある明治の灯台です。【鍋島灯台】(HDR合成,撮影:2024年2月11日)英国人技師のブラントンによる設計で,明治5 (1872)年に設置点灯.石造の洋式灯台で,日本最初期の洋式灯台です.与島は瀬戸大橋でつながっていてICもあるけど,島民しか出られないので,パーキングに車を停めて徒歩でアクセスします.地図で見ると第二駐車場からの道がわかりやすかったので第二駐車場に停めたのだけど,...
高松城にある近代和風住宅.「高松城跡」の史跡指定範囲内にあります.住居とあわせて庭園が造られていて,こちらは国指定の名勝.【披雲閣(旧松平家高松別邸)】(HDR合成,撮影:2024日1月31日)大正6 (1917)年に建てられた旧高松城主の松平家の別邸.旧城主が近代なって城跡に大規模な住居を造ってそれが残っているというのは案外珍しいです.重文指定は本館,本館付倉庫,倉庫の3つだけど,「本館」は複数棟を廊下で接続する...
重要文化的景観「長崎市外海の石積集落景観 」(長崎県長崎市)の選定範囲内にある教会建築です.「2012年夏の九州ツーリングまとめ」で写真を載せたのだけど,改めて記事にしてみます.【大野教会堂】(HDR合成,撮影:2012年8月29日)明治26 (1893)年の築.ド・ロ神父による建設です.「ド・ロ壁」とよばれる石積の壁が特徴的.石積の壁の上に木で小屋組を架ける構造になっています.名称:大野教会堂(おおのきょうかいどう)文...
重要文化的景観「長崎市外海の石積集落景観」(長崎県長崎市)の選定範囲内にある明治時代の福祉施設です.【旧出津救助院】(HDR合成,撮影:2015年10月2日)重文指定は授産場,マカロニ工場,鰯網工場の3棟.写真左の建物が授産場,右の建物がマカロニ工場.真ん中の建物は旧製粉工場で重文指定の対象外.奥に鰯網工場があって,今はド・ロ神父記念館になってます.ド・ロ神父は明治12 (1879)年に主任司祭としてこの外海地区に赴...
伊豆にある近代の学校建築です.【旧岩科学校校舎】(HDR合成,撮影:2022年12月30日)明治6 (1873)年創立の学校で,現存する旧校舎は同13 (1880)年の竣工.擬洋風建築だけど,和風の手法も多めになっています.名称:旧岩科学校校舎(いわしながっこうこうしゃ)文化財区分:重要文化財(近代/学校)所在地:静岡県賀茂郡松崎町岩科北側...
松江市にある茶室.建物は重文で,敷地は史跡および名勝です.【菅田庵及び向月亭 - 菅田庵】(HDR合成,撮影:2022年11月14日)菅田庵と向月亭に2棟の茶室と附で御風呂屋が重文.写真は菅田庵です.寛政4 (1792)年(寛政2 [1790]年の説もある)に松江藩の松平不昧によって建てられた茶室です.向月亭と不昧公の弟の雪川の好みによるもの.菅田庵の少し高いところに御風呂屋があって,待合なんだけど浴室をそなえているという珍し...
重文民家なんかは優先して見ていたけど,都指定や市(区)指定だとあとまわしでなかなか見られずにいました.都内にも民家園みたいなのはいくつかあって,3ヶ所がそこそこ距離も近いのでまとめて見てきました.写真は次大夫堀公園民家園にある旧安藤家住宅主屋.式台もそなえた立派な民家です....
伊豆にある近代の住居建築です.【松城家住宅】(HDR合成,撮影:2022年12月30日)西伊豆の旧戸田村(現・沼津市)にあって,重文指定は主屋と他6棟.写真の石造のアーチの門も重文です.主屋は明治6 (1873)年の上棟で,その時の棟札も残っています.洋風の意匠を取り入れた擬洋風建築ですが,個人の住宅の擬洋風建築でごく初期のものという点で価値が高いです.漆喰鏝絵が特徴的で,石積風の外壁なんかも実は漆喰で作られています...
鎌倉の鶴岡八幡宮の境内にある近代建築です.2020年12月の重文指定.【旧神奈川県立近代美術館】(HDR合成,撮影:2022年3月13日)坂倉準三の設計で,昭和26 (1951)年の築.坂倉準三はル・コルビュジエに師事した建築家で,この建物も一階をピロティとしていたりしてル・コルビュジエ的なモダニズム建築です.名称:旧神奈川県立近代美術館(きゅうかながわけんりつきんだいびじゅつかん)文化財区分:重要文化財(近代/文化施設...
埼玉県川口市にある近代の住宅建築です.【旧田中家住宅】(HDR合成,撮影:2022年9月17日)重文指定は写真の洋館の他に和館,文庫蔵(旧仕込倉),煉瓦塀2棟.洋館は大正10 (1921)年の建築で,和館は昭和9 (1934)年の増築.田中家は味噌醸造をやっていた家で,後に川口市長にもなっています.洋館は主体部,蔵部,台所部からなっていて,主体部,台所部は煉瓦造,蔵部は土蔵造となっています.大正期の煉瓦造建築として貴重.洋館...
香川県の県庁舎です.2022年2月の重文指定.【香川県庁舎旧本館及び東館】(HDR合成,撮影:2022年12月11日)丹下健三の作品で,昭和30 (1955)年着工で同33 (1958)年に竣工.八階建塔屋三階付の旧本館(写真左)と三階建の東館(写真右)があります.家具類もよく残っていて,57点が附で重文になっています.庁舎前は庭園になっていて,石灯籠3基,太鼓橋1基も附で重文.名称:香川県庁舎旧本館及び東館(かがわけんちょうしゃくう...
松江市にある2つの弥生時代の遺跡をまとめての史跡です.環濠集落なのかな?【田和山・神後田遺跡 - 田和山遺跡】(HDR合成,撮影:2022年11月14日)もともと田和山遺跡が史跡指定を受けていたところ神後田遺跡が追加され,史跡指定名称も変更されました.写真は田和山遺跡のほう.三重の環濠が特徴的です.集落をともなった環濠だけれども,環濠に囲まれた部分は狭く,環濠の外に集落があるのが普通ではないところです.これ,環...
「三仏寺 #1」の続き.残りの重文建築3件について.【三仏寺納経堂】(HDR合成,撮影:2022年11月12日)山を登って投入堂の少し手前の岩の窪みにある建物.納経堂という名称ですが,元々は三徳山の鎮守でした.神社建築の春日造の形式で,神社の種別での重文指定です.鎌倉期の建立といわれてきたけど,年輪の調査では1082年とでているので,平安後期の建立です.正規でない見世棚造だけど春日造では最古の遺構.現状では重文だけ...
今日は金剛寺から.前行ったのは金堂の修理時で,終わってから行こうと思いつつようやく行けました.その後,「金剛寺」の名称でいろいろまとめて重文指定があったので,そういうのも見たり.今日は早々に帰るつもりでいたので,他3ヶ所見ただけです.文化財近くの公園の駐車場に車を停めようとしたら,どちらも満車で時間くっちゃいました....
大阪にきております.行きの新幹線でいろいろ調べていたら,重文の吉村家住宅の公開が今日と明日ってことだったので,行ってきました(写真).大阪府の重文民家は非公開が多いので,もう少し見る機会があればなぁと思います.とりあえず数をこなしたいってことで,まだまだ未訪文化財の多い大阪府ですが,国宝仏を見に行ったけど,重文建築を撮っていなかった葛井寺とか,重伝建の範囲が広がったり,新しく重文指定のあった富田林...
伊豆国一宮の三嶋大社の社殿です.【三嶋大社本殿,幣殿及び拝殿】(HDR合成,撮影:2022年12月30日)本殿,幣殿,拝殿が一体となった権現造.本殿は三間社流造の形式です.写真は拝殿の部分で,桁行七間,梁間四間の規模.正面に千鳥破風と軒唐破風が付きます.慶応3 (1867)年の上棟で,このときの棟札が残っています.江戸末期の建築らしく装飾が多く華やかです.三嶋大社の宮司は矢田部氏が世襲していて,この家に伝わる文書は...
「建長寺 #1」の続き.【建長寺唐門】(HDR合成,撮影:2022年11月19日)寛永5 (1628)年の建立された東京芝の増上寺の門を正保4 (1647)年に移築したもの.向唐門の形式.方丈の正門となっています.【建長寺庭園】(HDR合成,撮影:2022年11月19日)方丈の北側にある池泉鑑賞式の庭園で国指定の史跡と名勝の両方の指定.蘭渓道隆が作ったといわれるけど,どう見ても鎌倉時代の様式ではないですね.鎌倉末期の文献では広大な苑池が...
江戸の大名庭園の遺構.特別史跡と特別名勝の両方の指定を受けています.【旧浜離宮庭園】(HDR合成,撮影:2022年9月25日)もともとは将軍家の鷹狩の場所だったけど,甲府藩藩主の松平綱重の別邸となり,その後,徳川家宣が浜御殿として改修し将軍家の別邸として使われていました.明治になると宮内省管理の離宮になり,その後都に下賜されて現在は都立庭園です.苑池は昔のままで,海水を引き入れて潮の干満で景観が変化する潮入...
埼玉県八潮市にある古民家です.【和井田家住宅】(HDR合成,撮影:2022年9月17日)重文指定は主屋と長屋門.主屋,長屋門とも同時期のもので,江戸中期頃の建築とされています.屋敷構えもよく残っていて,中世の居館のような構堀があったり,水害対策の水塚があったり.間取りは改造があったみたいで,元は広間型三間取りの変形.写真奥に式台が見えるけど,これは後補です.公開は1,8,12月を除く毎月第3土曜日のみです.名称...
小豆島にある寺院建築です.【明王寺釈迦堂】(HDR合成,撮影:2022年12月10日)元は高宝寺という寺院の釈迦堂.瓦の銘に建立の経緯が書いてあって,大永2 (1522)年の着工で,天文2 (1533)年の竣工.和様が貴重で,禅宗様がちょっと入っている感じ.中にある禅宗様の厨子も附で重文です.名称:明王寺釈迦堂(みょうおうじしゃかどう)文化財区分:重要文化財(近世以前/寺院)所在地:香川県小豆郡小豆島町池田...
島根県松江市の地蔵崎にある灯台.2022年2月の重文指定です.【美保関灯台】(HDR合成,撮影:2022年11月13日)重文指定は灯台と併せて,旧吏員退息所と旧第一物置.附で重文の便所や囲障などを含む一連の建造物群は明治31 (1898)年に建てられたもので,灯台は山陰地方では最古の石造灯台です.明治初期の灯台はイギリスの技術で建てられていたけど,この時代になると日本人技師が設計できるようになっていました.名称:美保関灯...
国宝の投入堂で知られる鳥取県三朝町にあるお寺.2回に分けて紹介します.【三仏寺奥院(投入堂)】(HDR合成,撮影:2022年11月12日)国内最古の懸造の建築.年輪年代法による調査で1098年頃に伐採した木が使われていることがわかっています.この調査に使われた古材は大正3年の解体修理で取り除いたものの一つで,これも含めた古材43点も附で国宝.流造の両側面に庇屋根と隅庇屋根が付く構造.向こう側に見える附属屋は愛染堂で...
伊豆にあるトンネル.近代土木の重要文化財です.【天城山隧道】(HDR合成,撮影:2022年12月29日)通称旧天城トンネル.明治37 (1904)年竣工の石造のトンネルです.長さが445.5 mもあり,この中の総切石積みの覆工などよく残っています.写真は南側の入口.両端は石造坑門が設けられています.名称:天城山隧道(あまぎさんずいどう)文化財区分:重要文化財(近代/産業・交通・土木)所在地:静岡県賀茂郡河津町梨本・伊豆市湯...
鎌倉の有名寺院.建長3 (1251)年に蘭渓道隆を開山として開かれた臨済宗建長寺派の大本山で,鎌倉五山の筆頭です.鎌倉時代の建物なんかは残っていないものの,文化財が多数あります.【建長寺山門】(HDR合成,撮影:2022年11月19日)境内の中心には山門,仏殿,法堂が南北に並んでいてどれも重文です.山門は安永4 (1775)年建立の三間一戸の二重門で,上層正面に軒唐破風が付いています.上層は二手先,下層は出組としているけど...