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  • 代田文誌先生の直筆原稿発見 ver.1.1

    平成25年7月9日、故・代田文彦先生宅に資料を頂戴しにお伺いした。奥様である瑛子先生(内科医)が出迎えて下さった。書籍関係は、大阪針灸専門学校の「針灸ミュージアム」での展示資料として持ち去られた後だったので、ビデオとスライド関係が中心になったのだが、代田文誌先生が著した雑誌の別刷りが数点出てきた。「洞刺の臨床的研究」日本鍼灸治療学会誌、第13巻、第1号(昭38.12.1)もその中にあった。驚くことにその中に代田文誌先生の生原稿が混じっており、「頸動脈洞刺針(洞刺)の研究StudyofTo-shi(PunctureoftheCarotidSinus)」と書かれていた。この原稿が日本針灸治療学会誌に載ったのは昭和38年のことであり、文誌63才と思われた。当時、文誌は長野市に住んでいた。(東京の井の頭公園隣に引...代田文誌先生の直筆原稿発見ver.1.1

  • 坐骨神経痛における下腿部治療点の検討 ver.2.3

    1.坐骨神経痛における標準的な下肢治療穴坐骨神経痛による下肢痛では、腰部の大腸兪や殿部の梨状筋部に圧痛点が出現することが多く、そのまま鍼灸の治療点となる。これは症状を腰殿下肢症状をもたらしている原発部なので当然である。それに加え、下肢症状部位の圧痛点にも施術することは、広く行われていることである。経絡派では、下腿前面は胃経、外側は胆経、後側は膀胱経、内側は脾経と腎経などと分類し、現代鍼灸派は、坐骨神経またはそ坐骨神経分枝の神経または神経支配筋を刺激することになる。一般的に使用する穴は次のようになるだろうが、なぜその経穴を選択するかとの問いに対し、圧痛硬結が好発する部だからという程度の回答で済ましているのが現状であろう。1)大腿後側:殷門・承扶(坐骨神経)2)下腿前側:足三里・上巨虚・条口・下巨虚(深腓骨神...坐骨神経痛における下腿部治療点の検討ver.2.3

  • 三焦・心包とは何か? ver.2.0

    1.五臓五腑あるいは六臓六腑?古典では陰陽五行説が支配しているので、内臓は五臓五腑に分別する。五臓とは肝・心・脾・肺・腎、五腑とは胆・小腸・胃・大腸・膀胱である。ところが経絡の正経は12経あり、それぞれに所属臓腑があるので、五臓五腑ではなく六臓六腑として把握される。臓には心包が、腑には三焦が加わるのである。三焦と心包は現代医学にない概念であり、解剖してもその実体がないことから、これまで心包と三焦は何を意味するものか、大いに議論されている。心包とは心嚢を指し、三焦とは腸の大網を指すという見解もあるが、私は、心包の機能とは心臓を動かす力であり、三焦とは体温を生む機能だと考えている。その理由を記す。2.心包・三焦の機能は生きていることのバイタルサイン生者と死者の臓器は基本的に同一である。ただ生者はそれが機能して...三焦・心包とは何か?ver.2.0

  • ケッペンの気候区分の手法による舌診分類の試みと経絡流注モデル ver.3.0

    1.舌体色(舌質色)舌体色は、血液の色が反映されており、主に寒熱を診ている。熱証であれば赤くなる。舌色は、卵の白身をフライパンで熱する時の変化に似ている。透明→白→黄と変化し、さらに熱せれば灰になり、その灰も黒くなる。ただし黒苔は暑いというレベルを超えて、極熱(=火傷)の徴候である。裏寒でも舌苔黒になるのは、凍傷の徴候であろう。ただし熱証には実熱と虚熱の区別があるが、実熱は外感に起因し、赤くなる。虚熱は陰虚(脱水状態)により、舌質が乾く。舌苔舌先や舌辺が鮮赤色ならば実熱。熱毒では紫色になる。寒証であれば舌色は淡くなる。寒熱は、脈診でいう脈の遅数と相関性がある。①淡紅舌(淡紅色):正常な血色→正常、表証②淡舌(淡白色):正常より薄い色→血虚、陽虚、寒証、気虚→貧血③紅舌(鮮紅色):正常より赤い色→熱証(実熱...ケッペンの気候区分の手法による舌診分類の試みと経絡流注モデルver.3.0

  • 奇経八脈の宗穴の意味と身体流注区分の考察 ver.3.0

    1.十二正経の概念図筆者は以前、十二正経走行概念の図を発表した。http://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/bac628918882edd51472352adefd6924/?img=0084a878810483f1998c462abef9281bこれと同じ内容をさらに単純化した図を示す。この図の面白いところは、赤丸の内側は胸腔腹腔にある臓腑で、鍼灸刺激できない部位。赤丸び外側は手足や体幹表面で鍼灸刺激できる部位となっているところである。鍼灸の内臓治療の考え方は、赤丸外の部位を刺激して赤丸内にある臓腑を治療すること、もしくは体幹胸腹側もしくは体幹背側から表層刺激になる。これは兪募穴治療のことである。2.奇経の八脈と宗穴1)奇経の基本事項上記十二正経絡概念図をベースとして、これ...奇経八脈の宗穴の意味と身体流注区分の考察ver.3.0

  • 首下がり病の針灸治療検討(89才、女性)ver.3.0

    1.本患者のこれまでの経緯4年前(85才頃)ほど前から、急に顔が正面に向けづらくなってきた。右手のしびれと脱力感も出てきたので、整形訪問。手根管症候群と腱鞘炎と診断され、手術をうけた。それにより右手症状は改善したが、顔の上げづらさは不変。顔が下を向いた状態で、正面を見ることが非常に困難。マクラをしないと仰臥位になることはできない。握力は左8㎏、右10㎏。患者の写真椅子に座ると、自然と背中を反らした姿勢となり、首下がりの状況を目立たなくしている。立位になると、後頭部より隆椎の方が低くなる。この患者は以前から頸痛、背痛などでたまに当院に受診していた。今回は2年ぶりの来院で、その時に顔が下を向きっぱなしになっていたので、非常に驚いた。高齢であることから、その時点では頸椎圧迫骨折による変形性頸椎症だと考えた。そう...首下がり病の針灸治療検討(89才、女性)ver.3.0

  • 犢鼻褌の話

    改訂版の学校協会編「経絡経穴学」では「外膝眼」の位置を「犢鼻」としている。つまり外膝眼と犢鼻は同じ部位となってしまった。日本経穴委員会が制定した以上、表だって反論はできないが、既存の鍼灸有資格者からは不評である。膝蓋骨の左右下縁には、内膝眼と外膝眼があり、そのすぐ下方の膝蓋靱帯上に犢鼻をとる。この3つのツボがセットとなって仔牛の目と鼻になるという、興味深いたとえが失われてしまった。わが道を歩む鍼灸有資格者にとって、このような変更は無視すればよい話であろう。話は変わり、江戸時代は、褌のことを犢鼻褌(とくびくん)とよぶことも多いことを知った。ちなみにわが国で褌をするようになったのは江戸時代中期からで、それ以前は着物の下には何もつけていなかった。褌は男女とも使われたが、女性では褌に代わり襦袢を着ることもあった。...犢鼻褌の話

  • 陰部神経痛の病態と現代鍼灸治療 ver.3.1

    1.陰部神経の解剖生理陰部神経叢は第2仙骨神経~第4仙骨神経の前枝から構成されており、尾骨に向かって下降する。仙棘靭帯をくぐって大坐骨孔を出て、すぐに仙結節靭帯をくぐって小坐骨孔中に入る。陰部神経はその後に、会陰神経、後陰茎神経(♂)、後陰唇神経(♀)、陰茎背神経(♂)、陰核背神経(♀)、下直腸神経、骨盤内臓神経などに分岐し、その運動と知覚を支配している。陰部神経は、肛門挙筋と外肛門括約筋の運動を支配しており畜便・畜尿時に漏れを防ぐ役割と、排便・排尿時に意志により、大小便排出を我慢する役割がある。また生殖器を支配している。肛門、外生殖器の皮膚知覚もつかさどっている。また陰部神経の末梢枝は下腹を上行するので、中極からの深刺では陰部に針響を送ることができる。これは膀胱炎や尿道炎の治療に用いられている。2.陰部...陰部神経痛の病態と現代鍼灸治療ver.3.1

  • 主要な脈状診の解釈

    1.脈状診とは寸口(橈骨茎状突起の内側の橈骨動脈拍動部。太淵穴)に指頭で圧をかけ、その指の感触から、病因の推測、寒熱の度合い、予後の判定などを診る診察法。※平脈:健康人の正常な脈を平脈とよぶ。平脈とは次のような脈をいう。一息(一呼一吸)に4~5拍動(術者の呼吸で判定)、リズムが一定、太くも細くもない。硬くも柔らかくもない。浮いても沈んでもいない状態。なお脈とミャク(月+永)は同じ意味である。漢字を構成する右側の造りは、水流の細かく分かれて通じる様子であり、これに月(=肉)を加えると、とくに細かくわかれて通じる血管をさすようになる。脈診で太淵穴を指頭で圧する意味は、太淵穴が部位的に圧しやすいという意味からであって、古代中国人は太淵穴の脈の具合を病態に照らし合わせ、体系的に整理していったと思われる。無数にある...主要な脈状診の解釈

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