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  • 前胸部ツボ名の由来 ver.1.1

    1.前胸部経穴位置の特徴前胸部は肺、心臓、乳房、横隔膜などで他に気管や胃などの重要組織があるが、前胸部のツボは、胸骨上もしくは肋間に整然と並んで、一見すると没個性的なのようにも見受けられる。では実際どういう構成になっているのだろうか。ツボの特性を大きく4つに分類して色分けした(下図)。①前胸部で<青色>で示したのは肺・呼吸器関係のツボである。昔の中国では肺はハスの花に例えられたこと、あるいは肺は現代と同じく呼吸作用で、他に宣散粛降作用がある関係で、解剖学敵な肺の位置より上になっているのだろうか。②前胸部中央<赤色>には心臓・精神関連のツボがある。中医でいう心とは、血液ポンプ+ハート(精神)の作用だった。③心関連のツボの周囲は<緑色>で、私の分類では区分・部屋・建物といった比喩的なものを示すツボがある。これ...前胸部ツボ名の由来ver.1.1

  • 痔疾の針灸治療 ver.3.0

    本内容は、令和5年10月15日奮起の会「下部消化器症状」で使用する現代針灸実技テキストからの抜粋になります。1.痔疾の基礎的原因肛門部における炎症を起こす攻撃因子が、肛門周囲の免疫力を上回った場合に痔となる。攻撃因子としては排便異常とくに便秘があり、免疫力低下因子としては疲労・ストレス・冷え・飲酒などがある。痔核・痔瘻・裂肛が、痔の三大疾患になる。基本的訴え:内痔核→出血、外痔核→排便時痛、裂肛→排便時痛、痔瘻→痒み※痔を「ぢ」と書くのは誤りで、正しくは「じ」である。「痔」は肛門静脈腫瘤ことで、それ自体は健常者にもあって疾患を意味しない。2.痔核(いぼ痔)1)病態生理(肛門上皮滑脱説)痔核とは、血管が拡張・蛇行した静脈瘤様病変で、大便の摩擦により静脈瘤の支持組織が滑脱した結果が内痔核だとする。現在主流の学...痔疾の針灸治療ver.3.0

  • 腹部ツボ名の由来 ver.1.3

    先回、前胸部ツボ名の由来を調べ、当ブログで報告した。この作業は知的好奇心を刺激するものだった。そういう訳ならば同じ方式で腹部ツボの名称の由来を調べてみることにした。腹部のツボについて、中脘などの「脘」は腹直筋を示すこと。ブログ「鼠径部の経穴」と「天文学と経穴」において、天枢の「枢」は扉の回転軸であることを示した。ツボの五枢の「五」とは五方のことで、ここでは全方向を指し、「五枢」が股関節がいろいろな方向に可動性があることを示している。気衝の「衝」は脈拍ではなく、胃経走行の直角に折れ曲がる様を表現している。太乙の「乙」とは大腸が折れ曲がって走行する様、もしくは太乙で胃袋の終わりをさすのかもしれない。膏兪の「膏」は横隔膜ではなく、膏膜(現在の腸間膜)であることを指摘した。中脘穴の外方2寸の梁門は、腹直筋の腱画を...腹部ツボ名の由来ver.1.3

  • ボアス圧診点について ver.1.2

    1.ボアス圧診点は胃・十二指腸潰瘍の反応点として広く知られている。ボアス圧診点の位置は、原著によればTh10~Th12椎体の左側になっている。上部消化器の所属デルマトームはTh5~Th9だが、圧痛点は押圧して求めるものなので、ミオトームの問題と解釈すれば、ほぼ合致していると考えるべきだろうか。それにしてもボアス圧痛点は「椎体の左側」という漠とした説明であって、これを起立筋上すなわち背部兪穴ラインで、棘突起の外方1.5寸の処だと解釈する者は多いと思う。2.一方、意舎は胃倉は、ボアス圧診点の外下方にある。沢田流では胃痙攣(今日でいう胆石痛)の治療点として有名な穴であり、本穴の刺針で強力な鎮痛作用をもたらすことが多い。ボアス圧診点と意舎・胃倉に共通するのが腰方形筋である。腰方形筋は第12肋骨を起始としているので...ボアス圧診点についてver.1.2

  • 乳根・膻中・中庭・歩廊のツボ名の由来

    両乳間を結んだ胸骨体中央に膻中(任)をとり、その下1寸には中庭(任)がある。中庭の外方2寸に歩廊(腎)をとり、歩廊のさらに外方2寸に乳根(胃)をとる。以上の経穴の中で歩廊以外は、基本的ななツボであり、取穴の基準点ともなっている。1.乳根乳根の穴名由来は、自明なの省略する。左乳根は心尖拍部(=虚里の動?)であり、古典では胃の大絡として認識されたと考えている。これについての説明は、筆者のブログ参照のこと。胃の大絡と脾の大絡の考察2023.6.9https://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/f1b72a840a5c85aa0f5a2b07a07414f02.膻中「膻」とはヒツジのように生臭いのこと。膻中は乳頭の間にあるので、仰臥位で寝ている時などに乳頭から漏れ出だ乳汁が流れ出て、膻...乳根・膻中・中庭・歩廊のツボ名の由来

  • 便秘に関する局所針灸治療点の検討 ver.3.0

    本稿は、第8回針灸奮起の会「内科症状の現代針灸」10月14日講義<第2章中・下腹部症状>の内容の一部を掲載しました。ここでは、常習性便秘に分類される、緊張性便秘、弛緩性便秘、直腸性便秘の対症療法治療点について記す。1.腰部からの刺針内臓体壁反射の理論では、大腸は上行結腸~下行結腸までは交感神経が主導権を握り、反応は背部に現れる。さらに大腸の上行結腸と下行結腸は後腹膜に固定されている。下行結腸刺激する目的として、左大腸兪・左腰宜(ようぎ=別称、便通穴)などを刺激する。下行結腸は、腰方形筋の深部にあるので直刺深刺すると内臓刺ができる。この部は皮下脂肪や筋組織が豊富(下図では少なく表現されている)なので、深刺すべきである。上行結腸と下行結腸の内縁には腎臓(h12~L3の高さ)があるので、下行結腸に刺入する際には...便秘に関する局所針灸治療点の検討ver.3.0

  • 腸症状に対する遠隔治療穴の原理

    ※本ブログ内容は、令和5年10月15日、針灸奮起の会「内科症状の現代針灸」、<第2章、中下部症状の現代針灸>でも取り上げます。1.下腹部臓器の体壁反射表の見方①内臓は交感神経と副交感神経という2つの自律神経で制御されている。どちらが優位であるかは定まっており、胸腰系内臓は交感神経優位、頭仙系内臓は、副交感神経優位になる。②上表の見「虫垂・上行結腸:Th9~Th11(+)前、骨盤神経(-)」との意味は、Th9~Th11デルマトーム交感神経優位であり、体幹前面に反応は出現する一方、副交感経支配は優位ではないことを示す。③Th9~Th11デルマトーム交感神経反応は、皮膚のザラツキ、冷え、発汗などの皮膚所見となり、診察上見逃されやすい。しかし交感神経興奮がある閾値を超えると体性神経に刺激が漏れ出すので、体性神経デ...腸症状に対する遠隔治療穴の原理

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