と、その時「ほっ ほっ ほっ ほっ・・・・・」と笑う声がして、八甲田山のすぐそばに サワ――形のいい山が、ポカッと顔を出したど。「わたしは岩木山よ。なにさ、だまって聞いていればおらが 一番だ、おらが一番だって いばりくさって。だったら わたしと 競争して
「よっくもおらに、でっけえ口をきいたな。この やろう」 八甲田山は 大きなげんこつで ゴツーン。恐山の頭を ぶんなぐったど。・・・ 恐山の頭がペコンと へっこんで そこに雨水がたまってできたのが、今の宇曾利湖だど。「やっぱり おらが 一番だべせ」八甲田山は
「恐山 けっぱれ。負けるな。けっぱれ!」あたりの 山たちの応援に 恐山は、「よしきた うーん。も ひとつ うーん」・・・だども もう力が出てこねえ。「おら、もう だめだすけ」恐山は がくっと 首を うなだれだど。
「うわーい、けっぱれ、そーれ けっぱれ 恐山!」 あたりの山たちは 大声で応援したど。ズズズーン ズズズーン ズズズーン恐山が八甲田山よりも 高くなった。「やあ、恐山が 八甲田山より 高くなったど。勝った! 勝った! 勝ったすけ」「なんだ、
ところが、北のほうにある 恐山だけが「おらは 降参しねえど。お前よりももっと もっと 高くなってみせらあ」・・・恐山は、ウーンと 大きく息を 吸い込み、フウーっと はき出しながら、頭をグイッと上げると、ズズズーンと背がのびたど。 ・・・また息を吸い込んで、
「なんだと、このちびすけめら。なら、こうしてやる」といって、八甲田山がユサッと体をゆすると、ゴワーッと 大きな波があたりの山へかぶさって いったど。「うわぁ、ブクブクブク。息がつまりそうだすけ」「まいった、まいった」あたりの山たちは、みんな 降参したど。
「一番のりは、この おれ様だ。だから、お前たち は、みんな おらの 家来だど」 ・・・・ところが、「おらは、お前の家来で ねえすけ」ってちびっこの山が、さけんだど。「そんだすけ、おらたちは お前の家来でねえすけ」 ほかの山たちも わやわやわや
ガギッ、ガギッ、ガギガギ ガギガギ、ゴボーッ。一番はじめに 顔を出したのは、八甲田山だ。「おらが、一番のりだどー」しばらくすると、あっちに ポカッ。 こっちに ポカッ。 ポカッ ポカッ ポカッ。いろんな山が 顔を出したど。
むかし むかし、ずぅーとむがしの話っこだ。天の神様が 下を見ていたら、「なんぼ さびしいけしきだな。 どこを見ても 青い海ばかりだ。 ひとつ 山でも作って、にぎやかにしてやるべが」と、いいながら、そこらの石ころを手ですくうと、ザザザーと 海へ ぶちまけた
それでは、津軽のむがしっこ、『けんか山』の紙芝居はじまり、はじまりー。
かにたちは、みんな足を組合うと、大きないかだのようになってその上におちよの籠をのせ村の方へ泳ぎ始めたド。『おちよだ。おちよが帰ってきたすけ。』村の人たちも、みんな浜へ出てきたド。『おらは、あんたに命を助けられたかにの子どもの父親だすけ。お礼に、あんたの娘
さて、こっちの方では海蛇の大将とかにの大将との一騎討ちが始まった。海蛇の大将は、長い体でかにの大将のこうらをぐるぐると巻いて、ぐいぐいと締め付けた。 その時、かにの大将は、大きなハサミをぱっと開くと、海蛇の大将の首をすぽっと切り落としてしまった。大将をや
海の中は、たちまちかにと海蛇のすごい戦いになった。一匹の海蛇に、何十匹ものかにがとりついてハサミで海蛇の体を切ろうとしたりまたむこうでは、海蛇がまっ赤な口を開けて、バリバリとかにをかみ殺しているものもある。海は、傷ついた海蛇たちの血で、まっ赤に染まってし
その時だ。『おちよさーん、助けに来やんしたぞ。』みると、向こうの岩かげから、何十、何百匹という、かにの大群がこちらに泳いで来るのが見えた。『おちよさーん、助けに来やんしたぞー』
コンブやホンダワラがゆらーり、ゆら―り揺れている海の中をおちよのかごを取り巻いて泳いでいたのは、なんと、何十匹というまっ黒な海蛇だったド。『やや、竜神様だと思っていたら、海蛇だすけ。』さすが、しっかり者のおちよも体をうねらせて泳いでいる海蛇の行列を見て驚
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