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2010/08/29

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  • 小説『魔界の饗宴』 その79

    クリック面白い、と思ったらクリックしてください。注意)一部暴力的、性的表現が含まれますからご注意ください。本作はすべて架空であり、国名、団体名、個人名はすべてフィクションです。著作権は作者に帰属します。マレイシア、クアラルンプール、ブキットビントン駅検問所けたたましい衝撃音とともに、検問の鉄柵が宙を舞った。検問の警官たちが悲鳴を上げて散る。猛スピードで突っ込んだプロトンのセダンは、そのまま正面のパトカーの横腹を直撃。運転する扇谷の目の前にエアバッグが飛び出した。前が見えない。銃を抜いた警官たちが発砲の構えでステイする。扇谷慎二郎は歯を喰いしばりながら、ギアをバックに入れ、後ろを確認もせずまたアクセルを蹴った。プロトンが、ギイイイ、と金属的な音をたててタイヤを軋ませる。後ろのパトカーに激突する。扇谷慎二郎の首がガ...小説『魔界の饗宴』その79

  • 小説『魔界の饗宴』 その78

    クリック面白い、と思ったらクリックしてください。注意)一部暴力的、性的表現が含まれますからご注意ください。本作はすべて架空であり、国名、団体名、個人名はすべてフィクションです。著作権は作者に帰属します。東京、霞ヶ関合同庁舎別館、内閣府「ADCT」事務局富山利三が去った戦略室にその感傷に浸る余裕はなかった。クアラルンプール市警と交信していた捜査官が、壁の液晶スクリーンをクアラルンプール市内の検問に設置されたCCTVから衛星を通して送られた画像に切り替える。検問の画像は点滅するように、十秒単位で違う風景に切り替わり、それが繰り返される。皆、その画面に視線を走らせた。小林捜査官が言う。「あれを、アップに」全員が各自のPC画面から顔を上げ、スクリーンを見た。車が検問に突っ込もうとしている。おお、とどよめきが戦略室に広が...小説『魔界の饗宴』その78

  • 小説『魔界の饗宴』 その77

    クリック面白い、と思ったらクリックしてください。注意)一部暴力的、性的表現が含まれますからご注意ください。本作はすべて架空であり、国名、団体名、個人名はすべてフィクションです。著作権は作者に帰属します。マレイシア、クアラルンプール市内アブドラの車には無線が備えてあった。俺はきっと手配されている。一刻もはやく非常線の外に抜け出す必要がある。無線のスイッチを入れる。ガーガー、ピーピーと雑音が唸る。ツマミを回して周波数を調整する。古い型の無線装置。―・・・は、変化ありません、・・・、ムルデカスタジアム、異常なし、・・・、ガーガー、スルタン・ヒシャムテイン、はい、異常なし・・・。アブドラ・メルサ刑事がモノレール高架横の幹線道路添いで殺されたこともいずれ知れるだろう。扇谷は無線をそのままに、少しスピードを緩めながら、アブ...小説『魔界の饗宴』その77

  • 小説『魔界の饗宴』 その76

    クリック面白い、と思ったらクリックしてください。注意)一部暴力的、性的表現が含まれますからご注意ください。本作はすべて架空であり、国名、団体名、個人名はすべてフィクションです。著作権は作者に帰属します。(今回は暴力シーン含みます)マレイシア、クアラルンプール市内KL(クアラルンプール)市警のアブドラ・メルサ刑事は、百メートルほど前方に覚束ない足取りであるく男の姿を発見した。ジーンズとカーキ色のシャツ。アブドラは慎重にスピードを落とす。モノレールの高架脇の市内幹線道路。クアラルンプールの中心部とはいえ、相変らず行き交う車は疎らだ。白昼でも閑散とした風景。静かにプロトンが男の後ろに滑り寄る。髪型は短い整髪、色は黒。中肉中背。身長一七〇センチ。ターゲットである可能性が高まる。アブドラは大きく息を吐き、ダッシュボードか...小説『魔界の饗宴』その76

  • 小説『魔界の饗宴』 その75

    クリック面白い、と思ったらクリックしてください。注意)一部暴力的、性的表現が含まれますからご注意ください。本作はすべて架空であり、国名、団体名、個人名はすべてフィクションです。著作権は作者に帰属します。マレイシア、ボルネオ島、サラワク州、クチンイザベラ・アスペは手掛かりのないまま、また昨日と同じように川端のベンチで風に当たっている。―ほんとうにこんな田舎に女がいるのか?掌の携帯を見詰める。私も暇じゃないのよ。李にそう言いいたい。早く始末して、自分は香港に帰りたい。サラは三人の幼い娘を連れ、こちらもまたいつもと同じように、川端の公園に向かって歩いていた。いつもと変わらぬ娘たちの、無邪気で明るい嬌声。シンのいない時間。クチンは今日も快晴。太陽が青天に輝いて、今日も同じように、サラは陽の光を浴びている。東京、霞ヶ関合...小説『魔界の饗宴』その75

  • 小説『魔界の饗宴』 その74

    クリック面白い、と思ったらクリックしてください。注意)一部暴力的、性的表現が含まれますからご注意ください。本作はすべて架空であり、国名、団体名、個人名はすべてフィクションです。著作権は作者に帰属します。マレーシア、クアラルンプール郊外の国道李磊と、チョンブリ警察署のタテヤ・ラクサラップ警察官は、未明にパタンデザールの国境を越え、マレイ半島をBMWで吹っ飛ばし、クアラルンプール市内へ着いたところだった。三十分前に、ボルネオ・クチンへ《扇谷の情婦》を捜しに行ったイザベラ・アスペから連絡が入ったが、未だ何の手掛りもない、という内容だった。―急げ、イザベラ。李磊はイザベラにそう言って電話を切った。その更に十五分後に、ソムラン・チャイヤポンから隣でハンドルを握っているタテヤ・ラクサラックに連絡が入った。《ユニオン・リージ...小説『魔界の饗宴』その74

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小説『Feast of Devildom』
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