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yamada
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2010/08/21

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  • 双子を乗せて その6

      よく見ると、立つを頑なに主張した活発そうな子が座っており、座るを精一杯主張した気弱そうな子が立っていたのだ。 言ってることやってることがあべこべじゃないか? バスがとまったら、どういうことか二人に訪ねてみよう。 …と決めた瞬間

  • 双子を乗せて その5

    車内が静かになった。二人はそれぞれ離れた場所に落ち着いたみたいだ。相変わらず対立してるみたいだが、言い争いを聞かされ続けているより断然いい。 前方のほうにいる二人を目で追うとそれぞれの主張どおり、一人は座席に座っており、一人は運転手の側に

  • 双子を乗せて その4

    立つことを主張していた方の子は息を荒だて、座ることを主張していた方の子は半べそをかいていた。 「状況にあわせて、かえればいじゃないか。」  とりあえず二人をなだめる。「混んでたら立つしかないけど、空いてるのなら座ればいい。」「…

  • 双子を乗せて その3

    だんだんとヒートアップしてきてつかみ合いになりそうだったので、止めに入った。「まあまあ、二人とも落ち付けって」「だって!…こいつが座るほうがいいって聞かないから。男のくせに。」 こっちの子は割と活発そうだ。「だって!…あとの人たちが困る

  • 双子を乗せて その2

    「座るなんて男のくせに女々しいんだよ!」「立ってると、あとのみんなが困ることになるかもしれないじゃないか!」「根性なし!」「わからずや!」 そんな争いだ。にほんブログ村

  • 双子を乗せて その1

    二人の男の子が乗ってきた。 小学高学年くらいだろうか、鏡をみているかのように顔も服もおんなじで間違いなく双子だろう。  二人はなにやら言い争いのケンカをしている。 にほんブログ村

  • テンガロンハットを乗せて その3

    それは昭和の名俳優『勝新太郎』の言葉だ。 しばらくして、老人は次の停留所で降りていった。 老人が座っていた場所には表紙の顔だけが切り抜かれたエロ本がポツンとおいてあった。 …よく見ると、発行年月は昭和72年らしかった。 ヨレヨレで、なんだ

  • テンガロンハットを乗せて その2

      突如、その老人は低いトーンでささやくようにつぶやいた。『…無駄の中に宝があるんじゃ……無駄の…中に…』にほんブログ村

  • テンガロンハットを乗せて その1

      僕(ヤマダ)の座る最後部座席から見て右前方に、テンガロンハットをかぶった老人が座っていた。 乗客は僕と老人だけだ。 黄色いテンガロンハットをかぶったその老人は、しきりに右手の爪の匂いを嗅ぎながら、左手にもった菊の花を交互に嗅ぎ

  • ヤマダを乗せて

    ヤマダは長い田舎道を黄色い小さなバスの一番後ろの席で揺られていた。 帰省していた田舎の町から、ゴミゴミした蟻の巣みたいな街に帰る途中だった。 バスは彼を乗せ、ガタゴト進んでいく。にほんブログ村

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