「イモの煮えたもご存じない」という言葉がある。これは『江戸いろはかるた』に出てくることわざ。いろはの「い」は、もちろん「犬も歩けば棒に当たる」。『江戸いろはか…
小さな外国語スクールの代表者が発信する日常的なエッセイ。 好奇心と知性的な笑いを心がけている。
2009年暮れよりはじめて、 どこまで続くかな? おっ、まだ続いている!
今日、宝くじ売り場の前を通ると「一粒万倍日」などという幟が立っていた。一粒が万倍にも増えるという験の良さを感じさせる字面。この売り場前には、時折「大安吉日」な…
寒い季節になってくると、山に食物が不足してくるのか、ウリ坊をつれたイノシシが街中を徘徊することが多くなる。当地では、イノシシをあまり恐れず、住民と共存して生活…
千利休の高弟とされる七人の武将を「利休七哲」と呼ぶことがある。この七人は諸説があるが、そのひとりに数えられる茶人・古田織部は、織部焼きなどに代表されるように、…
「無為自然」という言葉がある。これは、中国の戦国時代の思想家である荘周(荘子) の考え方を表す言葉。簡単に言い表せば、「あるがままを受け入れてごらん。そうすれ…
「双六(すごろく)」と言えば、日本では、かなりの太古からの記述があり、『日本書紀』にも出てくる。これは、お正月によく遊ぶ「絵双六」とは形式が異なっていて「盤双…
この季節になると三島由紀夫が思い浮かんでくる。あの衝撃的な事件から、そこで自死に至ったのは11月25日のこと。その当時、当方は、アンチ三島由紀夫といったところ…
日本では高校野球で破れた時に、悔し涙を流すことを当然のことのように受け止めているところがある。西洋世界では、幼ない子どもが、涙を見せることはあっても、ある程度…
吹く風が冷たくなって来たが、昼間などは、まだ穏やかな日差しなどがあり、そんな昼下がりに落ち葉の舞い散る中を散策してみる。『徒然草』の二十二段に、散策を好んだ中…
イントロ・クイズというのがある。ある楽曲の頭出しの部分を聴いて、すぐさま曲名を当てるクイズ。得意な人は、僅か1~2秒で聞き分けてしまう。次々と曲名を答えていく…
ビートルズの『アビイ・ロード(Abbey Road)』は、12作目のオリジナル・アルバム。もはや既に解散が噂されていた1969年の作品だった。注目を浴びたのは…
「朝目覚めて何をする?」こんな言葉を投げかけられると、どう応えるだろう?おそらく、始まる一日の憂鬱さや眠さを感じながら身支度する。実際に、起き上がってから一番…
外国人から見た日本は、どのように映っているのだろうかと思う事がある。かつて、日本で”ガングロ”などが流行していた頃、オーストラリアのテレビ局が、それも含めた日…
「制度疲労」という言葉がある。これは、ある制度が制定された当初は役に立っていたけれども、時代の流れとともに機能しなくなること。たしかに、人の動きは様々に変わっ…
ドイツのルネサンス期の画家、デューラー(Albrecht Dürer) は、変革の嵐が吹き荒れるような頃に生を享けた。彼の作品には、『騎士と死と悪魔』『黙示録…
ロシアの文豪・チェーホフに「人間は、好んで自分の病気を話題にする。彼の生活の中で一番面白くないことなのに」という文がある。病気は、本人にとって不本意で忌まわし…
先日、知人のところに裁判員候補者の通知が来たそうだ。大義そうに行っていたが、嬉しそうな響きも見え隠れしているようにも見えた。さて、どんなものだろうか?「基本的…
落語に出てくる人々には、働き者でしっかりした者は出てこない。仕事もせずに、ふらふらしている者や粗忽者ばかり。決まって長屋暮らしをしている。その長屋の部屋だが、…
小林一茶の俳句に、「大根(だいこ)引き 大根で道を 教へけり」というのがある。畑仕事で大根引きをしている人に道を尋ねると、抜いたばかりの大根で、あっちの方だよ…
囲碁や将棋がブームだという。若い世代の棋士が新風を巻き起こしていることが人気の要因だと言われている。若い棋士たちは、コンピュータと対戦することで めきめき力を…
「光より早い乗り物ができれば、理論的にはタイムマシンは可能」となる。こんな議論をしたのは、中学生の頃だった。だけども、あれから幾十星霜。当時、熱狂した超新星爆…
ステレオタイプ (Stereotype) という言葉がある。ものの考え方や表現が紋切り型で一様であることを表現する時に使われる言葉。元々は社会学の用語として使…
今日は皆既月蝕。月蝕前の月。月よりも、むしろ妙に星が写り込んでいる月蝕の赤い月天気が良かったせいで、今宵は、この大空を舞台にした天体ショーを楽しんだ。遠い未来…
江戸時代を中心に願人坊主(がんにんぼうず)という存在があった。「坊主」と呼ばれているところから判断すると剃髪僧形。つまり、お坊さんの形(なり)はしているが、得…
熊野三山(くまのさんざん)と言えば、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された霊場のこと。具体的に熊野三山といえば、熊野本宮大社、熊野速…
今年のノーベル文学賞にフランスの作家アニー・エルノー氏が選出された。年齢は82歳。ヌーヴォー・ロマンの作家たちと年齢的には変わらない。今でも溌剌として元気で活…
人には、「極地」に対する憧(あこが)れがある。コロナが収まりつつあるこの頃、「極地」を冠したツアーも回復傾向にある。南極点に立つ。犬ぞりで北極圏をまわる。極地…
数学者や科学者には、とっつきにくいイメージがある。ところが、失敗したり人を食ったような世界があれば、この人「話せるぜ!」という気になる。万有引力で知られるアイ…
「柿」はどこから?という疑問がある。小説家の獅子文六氏が、イタリアを旅行した時に「柿」を見つけて名を訊ねると、「カキ」と答えたという。日本人と柿との関わりは古…
しっとりと落ち着いた秋になると何故か京都に行きたくなる。京都は、秋の風情がよく似合う。秋から冬に至る頃は、疏水べりの小径「哲学の道」が風情深い。哲学者・西田幾…
「日本六古窯」の一つに数えられ、古来からの焼き物の伝統を伝え、今なお、焼き続けている「丹波立杭焼」の窯元の一つをよく訪ねたものだった。そこではガス窯や電気窯と…
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「イモの煮えたもご存じない」という言葉がある。これは『江戸いろはかるた』に出てくることわざ。いろはの「い」は、もちろん「犬も歩けば棒に当たる」。『江戸いろはか…
「煮ても焼いても食えない奴(やつ)」という表現がある。あまりに強情で 自分の考えを変えることも他人の言うことも聞かない。扱う方法がなく、どうすることもできない…
映画『PERFECT DAYS』は、役所広司主演の2023年の映画。実際に2023年をモデルとして描いている。主人公は東京の公園のトイレ掃除を職業とする初老の…
古代中国の思想家の一人に老子がいる。彼の考え方に「無為自然」というのがある。これは、自然の摂理に従い無理な力を加えないという考え方。もう少しわかりやすく言えば…
「乙(オツ)」という表現がある。昔の落語家なども、よくこんな言葉を使った。趣きがあって、ちょっといい感じ、と思わせるものに使う言葉。用法としては「乙(オツ)で…
「実存主義哲学」なるものがある。実存主義というので有名なのは、フランスの思想家J・P・サルトルだが、その祖とされるのは19世紀のセーレン・キェルケゴール。今は…
当方は四字熟語に、つい惹かれるところがある。漢字クイズなどで難解な文字が入った四字熟語が出題されると妙に燃える。例えば「喧々囂々(けんけんごうごう) 」と「侃…
先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
こんなに暑くなるとビールが欲しくなる。ビールの誕生は、およそ紀元前4000年のメソポタミアでのことだという。誕生は、予期しないものが偶然生み出されるというセレ…
「なめんなよ」という表現は、あまり、紳士的な言葉とは言えない。今日の石破首相の発言「なめられてたまるか」という言葉が話題になっている。これは、トランプ大統領と…
我が地域の裏山に相当するところに六甲山(ろっこうさん)という山がある。931メートルという高さで、ケーブルカーなどもあり気軽に登れる山だが、意外に遭難も多々あ…
アイルランドと言えば、何かにつけてケルト人やケルト文化が取り上げられる。多神教の雰囲気を持った文化だが、そのケルトと言っても、それほどの昔の話ではなく、紀元後…
心の中にあることを言わないで溜めておくのは精神衛生上良くない。『徒然草』十九段に「おぼしき事言わぬは、腹ふくるるわざなり」と出てくる。著者・吉田兼好の時代には…
「もったいない」という言葉がある。漢字で表すと「勿体無い」となるが、この「勿体」という言葉はもともとは仏教用語で、「本来のあるべき姿」を意味する言葉。「もった…
芥川賞は、今はそれほど大きな話題とならないが、1969年の受賞作・庄司薫『赤頭布ちゃん気をつけて』は、大きな反響があった。この小説は、大学紛争のため東大の入試…
「ここがロードスなり、ここで跳べ」という言葉がある。これは、イソップの寓話に出てくる話。あるホラ吹きの男がいて「オレは、(ギリシャの)ロードス(島)にいた頃、…
いつの頃からか、スポーツニュースが始まると大谷選手の活躍から放映される。メジャーの選手とも伍して戦える日本の選手がいることが素直に誇らしく思える。もう、メジャ…
「不如意」という言葉がある。これは、漢文のように返り点をつけて読み下すと「意の如くなら不(ず)」となり、これを簡単に表現すれば「思い通りにならない」。この「不…
今年のカンヌ映画祭、最高賞のパルム・ドールは、イランの映画監督ジャファール・パナヒ氏の"Un Simple Accident" が受賞して閉幕した。世界には、…
「何もなければ、また来週」先週、わが外国語スクールの生徒さんが帰り際に外国人講師に発した言葉。言われた時には、その講師は真意が良くわからなかったが、すぐに納得…
フランスの劇作家・ジャン・ジロドゥの劇『オンディーヌの呪い』というのがある。この主人公となるオンディーヌは、美しい妖精のこと。オンディーヌは、水の世界に住む妖…
いよいよ梅雨明け。本格的な日差しが照りつけるようになった。日傘は必需品。百貨店での商戦では、男性用の日傘が人気のようだ。そして、目立つのはインバウンドの観光客…
時々、書棚に並ぶ夏目漱石の小説を開いて拾い読みをすることがある。読めば「やっぱり漱石らしい」と感じさせられる。その当時の小説家は、それぞれに個性的な文体を持っ…
「もうどうしようもない」という意味を表わすフランス語に"ニンジンが煮えてしまった(Les carottes sont cuites)" という表現がある。様々…
パリ・オリンピックも、いよいよ開幕間近となる。今回は、32競技329種目で熱戦が繰り広げられる。ロンドンでは、26競技302種目であったことから思えば、ブレイ…
松尾芭蕉の句に「這(は)い出(いで)よ かいやが下の ひきの声」とある。「かいや」は養蚕部屋。「ひき」とは蟇(ヒキガエル)のこと。これは、『奥の細道』の中で詠…
高村光太郎は彫刻家でもあるが、詩人としても知られる人物。彼の詩に「根付(ねつけ)の国」というのがある。「根付け」とは印籠(いんろう)などを帯と結ぶための紐(ひ…
四字熟語に『捲土重来 (けんどちょうらい)』 というのがある。ちょっとむずかしい表現だが、意味としては、「一度失敗した者が、再び勢力を盛り返してやって来る」こ…
イタリア料理のお店で「リストランテ」と呼ぶのは、高級なレストランで、大衆的な食堂は「トラットリア」と呼ばれるのが通例。「オステリア」は居酒屋を意味する言葉だが…
バイデン大統領の次期大統領選への出馬に関して日増しに反対の声が高くなってきている。現在81歳。もしトランプ大統領が返り咲いたらそれも恐怖だが、バイデン大統領が…
いよいよ大阪万博が近づいてきた。その大阪だが、江戸時代は、庶民が作った自由な街。幕府のお膝元、官僚的な江戸とは違う文化が形成された。当時の大坂は、公共事業に関…
思いを寄せている人に、「あなたのことは忘れました」と言われるとショックだろう。ところが、これを逆手に取ることによって、かえって想いの深さを表現する場合もある。…
『奇貨居(きかおく)べし』という言葉がある。「奇貨」とは、めずらしい貨幣のことで、これをとって置いておけば、値打ちが上がり大変なものとなるという意味。この言葉…
日本のプロ野球の優勝チームは、健闘を讃えて”ビールかけ”を催すが、アメリカのメジャーリーガーたちは、ビールではなくシャンパン。すなわち、"シャンパン・ファイト…
アフリカのタンザニアで1936年に撮られた写真には、奇妙な二人が写っている。これは、この地方に古くから伝わる呪術師。今でもタンガニーカと呼ばれる地域では様々な…
新紙幣がスタートした。20年ぶりとなる新紙幣。今日、銀行で預金を引き出すと全て新紙幣になっているのに驚いた。それで当然なのだが、こうやって少しずつ変えられてい…
オーロラや流星群など、自然が織りなす現象と都会とは相容れないところがある。自然現象を見たければ、極地の大平原に限るが、都会にあるビル群と自然とがタッグを組んで…
「洛陽(らくよう)の紙価を高める」という表現がある。これは、ベストセラーの本になることを婉曲的に表現する言葉。この語源となったのは、中国、魏蜀呉が擡頭していた…
「あべこべ」という意味をあらわす英単語に"topsy-turvydom" というのがある。明治時代になって日本を訪れたアメリカ人は、よくまあ、これだけ逆なもの…
初代・引田天功氏は、水中や爆発などの極限状態から脱出するというマジックで知られ、1970年代に命からがら「脱出」するといったパーフォーマンスで人気をさらった。…