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  • 『拳銃無頼帖』と西村晃の中国人マネ

    片岡さんの映画にまつわるエッセイや映画評のマニア度は半端ない。これまで何度も感嘆した。そしていま、『一九六〇年、青年と拳銃』(毎日新聞社)を読んでいる。赤...

  • 舌を巻くが勉強になる

    川本三郎さんの映画や小説についての本を、いつも楽しく読んでいる。『映画の木洩れ日』(キネマ旬報社)もそうだった。「キネマ旬報」の2017年から2022年に...

  • トン・グラミに改めて猛烈に満足している

    トン・グラミと言えば、テレビドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(原題:이상한 변호사 우영우)の主人公ウ・ヨンウの友達の名前なのは誰でも知っている。→ht...

  • 北欧舞踊に酔うヴァイオリンソナタ

    グリーグのヴァイオリンソナタ全集をこのところ毎日何度も聴いている。あの佐藤俊介が古楽奏法やバロックに傾注する前のもので、ロマン的な曲を風味豊かに弾いている...

  • 映画は二度目で分かる

    同じ映画作品を意図せずにひと月に二度観てしまったことがある(『FOUJITA』)。そのときは、俺ももうボケが始まったのかと愕然とした。→https://h...

  • 外濠を堰き止めた有楽町線

    昭和の航空写真を眺めていたときハッとした。1974~1978年撮影の市ヶ谷駅付近のものだ。→https://www.map-navi.com/line/s...

  • じゃない方の『若草物語』と、空恐ろしくなること

    『若草物語』といえばオルコット原作のものばかりと思っていた。その題名の映画を観たら、じゃない方のもので驚いた。1964年、日活。時代は東京オリンピックの年...

  • 卓球に覚醒させられる

    先週から今日まで、世界卓球選手権が開催されている。国際機関→https://worldtabletennis.com/eventInfo?eventId=...

  • 『小津安二郎と七人の監督』で学ぶ

    『小津安二郎と七人の監督』(貴田庄、ちくま文庫)を読む。平凡社で出されていた『小津安二郎と映画術』を文庫にしたものだそうだけれど、内容豊かでよかった。七人...

  • 歌が聞こえる小説

    『牧野富太郎の恋』(長尾剛、朝日文庫)を読了。ページを繰るたびに「らんまん」のテーマ歌曲が頭のなかに鳴り響く。富太郎と妻、壽衛(すえ)の物語だ。二人の素晴...

  • 『ピアノへの旅』の気品

    『ピアノへの旅』(坂本龍一、アルテスパブリッシング)を読了。実に品の良い、洗練された対談集だった。相手の上尾信也、伊藤信宏も音楽への造詣が深くて、ああ、こ...

  • フィンランド映画に癒される

    ちょうどいまカンヌ国際映画祭の最中だけれども、2021年にグランプリ(パルム・ドールの次点)とエキュメニカル審査員賞を取った作品を観た。『コンパートメント...

  • 『オーバー・ザ・レインボー』は『ラスト・プレゼント』の鏡像

    シネマート新宿で「韓流映画祭2023」というのが始まったと知って、週末の上映に向かった。(補足:このスクリーンは以前は新宿文化シネマだった。)→https...

  • 『TRY48』に挫ける

    子供の頃、他の子が持っていると自分も欲しくて仕方なくなり、親にねだって漸く買ってもらったりした。少し遊んだだけですぐに飽きてしまい、「飽きっぽ過ぎわよ」と...

  • 『モンパルナス1934』のこと

    『モンパルナス1934』(村井邦彦☓吉田俊宏、blueprint)を読了。昭和初期から40年余りの日本と欧米の芸能文化の世界を描いたドキュメンタリー小説だ...

  • 「にがい米」にハッとする

    このあいだ読んだ村上龍の本でイタリア映画『にがい米』が紹介されていた。→https://hankichi.exblog.jp/32958067名作映画 1...

  • グリーグさん、こういう音楽だったのか!

    ラドゥ・ルプー(Radu LuPu、ローマ字の綴りはUだらけだ)の演奏をよく聴くようになった。そんななか、グリーグとシューマンのピアノ協奏曲集を手に入れて...

  • こんな番組を観れば誰もが泣く

    ある映画のなかで、主人公が釘付けになるビデオがある(どういう背景かはここでは書かない)。アメリカのその番組のことは知っていた。日本の『オーケストラがやって...

  • 映画人と評論家の長い長い対談

    『映画長話』(蓮實重彦、黒沢清、青山真治、リトルモア)を読了。いやはや、映画人たちのマニアック度合いには舌を巻いた(呆れた、というニュアンスも入っている)...

  • 「TAR」を観る

    観たくて仕方がなかった映画「TAR」に足を運んだ。→https://gaga.ne.jp/TAR/ケイト・ブランシェットの演技が半端なく(というか異常に)...

  • 「しな」を通しての幻視

    デビューした新進気鋭のヴァイオリニストを見ながら、若さとか溌剌というのはこういうことを言うのだと思った。彼女の語りや演奏を通してもそれは伝わってきて、ああ...

  • 父を労った健一さんとトニー谷のこと

    買い求めたけれども開いたことがない本『「文藝春秋」における昭和史』を何気なく開けてみて、そのなかに或る小篇があって驚いた。「父よ、あなたは強かった!」(吉...

  • 『銀座並木座』で懐かしむ

    中高校生時代、映画を観るのは名画座が常だった。高校生に入ってからアルバイト(長期休みの際の郵便配達)が出来るようになっても、やっぱり名画座に足を運んだ(レ...

  • 僕にはその道を辿ることができない

    "その数年後、私はレイコやヨシヤマやケイやトウルが登場する小説で作家としてデビューした"、とあったその小説を読んでみた。『限りなく透明に近いブルー』(村上...

  • 小石川後楽園の癒しと軍靴

    頻繁に通り過ぎながら一度も訪れたことが無い場所というのは沢山ある。そのなかでも中学、高校、大学と十年間、ほぼ毎日、遠めに見やりながら横を素通りしていたのは...

  • 上質のリサイタルを聴くようなアルバム

    アルフレート・ブレンデルによるリサイタルプログラムを模したアルバムを聴いている(スタジオ録音)。バッハから初めて、ハイドン、ベートーヴェンと移っていくので...

  • 神保町の町名歴史をちょっとだけ

    昨秋、『発掘写真で訪ねる 新宿区古地図散歩』という本を見つけて楽しんでいたが、その続編がどんどん出ていることを知って、千代田区・中央区・台東区篇を買い求め...

  • ブレンデルの弾くバッハが

    最近になってアルフレート・ブレンデルのことがたびたび頭によぎる。少し聴き始めただけなのに、その素晴らしさに愕然とし、キット・アームストロングを応援している...

  • 小津が映画界に入る前の秘話は

    小津安二郎監督と芸者・千丸(森栄)の関係については、秘められた恋としていろいろな書物に書かれている。その女性を巡って張り合った小説家(川崎長太郎)がそれを...

  • 滅茶苦茶マニアックな施設調査誌

    先日、神保町で映画を観たあと、帰り道にぶらぶらと歩いていたら、ちょっと広めの古書店を見つけた。アットワンダーJGという。→http://www.atwon...

  • 村上龍の映画小説

    このあいだ村上龍の本を読んでいて、彼が卓越した映画鑑賞家だと知った(いまさらで恐縮だが)。自ら監督・脚本を手がけて映画も多く撮っていることも知ったので(遅...

  • ハイドンによる癒し

    横浜に出掛けたときに買い求めた音盤の一つはアルフレート・ブレンデルが弾くハイドンのアルバム。このあいだキット・アームストロングの演奏会で聴いたハイドンの曲...

  • 『稲妻』を観る

    ようやく成瀬巳喜男監督の『稲妻』をスクリーンで観ることができた。神保町シアター。戦後しばらくした頃の世界の厳しさを描いたもので、成瀬的リアリズムをまたも味...

  • とろりとして敏感になる・・・『くたかけ』

    こんな話を読んではいけない、と思いながら、のめり込んで読了。『くたかけ』(小池昌代、鳥影社)。→https://www.choeisha.com/pub/...

  • 小津と吉田の酒・肴・酒

    昨日は朝から横浜。友人と神奈川近代文学館を訪れたのだ。「小津安二郎展」は想像通りに素晴らしい内容だった。監督の生い立ちを良く知ることができただけでなく、そ...

  • 長い長いメロドラマの行くすえ

    メロドラマは苛立たしい。なぜそこであなたはそうしないのか?どうしてそこで気持ちを伝えないのか?その横やりは何のためのだ?お前は何ゆえ邪魔をする?貴方は(貴...

  • 挫けれど深く頭を垂れる

    小津安二郎の展覧会に行くまえには読み遠さなくては、と気合を入れてページを繰っていった。『小津安二郎』(平山周吉、新潮社)。雑誌「新潮」に連載され、今年の展...

  • 實吉捷郎の遺稿集「つばくらめ」

    このあいだ實吉捷郎のご子息(晴夫)が訳したシューペルトの「白鳥の歌」に感心した。懐かしくなって捷郎さんのことを調べていたら、彼の遺稿集が本になっていること...

  • ICHIZENを訪れたい

    『愛と、利と』(사랑의 이해、JTBC、2022年)の視聴はようやく第6話に入った。展開が遅いのは韓国ドラマの常だから少しも慌てないけれど、しかしこの作品...

  • 述懐録としての『ユーチューバー』

    村上龍の『ユーチューバー』(幻冬舎)を読了。表題の書き下ろし作品を含めた短篇集だった。表題作は、作家か昔話をする構図。都心のホテルのVIPルームで執筆活動...

  • 朝ドラ『らんまん』の超越

    NHKの連続テレビ小説『らんまん』に魅入っている。→https://www.nhk.jp/p/ranman/ts/G5PRV72JMR/牧野万太郎演じる神...

  • 夢を見続けることへの問いかけ

    『街とその不確かな壁』(村上春樹、新潮社)を読了。誰にもでも大切にしてきた夢はある。それはいろいろな形だろう。踏破したかった旅。成功させたかった仕事。成就...

  • 蒼ざめる「白鳥の歌」(その2)

    久し振りに聴いてみている。ずいぶん前に買い求め聴いていた音盤だ。こちらも優しく朗らかだ。ブレンデルは寄り添い方が素晴らしい。しかし、こちらのジャケットも蒼...

  • 蒼ざめる「白鳥の歌」

    イアン・ボストリッジが歌うシューベルトの「白鳥の歌」を聴いている。伴奏はあのラルス・フォークト。ジャケット写真からして鬼気迫る理由が分かった。この演奏録音...

  • またしても、メロドラマに

    Netflixで新しく韓流ドラマを観始めるには勇気がいる。映画と違って16話や32話、長丁場を付き合わなくてはならないからだ。途中まで観て駄作と気づくとそ...

  • 怒りを諫めるすべ

    先だって相模原市営のキャンプ場で倒木があり事故になったという報道があった。→https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20...

  • 出だしは夢のなかの出来事のようで

    『街とその不確かな壁』(村上春樹、新潮社)を読み始めた。第一部の半ば過ぎくらいまで読んできているのだけれど、まだまだ依然として「その夢」のなかにいるような...

  • ぶらり旅へのいざない

    僕の祖父は専売局の専門技監だった。戦前に台湾に赴任して酒、砂糖、塩などの製造を管轄・指導していたという。だから僕の父親が生まれたのも台北で、そこで中学まで...

  • 『真実の終わり』で事態を悟る

    『真実の終わり』(ミチコ・カクタニ著、岡崎玲子訳、集英社)を読了。ピューリッツァー賞を受賞したアメリカの文芸評論家によるノンフィクションだ。予感しながら読...

  • 長い暗闇を越えて、ひなたの道を歩く

    映画『パリタクシー』(原題: Une Belle Course、クリスチャン・カリオン監督、2022年)を観た。→https://movies.shoch...

  • 『半導体戦争』で驚いたこと

    『半導体戦争』(原題: CHIP WAR, クリス・ケラー、ダイヤモンド社)を読了。副題は「世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防」。初めて知った裏話...

  • 『半島へ、ふたたび』から島国や世界を考える

    古本屋さんチェーン店の棚に並んでいて買い求めた。『半島へ、ふたたび』(蓮池薫、新潮社)。一昔前に売れていたのを思い出したからなのだけれど、北朝鮮に拉致され...

  • 『ウクライナ戦争』(小泉悠)を読む

    『ウクライナ戦争』(小泉悠、ちくま新書)を読了。この戦争の背景と実際がよくわかった。ブーチンの異常な信念と思惑も理解した。一方で次のような一節では、おなじ...

  • ジェルソミーナのような芦川いづみ

    仕事帰りに神保町シアターでまたも芦川いづみの作品を観た。今回のプログラムの最終週は『硝子のジョニー 野獣のように見えて』(1962年、日活)が掛かっている...

  • ルプーによる「月光」とアームストロング

    ラドゥ・ルプーによるベートーヴェンのピアノソナタ 第14番嬰ハ短調作品27-2「月光」が入っている音盤を手に入れて聴いている。これは怖ろしく素晴らしくて、...

  • そしてその五嶋龍の本を読む

    絶対音感をおおよそ理解出来たので、続いて五嶋龍の本も読む。これも近所の古本チェーン店でDVD付き美本が220円だったので驚いて買い求めた(割引クーポンがあ...

  • 持ち合わせない者が読む『絶対音感』

    古本チェーン店でたまたま目に留まって購入。『絶対音感 ABSOLUTE PITCH』(最相葉月、小学館)。第4回(1997年)21世紀国際ノンフィクショ...

  • 砂を噛むように反省し再考したくなる小説

    昨晩はイベントがあって仲間と痛飲してしまった。宴ではいろいろな人と歓談して楽しかったけれど、随分と話し込んでいたらしく、終わるころになってそれを言われて痛...

  • ピアニストを超えた音楽家

    二夜連続で上野の同じホールに足を運ぶことになった。今夜はピアノ独奏会。以前、友人から「すごいピアニストが居る」と紹介をされていたその人が来日していたのだ。...

  • ブラームスで浮世を忘れる

    このあいだドラマ『ブラームスは好きですか?』を観終えて、たいそうこの作曲家の音楽を聴きたくなっていた。そんなとき仕事がたまたま早く終わって夜の時間が空いた...

  • 夜の上野の静寂

    夜に上野を歩いた。桜の木の下の酒宴はあらかた無くなり、ただ静寂だけが訪れていた。この地に足を運んだ学生時代の日々のことを思い出す。記憶の軌跡は、出逢いの奇...

  • 素晴らしい音楽家評・・・『ラドゥ・ルプーは語らない。』

    『ラドゥ・ルプーは語らない。』(板垣千佳子編、アルテス・パブリッシング)を読了。副題は「沈黙のピアニストをたどる20の素描」。僕はこのピアニストがインタビ...

  • 『生きる -LIVING』が伝えること

    黒澤明作品のリメイク『生きる -LIVING』を観た。→https://ikiru-living-movie.jp/ストーリーは似ているけれど、舞台が19...

  • 『「昭和」の子役』に驚く

    書店で友人と出会うや否や、「こんな本が出てるぞ」といきなり袖を引かれて棚に導かれた。『「昭和」の子役』(樋口尚文、国書刊行会)。副題は「もうひとつの日本映...

  • 閃きはその瞬間にこそ恍惚がある

    昨晩は花見飲み会。とはいっても桜の木の下ではなく小料理屋で。ふらっと訪れてほしいという思いで付けられたという店名通り、気さくで心地よい空間だった。どの料理...

  • 読み通せなくていい本もある

    題名に惹かれて思わず買い求めて『左京・遼太郎・安二郎 見果てぬ日本』(片山杜秀、新潮文庫)を読み始めた。小津の部だけはざっと読んだもののその他は気持ちが受...

  • いきなり泣き崩れる豊嶋に同じく泣いた

    少し前、この先ブレークする女優は豊嶋花だ、と友人が言っていた。映画『ちひろさん』のなかで、その豊嶋が焼きそばを食べていていきなり泣き崩れるシーンがあって、...

  • 想像を超越したオマージュ・・・『Nの廻廊』

    保阪正康による回想記『Nの廻廊 ある友をめぐるきれぎれの回想』(講談社)を読了。「群像」2020年8月号〜2022年12月号に連載されたものだそうだが、想...

  • すごい映画館辞典

    『巨大映画館の記憶』(青木圭一郎、ワイズ出版)にざっと目を通した。ざっと、と書いたのは、あまりの量塊に精読は諦めたからだ。東京にあった客席数1000を超え...

  • その日々がいしづえだった

    週末に高校の学友たちと久しぶりに会った。クラスが同じであったのに、ほとんど話をしたことも無い人たちも多くて(特に女性)、何を話題にすべきか戸迷う事ばかり。...

  • 『ブラームスは好きですか?』(第13〜最終話)

    ・・・『ブラームスは好きですか?』(브람스를 좋아하세요?)第13〜最終話。物語のなかで夫々の登場人物は、自分との対話を深めてゆく。ほしてそれを内に秘めた...

  • ブラームスは好きですか?(第9〜12話)

    『ブラームスは好きですか?』(브람스를 좋아하세요?)の第9〜12話。後半に入った。登場人物たちが抱えている各々の悩みが次々に明かされてゆく。それぞれ長い...

  • 「社長たちの映画史」でタジタジになる

    日本映画界の動きについては、戦後の五社協定くらいしか伝え聞いていなかった。そんなときにこんな本を目の前にして、難しそうかもなあ、詳しく知って意味あるかなぁ...

  • 情に流されないチャイコフスキー

    ヴァイトハースによるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を漸く手に入れて聴いている。友人が「冬の夜空に白く輝く三日月を見ている時のような演奏だった」と評し...

  • ドラマ史上、最も美しい指切りげんまん

    『ブラームスは好きですか?』(브람스를 좋아하세요?)の第5〜8話(NETFLIXでのエピソード9〜16)。ストーリーは敢えて詳しくは書かない。ソンアとジ...

  • こころ惹かれる佳きドラマ・・・『ブラームスは好きですか?』(브람스를 좋아하세요?)

    ドラマ『ブラームスは好きですか?』(原題: 브람스를 좋아하세요?、韓国SBS, 2020年)をNETFLIXで観始めた。→https://www.cul...

  • 芦川いづみに惹かれ、東京物語を夢見る

    このあいだ観た映画『東京の人』で衝撃を受けて、思わず買い求めていた。『芦川いづみ 愁いを含んで、ほのかに甘く』(高橋俊夫・朝倉史明篇、文藝春秋)。彼女がデ...

  • 偽男爵の奥深い映画評論

    このあいだ読んだ『笑犬楼 vs. 偽伯爵』(筒井康隆、蓮實重彦、新潮社)で、筒井康隆の映画通ぶりが尋常ではないことを知った。『活劇映画と家族』(講談社現代...

  • 「夕暮れに、手をつなぐ」の佳境

    今春のテレビドラマは、昨年のいろいろなドラマと違ってレベルが高い。僕の推しは『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS)、『罠の戦争』(フジテレビ)、『100万回言...

  • 『夜明け前(が一番暗い)』で少し明るくなる

    内田樹の『夜明け前(が一番暗い)』(朝日新聞出版)を読了。雑誌「AERA」2018.7.30〜2022.11.21号のコラム「eyes」に連載されたものだ...

  • 悩殺三昧の映画・・・『東京の人』

    遅い時間に映画『東京の人』を観た(西河克己監督、日活)。神保町シアター。昭和31年の作品なのだけれど、未亡人・敬子を演じる月丘夢路の美しさと、そしてその義...

  • 『オットーという男』が教えること

    映画『オットーという男』(原題:A Man Called Otto)を観た。→https://www.otto-movie.jp/「幸せなひとりぼっち」と...

  • 偶然性による結果的ポエムということ

    友人から紹介されたのは穂村弘の『彗星交叉点』(筑摩書房)。彼は穂村さんに風貌が似ているだけでなく感性も似ているから、もちろん気になって買い求めた。帯に「偶...

  • バッハの無伴奏をポリフォニックで

    このあいだ友人がバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタの弦楽四重奏版を聴いていた。パウル・ヒンデミットも、この曲について一つのヴァイオリンで弾くより弦楽四重奏の...

  • 蒼穹へ叩け太鼓を打ち破れ(コンヴィチュニー/ゲヴァントハウスによるベト4)

    第4番なのに既に舞踏の権化だ、狂喜乱舞の祭典だ。そう思った。フランツ・コンヴィチュニー指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によるベートーヴェンの交...

  • 空を飛ぶ小説に想いも飛んだ

    白石一文の最新作『松雪先生は空を飛んだ』を読んでいた。題名通り空を飛ぶ話だ。惹きこまれるのだけれど、問題があった。登場人物が多すぎて覚えきれないのだ。人と...

  • ケフェレックによるハイドンは

    このところ、アンヌ・ケフェレックによるハイドンを聴いている。これは実に朗らかで楽しくて、諧謔と愉悦と遊びに満ち溢れている。どうしてこんなに優しくてうれしい...

  • 紳士たちの気品としてのバッハ

    バッハのヴァイオリンとハープシコードのためのソナタは、どうしても後回しにしがちだ。それでも、このあいだグレン・グールドとハイメ・ラレードによる素晴らしい演...

  • 美術館歩き巡り

    昨日は美術館の歩き巡り。一部電車も使ったけれど、20000歩余りを費やして体力増強を図った。東京ステーションギャラリーの「佐伯祐三展」は素晴らしかった。そ...

  • またも凄い対談だった・・・『笑犬楼 vs. 偽伯爵』

    こちらの対談は読めるだろうかと恐る恐るページを繰っていったら、ぐいぐいと引き込まれてあっという間に読了してしまった。これもまた素晴らしい対談集・往復書簡集...

  • まさに今なにごとかが起こるヨハネ

    これほどまでに不穏な、わさわさした音魂で始まるヨハネは聴いたことがなかった。アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック( エンシェント室内管弦楽団)によ...

  • 世界一暇という自虐のなかの至福

    街に出ると、いろいろなところで黒々とした行列に出くわす。大抵がラーメン店だ。無言のまま佇んでいるそのあたりの空気は何となく淀んでいて遣る瀬ない。「好きだね...

  • 読める対談『歴史をうがつ眼』

    講演集や対談集というのは読むのはあまり得意ではなかった。そうはいえども、こんな本が出ていれば買わざるを得ない。『歴史をうがつ眼』(松本清張、中央公論新社)...

  • 苦手なのは「真っ赤だな〜真っ赤だな〜」

    バッハの管弦楽組曲を聞くたびに、第3番の「ガヴォット」で、頭のなかに別の歌が流れて閉口する。「真っ赤だな〜真っ赤だな〜」そのあとに「ツタ〜の葉っぱが真っ赤...

  • 観て聴いて驚愕のバッハ

    店頭でふと見つけて期待せずに買い求めたバッハのDVDだった。Brilliant Classicsの‘The Great Composers’シリーズの一枚...

  • 生きることと映画の素晴らしさ・・・『エンパイア・オブ・ライト』

    時間が空いたのでウォーキングを兼ねて映画館に向かった。昼飯は有楽町ガード下の立ち食いそば「慶屋」。カレー蕎麦を頼んだら「蕎麦ね?」とおやじさんから念を押さ...

  • 『僕は珈琲』で寛ぎ、また緊張する

    人が本を読んでいると気になってその外装サイズや字体・字面から何であるかをずっと考え続けてしまう、というようなことを三浦しをんが以前エッセイか何かで書いてい...

  • 『子役のテレビ史』に頷く

    以前、私家版の子役批評を簡単にまとめたことがある。→https://hankichi.exblog.jp/32397456/それもあってか友人から、これは...

  • 『ヒノマル』の眩暈

    昨日「予科練平和記念館」「予科練記念館」を見学したあと夕方に書店を訪れた。書棚をみたとき、友人が言っていた次のようなことが頭の中に響いた。「「見つける」と...

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