悪千句蕩30〜31

句蕩30(´・ω・`) 磔の型の裸木を抱きしめる 安西篤 （海原集「海程510号」） 昔、皮膚科に薬を取りにいった時、受付の女性が何を思ったか勝手に人の顔を見て勘違いして脂肪腫のためのクリームを差し出した。こんな

悪千句蕩28~29

句蕩28(´・ω・`) 草の中でわれら放送している夏 阿部完市 「放送」は「想像」とも言えるのか、しばし検討して見るが、ただ単に想像する夏の草原の情景をイマイチ実感できない。まして、嘱目ではないだろう。妄想だとは

悪千句蕩26〜27

句蕩26(´・ω・`) いきものの素足や月に触れてゆく 榎本裕子 （海程秀句『海程27年1月号』） 「素足」より「素手」かなあというひとまずの反問に支えられて「月」に迫ってゆく。「いきもの

悪千句蕩24〜25

句蕩24(´・ω・`) 初雪へひとりひとりが舌のばし 山本純子 （e-sendan「今日のこの一句」2012.12.11） たとえば犬は突然襲われた時に逃げるが、この時その選択肢を持っていなければ病むと講師は言

悪千句蕩22〜23

句蕩22(´・ω・`) かたつむりあしたは海へゆくつもり 北村美都子 （海程ニ句鑑賞『海程26年12月号 』） 確かに広場でありながら個室だ、ここは。なんども扉が開いたり閉じたりするけれども、だれもそれを確かに

悪千句蕩20〜21

句蕩20(´・ω・`) 飢餓のごとし冬青空に醒めゐしは 仁藤さくら （e-sendan 「今日のこの一句」2005.12.03） 二年間煙草を吸うだけ吸った。その朝缶ビール一本求めた。駅終点のバスを待つ間にも酔

映画俳見＃10 『八月の狂詩曲（ラプソディー）』

脂汗をかきながら映画を観た。肉体の状況からして映画館までの過酷な遠出であり、かつ真夏であった。上映の途中から観て、終わってからまた観ていないところを観るという意味でも厄介なもの。黒沢明監督の『八月の狂詩曲（ﾗﾌﾟｿﾃﾞｨｰ）』がそれであった

悪千句蕩18〜19

句蕩18(´・ω・`) 聖夜なり青き如雨露を鞄とし 野口る理 （スピカ「つくる 」14.12.01） 加藤楸邨の句に 「冬嶺に縋りあきらめざる径曲がり曲がる」がある。掲句は聖夜がその恩寵としてではなく、掴み取る

悪千句蕩15〜17

句蕩15(´・ω・`) 赤ん坊を逆さまにして落ち葉掃く 西川徹郎 （『e-sendan今日のこの一句 2003.12.04』） 常識や人間に対する冒涜であると、あるいはとられかねない作である。赤

悪千句蕩14

句蕩14(´・ω・`)歳時記はいらない目も手も無しで書け 御中虫 （『おまえの倫理崩すためなら何度でも車椅子奪ふぜ』） 文仁親王妃紀子殿下と佳子内親王殿下が来県され、市内の催しに参加された。実はこの皇族の方々の恐れ

悪千句蕩13

句蕩13(´・ω・`)三月の甘納豆はうふふふふ 坪内稔典 （『俳句αあるふあ』2013 2・3月号） 擬態語のようなものだろうか、このうふふふふは。ふふふふくらいの含み笑いはよくあるが、される

悪千句蕩12

句蕩12(´・ω・`)冬瓜のごろりと二十一世紀 市堀玉宗 （ねんてんの今日のこの一句） 狂はどこへ行くのだろう？そんな考えたくもないことは前時代、新時代へ送るべきかもしれない。過度に閉鎖的な空間、散逸しどこ

悪千句蕩10〜11

句蕩10(´・ω・`)せきれいの石次の石次の石 井口ただお （「ねんてんの今日のこの一句」02.1129） 「あの人はほら、昔の人だし」みたいなことを、陰で父が言われていて苦笑。どちらかと言えば掲句のせきれいのよう

悪千句蕩6〜9

句蕩6(´・ω・`)外套が長くて海は遠すぎて 櫂未知子 （「ねんてんの今日のこの一句」02.1110） 海は確かに果てし無く遠いけど、外套の長さだって侮れないでしょ。が、それはアリバイ作りのようなもの。本当は海の遠

悪千句蕩5

句蕩5(´・ω・`)秋風のしたにゐるのはほろほろ鳥 富沢赤黄男 （「ねんてんの今日のこの一句」14.11.02） ほろほろ鳥≒赤黄男説が歯がゆい。そしてこの「ゐ」の効き方といったら。「ほろほろ鳥」を検索し、画像を眺

悪千句蕩3〜4

句蕩3(´・ω・`)石段にあまる大靴冬隣 高田三五子 （「ねんてんの今日のこの一句」 02.1029） 冬隣の大靴ならば、わたしは大きな靴を履いたジョンレノンの後姿を想像する。Youtube動画で、金子兜

悪千句蕩1〜2

悪千句蕩（あくせんくとう）ただの俳句鑑賞記です。千ほど行きたいなと思いこのようなタイトルにしました。句が悪いとか俳人が悪いとかそういう意味は特にないですが、読み手が悪いことだけは確かかもしれません。。。句蕩1(´・ω

二十六年十月十九日

ご無沙汰しておりました。秋の空高い今日この頃いかがお過ごしでしょうか。この半年間にいろいろなことがありましたが、つい最近では風邪をひきました。喉の痛みから始まって、鼻水、下痢などの症状が出て、病院で薬を貰いましたが、何故か効き目がありません

HOKKU 第一回 二十六年四月十三日

HOKKU 第一回 流れ着くどうもこんにちわ。お元気ですか。今回は新企画の「HOKKU」第一回です。始めに句、次に散文（短編のようなものです）の形式をとっています。戯れに作ってみました。読みにくいですが（内容もだが画像も）、興味があれば読ん

平成二十六年三月二十一日

短歌十首 — last word — オッス！春分の日の今日いかがおすごしでしょうか。 一雨ごとに春らしくなっていきますね。だがな、地元鳥取は寒く、大きな雷が鳴っています。 駄作ですが、久々に更新します。「ラストワード」は御中虫さんの「

二十五年十月六日

俳句 十句 — three month later— 無音の樹窓びっしりに悲相瞑り たけとんぼ気になっている舌の採点 夜の蝉眠りに髭があたるかな 夏匂う少年ゴツッとしていたり 土砂降りのパイナップルの紅顔でした メロンとうアナウ

華麗集 第二回 卵食ふ時

 広島や卵食ふ時口ひらく（『三鬼百句』1948） 西東三鬼カフカの『審判』は未完の作品である。その終わり際、主人公は不条理の極めつけとして石台の上で頭を砕かれる。(朧だが)多様な≪声≫に翻弄されての結末近く。砕かれつつ、その叙述

華麗集 第一回 達治亡きあとは

 第一回 達治亡きあとは達治亡きあとはふらここ宙返り（『黒凍みの道』1974） 石原八束掲句は三好達治氏九回忌前後の作という。八束氏当時××を過ぎたころの一句で流人墓地寒潮の日のたかかりき（『秋風琴』1955）を達治氏が誌に取り

二十五年 六月二十三日

俳句 七句 — ブラジリア・四—しばらくご無沙汰しておりました。心配していた雨も降り、梅雨明け待ち遠しい今日この頃いかがお過ごしでしょうか。夏百日と申しますが、みなさまにおかれましてはどうぞお身体お気をつけ下さい。簡単ですが、それではさよう

二十五年 五月十ニ日

俳句 十句 — ブラジリア・三—しばらくご無沙汰しておりました。初夏の清々しい候いかがおすごしでしょうか。先月は地震がありましたが、この度家にねずみが入り込みました。そして、見つけました・・・が、逃げられました。乾麺を（なぜか）食べ、フンら

二十五年 四月十四日

俳句 十句 — ブラジリア・ニ—しばらくご無沙汰しておりました。虹始見（にじはじめてあらわれる）候いかがおすごしでしょうか。昨日、淡路島を震源とする地震がありました。被害にあわれた方、お見舞い申し上げます。鳥取市も午前五時数分頃、激しく揺れ

二十五年 三月十日

俳句 十句 — ブラジリア—しばらくご無沙汰しておりました。めっきり春らしい陽気の今日この頃いかがお過ごしでしょうか。花粉症か風邪なのかよく分からないくらいの症状になり、全く何も効かないというのは始めての経験です。もっとも周囲を見渡せば、別

二十五年 一月十三日

俳句 七句 — RE:紫影抄—与謝野晶子直筆の百三首発見！未発表十六首も！の記事を読み、今回はアンサー俳句のようなものを新年詠と合わせて詠んでみました。おくれましたが、明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。新成人の

二十四年 十二月二十四日

俳句 七句 — Baion（倍音）—更新が遅れてしまいました。と、言っても自分の中でだけ焦ってしまいました。（需要がないというのはさみしくもあります）今年ももう数えるほどとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。来年はどうしようかと考える余

二十四年 十二月二日

俳句 十句 — Eejanaika—7日金曜日には大雪（たいせつ）。随分更新が遅れてしまいました。師走の慌ただしさがひしひしと迫りくる今日この頃いかがお過ごしでしょうか。手持ちの歳時記には「大雪」がのっていなかったので、はてなキーワードで調