chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
財部剣人の館(旧:アヴァンの物語の館) https://blog.goo.ne.jp/avantgarde-october

「マーメイド クロニクルズ〜第三部配信中!」「第一部 神々がダイスを振る刻」幻冬舎より出版中!

財部剣人
フォロー
住所
未設定
出身
茨城県
ブログ村参加

2010/03/19

arrow_drop_down
  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第6章−2 ミリタリー・アーテフィシャル・インテリジェンス (MAI)(再編集版)

    「それだけか?」「どういう意味だ?」「自分でも、気づいておらぬか。第3のペルソナが育っておるのに」「ふざけるな。怖がっているのでなければ、降りてくるがよい。目にもの見せてやるわ」魔女たちが顔を見合わせた。まあ、いいだろうとドルガが他の魔女たちに目配せする。リギスだけは、空中浮遊しての精神攻撃が得意だけに、不満そうな顔をしている。「見せられるものなら、見せてもらおう。たかが人間に、どの程度のことができるか」ドルガが言うが早いか、軽やかに四人が地上に降り立つ。彼女たちの本性を知らなければ、天使の降臨かと勘違いしたかも知れない。それほど四人は美しかった。ドルガは、威厳あふれる顔つきで、その「死の羽」はふれる者すべての魂を引き込む羽ばたきを持っていた。メギリヌの白面は、気高い外面とサディストの内面を持っており、くるくる...マーメイドクロニクルズ第二部第6章−2ミリタリー・アーテフィシャル・インテリジェンス(MAI)(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第6章−1 魔女軍団、ゾンビーランド襲来!(再編集版)

    夕闇ただよう上空から、四人の魔女たちは不老不死研究を行うゾンビーランドの様子をうかがっていた。ミシガン山中の建物は、ブラム・ストーカーの小説から抜け出したドラキュラ城のような不気味さをたたえていた。敬愛する父の「伝説」に、娘のマクミラが無意識の内にしたがっていたのかも知れない。軍事研究を行うノーマンズランドは、ゾンビーランドに隣接している。警備員の姿はないが、見る者が見ればハイテク監視装置が完備されているとわかった。精神世界研究をおこなうナイトメアランドは、二つの建物に隠されていたため様子が分かりにくかった。最後の建物アポロノミカンランドは、さらに奥に鎮座しており、最も厳重な管理体制下におかれていた。「警戒厳重な建物じゃな。爆撃して様子を見てみるか?」人間界に来て肉を持ったドルガが、まだ慣れない声で言う。「中に...マーメイドクロニクルズ第二部第6章−1魔女軍団、ゾンビーランド襲来!(再編集版)

  • マーメイドクロニクルズ第一部 序章〜エピローグのバックナンバー

    財部剣人です!現在、第二部を再配信中ですが、第一部もよろしければお楽しみください。「マーメイドクロニクルズ」第一部神々がダイスを振る刻篇あらすじ深い海の底。海主ネプチュヌスの城では、地球を汚し滅亡させかねない人類絶滅を主張する天主ユピテルと、不干渉を主張する冥主プルートゥの議論が続いていた。今にも議論を打ち切って、神界大戦を始めかねない二人を調停するために、ネプチュヌスは「神々のゲーム」を提案する。マーメイドの娘ナオミがよき人間たちを助けて、地球の運命を救えればよし。悪しき人間たちが勝つようなら、人類は絶滅させられ、すべてはカオスに戻る。しかし、プルートゥの追加提案によって、悪しき人間たちの側にはドラキュラの娘で冥界の神官マクミラがつき、ナオミの助太刀には天使たちがつくことになる。人間界に送り込まれたナオミは、...マーメイドクロニクルズ第一部序章〜エピローグのバックナンバー

  • マーメイド クロニクルズ第二部(再編集版)序章〜第五章バックナンバー

    「第一部神々がダイスを振る刻」をお読みになりたい方へ「第二部序章」第二部のストーリーマーメイドの娘ナオミを軸とする神々のゲームを始めたばかりだというのに、再び最高神たちが集まらざるえない事態が起こった。神官マクミラが人間界に送られた後、反乱者や魔界からの侵入者を閉じこめた冥界の牢獄の結界がゆるんできていた。死の神トッド、悩みの神レイデン、戦いの神カンフ、責任の神シュルドが堕天使と契って生まれた魔女たちは、冥界の秩序を乱した罪でコキュートスに閉じこめられていた。「不肖の娘たち」は、彼女たちを捕らえたマクミラに対する恨みをはらすべく、人間界を目指して脱獄をはかった。天主ユピテルは、ゲームのルール変更を宣言した。冥界から助っ人として人間界に送られるマクミラの兄アストロラーベとスカルラーベ、妹ミスティラは、彼女を救うこ...マーメイドクロニクルズ第二部(再編集版)序章〜第五章バックナンバー

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第5章−9 ユートピアとエデンの園(再編集版)

    「革命的な人々は、すべての政治的行動はユートピア的な目標を達成する意図の下に変革されるべきだと信じている。彼らは、世界は不完全な社会的正義によって腐敗していると考えて抽象的な価値観を好むわ。永続性を保つための議論は、それ自体が不合理的であり自己の利益のために産み出されている。他人の意見に耳を傾けることは腐敗を招くだけで、党メンバーでない者には粛正が必要と考えている。歴史的には、無政府主義者がこうした革命的な人々の例ね」「リベラル派が、そこまで行くことがあるのですね。でも自らを律するために政府がじゃまなら政府を排除するべきだという主義は、まるで小さい政府を信奉する保守派のように聞こえます」「極端なリベラル派がリベラル派の範囲を突き抜けてしまうと、まるで保守派になってしまうのよ。『逆もまた真なり』で、極端な保守派が...マーメイドクロニクルズ第二部第5章−9ユートピアとエデンの園(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第5章−7 データのマジック(再編集版)

    「今は保守派が優勢ね。アンケート調査では、保守派を自認する人が3割強、リベラル派を自認する人が3割弱、中道が3割強と言ったところ。80年代のレーガン革命でアメリカは保守化が進んだし、リベラリズムが輝いていた時代の最後の大統領は60年代のケネディまでさかのぼらなくちゃならない。でもアンケート調査なんてあてにならない。どんな場所で、どんな方法で調査をするかによって、データは変わってくる。たとえば、昼の電話アンケートじゃ、生活に追われている人はつかまるわけがないし、ショッピングモールでアンケートを取ってもどんな客層か想像が付くでしょ。ある程度の余裕があって、車で買い物をすることができる幸せな家庭の人々。だから、アンケートからは生活に追われていたり困窮生活を送っている人は、対象からこぼれ落ちてしまうし、不法移民の人々は...マーメイドクロニクルズ第二部第5章−7データのマジック(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第5章−8 何が善と悪を決めるのか?(再編集版)

    「これが善と悪が相対的という根拠よ。善は、時代の要請に合えば善となり、時代がそれを排除しようとすれば悪のレッテルを貼られる。あるいは、善も少数派の支持しか得られなければ間違いというレッテルを貼られる。私は思うの。正しいことは悪魔が言っても正しいし、まちがったことは天使が言ってもまちがってる。でも、人はしばしば『奴は悪魔だ。だから、奴の言うことに全て反対する』とか『俺の側には神がいる。だから、つねに自分の決定は正しい』と考える」「問題は、どこにあるのですか?」「そうした判断自体は、誰にでもあることでしかたがない。問題は、たしかに『どこに問題があるか』だわ。視野の狭い、柔軟性に欠けた判断をすることの問題は、最初の決定にしがみついて他の提案を取り入れられなかったり、状況に臨機応変に対応できなかったりすることだわ」「チ...マーメイドクロニクルズ第二部第5章−8何が善と悪を決めるのか?(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第5章−6 保守派の言い分(再編集版)

    「その通り。リベラルな人々は、大きな政府という基準で政策評価をする傾向がある。変化の原則に基づいて、言論、思想及び公的自由の保障を期待する。個人の選択、ライフスタイル、解放の目的に対しても、合憲文書の拡大解釈が社会に行き渡り適応することが必要と考えている。たとえば、リベラルな人々が同性愛者の結婚に対する権利を尊重するのは、税制上の優遇や遺産相続に関して不利にならないような配慮が時代の要請であると考えるためよ」「故なき差別に苦しんでいる同性愛者に、異性愛者と同様の権利が保証されることに何の問題があるんですか?」「同性婚の対応に関して、保守派は結婚を異性間においてのみ認められた神聖なる儀式と考えて、伝統的なモラルを破滅させるような同性婚は権利ではなく特権であり社会的脅威として捉えているわ」「シビルユニオンのような正...マーメイドクロニクルズ第二部第5章−6保守派の言い分(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第5章−5 保守派とリベラル派の前提条件(再編集版)

    「あなたは、このままでは敵を甘く見るようになる。あるいは、このまま同じ考え方をする人たちにかこまれていると、いつか反対勢力を見失うようになる」「どういう意味でしょうか?私の態度が悪いんでしょうか?」「誤解しないで。文句を言ってるんじゃない。これまで教えた学生の中には、もっと頭の切れるディベーターやリサーチ能力の高い学生もいた。でも総合力では、あなたは数百人人に一人の才能を持ってるわ。持って生まれたものか、何か理由があって才能の方で伸びようとしているのか。でも早熟な才能は、往々にしてトラブルを呼び寄せる。あなたが、ディベート以上に大切なものを見失うのがコワイの。そんな風にならないためにおぼえておいて。現実はディベートよりも、もう少し複雑なの。たとえば、社会正義とは何か?それはつねに相対的なものよ」「社会正義とは相...マーメイドクロニクルズ第二部第5章−5保守派とリベラル派の前提条件(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第5章−4 アイ・ディド・ナッシング(再編集版)

    「いったい何のこと?」「君に、来年度のディベート奨学金が支給されることになったんだよ!」「本当ですか!」アメリカのディベート名門大学では、フットボールやバスケットボールのように大学の威信がかかっている。対抗試合で優秀な成績をおさめる学生には、授業料免除の奨学金が授与されることがあるし、有望な高校生にはリクルートがかかり大学同士の取り合いになることさえあった。ゴードン自身も1年時から奨学金をもらっており、同時に学年トップクラスの成績を取る秀才であった。「君はナンシーに感謝しなくちゃいけないよ」「どういうことですか?」「まだ聞いてなかったのか。奨学生選考会議で、彼女が君を熱烈に推薦してくれたらしい。ハワイから出て来て一人でがんばってる君の努力に報いないって法はないだろう、とかなり熱弁を振るったみたいだ」そうか。金銭...マーメイドクロニクルズ第二部第5章−4アイ・ディド・ナッシング(再編集版)

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、財部剣人さんをフォローしませんか?

ハンドル名
財部剣人さん
ブログタイトル
財部剣人の館(旧:アヴァンの物語の館)
フォロー
財部剣人の館(旧:アヴァンの物語の館)

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用