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2009/10/31

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  • 規制で株価はなかなか上がらない ~中国当局の動きに既視感~

    中国の株式市場がさえない。 今年に入ってから元気がない、 というレベルではなく、もう数年単位で下げている。 2年前と比較すると、 日経平均が30%ほど上がっている一方、 上海総合は逆に20%ほど下がり、 香港ハンセンに至っては40%近くも下がっている。 中国では不動産価格が大幅に下落しており、 そこへ持ってきて株価も底を抜けてしまうと経済に大きなダメージとなる。 そのため、当局がテコ入れを行っている。 ここで発表されたのは、譲渡制限株式の貸し出しの禁止。 未保有の株式を借りて売却することで利益を得る「空売り」を制限し、 株安を阻止する狙いとされている。 こうした中国当局の動きには、既視感がある。 日本でも似たようなことをやって来たからである。 「空売り」は、株の下げを予想した投資を行い、 下がれば儲かる手法である。 空売りが増えれば、株..

  • 2023年の日本映画を振り返る その4 「2023年私の選ぶ日本映画ベスト10 その2」

    2023年の日本映画を振り返るシリーズの4回目。 今回は私が2023年に観た日本映画から心に残った10本を選んでみたい。 前回示したこれは外せない、とパッと浮かんだ4本は、 「あつい胸さわぎ」 「福田村事件」 「せかいのおきく」 「ゴジラ−1.0」 残り6作品を選ぶためのノミネートは以下の13作品。 ここから絞り込む。 「リバー、流れないでよ」 「波紋」 「BLUE GIANT」 「月」 「茶飲友達」 「遠いところ」 「BAD LANDS バッド・ランズ」 「怪物」 「マリッジカウンセラー」 「金の国 水の国」 「Winny」 「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」 「神回」 「怪物」は、是枝裕和監督作品にしては粗が目立った気がする。 他のほとんどの日本映画と比べると完成度などにおいて群を抜いているが、 今回はご遠慮いただこう。 ..

  • パリ五輪でのメダル予想

    パリオリンピックは7月26日に開幕する。 あと、ちょうど半年。 アメリカのグレースノートというデータ会社が、各国のメダル獲得数を予想している。 それによると、日本のパリ五輪でのメダル獲得数は56個と見込まれている。 内訳は、 金15 銀15 銅26 である。 ちなみに東京では、 金27 銀14 銅17 と、史上最多58個のメダルを獲得した。 メダルの総数はあまり変わらないが、 金メダルは大幅に減ると予想されている。 東京五輪では、 自国開催という有利さに加え、 野球、ソフトボール、空手といった日本の得意種目も正式種目となっていた。 それらが抜けてしまうから、メダルが減るのはやむを得ない。 ただし、新競技のブレイキンでも強みを発揮できる可能性はある。 体操の橋本さん、柔道の阿部兄妹といった連覇のかかったエース級は金メダルが予想されてい..

  • 日本の物価は安いか 安いとしてその原因は賃金の低さか

    ビッグマック指数について伝えているネット記事があった。 2023年の「世界のビッグマック価格ランキング」の上位は以下のとおり。 1位 スイス 7.73ドル 2位 ノルウェー 6.92ドル 3位 ウルグアイ 6.86ドル 4位 アルゼンチン5.99ドル 5位 ユーロ圏 5.82ドル 6位 スウェーデン 5.74ドル 7位 デンマーク 5.65ドル 8位 アメリカ 5.58ドル 9位 スリランカ 5.56ドル 10位 コスタリカ 5.41ドル 日本は3.17ドルで44位とされている。 ビッグマックの価格は「ビッグマック指数」と言われる。 世界中で大体同じ材料で同じようなサイズで作られているため、 各国の物価の目安にされている。 ビッグマック指数について伝えているネット記事では、 日本の物価が海外と比べて安いのは、賃金が低いから、 とさ..

  • 映画評 「エス」

    「エス」? んな映画知らないなあ、 という方がほとんどであろう。 関東でも1館だけで上映している作品なので、知らなくて当然である。 そして、知らなくて正解である。 私は何でこの映画のことを知ってしまったのだろう。 映画情報のサイトだろうか。 ああ、なんでそのサイトを見てしまったのか。 ああ、なんでこの映画を観ようと思ってしまったのか。 110分間の作品なのだが、 後半の95分くらいは、 早く終わってくれることを願った。 しかしその願いは叶わず、無限のような110分となってしまった。 私の席の周りでは、安らかな寝息が響いていたが、まあ、そうだろう。 なんでも、監督ご本人に逮捕歴があり、 それをもとにした作品とのことである。 ならば、もう少しなんとかならないのだろうか。 リアリティも切実感も伝わってこなかった。 役者さんは無名の方々で、 そ..

  • 順当&らしい 日本アカデミー賞のノミネート

    第47回日本アカデミー賞のノミネート作が発表された。 アメリカのアカデミー賞に日本映画3作がノミネートされたことについてはニュースでも大きく取り上げられたが、 日本アカデミー賞については平穏。 優秀作品賞は以下の5作。 「怪物」 「ゴジラ-1.0」 「こんにちは、母さん」 「福田村事件」 「PERFECT DAYS」 まあ順当かな、と思わせられるラインナップ。 「怪物」「PERFECT DAYS」はカンヌ国際映画祭で賞を取った作品だし、 「ゴジラ-1.0」はアカデミー賞にノミネートされている。 「福田村事件」も国内の各種映画賞にノミネートされている。 日本アカデミー賞らしいのは「こんにちは、母さん」。 山田洋次監督作品が公開されたら、機械的にノミネートされる仕組みになっているようだ。 作品の良し悪しはさておき。 他の映画賞では、石井裕也監督の「月..

  • トヨタの時価総額が日本企業史上最大になったというが

    全体の地合いが強い中、大型株も好調。 その流れに乗って、トヨタ自動車の株式時価総額が日本企業で史上最大となった。 その額、約48兆8,000億円。 いつのどの会社を上回ったかというと、 1987年にNTTが記録したもの。 1987年と言えば、いわゆるバブル経済真っただ中。 NTTはその2年前に民営化されたばかりだったが、 政府がその株を売り出すに当たって、国の保証付き的な妙な安心感も広がり、 買いが買いを呼ぶような状況となった。 1次売り出し価格119万7,000円に対し、 初値が160万円、 その後、318万円まで高騰。 当時の時価総額世界一となった。 この時のNTT株の上昇は全く実態を伴っていなかったと言えるが、 今回のトヨタは、それに比べれば地に足がついたもの。 PERは10倍そこそこだから、 過大評価というよりむしろ市場平均以下である。 ..

  • 映画評 「ある閉ざされた雪の山荘で」

    もちろん、これだけ裏切られ続けているのだから、 今さら日本映画に過度な期待を持つことはない。 それでも、最低限の仕事はしてもらいたい。 そう望むのは罪でしょうか? この映画、冒頭のシーンから、 映画に対するほのかに残された期待をガラガラと崩していく。 アイマスクをして若者たちがバスに揺られている。 どうやら外を見てはいけない設定のようだが、 え、こんなの簡単に取れますけど。 全員アイマスクをして大荷物を抱えているのだが、 次のシーンでは全員バスを降りている。 え、どうやって。 バスを下りたらアイマスクを取ってもいいらしいのだが、 え、どうして。 もうここまでの段階で、作り手の怠慢ぶりがひしひしと伝わる。 ちょっとおかしくないですか、 とか、誰も何も言わないのだろうか。 何かを考えて撮影に臨んでいる人は一人もいないのだろうか。 それでも映画館に..

  • 映画 「カラオケ行こ!」

    「リンダリンダリンダ」「オーバー・フェンス」「1秒先の彼」 などの山下敦弘さんの監督作品。 漫画原作をどう料理されるか楽しみにしていた。 あらすじはこんな感じ。 中学校で合唱部の部長を務める男子生徒が、ある日突然、見知らぬヤクザにカラオケに誘われる。 ヤクザの依頼は歌のレッスンをしてほしいというもので、組長が主催するカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける恐怖の罰ゲームを免れるため、どうしても歌がうまくならなければならないのだという。 何もかもが違う二人は徐々に親しくなっていくが・・・ というもの。 どう考えても無理がある設定だが、 コメディ映画であり、 細かいことは言いっこなし。 しかし、映画である以上、誰かに感情移入をさせてもらいたいし、 ストーリーに引き込んでももらいたいのだが、 どちらもなし。 笑えもしない。 せめて、歌に対する思いみたい..

  • 2023年の日本映画を振り返る その3 「2023年私の選ぶ日本映画ベスト10 その1」

    2023年の日本映画を振り返るシリーズの3回目。 前回は「困った映画」について書いたが、今回はよかった映画。 残念ながら2023年は不作の一年だったが、 いい映画選びは楽しく。 2023年に私が観た邦画は112本。 その中から心に残った作品10本を選んでみたい。 これは外せない、とパッと浮かんだのは、 「あつい胸さわぎ」 「福田村事件」 「せかいのおきく」 「ゴジラ−1.0」 の4本。 「あつい胸さわぎ」は、複雑な母娘愛に、乳がん、初恋といった要素を絡めながら描いた佳作。 和歌山市雑賀崎漁港の風景も美しい。 主演の吉田美月喜さん、常盤貴子さんに加え、佐藤緋美さんの好演も忘れがたい。 「福田村事件」は、関東大震災直後のデマや流言が飛び交う中で実際に起こった虐殺事件を題材にした作品。 テーマはセンセーショナルだが、偏って煽ることなく、しっかり物語..

  • 圧巻! 壮観! 快感! 映画「ゴールデンカムイ」!

    映画ファンである。 映画はあまたあるが、 日本映画を中心に観ようと決めている。 洋画の方が面白いし、よくできていると思うけれど、 そこまで手が回らない。 だけど、日本映画には裏切られてばかりで、さすがにこの頃しんどくなってきた。 もう、どうしようかしら、と。 しかし、「ゴールデンカムイ」である。 期待半分不安半分、 いい作品である予感半分、 外れ作品である悪寒半分、 楽しみ半分心配半分、 で観に行った。 だって、毎度期待して映画館に足を運んで、ことごとく裏切られているんだから。 しかし、「ゴールデンカムイ」である。 いや、よく撮った。 監督さんをはじめスタッフの皆さん、 役者の皆さん、 大変な撮影だったと思う。 よく撮られた。 苦労は報われています。 壮大なスケール。 緊張感のあるアクション。 とことん個性的で魅力的な登場人物。..

  • 中国も直面する人口の急減

    中国国家統計局の発表によれば、 2023年末の総人口は22年末比208万人減の14億967万人になったとのことである。 人口減少は2年連続。 減少幅は前年の85万人より拡大した 日本の人口も減少しているが、年間60万人程度。 中国は元の数字が大きいため、減少幅も桁違いである。 中国の人口減少の原因は、御多分に漏れず少子化。 「一人っ子政策」はすでに廃止されており、 複数の子供を育てる世帯を対象に補助金を支給するなどの対策を進めているようだが、 少子化の流れが止まらない。 少子化の原因としては、 若者の雇用不安、 子育てにかかる費用の高騰などが挙げられている。 日本も少子化が国家的課題だが、 人手不足も相まって少なくとも若者の雇用不安はそれほどでもない。 中国の若者の失業率は20%を超えているというから深刻である。 中国は不動産バブルが崩壊し、 ..

  • 映画評 「笑いのカイブツ」

    この映画の原作を読んだことがあり、 とんでもない人がいるなあ、と思った記憶がある。 原作者のツチヤタカユキさんは「伝説のハガキ職人」であり、 笑いに憑かれた男である。 これを、岡山天音さん主演で、 仲野太賀さん、菅田将暉さん、松本穂香さんを共演に迎えて映画化。 期待を高めざるを得ない。 主人公が異常なテンションで笑いに取り組んでいたことは原作を読んで知っていた。 それが映像でどう表現されているか楽しみにしていた。 しかし、その異様さがあまりにも延々と続き、 途中からは映画に寄り添うことができなくなった。 不器用とか、真っすぐとかではなく、 単に変な人間。 人間関係が苦手、とかいうレベルではなく、 自分以外の人間に心を寄せることができない。 そんな人に笑いを作られても。 映画の中で披露される大喜利も、 最後の漫才も、 残念ながらガツンと来るもの..

  • 名目GDPで日本を抜いたドイツも喜べなさそう

    経済の大きさを測る指標として一番わかりやすいのがGDP。 さらに、比較がしやすいのが名目GDP。 長く世界2位だった日本は、 10年ちょっと前に中国に抜かれ、ここのところ3位だった。 ただし、その地位もどうやら危ういようだ。 2023年の名目GDPでドイツに抜かれることがほぼ確実視されている。 通常、GDPの逆転は、 抜く側の成長が抜かれる側の成長を上回ることから起きる。 しかし、今回の逆転はそうではない。 日本の2023年の実質GDP成長率見込みは+1.7%。 2022年の+0.9%を大きく上回っている。 一方、 ドイツの2023年の実質GDP成長率は‐0.3%。 2020年以来のマイナス成長に落ち込んでいる。 2023年がマイナス成長になるのはG7ではドイツだけ。 ユーロ圏の足を引っ張る形にもなっている。 そんなドイツのGDPがなぜ日本を抜く..

  • 映画評 「無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語」

    本作は、北海道のアマチュアプロレス団体「新根室プロレス」を追ったドキュメンタリー。 アマチュアプロレス団体、という語義矛盾が早くもおかしい。 リングネームというか、それぞれのキャッチフレーズにくすぐられる。 例えば、 疑惑の実況 ロス三浦 盗撮実況 MCマーシー といった、ちょっとアブナイものから、 プロレスファンならわかる以下のような面々。 例えば、 東洋の神秘 グレートカブキ ならぬ、糖尿の心配 グレート京劇 超獣 ブルーザー・ブロディ ならぬ、恥獣 ブラージャブロディ 不沈艦 スタン・ハンセン ならぬ、不信感 ズランハンセン エルボーの貴公子 三沢光晴 ならぬ、エロ坊の奇行師 二沢光晴 超人 ハルク・ホーガン ならぬ、超暇人 ハルク豊満 しかしこの映画は、単に笑えるだけではない。 主催者のサムソン宮本さんの生き様を描いていて、 これが胸熱..

  • 2023年の日本映画を振り返る その2 困った映画

    2023年も「困った日本映画」が多かった。 困った、とは、 面白くない、つまらない、時間がもったいない、お金がもったいない、 といったような意味である。 しかし誰もが認めるような突き抜けた困った作品はなかったような気がする。 つまらない映画が粒ぞろい、というのも全く喜ばしくはないが。 なかでもタイトルが示すとおりトホホな思いになったのは 「そして僕は途方に暮れる」という映画。 観てしまった私は本当に途方に暮れた。 名は体を表す、とでも言うのだろうか。 ドラマの映画化作品がつまらないのは例年どおり。 「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」 を筆頭に、 「ミステリと言う勿れ」 「イチケイのカラス」 「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」 とほぼ百発百中のすべり具合。 最初の作品が好きだった「東リベ」だが、その続編が2部作扱いになってガッカリ。 「東京リベンジ..

  • 映画評 「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」

    本作は、公開初週の興収で首位に立った。 初日から3日間で興収12億2400万円。 もちろんヒットしていると言えるが、 お化けヒットとなった「鬼滅の刃」はともかく、 「呪術廻戦」も大きく下回るスタートであり、 超メガヒットとはならないようだ。 映画の内容もかなりソフトで子供向けに寄せられていて、 リピーターが続出する内容ではないように思える。 個人的には、原作はもちろんテレビアニメも全く見たことがないまま劇場に足を運んだのだが、 設定をしっかり説明してくれるし、 とにかくわかりやすい話なので、すんなり入ることができた。 原作がどんなトーンなのかわからないが、 この映画はギャグ寄り。 それも、かなり低年齢層向けの笑い。 私にはわからないが、ファンの方々にとってこれがどうなのか、 強引な設定、強引な展開で映画は進む。 しかしまあ、そこをまともにとらえて..

  • 2023年の日本映画を振り返る その1 概観

    コロナ明けとなった2023年。 映画の制作体制もなんとか元どおりに戻ったことと思う。 興収総額も2022年を超え、それなりにヒット作も生まれた。 なお、2023年日本映画興収ベスト10は以下のとおりである。 1位 THE FIRST SLAM DUNK 2位 名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン) 3位 君たちはどう生きるか 4位 キングダム 運命の炎 5位 ミステリと言う勿れ 6位 ゴジラ-1.0 7位 劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~ 8位 映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア) 9位 ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ 10位 劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD 10位中6作品を占めるアニメが強いのはいつものことだが、 他の4作品もシリーズものと..

  • 中国株が下がる分上がっている感じの日本株だがさすがに急ピッチすぎる

    1月12日の日経平均株価は力強く続伸。 12日の終値は前日より527円25銭高い、35,577円11銭となった。 連日のバブル後高値の更新に、市場は沸いている。 日本株上昇の要因はさまざま言われているが、 中国売り 日本買い という流れがその一端を担っているようだ。 この半年で見ると、 日本株が9%上昇した一方、 中国株は10%下落している。 この1年で見ると、 日本株が34%上昇した一方、 中国株は12%下落している。 中国経済の存在感は非常に大きいので、 中国経済の減速は日本にも影響を与えるはずだが、 株式市場に限って見れば、 中国株が下がっても日本株は下がらないどころか、 中国株と日本株は逆相関にあるようにさえ見える。 さて、日本株はどこまで上がるだろう。 ここまで駆け上がってくると、 日経平均で史上最高値の更新や40,000円と..

  • 映画評 「PERFECT DAYS」

    ドイツの名匠ビム・ベンダースが、 役所広司さん主演でトイレの清掃員の男が送る日々を描いたドラマ。 2023年カンヌ国際映画祭で、役所さんが男優賞を受賞したことで大きな話題になった。 役所さん演じる主人公は、 道を掃く箒の音で眼ざめ、 布団をてきぱきたたみ、 歯を磨き、 缶コーヒーを買い、 お気に入りの昔の洋楽を聞きながら現場に向かい、 丁寧に仕事をする。 古本屋で本を買い、 いつもの安居酒屋とスナックに行く。 つまりは、静謐に暮らしている。 毎朝、空を見上げるときの晴れやかな顔が印象的。 普段と変わらない日常を大切にしていることがわかる。 しかし、そんな主人公にも、 なにがしかの過去があり、 人としての心の揺らぎがある。 映画は淡々と進む。 ベンダース監督が敬愛されているという小津安二郎の世界のようである。 映像は美しく、役所さんの演..

  • 実感はさておき数字上はバブル期より豊かになっている日本

    バブルの頃はよかった、 と振り返る人が多い。 あの頃は、金が回っていた、 日本が豊かだった、 というのである。 まあ、そうなのだろう。 ただし、数字で見ると必ずしもそうとばかりも言い切れない。 1月10日付の日本経済新聞の朝刊に、 バブル期(90年3月)と現在(24年1月)の経済指標比較が掲載されていた。 それによると、 株式相場の時価総額は469兆円から857兆円に、 名目GDPも443兆円から595兆円に、 それぞれそれなりに拡大している。 もちろん、他国はもっともっと成長しているから、相対的な地位は下がっているが、 日本がずるずる貧しくなり続けているわけではない。 円相場についても、ここに来て急激に円が弱くなったように言われるが、 90年3月は1ドル158円。 今より円安だった。 日本経済について、悲観的な見通しをされる方が少なくない。 ..

  • 勝手に選出 2023年日本映画予告編大賞 後編

    誰に頼まれたわけでもないのに勝手に選ぶ、 2023年日本映画予告編大賞。 ジャンルは ・予告編はよかったのに本編でがっかり大賞 ・予告編音楽賞 ・予告編そう来たか賞 ・2023年日本映画予告編大賞 まずは、栄えない「予告編はよかったのに本編でがっかり大賞」。 こちらは衆目の一致?するとおり、 「シン・仮面ライダー」 に贈呈したい。 スタイリッシュでクールで、 セリフ一つなく、 最後はライダーキックで締める。 このカッコいい予告編で、あの本編。 脱力半端なし。 https://www.youtube.com/watch?v=PUcK-59_ykI 続いて「予告編音楽賞」。 音楽映画である「BLUE GIANT」 森山直太朗さんの「さもありなん」がぴったりはまった「ロストケア」 アイナ・ジ・エンドさんの声が響く「キリエのうた」 なども捨てがたい..

  • 井上に前人未到の勲章がまた一つ 米リング誌の年間最優秀選手に選出

    アメリカのボクシング専門誌「リング」が、 2023年の最優秀選手として井上尚弥を選出した。 「リング」は、世界で最も権威があるとされているボクシング専門誌。 毎年、 年間最優秀選手賞 年間最高試合賞 年間最高KO試合賞 などを選んでいる。 これまで井上は、 2019年にドネアとの試合で年間最高試合賞、 2018年にパヤノとの試合で年間最高KO試合賞を受賞している。 年間最優秀選手に選ばれるのは、当然ながら1人だけである。 つまり、その年に最も優れていたボクサーとして認定されることになる。 日本選手の受賞は初めてであり、 アジア人としてもパッキャオ以来の快挙である。 この報を受けて井上は、 「権威あるリング誌の最優秀選手に選出していただき、大変光栄に思う。2024年はより一層強い井上尚弥をお見せできるよう精進する」 とコメントを発表した。 ..

  • 勝手に選出 2023年映画予告編大賞 前編

    映画には予告編がある。 予告編の出来不出来によって映画のヒットが左右されることもある。 かつてはてっきり監督が自ら作るものだと思い込んでいたが、 Wikipediaによれば、 現在は大部分が「予告編専門の制作プロダクション」によって作られているのだという。 私が監督なら、自分以外の誰か(助監督とかならともかく)が予告編だけをちょちょいと作るのに、 きっと耐えられないだろう。 予告編がよければ本編もいい、 というわけではない。 予告編が駄目でも本編はいい、 ということもある。 両方いい場合も、両方駄目な場合も、もちろんある。 映画の数だけ作られている予告編。 もちろん、そのすべてを観たわけではないが、実際に本編を観たものの中から、 勝手に2023年予告編大賞を決めてみたい。 ジャンルは ・予告編はよかったのに本編でがっかり大賞 ・予告編音楽賞 ・予..

  • 山崎元さん、大江英樹さんの相次ぐ訃報に思う

    年明けから大きなニュースに揺れている我が国だが、 また悲しい知らせが届いてしまった。 資産運用などの著書で人気の 山崎元さん、大江英樹さんの両名がお亡くなりになったというのである。 山崎さんは65歳、大江さんは71歳。 お二人とも若い。 山崎さんは、三菱商事入社後、 野村投信、住友生命、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一證券、UFJ総研 などなど、実に12回の転職を経験されたという。 それだけ求められる人材だったということだろうか。 落ち着くのを嫌がるタイプだったのだろうか。 山崎さんのおっしゃることはいつもシンプルでわかりやすかった。 「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」 「超簡単 お金の運用術」 「ほったらかし投資術」 といった著書では、 ズバリ買うべき金融商品を明示されているところが潔く、役に立った。 大江さん..

  • 映画評 「ほかげ」

    塚本晋也監督による、終戦直後の闇市を舞台にした作品。 体を売ることで生計を立てている女と、 家族を失った子供、 戦場のトラウマに悩む復員兵が、 狭く暗い家で共同生活を始める。 こういう映画があってもいいとは思うけれど、 正直なところ、まだここなのか、とも感じた。 昔の映画として観るのならいいのだが、 2023年の映画としてはどうなのだろう。 本作は、毎日映画コンクールにおいて、 『怪物』『ゴジラ-1.0』『せかいのおきく』『福田村事件』 と並んで日本映画大賞候補作にノミネートされた。 2023年に公開された数々の邦画の中で、本作が上位の5本に選ばれたのだと思うと、 なんとも複雑な気持ちになる。 たまたまだとは思うが、ゴジラもおきくも福田村も昔のお話(3作とも好きだが)。 日本映画、大丈夫ですか。 そういう演出なのだろうが、 声や音がやかましい。..

  • 虻蜂取れる紅白もあるのでは

    2023年の大晦日に放送された『第74回NHK紅白歌合戦』の視聴率が発表された。 関東地区の平均視聴率は、 第2部で31.9%とこれまでの最低記録34.3%を2.4ポイント下回り過去最低、 第1部も29.0%と、これまでの最低30.6%を下回った。 30%を下回るのは、紅白が2部制になって以降、初のことらしい。 それでもこのくらいの数字を取れば、 視聴率が伸びない時代にまずまずではないかと思う方もおられるだろうが、 サッカーのワールドカップや野球のWBCなどでは40%を超える視聴率を取るので、 要は内容次第とも言える。 視聴率が持続的に下がっているのは、 それなりの内容になっているからと考えるのが普通なのだろう。 今回の紅白の大きな特徴は、旧ジャニーズ系の歌手を一組も出さず、 その代わりと言っては何だが、 K-POP系のアーティストを数多く出演させたことだ..

  • 幸福度ランキングで上位を占める北陸3県

    日本総合研究所が2年ごとに発表している「都道府県幸福度ランキング」。 「健康」「文化」「仕事」「生活」「教育」といった基本指標と、 人々の幸福感を具体的に評価する尺度を用いて算出しているのだという。 最新2022年のランキング上位は以下のとおり。 1位 福井県 2位 石川県 3位 東京都 4位 富山県 5位 長野県 上位5位内に、北陸3県がすべてランクインしている。 地方に有利な設定になっているのではないかとの憶測も出るだろうが、 東京が3位に入っていることから、必ずしもそうではないことがわかる。 北陸3県は、仕事、教育、生活、といった面で評価が高い。 小中学生の学力テストでも常に上位に来ることでも知られている。 こうしたランキングに一喜一憂するべきではないだろう。 いろいろな指標や評価の仕方があり、あるランキングで下位だからといって、 その..

  • 日経元旦紙面恒例「経営者が占う 株価・景気」

    日本経済新聞元旦号の恒例企画 「経営者が占う20××年 株価・景気」。 今年も、ニトリの似鳥会長、ユニ・チャームの高原社長など、 そうそうたる20人の経営者たちが株価や景気を予想されている。 ちなみに、これまでの日経平均株価予想についての経営者の予想平均値と結果を振り返ると、 2016年の 予想は、高値22,300円 安値18,000円、 実際は、高値19,600円、安値14,800円、 2017年の 予想は、高値21,750円、安値17,500円、 実際は、高値23,400円、安値18,200円、 2018年の 予想は、高値25,440円、安値21,200円、 実際は、高値24,448円、安値18,948円、 2019年の 予想は、高値23,925円、安値19,110円、 実際は、高値24,091円、安値19,241円、 2020..

  • ここのところで読んだ30冊

    ここのところで読んだ30冊は以下のとおり。 「闇バイト」 廣末 登 「パーマネント神喜劇」 万城目 学 「非・バランス」 魚住 直子 「たんぽぽ球場の決戦」 越谷 オサム 「問題解決」 齋藤 顯一 「人を動かす」 デール・カーネギー 「映画女優のつくり方」 行定 勲 「昭和芸人七人の最期」 笹山 敬輔 「スローメディシンのすすめ」 デニス・マッカラ 「ジョン・レノン120の言葉」 「ついやってしまう体験のつくりかた」 玉樹 真一郎 「コミュニケーション力を高めるプレゼン・発表術」 「八王子のレッド・ツェッペリン」 木根 尚登 「困った人の説得術」 出口 知史 「キヨハラに会いたくて」 中溝 康隆 「南方熊楠」 唐澤 太輔 「社長のノート」 長谷川 和廣 「ライオンは眠れない」 サミュエル・ライダー 「風に恋う」 額賀 澪 「月のうた」 穂..

  • 4の倍数の年の一年の計は

    「一年の計は元旦にあり」という言葉がある。 「終わり良ければ総て良し」という言葉があるように、 「一年の計は大晦日にあり」というのならすんなり納得だが、 「元旦にあり」とはどういうことか。 そこで、そもそも「計」とはどういう意味なのか調べてみる。 「計」が合計とか総計とか決算とかいった意味しかないのなら、 それが元旦にあるのはちとおかしい。 辞書で引いてみると、4番目当たりに次の意味が出てくる。 「心の中で数えてみること。見積もること。はかりごとを立てること。はかりごと。」 なるほど。 この意味を引けば意味が通る。 つまり、「一年の計は元旦にあり」とは、 「その年にやるべきことを考えるのは元旦であるべき」 といった意味なのだろう。 元旦は例えであって、 「何事も早めに計画を立てましょう」 という含意があるようだ。 とは言っても、元旦に計を立てる..

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