銀河連邦だのワームホールだののある遠未来の宇宙時代。辺境の惑星イドラで生きる人々の物語。
オリジナルSF小説『神隠しの惑星』第一部です。
文武両道を謳う飛鳥高校は、運動部と文化部に各ひとつずつ所属することが必須である。活動内容によって週2日の部と週3日の部があって、合計5日になるように選択する。大会やコンクールなどの前で特訓期間になると、練習日が増えるので、もうひとつの方の部は公式に休めるルールになっている。何に入るか迷ったが、運動部はワンダーフォーゲル部にした。普段はランニングやジムのマシンで体力作りをして、月1、2回、近郊の山を歩き、長期休暇にはキャンプや山小屋泊などで合宿があるらしい。というのも、紫ちゃんのいる山寺が、割としっかり山らしいのだ。紫ちゃんは10歳くらいからあちこち山を巡って、五葉と水源の浄化や龍脈の調律などの仕事をしていたので、今の寄宿先の山でもブランカと楽々石段を駆け上っているらしいが、こちらはそうはいかない。進学校志...STOP!桜さん!(その8)
地球はダンから一番近い居住可能な惑星だ。実際、簡単な栽培や土器などの文明を持つ人類が集落を作っていること、間氷期で温暖な気候で採取狩猟生活でも食糧に困ることが無さそうだということまで、調査済らしい。なのに調査船が帰って来ない。調査船の乗組員は風読みと星読みで構成されていた。「彼らの無事がずっと知りたかったの」ミルテが言った。彼女の子供が3人、地球行きの船に乗せられたそうだ。私たちはリーリャの水槽のある部屋で話していた。ミルテが2人の診察をするので、ついて来たのだ。「私は司の力が無かったから。夫は早く亡くなったけど、それでもしばらく家族で暮らすことが出来た。でも娘は夢を読むことが出来て、それで……寺院に送られてしまった。息子たちは力が無くて……薬師の村で一緒に育てることが出来たのに、結局……連れて行かれてし...白い花の唄(その6)
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