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不祥事
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八千代市
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船橋市
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2009/06/15

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  • 美月と俺 蓬田編(VS安西さん)

    「安西さんはそんなに嫌なやつなの?」自分の親の取引先の人。というスタンスの美月は気になるようだった。俺の彼女、悦子が名古屋に行ってしまってから三ヶ月。俺たちももうすぐ大学を出て、就職する。俺は自分の勤める会社の研修で小躍りした。「しばらくは名古屋支社に研修に行ってもらうから。身辺の都合は付けといてくれよ。」担当者はしゃれた事を言ったつもりで、俺たちにニヤッと笑って見せたのだが。「しばらくって、どのくらいですか?」他のやつが沈んだ口調で質問してる。「本社での業務もこなしながらだから、ずっと行けって訳じゃないんだが。最初の土日は、ん~だいたい夏ぐらいまでは交代で行ってもらう。」詳しい勤務表などは入社前に渡すから、とそこで説明は終わった。正確には金曜日の朝早くに名古屋へ飛び、金土とかけて研修。日曜に休みという感じらし...美月と俺蓬田編(VS安西さん)

  • 美月と俺 亮編(はじめてのだっこ)

    家に双子が来てから、何日かたった。美月が一週間の入院を経て、アパートに戻ってきた日には赤ちゃんが家にいることが、なんだか特別なことだった。自分と美月の子ども。二人の半分づつが一人の人間になった赤ちゃんだ。まあ、うちはその×2だけど。でもまったく違う生き物なのだ。いまは、特に。こんなにちいさな、ついこの間まで美月のお腹にいたくらいの子どもたち。まだまだ、俺たちが手をかけなければ生きていけない。こんなに自分の心を鷲掴みにして離さないものがあったろうか。そうだ。妻以来(笑)。育児ではじめの辛さは夜中の授乳だという。双子とはいえ、いっぺんにお乳を飲んでくれるわけではない。うちの子はよく寝るほうだと思う。6時間ぶっ続けに寝て、心配で起こしたこともある。でも時間差攻撃で来るのでラクではないのだ。美月は今の所、母乳で二人の赤...美月と俺亮編(はじめてのだっこ)

  • 美月と俺 亮編(こんにちは赤ちゃん13)

    「んぎゃあ、んぎゃあ、んぎゃあ。」思ったより頼もしく低い泣き声だった。「これがお兄ちゃんね。よかったあ。へその緒も絡まってないよ。」看護婦さんが赤ちゃんを美月の胸もとに持ってきてくれる。「やっと会えたね。もう少しで弟も出てくるから。」感動のご対面。今まで共に暮らしてきたのに、顔を合わせるのが初めてなのだ。なんだか微笑ましい。いらっしゃい。赤ちゃん。そりゃあ俺だって立ち会ってたとき、リアルタイムにこんなこと冷静に思ってたわけじゃない。記憶は後から思い返すと半分くらいごっそりと抜け落ちていたっけ。「おぎゃあおぎゃあおぎゃあ。」弟の方はせっかちな鳴き声で、ちょっと必死な感じ。置いていかれたなんて思ってしまったのかもしれない。「よしよし。もうお兄ちゃんも来てるよ。」二人とも極めて健康、五体満足。眩しそうにしてるように見...美月と俺亮編(こんにちは赤ちゃん13)

  • 美月と俺 亮編(こんにちは赤ちゃん12)

    「陣痛ってなんでこんなに痛そうなのかな。こんな母体が苦しそうなのに赤ちゃんは大丈夫なんですか?」俺は素朴な疑問を助産師さんにぶつけた。そんなこと言ってみたって始まらない。「そりゃ赤ちゃんだって苦しいと思うよ。産道通るときなんか酸素行ってないんじゃないかな。まあ、人間の二足歩行の弊害なんて言われてる。それにしても辛そうだから。心配する気持ちもわかる。」「いや。その。」俺はいまさら駄々をこねた一番上のお兄ちゃんみたいな心境になってうつむいた。「でも、親子で修羅場をくぐって。生まれてきた赤ちゃん。ぞんざいに扱える母親いないよね。あたしはそう思いたい。」「あ、あの。」俺は何も言えなくなってしまった。「ほら。病室戻って。さすってあげたら?」「は、はいっ!」俺はあわてて美月の所に戻った。「う~う~う~う~!」「大丈夫か?」...美月と俺亮編(こんにちは赤ちゃん12)

  • 美月と俺 亮編(こんにちは赤ちゃん11)

    「はい。旦那さんは出ていてね。」美月が産気づいて、俺はすぐに職場から駆けつけた。もう病室で、着替えも済ませていた美月。浣腸もしたよ。なんて余計な事まで教えてくれた。付き添いなのに俺は何度となく病室を追い出される。診察は見てちゃいけないのかな。美月に訊いてみた。「俺、なんで診察のたんびに出されるんだろう。見たいとまでは言わないけど。なんか難しいことでもやってるのか?」美月は力なく笑った。「亮。内診してるからだよ。これやらないと始まんないでしょう?」「ない、しん?」俺には内診の意味がわからなかった。「内診って言うのは。膣から手を入れて子宮口の様子とか診るんだよ。」「へっ?!」俺には想像もつかなかった。普段は悦ばせる為にいろんなものが立ち入って、抜き差しなんかを繰り返してる。そこでお産の進み具合なんかを診断していくと...美月と俺亮編(こんにちは赤ちゃん11)

  • 美月と俺 亮編(こんにちは赤ちゃん10)

    「これで、よし。」美月は学校の自分のロッカーにお産の時の荷物を整えた。じゃあ、家で産気づいたらどうするのかと訊いたら。「なんか、子どもたちの前で産気づきそうな気がするんだよね。」野性の勘だろうか。まあ、黙って見守ることにした。「タオルいっぱい買っちゃった。」「まあ、そのうち使うだろ。赤ん坊がいっぺんに二人来るんだから。」「へへ。そうだね。」「今さらとは思うけど、俺の連絡先は他の先生も知ってるんだよな?誰でも連絡取ってもらえるようにしとかないと。」「うん。事務の女の子に頼んである。あたしのことはそこに連絡が行って、うちのお母さんと亮の職場に電話入れてもらうことになってるから。」「そっか。ならいいか。」いつ、陣痛が来てもいいように。いつも冷蔵庫には余計な食材は残さない。洗濯物もいつも家の中に干している。もうすぐ、赤...美月と俺亮編(こんにちは赤ちゃん10)

  • 美月と俺 亮編(こんにちは赤ちゃん9)

    「ほらあ。こんなに出っ張ってる。」美月は子どもたちの胎動を、ジャンパースカートをめくり上げて見せてくれた。「ほ、ほんとだ!!」俺もはしたないだのはもうそっちのけだ。「これが兄で、こっちが弟かな?」もう双子の赤ん坊は男の子であると教えてもらっている。兄弟でせまいお腹の中を共有しているのだ。仲はいいだろう。足が素っ頓狂なところで出ていると、別々の胴体から出てるとわかるが、近所でかたまって出てると、よくわかんなくなる。マジで美月の腹の皮越しに盛り上がるのだった。「ほら。寒いから腹しまえ。もういいよ。」「はああい。」美月はお腹をしまって、ジャンパースカートをずりさげて整える。うふん。かわいい。このところ、どうにも美月がかわいくて仕方が無い。そろそろセックスは止めたほうがいい時期なんだけど。どうもかわいがって鳴かせたい衝...美月と俺亮編(こんにちは赤ちゃん9)

  • 美月と俺 亮編(こんにちは赤ちゃん8)

    「ほらあ。動いてるよ。」美月のお腹はだいぶ大きくなった。もう6ヶ月に入った。双子のお母さんの腹はでかい。中の赤ん坊も動きがよろしくなってきた。元気だからすごくよく動くんだと美月はごきげんだ。でも。俺まだ触れてないよ。家に居るときに。美月に教えてもらって、俺が腹に手を置くと。ぴたっと止みやがる。「蹴ってる蹴ってる!はやく!」なんて呼んで貰って。急いで駆けつける。で、触ると、止んでる。どうして?「お前、がっつきオーラを出してないか?」先輩パパ、賞平くんに聞いてみる。「俺もすげえワクワクして、触れる触れるってギンギンしてたんだよ。そしたらもう、俺が美雪の腹に触れるか触れないかでぴたっと。」どこもこうなのか?「志保はいまだに美雪がいないと泣き止まねえし。もうあの頃から嫌われてたのかなあ。なにがいけねえんだろう。」「賞平...美月と俺亮編(こんにちは赤ちゃん8)

  • 美月と俺 亮編(こんにちは赤ちゃん7)

    「やっぱし、わかんない。」俺は美月の腹に触りながら、しょんぼりとした声を上げていた。美月は胎動とおぼしきお腹のごろごろを俺に触らせてくれようとしていた。俺だって触りたい。赤ん坊の動きを感じたいよ。「今またぐるごろしてるよ。」「うん。わかんない。」美月は俺の手をそのぐるごろしてるとこに当ててくれるのだが。やっぱしわかんない。「残念だ。もう少し大きくなってからだね。るーには。」なんだか勝ち誇った風に笑う美月。くやしい。「もっとしっかりした胎動になったら教えて。」「おう。まかしとけ!」美月はそれからと言うもの、お腹を大事そうに触っていることが多くなった。「さすがにもう暴れたいって言わなくなったよ。よかったじゃんか。」賞平くんが電話で報告をくれた。「以前は『階段から踊り場に飛び降りる』なんて尋常じゃないこと言ってたんだ...美月と俺亮編(こんにちは赤ちゃん7)

  • 美月と俺 亮編(こんにちは赤ちゃん6)

    美月のつわりがおさまった頃。安定して経過していた妊娠も安定期を迎えた。「でも暴れていいって訳じゃないぞ!」俺は美月に固く念押しした。「わかってるったらあ。」美月は上目遣い。甘えたような言い方は、図星だと言うことだ。そうだ。わかっちゃいないってこと。「でもさあ。もう子どもたちが入れてくんないし。サッカーだって野球だって。大人しく指をくわえて見てるだけなんだよ?」美月にしたらよく我慢しているな、とは思う。でも褒めてばかりではいかんな。今の美月はいつ暴れだすか保障の出来ない状態だ。このところ体調すこぶる良く、うずうずしている所なのだ。「美月は妊婦さんが全力疾走しているの、見たことないだろう?」「そりゃあ。でもいないとは言えないんじゃない?」なんだ。その『私よりテストの点悪い子いたもん!』的な反論の仕方。いけないことは...美月と俺亮編(こんにちは赤ちゃん6)

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