禅話138ー四海は通じずー
今回は、久しぶりに「禅話」に触れたい。さっそく以下に見よう。◎後雲蓋和尚〔景禅・證覺〕●原文僧問、「如何是和尚家風?」師云、「四海不曽通。」●試訳僧問う、「如何なるか是れ和尚の家風?」師云はく、「四海は曽(か)つて通じず。」○禅蔵コメント弟子が師僧に家風を問う問答は、よく見られる。要するに、「師僧は、禅に於ける悟りの境地をどのようにとらえているのか?」或いは、「師僧の指導方針はいかなるものか?」といった質問であろう。この質問に対して、どのように答えるかは、それぞれの師僧によって異なる。で、今回の師僧、後雲蓋和尚は、「四海は曽つて通じず」つまり、「四つの海は繋がった事がない。それが我が家風だ」と答えた。四海とは、仏教的に言えば、須弥山をとりまく四方の海。もう少し一般的に言えば、東西南北の四方の海。転じて、世...禅話138ー四海は通じずー
2022/08/23 10:36