「世界の植物」29 スイス スイスといえばアルプス。そのアルプスの高山帯には実にさまざまな植物が息づいています。というのも,谷間のいちばん低いところから,植物が生育できない雪線まで,なんと2200メートルも高度差があり,しかも石灰岩や白雲岩など,岩のタイプが異なっているからです。マツ属やカシ属の混交林,ヨーロッパカラマツ林,ドイツトウヒ林,ヨーロッパハイマツ,モンタナマツ,それにシャクナゲ類の小低木林と続き,その上部にはヒースなどの高山草原がひろがっています。このなかでも,とくに高貴な姿をみせるのはヨーロッパハイマツで、ヨーロッパカラマツとともに森林限界付近に繁茂しています。そしてスシャール渓…