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絵本、児童書、一般書、色んなジャンルの本の感想、評価。☆☆☆以上はオススメ本!

小さな図書館に勤めています。読んだ本の記録、感想、評価が主な内容ですが、子ども達への読み聞かせや、ブックトークのプログラム、図書館で人気の本なども、紹介していきたいと思います。

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2008/11/13

  • 『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

    ☆☆☆☆「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。各界から絶賛の声続々、いまだかつてない青春小説!2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。発売...

  • 『バスを降りたら』眞島めいり

    ☆☆☆+「通学のバスの中で見かけるあの人みたいになりたい……」奈鶴(なつる)はバスで席を譲る律(りつ)の姿を見て名前も知らな律のことが気になりはじめる。一方、律は自分が落ちた中学の制服を着た奈鶴のことを少し目障りに感じている。奈鶴と律はバスの中で見たお互いの姿をきっかけに大切なことに気がつきはじめる。男女ふたりの視点で描かれる、一歩前に踏み出す勇気をくれる青春成長ストーリー。バスを降りたふたりは、新た...

  • 『短編旅館』阿部暁子 泉ゆたか 宇山佳祐 谷瑞恵 羽泉伊織

    ☆☆☆ちょっとほっこり、していきませんか。注目作家陣が紡ぐ「旅館」にまつわる5つの物語。いきなり文庫!温泉につかって、ひとり自分を見つめなおしたり、家族と久しぶりにゆっくり話したり、大切な人との思い出を辿ったり──。旅館で過ごす時間は、日常とは少し違った流れ方をする。母への想いを再確認する宝塚〈遠征〉、東北の温泉旅館の女将代理の奮闘、一枚のはがきから始まる伊勢の旅など、注目作家陣がさまざまな土地の「旅館...

  • 『ペイント』イ・ヒョン

    ☆☆☆+「君たちは、親を選べる子どもなんだよ」「アーモンド」に続く「チャンビ青少年文学賞」受賞作。韓国で30万部。ブレイディみかこ氏推薦。「子どもに親を選ぶことができたら。人類の究極の「IF」に挑んだティーン小説。大人こそ読んでこころの準備をしておいたほうがいい」事情により子どもを育てられなくなった親が、子どもを預ける「NCセンター」が設立された近未来。そこでは子どもが親を選ぶ面接「ペイント(ペアレントイン...

  • ブックトークシナリオ 2年生「かってみたら」

    小学校の国語の時間ブックトーク後子どもたちが自由に本を選んで学級文庫を作る活動を行っている私の担当した2年生のシナリオテーマは「かってみたら」...

  • ブックトークシナリオ 1年生「ことばはたのしいまほうつかい」

    年2回、小学校全学年に国語の時間を使ってブックトーク後子どもたちが選んだ本が学級文庫になる、という活動に関わっている。4月、私の担当は1年生と2年生まずは1年生のシナリオテーマは「ことばはたのしいまほうつかい」...

  • 『バンドゥーラ ジャングルの誇りとよばれたゾウ』ウイリアム・グリル

    ☆☆☆☆ミャンマーでは昔から、ゾウと人とが協力して林業を営んできました。貿易会社の社員としてミャンマーに赴いたイギリス人のウィリアムズは、そこでゾウ使いやゾウと一緒に仕事をすることになり、やがて、とびきり頭がよくて勇敢なゾウ、バンドゥーラに出会います。ウィリアムズとバンドゥーラは、かたい信頼の絆で結ばれ、その後、戦火をのがれてジャングルを超える困難な旅を共に成し遂げることになります。作者のグリルは、最...

  • 『プリテンド・ファーザー』白岩玄

    ☆☆☆☆「俺たち、一緒に住まないか? 」恭平と章吾。正反対の同級生。唯一の共通点は、1人で子どもを育てていること───。シングルファーザーとして4歳の娘を育てる36歳の恭平。亡き妻に任せっぱなしだった家事・育児に突如直面することになり、会社でもキャリアシフトを求められ、心身ともにギリギリの日々を送っている。そんななか再会するのが、高校の同級生・章吾。シッターというケア労働に従事しながら、章吾もまた、1人で1歳半...

  • 『図書館にまいこんだこどもの大質問』

    ☆☆☆☆「胸がキュンとするようなお話をおしえてください」「おひめさまになりたい!」「飼っているカマキリを戦いに強くしたいです。どうやったらできますか?」「サンタクロースはいないって、本当?」「さいしょのにんげんはこどもなの? おとななの?」「神さまって、なに?」「くまの本はどこにありますか?」「ねぇ、赤ちゃんの出てくる本ない?」……などなど、かわいい質問・疑問・難問からはじまった、図書館司書さんたちのて...

  • 『保健室には魔女が必要』石川宏千花

    ☆☆☆主人公は、中学校の保健室の先生にして魔女。自分が考案する「おまじない」を流通させ、もっとも定着させた魔女が選ばれる七魔女決定戦に参加している。今日も魔女は、保健室にやってくる生徒たちの悩みをきき、それを解決する「おまじない」を授ける。悩みによりそう短編集。...

  • 『おとな体験授業』なかがわちひろ

    ☆☆☆今日は、ちょっと不思議な「おとな体験授業」。クラスメイト5人が、どんな大人になりたいかを書いた紙を液体に入れると、まぜこぜに大人になっちゃった! ラーメン屋さんや漫画家などを体験して、最後に思ったことは?...

  • 『満天inサマラファーム』長谷川まりる

    ☆☆☆☆小学生男子とふしぎな人魚とのふれあいを描いた『かすみ川の人魚』で日本児童文学者協会新人賞を受賞した長谷川まりるの、受賞後第一作!高校2年の満天は、父のタクさんが経営する自給自足の農場「サマラファーム」で暮らしている。そこはタクさんがすべてを取り仕切る彼の「王国」であり、満天はタクさんの息子でありながら、早朝から畑で農作業をし、ファームが経営するレストランの手伝いをするなど従業員のように働いてい...

  • 『ヘルンとセツ』田淵久美子

    ☆☆☆☆小泉八雲とセツ。2人の奇跡の出会いが、異文化を乗り越え、『怪談』を生みだした。ギリシア生まれのジャーナリスト、ラフカディオ・ハーンと上士の血を引くセツ。2人の宿縁の出会いと文学作品に結実するまでをドラマチックに描く。日本に憧れ東京に上陸したハーンは、英語教師として松江に赴任、誤解からヘルン先生と呼ばれるようになる。版籍奉還により生家は財産を失い、働く場も失ったセツは旅館に滞在中の異国人の女中とし...

  • 『光るマウスが未来をかえる』

    ☆☆☆+【物語の概要】主人公の鍛人(たんと)は、養殖マグロががんじょうな網に衝突して死んでしまうという問題が、遺伝子編集によって解決されるかもしれない、というニュースを聞いて、これでマグロが死ななくてすむと安心する。そんなとき、おばあちゃんが、がんにかかったこと、高齢で抗がん剤を使わないほうがいいということを、お父さんから聞かされた。体に負担をかけないために「遺伝子治療」を行うことになったのだが、「遺...

  • 『6カ国転校生 ナージャの発見』キリーロバ・ナージャ

    ☆☆☆+6つの国4つの言葉で学ぶとどうなるか? 机の並べ方、筆記用具、テスト、ランチ……世界の教室はこんなに違った! 「ふつう」がひっくり返り、世界の見え方が変わる本。ソ連(当時)に生まれ、両親の転勤で世界6ヵ国(ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダ)に転校。各国の地元校で教育を受けた著者ナージャの希有な経験を楽しく追体験! それぞれの国での体験を切り口に、「当たり前」「ふつう」「常識」を問い直す。正...

  • 『此の世の果ての殺人』荒木あかね

    ☆☆☆+2022年ミステリランキング席巻中 「王様のブランチ」「ひるおび」「日曜日の初耳学」で紹介されて続々重版!第68回江戸川乱歩賞受賞作。史上最年少、選考委員満場一致。「大新人時代」の超本命!本格ミステリーの骨法もよく心得ている――綾辻行人特A、もしくはA+、もしくはAA――月村了衛二人の女性のバディ感が最高に楽しい――柴田よしき 極限状況で生きてゆくひとが、愛しくなる――新井素子非日常を日常に落とし込む、その手捌き...

  • 『木挽町のあだ討ち』永井沙耶子

    ☆☆☆ 疑う隙なんぞありはしない、あれは立派な仇討ちでしたよ。語り草となった大事件、その真相は――。ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙はたくさんの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者だというひとりの侍が仇討ちの顚末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。新田次郎文学賞など三冠の『商う...

  • 『ネット右翼になった父』鈴木大介

    ☆☆☆ヘイトスラングを口にする父テレビの報道番組に毒づき続ける父右傾したYouTubeチャンネルを垂れ流す父老いて右傾化した父と、子どもたちの分断「現代の家族病」に融和の道はあるか?ルポライターの長男が挑んだ、家族再生の道程!社会的弱者に自己責任論をかざし、嫌韓嫌中ワードを使うようになった父。息子は言葉を失い、心を閉ざしてしまう。父はいつから、なぜ、ネット右翼になってしまったのか? 父は本当にネット右翼だったの...

  • 『「くうき」が僕らを呑みこむ前に 脱サイレンと・マジョリティ』山田健太

    ☆☆☆☆すごく貴重な「自由」を享受しているのに気づいていない。自分の頭でしっかり考えていないと、あっと言う間に失くしてしまうのに──。生まれたときから身の回りにある「自由」と「民主主義」について、若い人の身近な日常に即して描く、「言論の自由」専門研究者と絵本作家のコラボレーションによる絵本。謎のイキモノ「くうき」の4コマ付き、プロフェッサー・ケンタによるコラム&解説付き。...

  • 『貸本屋おせん』高瀬乃一

    ☆☆☆第100回オール讀物新人賞を満場一致で受賞した著者が、満を持して送り出す初の作品集。選考委員の村山由佳氏が”読み終えるなり「参りました」と呟いていた”と選評に記した受賞作「をりをり よみ耽り」の世界を5篇の連作で展開する。物語の舞台は、文化年間の江戸浅草。女手ひとつで貸本屋を営む〈おせん〉の奮闘を描く。盛りに向かう読本文化の豊饒さは本好きなら時代を超えて魅了されることでしょうし、読本をめぐって身にふり...

  • 『だれもみえない教室で』工藤純子

    ☆☆☆☆人の心の中は見えないもの、そして伝わらないものしっかりと伝えるためには「言葉」にすることが大切!「心」よりも「行動」が大切!(元・麹町中学校校長、現・横浜創英中学・高等学校校長 工藤 勇一氏)『となりの火星人』『あした、また学校で』『サイコーの通知表』と、小学生の生きづらい現実に寄り添った話題作を放った工藤純子氏の書きおろし最新作。「よくあるよね。大人に無理やりあやまらされたり、握手させられたり。本...

  • 『千に染める古の色』久保田香里

    ☆☆☆+右大臣の娘、千古は13歳。裳着が近いので姫らしくするべきと、外出をとめられて退屈している。そんなある時、自分で着物を染めてみたくなり、屋敷の外にこっそりでて行き…。守られてきた姫君が、自立を意識する成長の物語。...

  • 『エツコさん』昼田弥子

    ☆☆☆+友達の家に向かうとちゅう迷子になって、前を歩くおばあさんに声をかけた、樹(たつき)。あれ、このおばあさん、エツコ先生とよばれていた、認知症のおばあさんだ…。エツコさんと5人の小学生の、少し不思議で幸せに満ちた「記憶」をめぐる連作短編集。...

  • 『レペゼン母』宇野碧

    ☆☆☆+マイクを握れ、わが子と戦え!山間の町で穏やかに暮らす深見明子。女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」明子はマイクを握り立ち上がる――!『晴れ、時々くらげを呼ぶ』『檸檬先生』などで最注目の新人賞から、今年も文芸界のニュースターが誕生!第16回小説現代長編新人賞受賞作。...

  • 『方舟』夕木春央

    ☆☆☆☆「週刊文春ミステリーベスト10」&「MRC大賞2022」堂々ダブル受賞!9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠...

  • 『エルトゥールル号の遭難 取る事に本を結ぶ心の物語』寮美千子

    ☆☆☆☆1985年3月、イラン・イラク戦争の開戦直前、在イランの日本人200名以上は脱出方法が見つからずに生命の危機に瀕していました。その時、トルコ政府は2機のトルコ航空機をテヘランへ派遣して、215人の在留邦人を救出してくれました。感謝の言葉を述べる日本人に対し、トルコ政府は「私たちは100年前の日本人の恩を忘れていません」と答えました。その恩とは、本書が描く「エルトゥールル号の遭難」です。1889年、エルトゥールル...

  • 『アスリーツ』あさのあつこ

    ☆☆☆+陸上では、自分に失望した。もう、負けたくない――。結城沙耶は、中学2年で出場した全日本中学陸上広島県大会100メートルハードル女子決勝で転倒し、失意のうちに陸上部を退部した。親友の松前花奈に誘われ、広島の進学校・大明学園高校へ入学し、射撃部に入る沙耶。初めて構えるビームライフルの重さに驚き、個性豊かな先輩たちに励まされ、童顔の監督・磯村辰馬の指導を受けつつ、未知の競技に戸惑いながらも花奈とともに励...

  • 小学校1年生国語「お手がみ」 ブックトーク

    オーのルドローベル作品のブックトークを1年生の教室で行った。かえるくん、がまくんに興味をもたせることと、作家を知って他の作品も沢山ある事を知ってもらうためのブックトークテーマはぜーんぶアーノルド・ローベルさんクラスの状況からは、かえるくん、がまくんに興味を持たせる事に狙いを絞っても良かったかなあというのが終わってみての感想。以下シナリオalign=

  • 『かわいい子ランキング』ブリジット・ヤング

    ☆☆☆中学校の生徒たちにいっせいにメールで送られてきた、学年のかわいい女の子ランキング。みんなのあこがれだったソフィーが2位で、1位は地味なイヴだった。イヴは注目をあびることに苦痛を感じ、ソフィーは1位じゃなかったことに屈辱を感じ、そして他の女の子たちも、それぞれに傷ついていた。イヴ、ソフィー、それにイヴの親友のネッサの3人は、ランキングを書いた「犯人」を見つけようとするが……。...

  • 『このやさしき大地』ウィリアム・ケント・クルーガー

    ☆☆☆+1932年、ミネソタ。教護院に暮らすオディは、ある日、暴力を振るう職員を殺してしまう。彼はおばに会うため、兄や親友、竜巻で母親を失ったばかりのエミーと施設から逃げ出し、一路カヌーでミシシッピ川を目指すが――。少年たちのひと夏の冒険と成長の物語。...

  • 『雨の日が好きな人』佐藤まどか

    ☆☆☆☆──小学6年生の七海は、お母さんが再婚し、あたらしいお父さんとあたらしいおねえちゃんができて、大喜びした。でも、家族になるのは、そんなに簡単なことではなかった。会ったことのないおねえちゃんに嫉妬し、七海はもがく。 入院中のおねえちゃんは、泣き言を言わないし、弱音もはかず、まわりのことを気遣ってばかりだ。七海はだんだん自分が恥ずかしくなっていくが……。小さいお姉ちゃんと新しいお父さんの間で、複雑な家庭...

  • 『ジャングルジム』岩瀬成子

    ☆☆☆☆おねえちゃんは目をまっ赤にして、玄関に立っていた。「泣いたの?どうしたの」と、あたしはきいた。思いがけず、年上の子と〈どっちが強い〉か決めることになった小学生の女の子・すみれ。あたしはばかだ、と思った。どうして、こんなことになっちゃったんだろう。こんなこと、したくない。いやだ。だめだ。少女の揺らめく気もちをこまやかに描いた表題作「ジャングルジム」をふくむ五編を収録した短編集。(小学中級から)い...

  • 『世はすべて美しい織物』成田名瑠子

    ☆☆☆☆染めて織る、私の物語を織り人たちの「業」と「歓び」が織りなす、新たな感動作の誕生。〈桐生の養蚕農家の娘として生まれた芳乃〉と〈東京でトリマーとして働く詩織〉。伝説の織物「山笑う」をめぐり〈昭和〉と〈現代〉、決して交わるはずのなかった、ふたつの運命が、紡ぎ、結ばれていく――。抑圧と喪失の「その先」を描く、感涙必至のてしごと大河長編。...

  • 『小さなことばたちの辞書』ピップ・ウィリアムズ

    ☆☆☆☆ことばに生涯を捧げた女性を描く珠玉の一篇。「生きるということは、ことばを集めることだ――べつに辞書編纂者でなくても。エズメがそれを教えてくれる」――国語辞典編纂者・飯間浩明 19世紀末の英国。母を亡くした幼いエズメは、『オックスフォード英語大辞典』編纂者の父とともに、編集主幹・マレー博士の自宅敷地内に建てられた写字室に通っている。ことばに魅せられ、編纂者たちが落とした「見出しカード」をこっそりポケッ...

  • 『ぼくたちはまだ出逢っていない』八束澄子

    ☆☆☆☆ブックトークするなら テーマは傷 好きを見つける 出会い 家族イギリス人の父親と日本人の母親を持つ中3の陸は、バスケ部の豪大から何かと絡まれ、暴力を受けている。一方、母親の再婚を機に岡山から京都に引っ越してきた中2の美雨は、学校にも、家にも、居場所がなく、京都の町をさまよい歩いては時間をつぶす毎日。いつものようにさまよい歩いていたとき、ショーウインドウに飾られた器が月明かりに一瞬きらめくのを見た...

  • 『キミョウな人(?)たち』森川成美

    ☆☆☆☆ブックトークするなら テーマはまさかな… 驚きの…豪華作家陣が1冊に自身の世界観を描いていく本格児童文学の短編集シリーズ。森川成美による第3弾は、あっと驚く意外な結末や不思議な読後感を楽しめる物語ばかり6編を収録。本を読む経験が少ない小学生でも、休み時間にサクッと読書の奥深さを味わえます。...

  • 『レッドクローバー』まさきとしか

    ☆☆☆☆『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』シリーズ累計40万部突破の著者、最高傑作ミステリ。まさきとしかが……いよいよ、くる!家族が毒殺された居間で寛ぎラーメンを啜っていた一人の少女。彼女が──家族を殺したのではないか。東京のバーベキュー場でヒ素を使った大量殺人が起こった。記者の勝木は、十数年前に北海道で起こった家族毒殺事件の、ただ一人の生き残りの少女――赤井三葉を思い出す。あの日、薄汚れたゴ...

  • 『保健委員は恋してる』小松原宏子

    ☆☆☆☆青空小学校4年1組にはうさわの「スーパー保健委員」がいる。何がすごいって…! ?さあ、あなたはどのタイプ? 新シリーズ第1巻。4年生の新学期。クラスがえもなく、たんにんの先生も去年といっしょ。じゃあ何が新しいかといえば、4年生になると「委員会活動」がはじまること! 学級委員に図書委員、保健委員に体育委員……ところが、いざ委員決めの学級会が始まると、だれも立候補するひとがいません。岡崎先生がこまっているのを見...

  • [ 祝宴」温又柔

    ☆☆☆+我最愛的家人。娘を誰よりも理解したい、けれど――。気鋭の新たな代表作。「私は、彼女のことを、秘密にしたくないの」。長女が同性の恋人の存在を告白したのは、次女の結婚式の夜だった。戸惑う父は、娘にふつうでいて欲しいと願ってしまう――。日本で外国人として育った娘、外省人の祖父、日本、台湾、中国で生きる父。いくつもの境界を抱えた家族を、小籠包からたちのぼる湯気で柔らかく包み込む感動長編。...

  • 『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子

    ☆☆☆+第167回芥川賞受賞!「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。...

  • 『クロコダイル・ティアーズ』雫井修介

    ☆☆☆☆【第168回 直木賞候補作】ベストセラー作家、雫井脩介による「究極のサスペンス」この美しき妻は、夫の殺害を企んだのか。息子を殺害した犯人は、嫁である想代子のかつての恋人。被告となった男は、裁判で「想代子から『夫殺し』を依頼された」と主張する。犯人の一言で、残された家族の間に、疑念が広がってしまう。「息子を殺したのは、あの子よ」「馬鹿を言うな。俺たちは家族じゃないか」未亡人となった想代子を疑う母親と...

  • 『にわか魔女のタマユラさん』伊藤充子

    ☆☆☆+ブックトークするなら テーマは「魔法」「魔女」「ふしぎ」「あずかり」「お店」「お悩み解決」「喫茶たまゆら」は、並木通り商店街にある、町でひょうばんの喫茶店です。ある日、店主のタマユラさんは、お客のヨルさんというおばあさんから黒いカバンをあずかりました。おそるおそる開けてみると、はいっていたのは、なんと “魔女の持ちものセット

  • 『わたしはスペクトラム』リビー・スコット レベッカ・ウエストコット

    ☆☆☆+ブックトークするなら テーマは「装う」「偽る」でもいけそうみんなとちがっている自分を好きになる方法 「どうして何もかもがこんなにたいへんで、傷つくことばかりなんだろう・・・・・・」 10歳の女の子タリーは、ときどき感情がコントロールできなくなって爆発したり、場ちがいなことを言ってトラブルを起こしてしまう。周りの人には「みんなと違ってる子」と見なされて、理解されないこともしばしば。 みんなと同じ「ふ...

  • 『鈴の音が聞こえる 伝えるということ』辻みゆき

    ☆☆☆ブックトークするなら テーマは「伝える」朝生美空は、この春、中学に入学した。聖白鳩学園には、いわゆる一般的な学校と、盲学校、聾学校が併設されている。美空が入学したのは、盲学校。美空は、弱視だったのだ。登校一日目、学校の敷地内を歩いていると、かすかに「シャラ……ン」という音が。これは、あのとき聞いた鈴の音? 美空にとって、忘れられない記憶がよみがえる──。小学上級・中学から...

  • 『考えたことなかった』魚住直子

    ☆☆☆☆ある日、ネコに声をかけられた。「わたしは、未来のおまえなのにょー。」このままだと、おれの将来、たいへんなことになるらしい。いったい、どうして?知らないうちにさせられてる競争。「ふつう」は男子がおごるもの?おばあちゃんがなんでもやってくれる祖父母の家の「居心地の良さ」。どこかでつながりあった社会のしくみに気づいて考えはじめる男の子の物語。...

  • 『恋ふらむ鳥は」澤田瞳子

    ☆☆☆+見た。愛した。闘った。 すべては歌だけが知っている――。 飛鳥の動乱を生き抜いた万葉の歌人、額田王の激動の半生。 時は7世紀。飛鳥の世に生きた一人の女、額田王(ぬかたのおおきみ)は子まで成した大海人王子(おおあまのみこ)と別れ、その兄、葛城王子(かつらぎのみこ)の仕切る宮城で宮人として勤めに邁進する。誰かの妻や母としてではなく、一人の人間、歌詠みとして生きる道を模索するも、葛城の死、大海人の挙兵で運命は...

  • 『うさぎ玉ほろほろ』西条奈加

    ☆☆☆武士から菓子職人に転身した変わり種の主、治兵衛。父を助ける出戻り娘、お永。看板娘の孫、お君。親子三代で切り盛りする江戸麹町の評判の菓子舗「南星屋」には、味と人情に惹かれやって来るお客が列をなす。麹町を大火が襲った夜以来、姿を見せなくなった気のいい渡り中間を案ずる一家だったが、ある日、思わぬところから消息が届き……。「誰だって、石の衣は着ているもんさ。中の黒い餡を、見せねえようにな」ほろりとやさし...

  • 『神と王 謀りの玉座』浅葉なつ

    ☆☆☆☆『神様の御用人』浅葉なつ による新シリーズ『神と王』第二巻!丈国の建国十年を祝う式典への招待状が斯城国王・琉劔のもとに届いた。名代として丈国へ赴いたのは、琉劔の若き叔母・飛揚。記念日に沸く民の様子を目にした彼女は、ふと違和感を抱く。「世界のはじまり」の謎を追う琉劔は、歴史学者の慈空とともに畏怖の森「闇戸」へ。そこに暮らす一族・日樹の祖父母から、杜人に伝わる不思議な物語を聞かせてもらう。だがそん...

  • 『ぼくらに嘘がひとつだけ】綾崎隼

    ☆☆☆☆才能を決めるのは、遺伝子か環境か?エリート棋士の父を持つ京介と、落ちこぼれ女流棋士の息子・千明。二人の〝天才〟少年は、またたく間に奨励会の階段を駆け上がる。期待を背負い、プロ棋士を目指す彼らに、出生時に取り違えられていたかもしれない疑惑が持ち上がる。才能を決めるのは、遺伝子か環境か?運命と闘う勝負師たちの物語。...

  • 『若葉荘の暮らし』畑野智美

    ☆☆☆+40歳以上独身女性限定のシェアハウス 畑野智美作家デビュー10周年記念作品。感染症の影響を受け、望月ミチルのアルバイト先の飲食店の売上が激減。バイト代が減ってしまったミチルは家賃の安い家に移ることを余儀なくされる。そんな彼女に友人が紹介してくれたのが、40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」だった。不安を抱えながら若葉荘の門を叩いたミチルだったが、温かく迎えてくれた管理人・トキ子さんに出会い、...

  • 『優等生は探偵に剥かない』ホリー・ジャクソン

    ☆☆☆☆2023 このミステリーがすごい海外編5位2023 このミステリが読みたい海外 3位2023 本格ミステリ・ベスト10 7位わたしは名探偵なんかじゃない。――でも、解くべき謎がある。〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉2022年1月号「ミステリが読みたい!」第1位『自由研究には向かない殺人』続編!高校生のピップは、友人のコナーから失踪した兄の行方を探してくれと依頼される。兄のジェイミーは、2週間ほど前から...

  • 『横浜中華街!桃源郷飯店へようこそ』夏目桐緒

    ☆☆+横浜の大学生・安藤サトシは「腹ペコの人の心が読める」という特技を持ち、空腹な人を放っておけずついお節介を焼いてしまう。その日も余計な一言でフラれ、向かった中華街で、緑の肌をした老人が白い着物を来た美人・月楽に襲い掛かっているのに遭遇。助けようとするも老人に噛まれ、月楽に「ついて来なければキョンシーになって死ぬ」と桃源郷飯店へ連れていかれて――? 読めば中華が食べたくなる、グルメあやかしミステリー...

  • 2022年本マイベストセレクション YA/児童書

    2022年は2021年に比べると衝撃的なものは少なかったように思うとにかく2021年は差別、難民問題、格差社会、居所不明児童、自殺、多様性、ヘイト、生きづらさ、育児放棄、虐待、そういった社会問題が子供たちに及んだ状況を描いたものが多くて心に残ったけど22年は、戦争、平和問題への関心が高かったかもしれない印象に残った作品は 17作品もう少し↓...

  • 『夏休みの空欄探し』似鳥鶏

    中高生にもおすすめブックトークするならテーマは「暗号」「秘密」「夏」「姉妹」「夏休み」「冒険」本に挟まれた暗号。謎解きに挑む姉妹。忘れられない夏が始まる。 会員が2名しかいないクイズ研究会会長の高校2年生・成田頼伸(ライ)は、クラス内で「じゃない方」と呼ばれている。ライと同じ姓で、ダンス同好会に所属する人気者・成田清春(キヨ)がいるからだ。クラスで「成田君」といえば、キヨのこと。「役立たたない」ことが好...

  • 2022年本マイベストセレクション

    192冊、私が記録している分の読了本冊数だ。さっと読んじゃう絵本は特に良かったものとか、お話会で使えると思ったものしか記録しないので記録外の絵本も含めるともっと多い幼児から中学生までの子どもたちに本を紹介する事が多いから自然児童書、YA作品を優先して読む。だから純粋に自分の趣味の本は後回しになったりして積読本が増える今30冊程読みたいリストにたまっているのだけどその本が今年読めるかと言うと、読みたい...

  • 『ズラータ、16歳の日記 ウクライナから来た少女』ズラータ・イヴァシコワ

    ☆☆☆☆たとえ戦争から逃げても、夢からは逃げない。・報道番組で複数回単独特集、オンエア後問合せ殺到!・ウクライナ侵攻からの逃避行ドキュメンタリー、出版後の反響必至!・親子関係、日本と海外での教育の違い、避難民がみた日本のリアル・明日、日本にもし戦争が起きたら、16歳の少女のような決断ができるか~今、もう一度生き方を考えさせる本「みなさん、明日は戦争になります」―--。もし、学校の先生から突然こう言われたら...

  • 『バンピー』いとうみく

    ☆☆☆+ブックトークするならテーマは「家族」「まさかなできごと」「でこぼこ」「ピンチ」突然シェアハウスをすることになった、でこぼこな家族の物語。「朝日中高生新聞」を書籍化。連載では明かされなかった謎も明らかに!母を病で亡くし、頼りの父は5か月前にふらっと家を出たきり行方不明。生活費だけは送られてくるものの、上から順に小5、小4、小1の妹たちの面倒を見ながら学校に通う、高校2年生の成。ある日、見知らぬ...

  • 『大きな大きな大きな足あと もし全人類がひとりの超巨人だったら』ロブとトム・シアーズ

    ☆☆☆☆ブックトークするならテーマは「もし〜なら」「地球」「実験」「生き物」「大きい」全人類が1人の巨人に! 地球の未来は?! 人類すべてを合体させて、ひとりの超巨人を作ってみる。超巨人になった〈わたしたち〉は、地球の未来のために何ができるかな? 地球に存在する数字だけだったら想像するのも難しい大きなものや多いものを、わかりやすいサイズに合体させて、いろんなものと比べてみると、びっくりするようなことがあらわ...

  • 『落窪物語 かわいそうな姫君と勇敢な侍女の友情と冒険』 花形みつる

    ☆☆☆☆「あたしが、ひめさまを幸せにしてみせます! 」むかしむかし、継母にいじめられ、床が落ち窪んだ部屋で、こきつかわれるお姫さまがいました。しかし、その姫には、とっても心強い味方がいたのです。姫とすてきな貴公子の恋、そして、その恋を応援する侍女の活躍をえがく1000年前のシンデレラ・ストーリー。平安時代に成立したとされる「落窪物語」。薄幸の姫君と貴公子の物語とされる本作を、児童文学作家・花形みつるが姫君の...

  • 『犬小屋』大山淳子

    ☆☆☆+「猫弁」「あずかりやさん」シリーズ累計70万部超の著者渾身の感動作。「必ずパートナーをつくること」唯一それだけが入居の条件である、一風変わった老人ホーム・ニーシャシャン。マダムと呼ばれる女性と横須賀という名の支配人が運営するそこには、元ヤクザや余命わずかの男、詐欺を働いてきた女など曲者ばかりが集まり、それぞれとペアになる犬たちも保健所から救われた犬や盲導犬になれなかった子など経緯は様々。居場所...

  • 『戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々』オリガ・グレベンニク

    ☆☆☆☆【衝撃の記録、緊急出版!】ウクライナの絵本作家が侵攻直後から鉛筆1本で描いた、戦禍のドキュメンタリー。ロシアがウクライナに軍事侵攻した2月24日。著者はその日からマンションの地下室での避難生活が始まり、そしてハリコフ(ハルキウ)から西部の街リヴォフ(リヴィウ)を経て、ブルガリアまで逃れていく過程を絵と文章で綴った。韓国の出版社が書籍化すると世界で大きな反響があり、日本でもNHK「おはよう日本」(...

  • 「中学生から知りたい ウクライナのこと」小山哲・藤原辰史

    ☆☆☆生きることの歴史、生きのびるための道。黒土地帯、第二次ポーランド分割、コサック…地理や世界史の教科書にも載っているこうした言葉に血を通わせる。「ウクライナを知る」第一歩はここからはじまる。二人の歴史学者が意を決しておこなった講義・対談を完全再現。緊急発刊! MSLive! BOOKSシリーズ「小国を見過ごすことのない」歴史の学び方を、今こそ! ・ロシアが絶対に許されない理由…? ・西側諸国、日本が犯してきた罪…? ・...

  • 「短歌部、ただいま部員募集中」小島なお 千葉聡

    ☆☆☆なかなか口に出せない日々の思いや悩みを,短歌に託して表現してみよう! そうして言葉にすることで気持ちが楽になったり、次の一歩が踏み出せることもある.「短歌を詠んでみよう!」と呼びかけるとともに,その魅力、豊かさを二人の歌人が多くの作品を通して伝える.短歌部へ、ようこそ!....

  • 『ミュゲ書房』伊藤調

    ☆☆☆☆そこは、人も物語も再生する本屋さん小説編集の仕事をビジネスと割り切れない、若手編集者の宮本章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できず、責任を感じ退職する。ちょうどその頃、北海道で書店を経営していた祖父が亡くなり、章はその大正時代の洋館を改装した書店・ミュゲ書房をなりゆきで継ぐことに……。失意の章は、本に関する膨大な知識を持つ高校生・永瀬桃ら、ミュゲ書房に集まる人々との出会いの中で、さらに彼のも...

  • 『生者のポエトリー』岩井圭也

    ☆☆☆+“詩”は人をつよくする――。トラウマを抱え言葉をうまく発することができない青年・悠平が、急きょ舞台で詩を披露することになり……。(「テレパスくそくらえ」) 最愛の妻を亡くした元気象庁技師・公伸は、喪失の日々のなかで一編の詩に出会う。(「幻の月」) 学習支援教室の指導員・聡美と、ブラジル出身の少女・ジュリアの心を繋いだのは、初めて日本語で挑戦した詩だった。(「あしたになったら」)……ほか、人生の大切な一歩を...

  • 『カトリと眠れる石の町』東曜太郎

    ☆☆☆+第62回講談社児童文学新人賞佳作受賞作、待望の書籍化(佳作受賞作『カトリとまどろむ石の海』を改題)。読みやすいのに読みごたえ十分! 冒険ファンタジー。★主な内容舞台は19世紀後半のスコットランドの都市、エディンバラ。街の中に蔓延する眠り病の原因が、自分が住んでいる旧市街の中にあるのではとリズに指摘されたカトリは、ふたりで眠り病の原因をつきとめに行く。患者が発生するタイミングを調べ、街の歴史を紐解きなが...

  • 『ロンドン・アイの謎』ジヴォーン・ダウド

    ☆☆☆+12歳のテッドは、姉といとこのサリムと観覧車ロンドン・アイに乗りにでかけた。見知らぬ男がチケットを1枚だけくれたので、サリムは大勢の乗客と一緒に観覧車のカプセルに乗りこんだ。だがカプセルが一周しても、サリムは降りてこなかった。閉ざされた場所からなぜ、どうやって消えてしまったのか? 「ふつうの人とはちがう」脳の仕組みを持ち、大人顔負けの論理を駆使する少年テッドが謎に挑む! カーネギー賞受賞作家が...

  • 『わたしのペンは鳥の翼 アフガニスタンの女性作家たち』古屋美登里訳

    ☆☆☆☆☆アフガンの女性作家たちによる23の短篇集 書くことがこんなにも強靭な抵抗になるなんて。この炎のような短篇集を読み、語り合うことで、彼女たちの命懸けの戦いにくわわろう。――柚木麻子早急に、世界に届けられなければならない声がある。そしてその声は、物語の力を借りて、何より強いものとなる。――西加奈子どんなに過酷な現実が目の前にあっても私たちは描く。ペンを持っている間だけ心は自由に空を飛べるから。――窪美澄抑...

  • 『金曜日のヤマアラシ』蓼内明子

    ☆☆☆+内容紹介うちのクラスにやってきた、日に焼けて、手足の長い転校生。「うるせーな」ってにらんでくるし、「さよなら」って声をかけても無視するし。あのトゲトゲは、まるでハリネズミ……いや、ちがうな。ハリネズミよりずっと長いトゲの、ヤマアラシだ!<あらすじ>小学六年生のウタは父・さくちゃんと二人暮らし。ある夜、ウタはさくちゃんに愚痴を言う。「隣の席の転校生がイライラ、トゲトゲしていて、つかれる。まるでな...

  • 『モノクロの夏に替える』額賀澪

    ☆☆☆☆海の向こうでは、戦争で毎日人が死んでいる。 でも遠くない将来日本からは、戦争を経験した人がいなくなる。 まだ若い僕たちは、この事実とどう向き合えばいいのだろう。 「僕は祖父の戦争体験を捏造したことがある」 戦時中のモノクロ写真をカラーにして掲載した『時をかける色彩』という写真集が刊行された。祖父母ですら戦争を知らない二十代の書店員がそれを店頭に並べたことで、やがて世界が変わり始める。保健室登校の中...

  • 『流れる星をつかまえに』吉川トリコ

    ☆☆☆☆本作はエモい。爆エモい。うそ偽りのないエモさだ。なぜならここには、ちいさくて、だいじな、わたしたちひとりひとりのこころの断面が、みっちりと詰め込まれているから。――少年アヤ氏(「web asta*」2022年8月8日より)本作の根底にあるのは、やりたいことはやっちまえというエネルギーだ――ブレイディみかこ氏(「web asta*」2022年8月8日より)誰もとりこぼすまいとミラーボールで物語を照らす吉川トリコが、私にとってのプロム...

  • クリスマスを感じたい読書に

    クリスマス関連本メモ展示作ったりする時に、ネット上に上がっているタイトルを参考にしたりするのだけれどみんな当然だけど似たり寄ったりで「クリスマスキャロル」とか「飛ぶ教室」とか「34丁目の奇跡」とか「キャロリング」、「ネバーランド」もいいよねそれ以外に私が読んだ中でこれもだなあ、というものもあげておこう ...

  • ブックトークシナリオ 5年生 「賢治ワールド」

    5年生国語で「雪わたり」の単元があってそこで並行読書支援のための宮沢賢治のブックトークをした。子供たちが興味津々で聞いてくれる様子がうれしいシナリオ...

  • 『苦手から始める作文教室』津村記久子

    ☆☆☆+作文のテーマの立てかたや書くための準備、書き出しや見直しの方法などを紹介。その実践が自分と向き合う経験を作る。若い人に手解く、心に効く作文教室。『苦手から始める作文教室 ―文章が書けたらいいことはある?』(ちくまQブックス第2期)目次第1章 作文は何を書いたらいいのだろう?第2章 作文を書いたらいいことがある?第3章 作文はどう書いたらいいだろう?第4章 メモを取ろう第5章 書き始めてみよう第6章 伝わる文...

  • 『猫とメガネ』榎田ユウリ

    ☆☆☆+メガネ男子が共同生活!? でも〈蔦屋敷〉には秘密が――順風満帆な人生を送っていた会計士の幾ツ谷理(いくつや・さとる)は、突然、妻から離婚を切り出され、シェアハウス〈蔦屋敷〉に流れ着く。離島からやって来た純朴な弓削洋(ゆげ・ひろ)や、毒舌イケメン准教授の神嶋シズカ(かみしま・しずか)など、風変わりな住人と賑やかに暮らしながら、妻との復縁を目指す幾ツ谷だが、ある夜、神嶋の怪しい行動を目撃してしまい……。...

  • ブックトークシナリオ 幼児 『やまからもりからこんにちは」

    毎月行っている幼児へのブックトーク幼稚園と保育所とそれぞれなんだけれど今月は同じテーマで本だけ変えて行う今月は同じテーマで小学校中学年にもやったので3つこのテーマは本が山ほどあるからどうにでも作れるのがひと月にいくつものブックトークを抱える時にちょっと便利テーマはやまからもりからこんにちは...

  • 『ごはん食べにおいでよ』小手鞠るい

    ☆☆☆ようこそ、ベイカリーカフェ「りんごの木」へーー。料理用のエプロンから、接客用のTシャツに着がえて、ショーケースの前に立った。あたりには、焼き上がったばかりのパンの香りが満ち満ちている。パンの香りは、幸せの香りだ。パンの味は、元気のエッセンスだ。りんごの木の下には、味と香りの楽園がある。そんなことを思いながら、ふと、うしろをふり返ったとき、厨房のなかで一心に、じゃがいもの皮をむいている、中学生の男...

  • 『サウンド・ポスト』岩城けい

    ☆☆☆☆「トーチャン、音楽って言葉なんだ!」--英語がわからない父親と日本語がわからない娘が、オーストラリアの地でつむぎ、響きあう、言葉と音楽の物語。...

  • ブックトークシナリオ 幼児4〜6歳 「山から森からこんにちは」

    毎月行っている幼稚園児へのブックトーク。冊数は少なめ、読む所多く、でシナリオ考えます。本の文章の力に助けられるブックトークとなります。どこで止めようか、が一番考えるかな。子供たちはお話を聞いた後図書館で自由に本を選び、それがクラス文庫となります。そこから毎週お家へ貸出。お話を読んでくれるご家庭が沢山ありますようにといつも思いながら。文字がよめなくても一人であそべる絵探しやゲーム絵本が人気だけれども...

  • ブックトークシナリオ 3.4年生「山から森からこんにちは」

    全校生徒45名の小学校でブックトークを行う2学年ごと一クラスなので、低学年、中学年、高学年それぞれに、1時間の授業時間内でブックトークと学級文庫作りのための本選びの時間を組み合わせる私の担当は、中学年テーマは「山から森からこんにちは」以下シナリオ 時間は15分程度です。...

  • 『あれは閃光、ぼくらの心中』竹宮ゆゆこ

    ☆☆☆☆音大付属中学に通う嶋幸紀・15歳。ピアノ一筋の人生が暗転し、冬の夜に自転車で家出する。道に迷いヤンキーに追いかけられた先で遭遇したのは、夜空にギラギラと輝く25歳のホスト、弥勒。酔っぱらった弥勒に縋り部屋に転がり込むとそこは……。それぞれに問題を抱え行き場のない二人が織りなす胸キュン書き下ろし小説。...

  • 『目で見ることばで話をさせて』 アン・クレア・レゾット

    ☆☆☆☆わたしは物語を作るのが好き。11歳の少女メアリーは、島のだれとでも手話で話し、いきいきと暮らしています。一方馬車の事故で死んだ兄さんのことが頭を離れません。ある日傲慢な科学者に誘拐され、ことばと自由を奪われて……。手話やろう文化への扉を開く、マーサズ・ヴィンヤード島を舞台にした歴史フィクション。...

  • 中学3年生ブックトークシナリオ テーマ「変わったものあります」

    中学3年生へ25分程度のブックトークを行った。図書館が毎年行っている 「ひろがる本だな」で、多目的室にたくさんの本を並べた中、ブックトークを聞いて生徒が自由に本を選びそれが学級文庫になる、という活動だ。今年も3年生を担当して去年と同じテーマで、本を変えて行った。テーマは「変わったものあります」以下シナリオ ...

  • 『過ちの雨が止む」アレン・エスケンス

    ☆☆☆+この夏、ある男の死が、僕を本当の大人に変えた。自分と同じ名前の男の不審死を通して、青年は家族の秘密に向き合う。心ふるえるミステリ『償いの雪が降る』続編!大学を卒業し、AP通信社の記者になったジョーは、ある日、自分と同姓同名の男の不審死を知らされる。死んだ男は、名前が同じだとしか知らない実父なのかもしれない――。凶行の疑いがあるというその事件に興味を抱いて、ジョーは現場の田舎町へ向かう。多数の人々か...

  • 「水まきジイサンと図書館の王女さま」丸山正樹・作

    「デフ・ヴォイス」シリーズを楽しんだ私としては主人公の娘となった美和ちゃんの物語はよまなくちゃ、と手に取った1冊。☆☆☆『デフ・ヴォイス~法廷の手話通訳士』で話題をさらった丸山正樹氏、初めての児童書。「デフ・ヴォイス」シリーズとして、その後『慟哭は聴こえない』など続篇を刊行中。本作は、そのスピンオフ版として書かれたもので、コーダ(ろう者の両親の家庭で育った聴者の子ども)である主人公の手話通訳士の再婚相手...

  • 「その本は」又吉直樹 ヨシタケシンスケ ポプラ社

    ☆☆☆☆本の好きな王様がいました。王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。王様は二人の男を城に呼び、言いました。 「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。たいていの本は読んだつもりだ。しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を聞きたいのだ。 お前たち、世界中をまわって『めずらしい本』について知っている者を探し出し、その者から、その本についての話...

  • 『わたしは夢を見つづける』ジャクリーン・ウッドソン

    ☆☆☆明日への希望をリリカルに描く! 国際アンデルセン賞受賞作家ジャクリーン・ウッドソンの代表作であり、自伝的作品。―――言葉が意味を集め、それが思いとなって、頭の外に出て行き、文章になる。―――「言葉をつかまえたい」と願う作者が、本当に求めていたものはなんだったのか……。自分の誕生から子ども時代の思い出、文字やことばに興味をもったきっかけ、作家への夢、様々な人間模様などを、イメージに富む散文詩でリリカルに描...

  • 「両手にトカレフ」ブレディみかこ

    西加奈子氏、推薦! 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者が14歳の少女の「世界」を描く、心揺さぶる長編小説。 この物語は、かき消されてきた小さな声に力を与えている。 その声に私たちが耳を澄ますことから、全ては始まるのだ。 ――西加奈子氏 ◎ブレイディみかこ氏からのメッセージ 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』には出てこないティーンたちがいました。ノンフィクションの形では書けなかっ...

  • 再読『文学少女と死に太狩りの道化』野村美月

    天野遠子・高3、文芸部部長。自称“文学少女”。彼女は、実は物語を食べる妖怪だ。水を飲みパンを食べる代わりに、本のページを引きちぎってむしゃむしゃ食べる。でもいちばんの好物は、肉筆で書かれた物語で、彼女の後輩・井上心葉は、彼女に振り回され「おやつ」を書かされる毎日を送っていた。そんなある日、文芸部に持ち込まれた恋の相談が、思わぬ事件へと繋がって…。新味、ビター&ミステリアス・学園コメディ!中学生へのブック...

  • 『マスクと黒板』濱野京子

    ☆☆☆6月。コロナの休校開けの生徒たちを待っていたのでは、「コロナに負けるな!」のメッセージと見事な黒板アート。こんなすごい絵、誰が描いたのか? 美術部2年の立花輝も興味津々。そんななか再開した学校は、今までと何もかも違う。みんなマスクをつけ、ソーシャルディスタンスに気をつける毎日。文化祭も運動会もなくなるらしい。なんとなく味気ない日々を送るうち、輝は新しいクラスメイトの貴理・絵実・堅人らとあるイベントを...

  • 「笹森くんのスカート」神戸遥真

    ☆☆☆+ーーー我が校では、今年度からジェンダーフリー制服を導入しまして……。笹森くんは制服にスカートを選んだ、ということ? 笹森くんのすらりとした引きしまった長い脚が、今日はまた一段と際立っていた。笹森くんが、ひだの均等なスカートを穿いていたから。教室の入り口でそれに気が付いたぼくは、ゆっくりと二度瞬きした。・・・篠原智也夏休みあけ、いきなりスカートで登校をはじめた笹森くんをめぐる4人の物語。『恋とポテト...

  • 『君の名前の横顔』川野裕

    ☆☆☆夫を亡くし、小学生の息子・冬明を一人で育てるシングルマザーの愛。父親の死後、義母の愛と弟の冬明を見守りながらも、家族という関係に違和感を持つ大学生の楓。 「世界の一部を盗む」想像上の怪物・ジャバウォックを怖れ、学校に行きたがらない冬明に二人は寄り添おうとするが、「紫色の絵具がなくなったんだ。ジャバウォックが盗っちゃったんだよ」と冬明が告げた日から、現実が変容していく。 ジャバウォックの真実を知...

  • 『ラブ下は静かに弓を持つ』安壇美緒

    ☆☆☆☆少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇。以来、深海の悪夢に苦しみながら生きてきた橘樹(たちばな・いつき)は、ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉桜太郎のもとに通い始める。師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が刻々と迫り……『金木犀...

  • ブックトークシナリオ 2年生「のぞいてみたら」

    小学2年生を対象に、15分程度のブックトークシナリオです。テーマは「のぞいてみたら」...

  • 『パンに書かれた言葉』朽木祥

    ☆☆☆☆ヒロシマとイタリアをつなぐの旅 わたしには名前が三つある。光・S・エレオノーラ。エレオノーラは、イタリア語で光という意味。Sは何かって? ちょっと大げさな名前だからないしょにしてる。2011年震災後、少女エリーは親戚のいるイタリアに少しの間避難する。おいしいものと温かい人たちに迎えられ人心地つくが、思いもよらない歴史に触れ、エリーの名前のSに込められた本当の意味を知ることになる。戦争を乗り越えて生きてき...

  • 『ウェルカム・ホーム!」丸山正樹

    ☆☆☆☆介護される人は、どんな世界を生きているのだろう特養老人ホームの日常にあふれる謎。それは人生の軌跡につながっていた――『ワンダフル・ライフ』で「読書メーター OF THE YEAR 2021」総合第1位。重度障害者の妻と約30年寄り添う著者が紡ぐ、渾身の連作短編集。笑ったのち、7回泣けます。〈あらすじ〉大森康介は新米介護士。特別養護老人ホーム「まほろば園」で働き始めたものの、便臭にはまだ慣れることができない。しかも認...

  • 『N/Aエヌエー』年森瑛

    ☆☆☆+選考会で異例の満場一致! 第127回文學界新人賞受賞作松井まどか、高校2年生。うみちゃんと付き合って3か月。体重計の目盛りはしばらく、40を超えていない。――「かけがえのない他人」はまだ、見つからない。優しさと気遣いの定型句に苛立ち、肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。★★★文學界新人賞・全選考委員激賞!!ここには誰のおすみつきももらえない、肉体から絞り出した言葉の生々しい手触りがあ...

  • 『ルームメイトと謎解きを』楠谷佑

    ☆☆☆全寮制男子校である霧森学院の旧寮「あすなろ館」は、昨年起きた“ある事件”のせいでほとんどの生徒が新寮に移ってしまい、今はたった6人の生徒しか入居していない。 そのうちの一人・兎川雛太の部屋に新たな入居者がやってきた。転校生の鷹宮絵愛。頭脳明晰だが動物にしか心を開かない変人だ。 ある日、校内で生徒会長の湖城龍一郎が何者かに殺害される。現場の状況から犯行が可能なのはあすなろ館の住人だけだった――。...

  • 『化物園』恒川光太郎

    ☆☆☆「人間はおもしろい。だが、飼ってはならぬ」スリルに憑かれ空き巣を繰り返す羽矢子。だが侵入した家の猫に引っかかれ、逃げた先で奇妙な老人に出会い……「猫どろぼう猫」自尊心が高く現実に向き合えない王司。金目的で父の死を隠蔽した後、家にやってきたのは……「窮鼠の旅」〈お手伝いさん〉として田舎の館に住み込むことになった、たえ。そこでの生活は優雅だが、どこか淫靡で……「風のない夕暮れ、狐たちと」その他「十字路の...

  • 『奇跡集』小野寺史宣

    同じ電車の同じ車両に、たまたま乗り合わせた見しらぬ男女たちがつなぐ、幸せのふしぎスイッチ。第一話「青戸条哉(あおと・じょうや)の奇跡 竜を放つ」ーー満員の朝の快速電車。ぼくは過去最凶の腹痛に耐えていた。もうダメだと思い、その場にしゃがもうとした瞬間、隣に立つ同い年くらいの女性が、ぼくよりもわずかに早く、しゃがみこんだ。第二話「大野柑奈(おおの・かんな)の奇跡 情を放つ」ーー大学時代、わたしは小劇団にのめ...

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