1998年に鮮烈なデビューを果たした兄堀込高樹と弟泰行によるデュオ・ユニット「キリンジ」が活動停止、2014年にメンバーを一新し新たな旅立ちを告げた一枚がこの『11』である。キリンジ」から「KIRINJI」ヘと名称を変えながらも、アルバム・タイトルは従来からの継承を示す
あるミュージシャンが自分のリスペクトするミュージシャンの楽曲をカバーすることは、よくあることだ。近年では、アルバム丸ごと他人の楽曲をカバーするというのも珍しくない。一方で、あるミュージシャンの楽曲を多数のミュージシャンがカバーするトリビュート・アルバムと
彼が活躍していた70年代には、その存在は知っていたものの、特に音楽に接することはなかった。イメージとしてはウエストコーストサウンドの人、ジャクソンブラウンの弟的存在くらいの感じだったろうか。大学のクラブの部室に後輩がこのアルバムを持ち込んでレコードかけてい
1970年代に活躍した日本のロックバンド葡萄畑は、10ccやスパークスの類似性がよく語られるが、楽曲を聴いた印象として一番近しいのは、同時代バンドでありかつ今も現役バンドとして活躍するムーンライダーズ鈴木慶一の『火の玉ボーイ』だ。このセカンドアルバム『SlowMotion
カーネーション『Suburban Baroque』(2017)
最新作を現在レコーディング中であるとも聞くが、カーネーションの最新アルバムにして最高傑作アルバム。「カーネーション」、「ムーンライダーズ」、「キリンジ」の3バンドが私の好きなジャパニーズ・バンドだが、それぞれ個性が際立っているところがどれか一つに縛れない
何を今更ながらという感じではあるのだが、実際のところ今まで聴いていなかったのだから仕方がない、というか後悔しきりである、ママレイド・ラグ。なんで聴いてなかったんだろう!名前は知っていたのだが、実際に耳にする機会もなく、最近、ディスクユニオンでこの1stを発
最近気に入っている若いミュージシャンの筆頭がスカートだ。世代的には息子世代と言えるが、妙に70年代ミュージック・ポップな香りを放っている。しかしノスタルジーではなく、きちんと今の音を身に身に纏っているところが素晴らしい。中学校時代に母親から「これを聞きな
1977年作、ツトム・ヤマシタの『GO TOO』である。発表された当時のアルバムジャケットは、ヌードになった男女の肉体に「GO」のロゴマークがペイントされたもので、なかなかクールなデザインだったのだが、その後の再発では湖畔に浮かぶ和船と葦というけっこうジャパニーズな
1959年生まれのミュージシャン同士が2013年の54歳に初めて邂逅、意気投合して作成したのが、このアルバム、ソギー・チェリオス『1959』である。初めてと言っても、ワールドスタンダードの鈴木惣一朗と、カーネーションの直江政広という二人だ。片や鈴木は細野晴臣のワール
またまた久しぶりのブログ投稿である。 さあ、久しぶりに何のアルバムを紹介しようかと思って、真っ先に思い浮かんだのがこの「森は生きている」の1stである。 もう何年前になるだろうか。東京駅前の丸善書店でこのアルバムが流れていて、なかなかいいなと思い、そのご
わが敬愛する空気公団が7月に発売した最新シングル。フジテレビ放映のアニメ「青い花」のオープニング主題歌を含む4曲が入っている。まずなんと言っても1曲目の「青い花」が素敵だ。昔ほどのヒネリは無い。シンプルなピアノのコードに加えて、ギター、ベース、ドラムがかぶ
フリッパーズ・ギターには痺れたものの、それ以降の小沢健二と小山田圭吾には、さほど関心があったわけではない。小山田圭吾の音楽的才能、ポップ表現力には舌を巻いたが、さりとて自分自身には無くてはならない音楽世界ではなかったし、小沢健二に至っては、テレビでスチ
ユスフこと、キャット・スティーヴンスのミュージック・ビジネス界復帰第2作。前作は28年のブランクもあり、習作的な作品も見受けられたが、本作はトータル・アルバムとして極めて完成度の高い作品となった。かつてのキャット・スティーブンス時代の匂いを残しつつ、全体と
「はっぴいえんど」ゆずりの日本的叙情と、イーグルス的西海岸ロックのカラッとしたさわやかさを併せ持つユニークで特異な存在。それがセンチメンタル・シティ・ロマンスのイメージだ。70年代半ばは、日本でもロックが徐々に市民権を得てきた時代。そこに大手レーベルのCBS
ガロ『GOLDEN☆BEST/GARO アンソロジー 1971~1977 』
オリジナル・アルバムを紹介するのが本ブログの基本ポリシーだが、ガロに関しては、オリジナル盤CDはすでに絶盤。仕方なくベスト盤を紹介する次第である。ガロは、本来「日本のソフト・ロック」の草分けとして紹介すべきバンドだ。残念ながら、一般的には「学生街の喫茶店
キリンジ『ペイパードライヴァーズミュージック』(1998年)
「上質な日本のポップ・ミュージック」。キリンジの音楽を表現する一言として、これ以外の言葉は見つからない。1970年代から芽生えた日本のシティ・ポップスの流れ。ティン・パン・アレイや山下達郎、吉田美奈子、その他数多くのミュージシャンの成し遂げてきた日本語ポッ
90年代以降のオルタナティヴ・ミュージックはよく知らない。同時代的に聞いた事も無いのでシンパシーもいまひとつなのだが、ベック、ブラーあたりは、なんとなく気になる存在ではあった。最初に聴いた彼のアルバムは「Mutations」。正直いまひとつピンとくる感じではなかった
山下達郎 『TATSURO from NIAGARA』(2009年)
山下達郎(+シュガー・ベイブ)のナイアガラ・レーベル所属時代(1974年~1976年)の楽曲を集めた一枚。1980年にアナログ盤が出たが、これは当時発売権をもっていたコロンビアサイドの一方的なリリースによるもので、大滝、山下公認アルバムとしてはこれが正式盤となる。
スクリッティ・ポリッティ『ホワイト・ブレッド・ブラック・ビア』(2006年)
1980年代のニューアカ・ブーム華やかし折、雑誌で目にした「スクリッティ・ポリッティ」のニューアルバム『キューピット&サイケ85』の宣伝コピーの中にフランスの現代思想哲学家デリダの名前が載っていたのが、スクリッティ・ポリッティに興味を持った最初のキッカケだっ
ティム・ワイノー+西村哲也『ウォーターメロン砦』(2005年)
西村哲也の存在を知ったのは、たしか数年前に渋谷ロフトで行われたメトロトロン・レーベル結成30周年ライブで再結成されたグランド・ファーザーズのステージだ。このライブで僕は、本当に遅ればせながらグランド・ファーザーズの音楽にようやく触れ、もう解散してしまった
個人的には今一番深々と嵌ってしまいている音楽集団である。長年音楽ファンを続けていて、こんな音楽に巡りあえた時、「ホントに音楽聞き続けてて良かったなあ!」思う。久々にそう思わせてくれた、そんな存在である。「空気公団」。聞くと、もう10年以上活動しているバン
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