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  • オヤジのあくび669

    高田康成「キケロ」を読む 「ローマの雄弁の最高の父」であり、同時に「軽佻浮薄な不幸な老人」でもある。いったいこの真反対な言われようから人々は、どのようなキケロ像を描けばよいのだろう。 まずは雄弁家としてのキケロ。スッラから逃れるようにギリシアへ留学に向かった20代の頃。その頃の彼は胃弱で痩せており、スピーチは粗く柔らかさに欠けており、激しい熱のこもった話し方になると調子が高くなり、周りがハラハラする程だったという。発声法が身についていなかったのだ。これは現代の日本の政治家にも言いたい。まずは基礎的な発声技術を身につけてほしい。 彼は「発想論」の始めでこのように書く。「雄弁なき英知は国政に有益で…

  • オヤジのあくび668

    橋場弦「古代ギリシアの民主政」を読む3 アテナイを細かく分割された単位が区。この区に区民会という会議があり、国家レベルで論じられる軍事・外交以外の生活上のほとんどの問題が論じられていました。国との関係は大きな歯車と小さな歯車の組み合わせで考えるとわかりやすいと筆者は言います。 中央集権制で国に決めたことがトップダウンで地方から各地域へと指示されている現代の国家とかなり様相が違います。 無頭性。リーダー・代表を置かずに「順ぐりに支配し、支配される」関係。市民一人一人が武装し、警備が必要な場面は異民族の国有奴隷である弓兵が担う。 ソクラテスは「国家の歳出歳入額、陸海軍の現有兵力、鉱山の採掘高、穀物…

  • オヤジのあくび667

    橋場弦「古代ギリシアの民主政」を読む2 陶片追放によって国外へ追放された人は13人。従来は僭主の出現を防ぐためと言われてきたが、本書では有力貴族同士の破滅的な対立を防ぐためという説を掲げています。なお国外追放は永久ではなく、再び戻ることができました。 また陶片に名前を書くためには、文字を書けることが前提だと感じますが、たぶん大部分の人は代筆を依頼していました。当時のアテナイの識字率は15%程度。公教育制度がまだ整っていない時代の話なのです。 さてアテナイは、程なくして厳しい状況に追い込まれます。そしてその引き金となったのは27年も続いたスパルタ・シラクサとのペロポネソス戦争でした。当初籠城のた…

  • オヤジのあくび666

    橋場弦「古代ギリシアの民主政」を読む1 始めに、成文法を定めて公正な裁判が可能になったクレタ島や声の大きさが採決に影響した(=ヤジ?)民主政とは言い難いスパルタの例が語られる。一つの制度を定めるとそこに安住し硬直化してしまうのは、現代もまったく同じであり、永久革命としての民主主義を掲げた丸山眞男の言葉が蘇ってくる。 その中でやはり語られるのが、アテナイの民主政です。アテナイそのものは他のポリスよりもかなり大きく日本で言えば神奈川県程度の面積があったと言います。政治に携わる者をアルコンと呼ぶのですが、互いの名誉欲や権益欲が絡んでなかなか決まらない。不在の状態は今のアナーキーの語源になっています。…

  • オヤジのあくび665

    ハイディ・グラント・ハルパーソン 児島修訳「やってのける」を読む 序章でラディッシュを使った実験で我慢を強いられ、苦いラディッシュを食べさせられた被験者は、自制心を消耗していたという記述が出てきます。ストレスが多い環境に居続けると人は自制心を消耗してしまう。これはさまざまなトラブルを引き起こしている環境がかなりストレスに満ちていることからも類推できます。けれど筆者は自制心は鍛えることができると言います。例えば、エクササイズをする、家計簿をつける、食事の内容を記録するなどの「鍛錬」が自制心を鍛えることに繋がると言います。 目標設定ついては、長短比較が有効。目標を達成した時に得られるもの(長)と、…

  • オヤジのあくび664

    大塚ひかり「くそじじいとくそばばあの日本史」を読む この本で取り上げられている人々は、ご長寿です。ほとんど神話の世界の住人はともかくとして、意外なほど昔の平均年齢が高かったことに驚いてしまう。現在定年を70歳に引き上げようという論議が出ているけれど、律令国家の官僚も定年は70歳だったのだ。それまで勤め上げた人が大勢いたのでしょう。 老いて歯止めが効かなくなった例として、朝鮮出兵を強行した豊臣秀吉が登場しますし、もはや性欲の塊と化した一休禅師などが登場します。 実はボクの親族が役所で総合案内をしているのですが、毎日高齢者が大勢訪れてくるらしい。なかなか個性的な方々が多いらしい。高齢者でちょいと扱…

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