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竜の魔導師 http://octpus.seesaa.net/

松本龍樹のファンタジー小説。 ドラゴンのパワーを操る魔導師の話しです。

大作になるよか〜んw

龍樹
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須賀川市
出身
須賀川市
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2008/03/25

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  • ~6~

    テソンの村で唯一の宿に入ると、威勢の良い怒鳴り声が響いていた。 「こんな宿の収入なんかあてにしてないで、狩りにでも行って稼いできな。宿の事はアタシがやっておくよ。」 言われた男が渋々と裏口から出て行く。 「あら、いらっしゃい。三名様。お泊りですか、お食事ですか。」 怒鳴り声の威勢はそのままで話しかけてきた。話しかけてきた女性は、小さな体だが圧倒されるほどの勢いだった。 「一晩泊まりたいのですが、部屋は空いていますか。」 「ええ。大丈夫ですよ。ちょっと部屋を用意してきますから、椅子にかけてお待ちください。あ、アタシはね、ここの女将でメウムってんだ。よろしくね。」 ターネの言..

  • ~5~

    シリアで一泊した三人は、エルフとフェアリーの森に向かった。 雲が空を覆い、小雨が降る中での出発となった。 「これから狩人の村、テソンに向かいます。そこから、北の荒地か中央の森を通ってエルフの森に向かうのですが、北の荒地はフェンリルの縄張りですから、中央の森を通るのが良いでしょう。それで良いですか。」 案内役であるターネの問い掛けにジークが頷く。 「わざわざ危ねぇフェンリルの縄張り通る必要も無ぇよなあ、カイン。」 「中央の森だと、昨日のヴァンパイアが待ち伏せしている可能性もありますけどね。」 カインの言葉にジークが反応する。 「次は絶対に斬ってやるよ。」 ジークにとって..

  • ~4~

    突然、先頭を行くターネの馬の首が切り落とされた。夕暮れが迫り、辺りは薄暗くなっていた。この森を抜ければシリアの町はもうすぐだった。 「ヴァンパイアです。気をつけて。」 カインが叫ぶ。 ターネは崩れ落ちる馬から飛び降り、剣と盾を構えていた。ジークは馬上で剣を握り締め、真剣な表情でヴァンパイアを探す。 カインが呪文を唱える。三人の体が白く光り、次に赤く光った。守護魔法と力の魔法だった。 ジークが馬を降りると、今度はジークの馬が倒れた。 カインがヴァンパイアの姿を捉える。魔法。カインがスタッフを振りかざすと、ヴァンパイアが姿を現した。 ジークが地面を蹴り、間合いを詰める。..

  • ~3~

    インフィニアの港に、カインとジークを待つヘルハウンドの姿があった。 ヘルハウンドは地獄の番犬とも呼ばれる闇の者で、通常は群れを作って行動するが、使い魔として、単独で行動することもある。 ヘルハウンドはこの数日間、人目につかない場所を移動しながら港の見張りを続けていた。ヘルハウンドの見た物は遠く離れた主人にも伝わっていた。 カインとジークがインフィニアの港に現れたのは、見張りを始めてから四日目の朝だった。港を出た時と同じく、ターネがカインとジークの案内役として同行するようだった。 ターネが馬を連れてくると、それぞれ馬に跨り西へと馬を走らせる。 「シリアか。」 ヘルハウンド..

  • ~2~

    賢者ウォールに呼ばれたのは、次の日の昼過ぎだった。賢者の塔の広間で座っている賢者ウォールの前で、カインとジークが跪く。 畏まって跪く二人の姿を見て、ウォールが微笑む。二人とも孫弟子のようなものである。二人の成長した姿はウォールにとっても嬉しいものだった。 「二人とも、立派になりましたね。」 ウォールの言葉に、カインとジークは頭を下げた。 「試練の説明をする前に、地下室を見せてあげましょう。」 ウォールは立ち上がり、奥のドアへと向かった。カインとジークがそれに続く。 ドアを開けると、目の前には二階へと続く階段があった。地下への階段は、二階へ上る階段の奥にあり、入り口のドアに..

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