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テソンの村で唯一の宿に入ると、威勢の良い怒鳴り声が響いていた。 「こんな宿の収入なんかあてにしてないで、狩りにでも行って稼いできな。宿の事はアタシがやっておくよ。」 言われた男が渋々と裏口から出て行く。 「あら、いらっしゃい。三名様。お泊りですか、お食事ですか。」 怒鳴り声の威勢はそのままで話しかけてきた。話しかけてきた女性は、小さな体だが圧倒されるほどの勢いだった。 「一晩泊まりたいのですが、部屋は空いていますか。」 「ええ。大丈夫ですよ。ちょっと部屋を用意してきますから、椅子にかけてお待ちください。あ、アタシはね、ここの女将でメウムってんだ。よろしくね。」 ターネの言..
2008/04/30 08:50