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竜の魔導師 http://octpus.seesaa.net/

松本龍樹のファンタジー小説。 ドラゴンのパワーを操る魔導師の話しです。

大作になるよか〜んw

龍樹
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須賀川市
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2008/03/25

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  • 第二章 賢者の試練 ~1~

    賢者の塔には、四人の賢者が住んでいる。 賢者には深き谷の結界を管理するという、大陸にとって重要な使命がある。その結界に出向くことも多く、賢者の塔とはいえ、なかなか四人が揃うことはない。 賢者の重要な役割は、結界の管理のほかにウィザードの相談役として、闇の者に対抗できるウィザードの育成があった。賢者の塔を囲むように建っている建物には、常時二十人程のウィザードが修行のために滞在している。 賢者の塔を見上げるカインとジークから、緊張が伝わってくる。ターネはしばらくの間、二人の様子を見てから重い扉を開いた。何時までも賢者の塔を見上げていそうな二人に、賢者の塔に入るよう合図した。 賢者..

  • 竜の魔導師 第一章 賢者の島へ

    『竜の魔導師』 第一章 賢者の島へ 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 ブログランキングに参加しました。 応援クリックしていただけたら幸いです。 ↓ ↓ ↓

  • ~7~

    カズンの港を出た船は、六日目の朝、インフィニアの港に着いた。カインとジークは慣れない船旅の疲れを露にしていた。天候が悪く、海が荒れ、予定よりも二日も到着が遅れたのだ。無理もない。 船旅に慣れているターネは、少し休んでいてくださいとの言葉を残してどこかへ消えていた。 カインは港の階段に座り込んでいた。揺れているはずのない地面が揺れているような感覚がなかなか消えない。目を閉じると余計酷く感じる。それはジークも同じだった。 インフィニアはロンディール大陸の北西に位置し、水竜の神殿がある町として古くから栄えている港町だった。賢者の島は、インフィニアの港から北に半日ほどの距離にある。三日に..

  • ~6~

    ジークを先頭に、さらに森の奥へと進んでいった。 「それほど多くの気配は感じないな。あと三匹ってところか。」 ジークの言葉にカインは頷いた。 「僕も三匹の気配しか感じない。もう少し先だね。」 三人は慎重に歩を進めた。行く手に一際大きな木が立っている。ハーピーの気配はそこから感じる。 ジークは剣を抜き、木に近付いた。二匹のハーピーが木の上から、鋭い爪で襲い掛かってきた。一匹の攻撃を盾で受け止め、もう一匹の攻撃は体を捻ってかわした。ハーピーが飛び上がる瞬間、剣を突いた。届かなかった。 二匹のハーピーは同時に襲い掛かってくる。一方を盾で受けながら、もう一匹を攻撃するしかない。二度..

  • ~5~

    カインとジークが宿に戻ると、一階の酒場でターネが酒を飲んでいた。 「ターネさん、港で闇の者を見つけました。やはり、ハーピーですね。」 カインの言葉に、ターネの酒を飲んでいた手が止まった。 「私も色々と話を聞いてきました。この十日間で二人ほど、攫われているようです。」 「ハーピーは港から北に向かって飛んで行きましたから、明日、私とジークで調べてみたいと思います。」 「それなら私もお供します。いくらかハーピー討伐の経験はありますからね。」 ハーピーの群れに襲われた時、カインとジークだけでは荷が重かったので、ターネの申し出は有り難かった。カインとジークは顔を見合わせ頷いた。 「是..

  • ~4~

    薄暗くなった大通りは、荷物を運ぶ馬車の姿が少なくなり、仕事を終えた商人が酒や食事を求めている姿が目に付いた。 大通りの街並みはそのまま港へと続いている。北に行くとカズンで一番大きな港があり、南に向かうと首都ガザルへの街道となる。カインとジークは闇の者の気配を探しながら港へ向かった。時折吹く港からの風が、爽やかな涼しさを運んでくれた。 港に着くまでの間、闇の者の気配は感じられなかった。二人の感覚は鋭く、時には師匠であるファリア導師やデインよりも早く闇の者を感じることさえあった。その二人が気配を感じずにいたのだ。今は近くには居ないということだろう。 二人が港に着いた頃には、船の監視所..

  • ~3~

    夕暮れ時でもカズンの港町は騒々しいくらい賑わっている。荷物を運ぶ馬車が行き交う町の大通りを横切り、三人は宿に入っていった。 宿に入ると、一回は広い酒場になっていた。酒場には客が二組ほど入っていた。この宿も他の宿と同じように一階が酒場で、二階と三階が宿になっている。 ターネは、一階の奥で店員に名を告げ、部屋の鍵を受け取った。酒場の右奥の階段を上がり、部屋に入った。大き目の部屋にベッドが四つ。テーブルが真ん中に置かれ、窓からは大通りの様子を見ることが出来る。 「ここに二晩泊まります。お二人は夕食まで、町の様子でも見てきてください。私は港で闇の者の情報収集と、船の様子を見てきます。」 ..

  • ~2~

    カインは選ばれし者として、賢者の試練を受ける為に、賢者の島へ向かう途中であった。選ばれし者は、賢者の試練を受けなければ竜の魔導師にはなれない。その試練は同時に、ジークが魔導師の騎士となるための試練でもあった。 大陸には大竜が四匹住み、それぞれに竜の魔導師がいた。竜の魔導師は、竜の強大な力をその身に宿し、強力な魔法によって闇の者と戦うウィザードである。選ばれし者は、生まれながらにして竜の魔導師となる力を持っているが、竜の魔導師の下、修行によって身も心も鍛え上げ、竜の魔導師となることができる。 カインは五歳の時から、風竜の魔導師ファリアの下で、ウィザードとしての修行を始めた。選ばれし者の..

  • 第一章 賢者の島へ ~1~

    夕暮れの日差しを背に受けて、二人の男の影が港町カズンへと入っていく。 一人は新しい紺のローブに身を包み、もう一人は白を基調とした鎧を身に着けていた。ローブの男は選ばれし者、カイン。鎧の男はカインの守護を務める騎士、ジークであった。二人は薄暗くなった街道を、無言で歩を進めた。 カズンは首都ガザルの隣に位置し、ガザルに次いで栄えている町であった。二人にとって、カズンは生まれ故郷であっが、カズンの記憶は殆どない。幼い頃にファリア導師に引き取られ、魔導師の神殿で育ったからだ。 カインとジークはカズンの南宿場街で宿をとり、食事の前に宿場の様子を見てまわった。カズンの南宿場街は近年栄え始めた..

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