(な……がい) 一分? 二分? いや、もっとか? それくらい永くくちづけたままのふたりに、俺はチャーハンを掬ったレンゲを持ったまま固まってしまっていた。 目が離れない。他人のキスをこんなに間近で見たことがない俺はいろんな意味で目が釘づけになっていて、口端から呑みこみきれなかった唾液が流れ落ち、あごから首筋を伝って秀樹のTシャツの襟首に吸いこまれていくのをゴクリと喉を鳴らして見守っていた。「っんふぅぁ...
それは、俺だって知っている。向こうでしばらくは秀樹が飯を作りに来てくれていたから。態々俺が恋しいだろうからって啓史さんにレシピを聞いてくれたみたいだし。「それで? 怪我の方はもう大丈夫なのか?」「あ、はい。その節は、いろいろとご心配をおかけしてしまって……、すみませんでしたッ」 謝罪のことばを勢いよく言うと、その勢いのままに割った足のあいだにあたまを突っこんでさげた。「それと、ありがとうございまし...
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